2話 八重桜
「ねえ、美鳥ちゃんて好きな人居るの?」
「...急にどうしたの?」
「いやぁ、最近美鳥ちゃんずっと御厨くんのこと見てるからさ。」
「いや、別に...」
「あはは。まあ頑張って頑張って」
「んー」
...こんなに授業に集中出来なかったのもひさしぶりだ。何でまたさくらちゃんはあんな朝から。ああ、御厨くんが当てられた。何度もつっかえながら問題文を読んでいく。下手だな。でもカミカミなところも誠に似ている。シャーペンで肩をたたかれる感触を感じて振り替えるとさくらがにこにこ笑っていた。やっと気がついた。何でいままで。
その日さくらは用事があると言って先に帰った。久々に一人で帰る。私は裏切り者なのかな。だから最近、わたしにしては張り切って通学していたのか...改札をくぐる。階段を上がる。そこには御厨くんがいた。本能的に話しかけてみた。
「御厨くん」
「ああ咲湯波さん」
「どっちの電車に乗るの?」
「47分の方。」
「じゃあ、一緒にかえっていい?」
「別に、構わないけど。」
「ありがとう。」
思い出した。そこには、御厨くんの隣には、暖かさがあった。懐かしい感触。彼は、私より三つ手前の駅で降りていった。私は家に帰ってからしばらく、懐かしい余韻に浸っていた。でもそれはわずかな間だった。そのうちに自責の念が押し寄せてきた。私は、私は何をして居るのだろうか。二股とはこの事を言うんじゃないか。誠くんごめんなさい。
次の日、御厨くんに声をかけられた。
「今日も一緒にかえっていいかい?」
「えっと、いいよ。」
「ありがとう。じゃあ、校門の前で待ってるよ。」
「うん」
何をして居るのだろうか。昨日私は何を悔やんだのだろうか。でも、喜んでいる自分がそこにいた。それは否めて事実だ。懐かしい嬉しさ。私は誘惑に負けた。その日は一緒に帰った。次の日も、その次の日も。時々罪悪感が顔を出す。でもそれは、満足感にもぐらたたきのようにされる。私は寂しかった。多分、私は少しおかしかったのだろう。私は溺れていた。偽物でもいい。満たされたかったのだ。きずかぬうちに私は御厨くんいや、誠のドッペルゲンガーに恋をしていた。浮気の文字が頭に浮かんで来る。でも御厨くんは誠なんだと、無理のある理屈で自分を納得させた。今日も私たちは一緒に帰った。恋の花は八重桜のように二重に咲いていた。
ストックが底をつきかけております(*_*)頑張ります。
というわけで次回は本日2020,5,18,PM9時に投稿します!美鳥と御厨くんの運命やいかに!お楽しみに~
wacca




