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魔族の掟  作者: ベイカーベイカー
第五章 魔族戦乱
93/122

第七十六話 “砂漠の魔女”

セテア城。

城主の部屋では、無気力に時を過ごす城主と、一人の客人が居た。



「ねぇ、君はどうしてそんなに無気力なんだい?」

『悪魔』は少女に問う。


「何も意味が無いから。」

「なるほど。意味が無いと来たか。随分悲観的な言葉が出たな。」

少女の言葉に何を感じ取ったのか、彼は可笑しそうに笑った。



「君の前世は相当のやり手だったようじゃないか。

執事の彼から色々と聞いたよ。色々な魔族から慕われてたって話だけれど。」

「全部、私じゃない。前世と今生を一緒にして貰っては困る。」

「そりゃあそうだよね。それは僕も同感だ。

あの執事はその点、少々女々しすぎる。死者と折り合いが付けれない奴ほど虚しい者は居ないよね。」

じゃあ、と彼は次の質問をぶつけた。



「前世は前世だ。それは確かだろう。

では、なんで今の君は何も感じようとしないんだい? 今生は今生なりの生き方ってもんがあるだろう?

君に前世の記憶は無いと聞いた。だから君を前世と一緒にされるのは困るだろう。

でもただの一度もこの城から出たことの無い君は、この世を悲観する理由が無い筈だ。」

ぴくり、と少女の肩が震えたことを彼は見逃さなかった。


「ふーん、本当は覚えているんだね。前世の事。

まあ、ありがちな話だ。そう言う人間は探せばいるだろうし、それほど珍しいことでもない。

でも丸々前世の記憶を保持していることは非常に珍しい。断片的で、極めて印象的なことが多いそうだ。

君に無気力と言う価値観を与えるほどの記憶って、それってやっぱり―――」

「やめてッ」

初めて、少女が悲鳴じみた叫びを上げた。



「君の気持ちは分かるよぉー。斯く言う僕も昔“悪魔殺し”の魔剣デーモンスレイヤーを喰らったことがあってね。

それこそ魂がバラバラに引き裂かれるような痛みだ。一生のトラウマになるのも分かる分かる。

そしてそれが死ぬ間際だと言うのなら尚更だ。」

「いやッ、やめてッ!! いやぁ・・・。」

彼の言葉が毒のように染み渡り、ベッドの上でじたばたと暴れる少女の姿は陸に打ち上げられた魚のようであった。


「特にリリスの持つ“吸血鬼殺し”の魔剣は、全身の血が体内で気化して発散させる代物だ。

ねぇ、もしかして君は自分が木っ端微塵になる姿でも覚えて―――。」

「姫さまッ!?」

だがその時、異変に気付いたセバスチャンが部屋に乱入してきた。


「一体これは・・・ルーフスリテラ殿、何が起こったのですか!?」

自分の主の豹変に驚いたセバスチャンは、彼に詰め寄った。


「いやいや、彼女のウソを指摘したらこの有様だよ。

それにしても、どうやら姫様の御加減が良くないようだ。後は君に任せるよ。」

そして彼はセバスチャンが何か言い出す前に、するりと室内から退出した。




「それにしても、恐怖が彼女の根底か。

ふっふっふ、若干拍子抜けだけれど、まあ複雑であるよりはいいか。」

「それで、我が主よ。これからどうなさいますか?」

廊下を歩く彼の横には、いつの間にかオリビアの姿が在った。



「忘れたかい? 僕の本質は“否定”さ。

人の価値観や思想を否定された時の感情が何よりの好物である僕に、それを聞くかなぁ?」

彼は、『悪魔』は、哂う。至福の献立を思いついたかのように。


「作戦変更をエリーシュに通達しよう。

今度は僕も森に出でて道化になろう。ふっふっふ・・・どう動こうか、想像が膨らんで堪らないよ。」

「了解しました。」

と、返答すると同時にオリビアはその場から消えていた。



「さあ、僕も舞台に上がろう。

・・・だから君も様子見なんて許さないよ、リリス。」

『悪魔』の喉の奥では、いつまでも笑い声が低く響いていた。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




「各班連携して挑めッ、相手は不死の軍勢だ!!

連中は被害を気にせず来るッ、個人の力を過信すると呑まれるぞ!!」

隊長の采配により、魔族たちは分隊規模で背後を守りあうように円形の陣形を組む。


「隊列を常に意識しろッ。一か所でも崩れれば俺たちは全滅するぞッ!!

術士はとにかく魔術をぶっぱなせ!! 森の中であることは忘れろッ!!」

普段の訓練の成果か、隊員たちは細かな指示に的確に対応して動いていく。



「騎士の姐さんは守りの弱いところを頼む。」

「了解しました。防護に専念します。」

雪崩れ込んでくる亡者の群れを斬り倒すエクレシアが、隊長の指示を受けて後方へと下がる。



「非戦闘要員は速やかに中央に移動しろ!! 喰われてもしらねぇぞ!!」

続けて隊長の怒号が飛ぶ。

どんな部隊にも、非戦闘要員は必ずいる物である。

例えば、兵站の運搬を担う輜重兵が代表的な存在だ。今回の場合はクロムやミネルヴァもそれに入るのだが。



「この状況で、後ろで遊んでいるほど不真面目じゃないわッ!!」

ショットガンを抱えて近づくアンデッドをフルオートで射撃しバラバラにしながらクロムが叫んだ。

やはりゾンビ退治は散弾銃に限る!!


「ミネルヴァと妖精どもッ、早く後ろに下がれ!!

ここが森じゃないなら、お前たちが消耗するのはマズイ!!」

いくらミネルヴァという依り代が居ても、こんな自然の息吹を感じられない場所では妖精が出来る事は少ない。

無理をさせて衰弱させるよりは、後ろで待機していた方がずっといいのだが。


「ううん、おにいちゃんのうしろがいい。」

ミネルヴァは首を横に振った。


「今はおにいちゃんのところからはなれるほうが、こわいよ。」

「ああもうッ、その代りそこで大人しくしてろよ!!」

俺はやけくそ気味にそう叫んで、返事は聞かずに魔剣の雷撃でアンデッドを薙ぎ払う。


実に面倒だ。守らないといけないものが増えると言うのは。

本当に面倒である。これで逃げられなくなったのだから。勝つしかないのだから。


あー、嫌だ嫌だ、本当にこれだから子供は嫌いなんだ。

ガキの期待に応え続けてやらないといけないのは、年上の義務だ。



「はんッ、人間ってのは軟弱だと聞いたが、みんなこうなのかササカ?」

「こいつらが特別なだけですよ、隊長。」

「そうか、それは残念だ。お前は遊撃だ。魔術師殿と一緒に、とにかく数を減らせ!!」

「了解しやした!! 前は任せるぞクロム!!」

「女の子に前衛を任せるってどうなのよ?」

「俺にとっては今更だよ!!」

クロムの軽口に応えつつ、俺は魔剣を弓に形状を変化させた。


ショットガンを打ち切ったクロムが、アンデッドどもに護符を投擲した。

護符に刻まれたルーンが、無数の鋭利な氷の茨が溢れ出す。

氷の茨は生垣のように壁を造りだし、アンデッドの行く手を遮る。


俺はその上を乗り越えるように“アポロンの銀の弓矢”を手当たり次第で射出する。

超高温の熱線の矢がアンデッドの多いところに着弾し、木っ端微塵に消し飛ぶ。



隊員たちの健闘もあり、完全な死体が次々と量産される。

物量に任せた突撃しかできないアンデッド共など、俺達の敵ではない。


だが、



「これじゃあ、切りが無いな!!」

どれだけ敵を薙ぎ払っても、屍の山を築いても、押し寄せるアンデッドの数は減らない。



「まだ始まったばかりだッ!!

退路が断たれたぐらいで諦めるような腑抜けはここで死体に食われて死ねッ!!」

隊長の勇猛な鼓舞に、隊員たちも応じて声を挙げる。

敵数不明で、援軍が期待できないと言うのにこの士気の高さは流石である。


今の所はこちらの火力が勝っているからだ。

特に、アンデッドに魔術が有効なのが大きい。


アンデッドは、所詮は死体だ。

生物のレジスト能力は生体反応であり、肉体に依存しているためにそれが機能停止すれば、魔力干渉に抵抗できない。


結果的に、魔族の強靭な肉体は厄介だが、所詮は動く死体に他ならないということだ。

俺たち部隊は術士の割合が多い編成であるのもあり、数の少なさを補って余りある。



そして、俺たちは一体どれだけ戦っただろうか。

俺たちは亡者の群れを、全滅させた。



「これで終わりか・・・? 各員、警戒を怠るなよ!!」

隊長が周囲に檄を飛ばして、鋭く周辺を注視する。

まだ行動不能に陥っただけの死者の憎悪の声が聞こえてくる。


それもエクレシアの浄化が終わるまでであった。

死者は安息を迎え、辺りは静寂に包まれた。



「総員、損害報告せよ!!」

隊長の号令に従い、各分隊が自分たちの消耗状況を次々と伝えていく。

負傷者は多数だが、死傷者はゼロだった。


「十分だ、良くやったお前ら!! それでこそ栄えある親衛隊第四隊だッ!!」

おおおおぉぉぉ、と隊員たちが勝利に沸き立った。



「それで、どうするの? 周囲の状況は変わらないみたいだけれど。」

「このような異常事態に遭遇したのだ。

このまま任務を続けても良いが、負傷者もいる。ここは撤退して報告するしかあるまい。」

クロムの問いに、隊長は即答した。


「英断ね。」

クロムもここで得た情報を報告した方が良いと判断したのだろう。頷き、彼の判断を称えた。

確かに、次襲われれば下手すると死人が出るだろう。


「でも、素直に撤退させてくれるかしら?」

クロムがそう呟いたときには、誰もが感づいていた。


新たな死者の群れが、ゆっくりとこちらに向かってくるのを。

そして、




「あらあら、やっぱりあの程度じゃ役不足だったようね。」

それを引き連れている女が、居たのだ。



「お前はッ」

その姿に、見覚えが有った。


「“砂漠の魔女”ッ!!」

エクレシアが、忌々しそうにその異名を叫ぶ。



「久しぶりと言うには、前に会ったのは最近よね。

あははッ、なんで私がここにいるのか、って顔しているわね。」

主従お揃いの漆黒のローブを身に纏うダークエルフが、可笑しそうに嗤う。


「まさか、この死者たちはあなたの仕業なのですか!?」

「冗談止めてよね。こんな気持ち悪い物を、誰が好き好んで扱わなければならないのよ。

私はこの辺を徘徊しているこいつらを、貴方達の方に誘導しているだけよ。」

エクレシアの糾弾に、彼女は飄々とした態度で答えた。


「そうよ、この女が操る尖兵はもっと悪趣味よ。」

クロムが忌々しそうに吐き捨てた。



「なぜ、我々魔族から“賢者”と称えられる貴女がこんな真似を!?」

「それは・・・そうね。かの吸血鬼の“原生”に我がマスターを捕われているから、とでも言っておきましょうか。」

隊長の困惑した声にも、そうふざけているとしか思えない内容を口にする。


あの『悪魔』が囚われの身になるなんて、いったい誰が信じると言うのだ。

彼と同じくらい胡散臭い笑みを浮かべる彼女に、説得力は皆無だ。



「つーか、なんでわざわざ出てきたんだよ。

わざわざ姿を現す意味なんか無いだろ。」

彼女ほどの名声を持つ魔術師はそれだけで手の内をある程度推察される。

魔術師にとってそれは致命的だ。事前に対策を取られるほど、恐ろしい物は無いのだから。



「それは単に我がマスターの方針よ。

安全な所から一方的に自分達が圧倒的優位を知らしめるのは、演出としては顔合わせ程度の挨拶みたいなものよ。

所謂、お約束ってやつね。私も意味の無い行動だと思うけど。」

やれやれ、と笑みを浮かべつつ彼女はそう言った。


「ひとつ、聞かせてもらえませんか?」

「やめときなさい、こいつらに関わっても何の得もしないから。

連中の一味は関わった双方が絶対に損させる行動しかしないんだから!!」

嫌に憎々しい表情を浮かべたクロムが、エクレシアに警告したが。


「なぜ、彼に従うのです?

その世代で最高の実力を持つと認められる、“魔女”の称号を持つほどの貴女が。」

エクレシアは構わず押し通した。



「うーん、・・・まあ、それくらいなら教えてあげましょうか。マスターに気に入られたよしみで。」

主が主なら、従者も従者で饒舌だった。


「単に、馬鹿らしいことを大真面目にやれるから、かしら?」

「え・・?」

彼女からの返答は、エクレシアの理解に及ばぬ物だった。



「私くらいになるとね、次第に力を持て余すようになるのよ。

長く生きていれば目的も見失うし、どんな憎しみを抱いていたって摩耗するわ。

今私が生きる理由は、自分が楽しみたいだけなのよ。マスターなら、下らなくて面白いことをいっぱい提案してくれるのよ。

そして面白いだけじゃなくて、スリルもある。信じられない事に、吸い寄せられるように、この私でさえ危機感を抱くような場面が何度も遭遇するの!!

生きているって、こういう事だと思うのよね。マスターの誘いを蹴るなんて、残念な人たちね。」

「むしろ今のあんたの話を聞いて、拒否して良かったと心底思ったよ!!」

世界最高レベルの魔術師が危機感を覚えるって、どんな事態だよッ!!



「本当にそうかしら?

自分を飾らなくて良い居場所があるってことに換えれば、その程度のことは取るに足らないと私は思うけれど。」

くすくすと笑いながら、彼女は指を鳴らした。


すると、欲望のままに俺たちにゆっくり向かってきていたアンデッドたちが、次々と石になって行く。



「うわ、始まったわよ・・・。」

クロムがそう呟きながら、後ずさった。


「そう言えば、アンデッドをこうするのは初めてかしら。

あはははは!! 私がバラバラにされた程度で動かなくなる物を使う訳が無いじゃない!!」

「くるぞッ!!」

そう言ったのは誰だったか。


石化したアンデッドたちが、まるで生前を思い出したかのような俊敏な動きで俺たちに襲い掛かって来たのだッ!!



「ああもうッ、隊長さんッ!! すぐに退却させて!! こんなの相手にしていられないわ!!」

「なにッ!!」

クロムの叫びに、応戦せざるを得なかった俺たちはすぐにその意味を知ることとなる。


アンデッドがすぐそこに来ており、既に臨戦態勢だった為に不意打ちにはならなかったが、問題なのはそれではなかった。


俺は魔剣で石化したアンデッドを斬り捨てた。

粉々に砕け散った石像だが、何とそれらは元の形に結合し、すぐにその傷痕までも修復されてしまったのである。


そして、何事も無かったかのように再び俺たちに襲い掛かる。

それと同様の事が、あの魔女の石化させた全ての石像で起こっている。



「昔々ある世界に、最果てに存在すると言う砂漠に隣接する大きな王国がありました。

緑豊かであったはずのその王国からは、その砂漠は接して近くにあるものではなかったのですが、ある時強欲な王族は領土を広げるためにその砂漠に住むと言う魔女を討伐しに向かったのです。

その砂漠は魔女の呪いによってそうされていると言い伝えられていました。

だからそう、魔女を倒せば、そこの広がる砂漠が緑豊かな大地になるという幻想を信じて。」

突然何かを語り出す彼女だが、こっちはそれどころではない。

幾ら砕いても、幾ら粉々にしても、石像たちはまさしく不倒であるが如く再生してこちらに襲い掛かってくる。



「ですが、そうして送り出した遠征軍は帰ってくることはありませんでした。ただ一人、その遠征軍を率いていたその王国の王子が、お城の前で石像になって転がされている以外は。

王様は怒り、更なる軍勢を魔女の下に差し向けました。しかし軍勢は帰ってきません。

ある時、王様が差し向けた軍勢は帰ってきました。全員が魔女の呪いで石像と化し、通り過ぎる村や町を血の海に変えながら。」

“魔女”の語りは続く。

隊長が陣形の変更を指示し、後退する姿勢を余儀なくされた。



「石像たちはいくら壊しても壊しても、朽ちる事は有りませんでした。

そして石像たちは王都へと進撃し、その玉座を血に染めると全てが砂となって消え失せたのです。

豊かな国であった筈なのに、その年は大飢饉に襲われ、田畑は砂漠のように枯れ果てたのです。

彼らは魔女の怒りに触れたのです。その次の年も、その次の年も。その国に実りは訪れませんでした。

それ以来、その王国は呪われた砂漠へ足を踏み入れることを禁じました。

かくしてその王国は弱体を招き、支配していた属国たちが大挙して反乱を起こし、王国は幾つにも引き裂かれ、王族たちは皆殺しに遭いましたとさ。

・・・ですが、そうして分裂し独立した国々は、その王国が弱った原因である砂漠に決して近づくことは有りませんでした。そう、その世界が滅ぶまで。ずっと。ずっと。」

いつの間にか、石化されたアンデッドに混じって、人間の石像が幾つもいる事に俺は気付いた。


その格好は様々だが、まるで中世の騎士のような出で立ちが多い。

まるで、お伽噺からそのまま出て来たかのように。



「御話はまだ続きます。

帰ってこなかったその国の軍勢たちは、魂と精神をそのままに、石となったのです。

そう、くく、彼らは、ふふ、魔女に操られ、自分たちの守るべき国をくっくっく、自ら、滅ぼしたのです、あはっはははッ!!」

魔女の哄笑が生気無い森に響き渡る。

いつの間にか、アンデッドの石像と人間の石像の数が逆転していた。


人間の石像は誰も彼もが苦悶や絶望の表情を浮かべ、石化した武器を振り上げて俺たちに雪崩れ込んでくる。



「こッ、の・・・外道がッ!!」

エクレシアの義憤はどれほどだろうか。

防戦一方となるしかないのは、果たして無限に再生するからか、彼らの姿の所為なのか。

斯く言う俺もさっきから無暗にこの石像たちを壊せなくなっている。


「ほぅら、言ったじゃない。この女はネクロマンサーよりも悪趣味だって。」

対してクロムは冷静に石像たちをワイヤーや魔術を駆使して拘束し、無力化して数を減らそうとしている。



「退却だッ、退却ッ!!

死も何も無い石像なんか、相手にしてられるか!!」

隊長も細かく指示を飛ばして、上手く隊員たちを後ろへ逃がす。



「クロム、これどうにかならないのか!?」

「こいつらは不死身じゃないわッ、魂を封じ込めたままなのは魔導炉として機能させ、再生させ続けさせる為よ。一応有限だと思うわ!!

所詮これはタネが割れてるから、対処はしやすいわ。問題は数よ!!

「分かってるがッ!!」

幾ら石像とはいえ、こいつらは一般的な人間の兵隊以上の強さは無い。

ぶっちゃけ、再生さえしなければ、ここに居る皆だけでも全滅させるのは可能だろう。

だが、やたらと数が多い。


なにせ彼女の言に依れば、大国が傾くほどの軍勢がそのまま再生する石像と化しているというのだ。

例え魔力切れを起こしても、使い捨てて余りあるほどの補充が効きそうだ。


数で押すための代物のようだし、個々の強さは余り拘っていないようだから、実質無現だろう。

これは確かに死体を直接操られるよりずっと厄介だ。



「ご存じのとおり、砂漠は資源が少ないのよ。再利用できるものは何だってしないと。」

・・・・何と言う物言いだろうか。


「悪魔だよあの女・・・。」

「いいえ、魔女ですよ。」

それくらい言われなくてもわかってるがなエクレシア。



「ねぇ、なんでこんなことするの? みんなくるしいって言ってるよ?」

「くッ!! ミネルヴァ!! さっさと逃げろよ!!」

しまった。押し寄せてくる石像に夢中で、こいつが逃げてない事に全く気付いていなかった。



「私に逆らうからよ。永遠の苦痛の中で、狂う事も出来ずにずっとずっと戦い続けさせられるの。

ちなみに何もない時はこいつら同士でお互い壊させ続けているわ。あっはははははは!!」

清々しいほどの外道である。

ここまであからさまな悪役は今時お目に掛かれないほどだ。



「ねえ、じゃあどうして―――」

「馬鹿ッ、早く逃げろっつってんだろ!! もう遊べなくなるぞ!!」

幾らそこまで強くないとは言え、俺達だけで前線の維持は不可能だ。

包囲するように波状攻撃されれば、こちらの命は無い。


だが、次のミネルヴァの言葉が俺たちの命運を分けた。




「――――どうして、お顔をかくしているの?」



ぴきり、と石像たちが一斉に動きを止めたのだ。



「えッ・・・」

思わず俺がそう声を漏らしたのも、無理からぬ話だろう。


「今だッ、前線を放棄して一斉に走れ!!」

隊長が叫んだ。

俺達も、反射的に脇目も振らずに逃げ出した。

あ、勿論俺はミネルヴァの奴を抱えてである。



「そう言えば、かつての世界で貴女はずっとフードで顔を隠してたけれど、イメチェンでもしたの?」

捨て台詞のようにクロムがそう言って、俺たちに続く。



程なく、魔女と石像の群れだけが取り残された。


だが、彼女の肩は小刻みに震えていた。

それに呼応するように、偽りの森が砕けていく。


まるでガラスが割れるように、上書きされた空間が剝き出しになって行った。



そこは、雲一つさえ無い果てしなく蒼穹の青空が広がる、黄砂の海。

魔女が住むと言う、魔境“最果ての砂漠”であった。

その場所が再現された空間である。



「コロセ。」

その砂漠の主の命令が、下される。



「私の正体ヒミツを知ったあのガキを殺せッ!!!」

魔女の命令に、砂漠の大地が蠢いた。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




「いったいどうなってんだよ、これぇ!!」

隊長でなくても叫びたくなるのは当然だった。


なにせ、いきなり焼き付けるような太陽と熱砂の地獄にでも放り込まれたような状況なのだから。

俺たちは退却していたら、いつの間にか森ではなく砂漠を走っていた。



「あの魔女の所為に決まってるでしょ!!」

「んなもん、わかってるよ!!」

隊長も混乱しているのだろう、怒鳴り返されてしまった。


「わー、なにこれすごい!! こんなきれいなお空とお砂はじめてみた!!」

「お前は楽しそうでいいよな!!」

バタバタとはしゃぐミネルヴァを担ぎ直して、俺は走る。

ここでこいつを放したら、どこにいくか分かったもんじゃない。



「なあ、俺たち逃げれてるんだよな?」

「んなの知るかよ!!」

隊員たちにも動揺が広がっている。

そりゃあ、こんな異常事態に陥れば動揺の一つや二つするどころか、混乱が巻き起こっても仕方がない。

それが無いのはひとえに俺たちが逃げていると言う事実があるからだ。

それはそれで混乱を招きそうだが、俺たちは目的があって逃げているのだ。意味も無く逃げるのとは違う。



「流石に無限に続くとは思わないけど、察するにここって“最果ての砂漠”よね?

これ絶対、空間の端と端がループしてると思うんだけれど。」

「な、なんだって!?」

「だから、“最果ての砂漠”って呼ばれるのよ!!

無限に等しい空間を作るのはそこまで難しいことじゃないけれど、私の知るあの場所なら多分それで間違いない筈・・・。」

クロムの言葉は、どうか教えてほしくなかった。

なぜなら、それは俺たちが逃げ場のない狩場に居る事を意味するのだから。


「どの道、立ち止まることはしない方が賢明ね。」

「どうしてですか!? このまま走り続けていても、消耗するだけでは!?」

慣れない砂の大地を必死に駆けるエクレシアが、クロムにその真意を問う。



「だって、ここは―――ッ!!」

どうやら相手は親切に、クロムが答える前に教えてくれた。


地響きと轟音が響き、振り返ると巨大な塔が砂漠の中からそり立つのが見えた。



「は、はあああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

だがすぐに気付いた。

それは塔ではなく、超巨大なミミズみたいな化け物だという事に。


ざっと見て、東京タワーよりは低い。

だけど、超高層ビルですら比較にならないほどの巨大な化け物ミミズが天空を貫かんばかりに飛び出してきたのだ。



「反則だろ・・・・。」

でかいにも程と言う物があるだろうに。


「いったいどうやったらあんなにサンドワームが成長するのかしら・・・。」

「ガチで研究者目線で見ようとすんなよ!!」

唖然としているクロムに思わずそう叫んだ。



「きゃーーーー!!! すごーーーいッ!! おっきいいいいぃぃ!!!」

「なんでお前はそこまで楽しめるんだよ!!」

顔文字で表現するなら、(ノ≧∀≦)ノ みたいな感じで大喜びしていやがるミネルヴァ。

こいつにとって未知とは何でもかんでも面白いらしい。


状況は更に面白くない方向へ行っている。

なぜならば、あの特大サンドワーム以外にも、無数の高層ビル級のデカさのサンドワームが次々と砂の大地から現れ始めたのだ。


「うひいいいいいい!!!」

そして、巨大サンドワームがこちらに向けて飛びかかって来たのだッ!!


狙いは甘かった。

俺たちの後方辺りでおぞましい触手が無数に付いた頭部が砂漠に潜り込む。

だが、その圧倒的な巨体から生じた衝撃で砂漠の砂が巻き上げられ、津波のようにこちらに襲い掛かってくる。



「こんなの、どうやって・・・。」

「私に任せて。」

押し寄せる壁のように迫る砂の激流に呆然とするエクレシアだったが、そこでクロムが魔法陣を展開させて地面に手を乗せた。


その瞬間、時を止まったかのように砂津波が硬直した。


「砂の粒子同士を結合させて固定化させたわ。まあこの程度、錬金術の初歩ね。」

「すげぇけど、今は後だ!!」

この砂漠では精霊魔術の類は一切使用できないようだ。

あのいつも喧しい妖精どもが、ミネルヴァにしがみ付いてぐったりしている。


ヤバい、色々ヤバいぞこの砂漠は。



「マズイッ、囲まれたッ!!」

何とか砂津波の難から逃れたと思ったら、隊長が叫んだ。


周りを見渡せば、次々と周囲の砂から黒光りした何かが這い出てくるのが見えた。


サソリだ。

鋼鉄の如き皮膚を持つ人間大のサソリが黄砂の海を黒く染める。



「気を付けてッ、そいつら劇毒持ちよ!!」

クロムが悲鳴じみた叫びが響く。


更に悪いことに、あの青空の彼方からはここからでもその大きさが分かる怪鳥の群れまで姿を現した。



「万事休すってこんな時のことを言うんだろうな・・・。」

こんな化け物の群れに襲われれば、軍隊なんて一溜りも無いだろう。


俺たちは鉄サソリの包囲に、徐々に一か所に追い詰められていく。

劇毒とやらがどれほどのものか知らないが、鉄サソリどもの爪から垂れ落ちる液体が砂を溶解させている時点でご察し下さいと言うモノだ。



「一匹持って帰れないかしら、こいつらの体内から取れる器官が秘薬になるのよね・・・。」

「こんな状況で強がり言えるお前の豪胆さが羨ましいよ。」

「ちょっと話しかけないで、今泣きそうなの。」

どこまで本当かは知らないが、クロムの顔が強張っているのは本当だ。


「私は魔女に屈しません。最後まで戦います。」

あくまでエクレシアは交戦の意思を示し、最後まで抵抗するつもりのようだ。



「・・・・お前ら、腹くくれ。誇りある魔族としての生き方を示せ。」

隊長も、静かに決意を固めたようだ。

この状況でどうすればいいか困惑していた隊員たちも、それで意を決したように武器を構え始めた。


だが、



「うわッ!?」

「なんだッ!!」

その直後、足場が崩れ始めた。

流砂だ。


俺たちの足場はすぐに陥没し、瞬く間に砂が膝まで飲み込む。



「戦って死ねると思うなんて幸せね。

このまま屈辱に塗れて嬲り殺しにされるだけだって言うのに。」

そして、さっき自分が言ったように一方的で圧倒的に優位な状況で、あの魔女は姿を現した。

絶対来ると思ってた。なぜなら、それがお約束だからだ。


俺はクロムに目配りした。

彼女は強張った表情のままだったが、それで意味を察したのだろう。



「さあ、我が眷属たちよ、無残にこいつらを食い荒らしなさい。」

魔女の命令が下り、鉄サソリたちが押し寄せてくる。


その瞬間、クロムが隠し持っていた拳銃を俺に向けて発砲した。

魔術“青銅の蹄”が発動する。



「えッ」

術式“ヘルメスの蛇狩り鎌”を起動させ、俺は魔女に斬りかかった。

湾曲した魔剣の刃で、脳天から真っ二つに唐竹割りを試みた。


「うッ・・・?」

だが、それは彼女の頭上を浅くめり込んだだけで終わった。

不気味な感触だった。

まるで、棒で砂の袋でも殴ったかのような、そんな感触だった。



「いッ」

だが。


「痛ってえええええええええええええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!」

効果は覿面だったようである。



「痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいいいい!!!」

その直後、彼女の周囲一帯の地面が爆発したかのように巻き上がった。



「うあッ!?」

「きゃ!!」

俺だけでなく、後ろで足を取られていたエクレシア達や隊長たちも、砂に巻き上げられて打ち上げられた。


「っきゃああああ!!! 高い高い!!!」

自由落下が楽しいのか、ミネルヴァがきゃっきゃと笑っている。

そう言えばミネルヴァの奴を小脇に抱えていたのを忘れていた。




「よくも・・・・よくもこの私の顔に傷を付けたわね・・・。」

落下の痛みは砂がクッションになって殆ど無かったが、ほぼ同時に呪詛のような呟きが聞こえてきた。


「ここまで私を怒らせたのは、ここ千年で貴方が最初よ・・。」

魔女は片手で傷ついた額を抑え、憎悪に満ちた目で俺たちを睨んでくる。



「マスターの楽しみを奪うのは本意ではないけれど。

私はお前の手足を石にして、大事な人たちの顔を毟り取るまで気が収まらない・・・・。」

そして魔女は空いている片手を広げた。

いつの間にかそこにあったのは、魔導書である。


石板のような装丁がなされているそれは、『石化呪術書』と読めないのに理解できる言語でタイトルが刻まれている。

言うまでもなく、大師匠の魔導書だ。


しかも、どうやら俺の知っている魔導書とは一回り強力な代物らしい。

その魔導書から溢れ出る邪気と悪意にまみれた大量の魔力が噴出している。



「ふん、魔術で不死化するにも色々と方法があるけど、それが効いたってことはそういうことなのね。」

すると、その時クロムが駆けつけてきた。


「つまり、魔女じゃなくて怪物だってことか?」

「まあいくら貴方でも、彼女が同業者だってことは分かるわよね?

ギリシア系の黒魔術が専門のようだけど、あの魔導書には石化にまつわる様々な伝承に基づいた魔術が記録されているようよ。」

「なるほどな、道理で。」

道理で、人の姿をしているのに理性や良心言った物が欠片も見れなかったわけである。



「蛇の怪物を殺すのには、盾が必要ですよ。」

そう言って、今度はエクレシアが俺の前に出た。


「エクレシア・・。」

「そろそろ私も彼女の所業に怒りが頂点に達しそうなのです。」

剣を構える彼女の勇ましさに、惚れ直してしまいそうだ。



「もしかして、私に勝つ気なの?

あははははは!! ガキどもめ、醜く干乾びて、永遠にその姿のまま飾ってあげるわ。」

「こっちはもう魔王を打ち破ったんだ。

三下は素直にすっこんでいやがれよ!!」

お互いに一触即発の空気が出来上がったその時。



―――――バリン、と何かが砕ける音が聞こえた。




「なッ・・・・私に許可なくこの砂漠に侵入したですって!?」

それは、彼女に怒りを忘れさせるほどの異常事態らしかった。


その直後、漆黒の何かが俺の目の前に現れた。



「ちッ、こんな時に。」

そう呟いた魔女の姿が、木端微塵に砕け散った。

いや、違う。木端微塵になる前に、彼女は砂の人形へと変貌していた。


逃げたのだ。



「・・・・・・・・。」

黒い鎧と黒マントを纏ったその男は、魔王近衛騎士団権能部所属。

最強の騎士と讃えられ、沈黙と呼ばれ恐れられる魔剣士。


クライと呼ばれた、ブラックトロールだった。

その手には、禍々しく刺々しい形状をした異形の大剣が握られていた。


その魔剣は、空気を纏っていた。

いや、よく見たらそれは違った。あれは刀身に触れる空気があの魔剣に食われているのだ。

だからあの魔剣はあたかも風を纏っているかのようにも思える。



彼はゆっくりと、自分がやってきた方向を指さした。

そこにはまるでガラスが割れたような門の先に、俺たちが先ほどまでいた森が存在していた。


彼は無言で顎をしゃくる。

そこまでされて、ようやく俺たちは我に返った。



「済まない、恩に着る!!」

あの魔女に対して啖呵を切ったはいいが、ぶっちゃけこの場で戦ったら負けるのは100%俺たちである。

賭けてもいい。この圧倒的に不利な空間では、恐らく先ほどの二の舞になるのは間違いない。



「遅かったな、こんな場所からオサラバするぞ。」

俺たちが隊長たちの所に戻ると、隊長たちは既に退却準備を終えていた。


「あそこへ!!」

「ああッ、騎士殿が開いてくれた退路を進むぞ。」

着々と退却を推し進める俺たちの背後は、ふざけた戦いが繰り広げられていた。




クライが、異形の大剣を振るう。

それだけで、その先の空間がまるで捻じれたように引き裂かれ、再び登場したバカげた大きさのサンドワームを真っ二つに引き裂いたのである。



「よくも私の邪魔をしてくれたわね。赦さないわ。」

魔女は何と、砂漠の大地と同じ色の鱗を持つ巨大な竜の頭上に立っていた。


竜がブレスを放つ。

村が有れば丸ごと吹き飛ぶような強烈な砂嵐が、彼を襲う。



しかしクライは突進しながら、魔剣を振るう。

それだけで砂嵐のブレスがかき消された。


彼の進撃を邪魔するように無数のサンドワームが立ちはだかるが、彼の魔剣に切り裂かれるとぽっかりとその存在感が嘘のように、自身が存在していた穴が残るだけで、死体も残らず砂蟲は消え失せた。



「なるほど、これは確かに分が悪い。

マスターの忠告通り、ここは退却しましょうか。」

その刃が魔女に届こうとしたその直後、この砂漠が激震し、瞬く間に世界が歪んでいく。


あっという間に、あの広大な砂漠は消え失せ、第五層の森だけが広がっていた。



「・・・・・・・・・・。」

敵勢は消えたと判断したのだろう。

暴力的に空間を貪る魔剣を、彼は腰の鞘に納めた。




「あれって、もしかして・・・・現存していたの!?」

「クロム、知っているのか?」

ええ、とクロムは頷いた。


「魔剣“デストロイヤー”。

歴史に度々登場して、手にした者は敵味方区別なく皆殺しにして、持ち主を発狂死させると言う逸話を持つ魔剣よ。

どんな強大な敵も倒せる代わりに、どんな守りたい者も壊しつくすと言われているの。

もうずっと世に出てこなかったと思ったら、まさか魔族の手に渡っていたのね。」

「なんつーか、またまた安直な名前だな。」

「覚えておきなさい。魔剣は強力になるほど名前が安直で直接的よ。

アレに対抗できる魔剣は少なくとも、私は同じく悪名高き魔剣ソウルイーターしか知らないわ。」

尤も、例えあれでもこれには相性は悪いでしょうけど、とクロムは肩を竦めた。


それは俺も同感だ。

あの魔女を、瞬く間に退けたあの魔剣。

少なくとも俺はもう一振り、アレに匹敵する魔剣を知っている。



「・・・・・・・・・。」

俺は無言で佇み、彼方を睨む騎士クライを見やった。



ただ一つ言えることがある。

魔族の最強とは、そんな魔剣を御するほどの実力者だという事だ。



そして、俺たちは何とか無事全員が生還できた、それだけだという事だ。






―――インフォメーション

魔女エリーシュを追加しました。



魔剣百科事典コーナー


魔剣:「デストロイヤー」

所有者:クライ

ランクSS


特徴・能力。

破戒剣。刺々しく禍々しい、黒色の異形の大剣という形状をした魔剣。

歴史に度々登場し、持ち主の敵味方問わずに殺して回り、最後には持ち主が自らこの刃で命を絶って終わると言う。その発祥は不明である。

持ち主にレベル5相当のスキル:“精神汚染”と“破壊衝動”を付与する。

無限の攻撃力を持ち、あらゆる次元、空間、概念、時間まですら物理的に斬り捨てることができるとされ、実在さえすればどんな存在でも斬り殺せる。

この魔剣で絶命、あるいは耐久力が尽きた物体は、この世から完全に消滅する。

またこの魔剣自体が独自のステータスとスキルを有しており、それ自体がこの魔剣の明確な意思の存在を示している。

あくまで効果範囲は刀身のみで、遠距離攻撃の類は持ち合わせていないが、クライは空間を破壊することでそれを相手に巻き込ませて無理やり捩じ切るなど、使いこなしている。

どうやって彼がこの魔剣に侵食されずに正気を保っているかは不明。




※こんにちは、ベイカーベイカーです。

インフレ? なにそれ、知らんな。ご既読のキャラたちは正常な性能です。

なんて冗談で、まあ彼らは最強クラスなので、中堅程度の主人公たちなど、所詮は塵芥にすぎません。

それがどのように戦って勝たなければならないのか、そういうところを魅力的に見せたいと思います。

それでは、また。次回。





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