プロローグ
ちょいエッチのつもりが大分エロいかも
彼女の桃色の唇がゆっくりと僕の額に口づけしていく。彼女の唇はあたたかく湿り気をもって額に吸い着いてきた。
くすぐられるような感覚が額から下半身まで這いずった。
彼女はそのままの体制でいるが、頬に触れる髪が呼吸に合わせて愛撫を繰り返し、鼻腔から切なく流れだす吐息が僕の理性を挟み込む。
緩慢な動作で上体を起こした彼女はつむっていた瞳を開く。僕は真紅の瞳をみて極上と言われた甘味なワインを思い出していた。
僕の胸は甲冑も鎖帷子も剥がされ露わになっている。
その胸を両の掌で撫で回され、暖かく柔らかな感触が突起を何度も擦り上げた。
「ぁう……」
思わず声が出そうになるが、うまく出せずに震えることしかできない。
撫で回していた手が止まると、額の時と同じ動作で胸へと唇が近づいてくる。
しかし、あと僅かで止まると、彼女は顔を上げ、舌を出して微笑んだ。
不満の感情がもたげるが束の間、彼女は僕の胸板をナメあげた。
「んふッ! …むぅッ!!」
変な声がでたがその唇を彼女の唇が覆い尽くし、そのまま彼女の舌が僕の口の中で暴れまわった。
舌の味、と言うのも変だが。ざらついた舌は鉄に近いような味がし、奥へと押し入ってくる。そして舌の粘膜を奪う様に絡まってきた。
恍惚の中で舌の裏をされるのがいいな、とぼんやり思うと、攻め場所が舌の裏へと変った。なぜ分かるのか。
僕は完全にキスの虜になっていた。暫くして解放されると彼女は呟いた。
「私のこと覚えてる?」
「ふぇ…?」
彼女の細い指が僕の唇を撫でていた。