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遥か高みへ至る者  作者: 英明孔平
第一章 
5/59

幕間

 自分は今、物陰に隠れている。

 物陰からそっと頭を出すと、自分と同じくらいの少年と、大きなバットを持った男の人が向かい合っている。

 

「おい! あいつから奪ったものを返せよ!」


 男の人に怒鳴り込んでいるのは、まだ小学校低学年頃の少年だ。

 少年は自分より明らかに大きい男を見上げながら叫ぶ。


「はあ? あいつって誰だよ」

「とぼけんな!」


 男は少年のをイラついた目で睨みながら、下げている視線をさらに下げる。


「はっ震えてんじゃねぇか。無理すんなよ」

「ふっ震えてなんかねぇ!」


 少年は震えている脚を叩くが、震えは止まるどころかさらに酷くなる。

 

「お前があいつから盗ったものはな、あいつの大事なものなんだ!だから俺が取り戻すんだよ!」


 男の人は何が何だかわからない、といった顔をしていたが、やがて思いついたように笑う。


「なるほど、あのガキの友達か。それだったらここにあるぜ」


 男の人は、ポッケから腕時計を取り出して言った。

 物陰に隠れている少年は、男の人が持っている腕時計に目が行く。


「やっぱり持っているじゃんか!!」


 腕時計に反応しているのは、物陰にいる少年だけではなく、向かい合っている少年も同じのようだ。

 男の人は、ニヤリと笑うと、腕時計を握り占めると地面にたたき落とす。


 二人の少年は怒り、驚愕の表情を、それぞれ表す。


「てめぇ!!」


 向かい合っている少年は怒りを露わにし、自分よりも遥かに大きい相手に飛びかかっていった。


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