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一章 二話
一章 三節
私は早朝の街道を歩く。
酷く腹立たしい気持ちが収まらず、自然と足が速くなる。
「…チッ」
舌打ちが漏れる。やはり私は集団組織に属すのが難しいらしい。
「あンのクソジジイ共、いつか絶対に引き摺り下ろしてやる」
そう呟きながら、私は人避けの結界と認識阻害の魔法を自らに施す。
これからの時間、街道はどんどん人で溢れかえるのだ。人避け対策を打たないとまともに歩けやしない。
協会の上層部に腹は立つが、仕事はキッチリこなさねばならない。これでも分別は付いているつもりである。
「アイツらと合流する前に、朝飯とシャワー浴びる時間あっかな…」
分別は付いているつもりである。
他ごとを考えることで多少怒りが治った私は、それでも歩くスピードを緩めないまま深い朝霧の立ち込める街を進んで行く。
(ああ、帰って寝たい…)
…分別は付いているつもりである。
書き溜めてる分(量はちょっとだけですが)を出すのは早いと思います。




