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魔族の掟  作者: ベイカーベイカー
第五章 魔族戦乱
85/122

第六十九話 英雄の残影 後篇


第一層、不在宮。


本来は魔王の居城であるべきその宮殿の応接室には、不在の魔王に代わりそこを取り仕切る『マスターロード』の他に、彼が歓待し、酒を振る舞うに値する者がいた。



「うむ、これが魔族の酒か。

美味い酒と言うのは人だけでなく、魔族にも共通するのであるな。」

複数の原色で彩られたごてごての民族衣装を着こんだ、見た目は十代半ばに見える褐色肌の少女。


魔導師『エンプレス』であった。

彼、『マスターロード』と同じ魔導師であり、この『本部』と称される円柱形の巨大建造物を取り仕切る同僚でもある。


「この第一層には“処刑人”も手出しを躊躇う怪物が徘徊する人外魔境と聞いていたので、どのような場所かと戦々恐々していたが、案外普通で安心したぞ。

そちらの懐でこうして会談しようと“代表”殿の聞いたときは、我を喰らおうとでもしたのかと思ったくらいだ。」

「同志『エンプレス』よ。この私が地上に簡単に出られぬことをお忘れか?」

「いいや、他の場所はあったのではないかと思ってな。」

「誰かに最大限の歓迎の意を示す時、ここ以外の場所を私は知らんな。」

「ほほう、それは光栄の極みだ。」

『マスターロード』のお世辞に『エンプレス』は怪しく笑みを深めた。


二人は以前に取り交わした約束した通り、こうしてお互いが持ってきた酒を酌み交わし、語り合っていた。

あの会議の場での口約束に過ぎなかったが、酒の嫌いな人間も魔族も居ないというだけだった。



「当然だな、この場に人間を呼ぶことなど殆どありえない。」

『マスターロード』も彼女の持ってきた酒を嗜みながらそう応じた。


「洗練されてはいないが、人間にはできない長い時間を使った酒造工程で凝縮された旨味は魔族特有の味だろう。

我ら魔族は改良こそ苦手だが、伝統を守るのだけは得意だからな。」

「確かに、これは地上のどんな酒にもない。

千年以上変わらぬ味、か・・・良いものだ。それだけでここまで来た甲斐はあったというものだよ。」

「その賞賛は生産者に伝えておこう。

しかし、私はむしろ大味過ぎて人間の酒の方が好みであるがな。」

「そうか、我はえり好みはしないからな。

酒の個性が強く、簡単に酔えるというのは長所だよ。こういう酒を毎日飲みたいものだ。」

「それでよく魔術師をやれるものだ。」

『マスターロード』が呆れるのは無理もない。

常人なら一杯飲んだだけで眩暈を起こすだろう濃い魔族の酒を、『エンプレス』はもうすでに一瓶飲み干している。


高位の魔術師は体調にとても気を使うものだ。

些細な変調が魔術にどんな影響を齎すか分からないからだ。


特に『エンプレス』は他の“魔導師”と同様にただの不死身ではなく、見た目通りの少女の肉体の持ち主なのだ。

流石に“魔導師”になるほど優れた魔術師である彼女が、酒を飲んだくらいでどうにもなるはずもないが。



二人はそのまま雑談を挟みながら、お互いに持ってきた酒を消化していった。

お互いに取りまとめる部族の話、詰まらない確執などへの愚痴や、魔導師としての仕事の進行具合などなど、他愛もない話が続いて行った。


人間より遥かに強い肝臓の持ち主である『マスターロード』も程よく酔った頃、褐色肌でも分かるほど顔を真っ赤にした『エンプレス』がこんなことを言った。



「そう言えば、“代表”殿はかつて老と“戦争”をしたそうだな。いったいどのような経緯だったのだ?」

「三百年も昔だな。ううむ、あの頃は俺も若かった・・・。」

すっかり素になった『マスターロード』は酔っぱらいながらも訥々と話し始めた。


「俺も老も、得意分野は精霊魔術と被るだろう?

歴代の“魔導師”は、同世代に同じ専門の“魔導師”は居なかった。聞けば魔導師は択ばれる際に、同系統の魔術師は択ばれぬようになっているらしいからな。

俺の場合は半ば特例とは言え、『盟主』に選ばれた以上は二番目と言うのが気に食わなくてな。」

「そんな理由で、老にケンカを売ったのか!?」

話の種になっている『魔導老』は、二人の共通の知人である。

さしも『エンプレス』も、そんな理由であの『魔導老』と戦ったと聞いて、驚きを隠せないようだった。



「我々魔族は、プライドを食って生きている。

これは比喩だが、あながち冗談でもない。悪魔が人間のイメージに影響を受けるように、我ら魔族も周囲からのイメージで武威に影響が出るのだ。

これを高く保つことは俺のような権力を握る魔族は必要なことなのだ。

専門分野が同じ人間がいるのなら、その上に立つのは俺であるのだと示さねば、俺と言う魔族は終わりなのだ。」

「なるほどな。一定以上の権威を利用する魔術もある。分からない話ではないな。」

むしろ、それは『エンプレス』の専門分野である。

民間伝承の変質が、原型に影響を与えることは珍しいことではない。

ヴァンパイアなどは、その最もたる例であろう。



「そして俺は精鋭を揃え、老と対峙した。“戦争”だというからな。

老はあろうことか一人だったよ。だがすぐに理解できた。一人で十分なのだと。

“魔導師”とは、それ一人で文明一つに匹敵するのだ、と。それが二人、争うから“戦争”などと言われるのだと。

老にとって、我が精鋭たちは雑兵にもならなかった。」

感慨深そうに、かつての思い出を語る『マスターロード』。


「当然のように、我らは一騎打ちになった。

文字通り、三日三晩、いや決着が付いた時は感覚が無かったのだが、一週間以上経っていた。

いや、正確には明確な決着は付かなかったな。

一週間にも及ぶ長い戦いの果てに、俺が力尽きたその時、老は俺に歩み寄り、これ以上戦うのは無駄だと説いた。

それから話し合いになり、意気投合したよ。老は魔族に対して、好意的だった。」

『マスターロード』はそう言ったが、好意的なんてものではなかった。


大の人間嫌いだった彼が効く耳を持ったのは、全力を出して倒しきれなかった『魔導老』に対して敬意を持ったからだが、話し合いが発展し、意気投合するまでに至ったのは『マスターロード』が彼の話に惹きこまれたからだ。



保守的な考え方が強い『魔導老』は、最終的に故郷に破滅を齎した人間たちと、地上の人間をまったく同列で見ている。

彼は言った。自ら滅びに向かうくらいなら、よほど魔族の方が優れている、と。


あれから三百年。

それ見たことか、と地上の有様を見て老は思っていることだろう。



彼は約束してくれた。

魔族の地上への開放を。人間に任せるくらいなら、自然は魔族が有していた方がずっとマシだと。


彼は人類の為ではなく、もっと大局的な視線で地球を見ている。

何せ彼は、自然と対話ができるほどの魔術師なのだから。



「結局、俺は魔族文明の魔術を極めた“魔導師”としてその位階を戴くことになった。

精霊魔術で勝ちを拾えなかったのだから、当然だがな。」

「なるほどな。」

『魔導老』は、初めて『マスターロード』が本気で負けを納得して認めた相手だった。

彼は今まで幾人もの強敵と戦ったが、自身を本気にさせ、その全てを賭して倒したいと思える相手は終ぞ現れなかった。


彼に負けた時、『マスターロード』は運命を感じた。

あのフリューゲンでも感じなかったその気持ちは、宿敵である人間と相対して初めて抱いた感情だった。

そして、やはり自分は魔族なのだと、思ったのだ。



「さて、俺は話したのだ。そちらも老との馴れ初めを聞かせてもらおうか。」

「おや、そうきたか。ふふふ。」

『エンプレス』はカップに酒を注ぐと、すぐに話し始めた。




それから二人だけの酒宴は夜が明けるまで続いた。






――――――――――――――――――――――――





あれから百数年経った。


リンドドレイク族は敗者にしてはありえない待遇で、戦後を過ごしていた。

監視役に若いドレイク族の者が派遣されてきたが、彼らはむしろ自分たちの族長に土を付けたフリューゲンの技量に感服していて、横暴な態度は殆ど取らなかった。


僻地とは言え、飛ばされた場所は飛竜の巣の近くである。

普通の魔族なら確かに極刑一歩手前だが、こと飛竜の扱いに秀でたリンドドレイクならそうはならない。


あの戦いから、フリューゲンは戦いの第一線から身を引き、後進の育成をすることに励むことにした。



多種族との交流を最低限に制限され、それしかやることが無いとは言え、彼は一族の誇りを取り戻そうと腐心した。

象徴的だった“語り部”との交流も多くし、若い頃から彼女の話に触れて一族の一員として自覚を持つべく教育して行ったりもした。


そんな中であった。

『マスターロード』から、呼び出しがあったのは。



「風の噂で上層の人間と戦争したと聞いたが・・・。」

具体的な話しは聞き及んでなかったが、『マスターロード』が精鋭を率い、上層にいる人間と戦端を開き、敢え無く敗走してきたと聞いたのは先月のことだった。


呼び出されたのなら、行くしかない。

それが敗残者と言うものだ。今更暗殺というわけでもあるまい。



「いくぞ兄者、中央まで頼む。」

「きゅい。」

すっかり成体にまで成長したリンドブルムに跨り、フリューゲンは中央の町まで飛んだ。


彼らは一時間も掛からず中央の町に到着した。

かつてリンドドレイクたちの支配していた頃とは様変わりし、多種族が入り乱れ、混沌とした街並みが広がっていた。



本来飛竜などでの飛行は制限されているのだが、一緒に送られてきた幻獣騎乗許可証を提示して、昇降魔法陣にて第一層へ向かった。



第一層は大いに賑わっていた。

先日お触れが出て、多くの魔族が徒党を組み、限られた生活範囲を広げようと開拓に励もうとしていた。

何でも第一層全体に建物を多く建てるので、場所は幾ら有っても足りないのだとか。

報奨金も出るので、これから戦争でもするかのような雰囲気だ。


フリューゲンは不在宮に向かい、迎えの者にリンドブルムを預けると、彼はすぐに奥に通された。


通されたのは、彼が以前も来たことのある応接室だった。

煌びやかな外装は前と変わらず、荘厳な雰囲気を維持していた。




「よく来てくれた、我が仇敵よ。」

そこで、『マスターロード』は待ち受けていた。


「偉大なる我らが“代表”『マスターロード』。ご壮健そうでなによりだ。」

「まあ座れ、硬くならずとも良い。楽にしろ。」

そう言って、彼は座るソファーと豪華な机を挟んであるソファーを指した。


以前会った時より威厳は増していたが、どこか雰囲気は丸くなったように見えた。



「それで、この度はいったいどのような要件なのだ?」

二人は過去の思い出を語るほど仲が良い訳でもないので、フリューゲンは率直に問うた。


「実は貴殿に頼みがある。」

それに対する『マスターロード』の返答もまた率直だった。



「頼み、とは?」

いったい何を頼もうと言うのか。怪訝な表情で言うと、彼は立ち上がって窓から外を眺め始めた。


「外は見たな? これから我らがやろうとしていることは知っているか?」

「生憎、僻地では知りようもなく。」

「ここに大きな学園を創るのだよ。」

フリューゲンの嫌味も聞かず、『マスターロード』はそう言った。



「は・・? 学園?」

ニュアンスは分かったが、意味は伝わらなかった。


「巨大な学び舎だよ。魔族の誰もが自由にそこで学び、技術を会得し、資格や職を得られる場所を創るのだ。

お前はそこの教官になってほしい。戦闘技術もそこで教える故に、貴殿は航空技術を生徒たちに教えてほしいのだ。」

「・・・な、なぜ、そんなことを?」

いきなりそんなことを言われて、フリューゲンは戸惑っていた。

二人の間にある種族の壁や遺恨は、未だ残ったままである。


二人にとってお互いは憎むべき敵同士なのは、まだ変わっていないのだ。

そんな相手から、自分の作る学び舎の教官になってくれと頼まれれば、戸惑いもするというものだ。



「これはお前だからいう事だが。

私は初めて友と言える者を得たのだ。それも、その相手は人間なのだ。」

「人間ッ!?」

フリューゲンは、一瞬目の前にいるのが本当に『マスターロード』なのかと疑った。

それくらい、彼の口にしたことが信じられないことだった。


彼の演説は口を開けば人間に対する不平不満と、勇ましい文句で溢れている。

そんな彼の唯一無二の友が、人間だというのだ。



「我々魔族にとても理解のある男だ。

奴は我々のことについて知りたいと言ったので、思う存分我らの文化の素晴らしさを語ったら、逆に馬鹿にされてしまった。

曰く、我々は文化レベルが低いとのことだ。

話し合った結果、それを上げるには教育機関を創るのが一番だと言われた。

なので、作ることにしたのだ。これからは武力ではなく、治世の時代だからな。」

そこでようやく、フリューゲンは彼の雰囲気が変わった理由を知った。


あの『マスターロード』が全幅の信頼を持って行動を実行するに値するという人間とは、いったいどのような者なのだろうか?



「我々は、魔王陛下にふさわしい軍団であるには、知性も必要だろう。

もっと精強な兵と、もっと優れた種族を、来るべき陛下の復活に備え充実させるのだ。

そして、いずれ広く豊かな地上を人間どもから奪い取るのだ。」

それでも、彼の理想は変わっていなかった。


「すべては、来るべき魔王陛下の為であるのか?」

「然り。我が忠誠、一時たりとも曲がったことは無い。」

「ならば、断る理由は無いだろう。」

フリューゲンは彼の問いに重く頷いた『マスターロード』に対してそう言って首肯した。


彼が頷くのを見届けると、『マスターロード』は更に続けてこういった。



「できることなら、貴殿らと我ら一族との蟠りも解消し、和解したいとも考えている。

魔族は一つに、一丸となり意思統一されるべきなのだ。私はこれからそう言った種族間の問題も、私が間に入り取り持とうと考えている。」

「素晴らしい、考えだと思う。」

フリューゲンは心の底からそう思った。


彼がまだ子分が居た頃、一族の支配下にある種族間のいざこざを仲介したことがある。

それの醜さと面倒臭さはよく知っている。

それを解消しようというのは、本当に素晴らしいことに違いないのだ。



「地上を席巻する愚かで醜い人間たちは、勝手に自分たちを疑いあい、憎しみ合い、そして殺し合う。

いずれ、自分たちで勝手に数を減らし、弱るだろう。

それに備え、戦力を増強し、鍛え、来るべく陛下の復活を讃えるのだ。」

『マスターロード』の眼の奥は、理想に燃えていた。

かつてフリューゲンと戦ったあの頃と、全く変わらずに。


だから彼は、協力を惜しまなかった。



第一層の大部分を占める巨大な魔族の教育機関が完成するのは、それから十数年後のことだった。

フリューゲンはそれに教官として招致され、幻獣の数の都合から年に一度教鞭を振るうことになった。


その度に『マスターロード』は技量のみの模擬戦を挑んでくるが、彼は一度も負けなかった。






―――――――――――――――――――――――





それから、二百数年後のことだった。



その日は一族でも最も重要な時期であった。

リンドドレイク族は、ドレイク族と同様に大体五年周期で殆ど同時期に繁殖する。


フリューゲンは一族の集落の祠の中に、一か所に一纏めに台座に置かれたリンドドレイクの卵を警備していた。

彼らリンドドレイク族に、家族と言う概念は無い。


一部の血筋を除いて、一族の子は一族全体で育てられ、大人たち全員を親とし、鍛えられる。

子供たちは生まれながら集団的な教育と行動を求められ、将来は立派な飛竜乗りになるのだ。


既に年を取り、老い先を見始めたフリューゲンは彼らが編隊を組んで立派に空を飛ぶ姿を思い浮かべていた。

あと何十年で寿命を全うするだろう彼は、それを見届けられないのが不安の種でもあった。



そんなことを考え終えると、まだ生まれぬかと、もう何十度目かになるか分からないほど数えた卵の数と、また数え始めた。

残念ながらこの卵が孵化するのはあと二年ほど先になるのだが。



「ん?」

ふと、そこで彼は気づいた。



「・・・20、・・・21、・・・22、・・・23。

おかしいぞ、今年の卵の数は全部で二十二個の筈だが・・?」

もう繁殖の時期は随分前に終わり、新たな卵が追加されるはずもない。

祠の警備は交代制であり、他の誰かが見ている間に紛れ込んだのだろうか。


そう思った、その時であった。



ぴき、ぴきぴき・・・。


と、ずっと先に孵化するべき卵の一つが、急に孵化し始めたのだ。

割れた卵の中から、魔力が吹き出し、周囲の卵を押し出していく。



「マズイ!!」

こんな現象は、前代未聞だった。

フリューゲンは咄嗟に動いて卵を守ろうとしたが、幾つかは台座から転げ落ちて、罅が入った。


台座は一定の温度を保ち続ける機能があるのだが、高さがあるそこから落ちれば堅いリンドドレイクの卵とて無事では済まなかった。



フリューゲンは咄嗟に魔力の吹き出す卵を取り上げ、他の卵たちから隔離した。


ぴきぴき、と卵の罅が深くなり、そして真っ二つに割れた。



「きゅぅううう!!」

そうして予定より二年以上早く生まれたリンドドレイクの子は、彼が知るどの一族の赤子より強い産声を挙げて、誕生した。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




「捨てるしかあるまい。」

族長は渋い表情のままそう言った。


一族の名士が集った会議に、フリューゲンは出席していた。


議題は勿論、件の卵から生まれたリンドドレイクの赤子の処遇だった。



「やはりか・・・。」

その場に居合わせたフリューゲンは庇いたかったが、そうもいかなかった。


いかに力強い赤子であろうと、どうしようもないことがあった。

眼が、無かったのだ。その子には。


盲目は、将来戦士になるべく育てられるリンドドレイクの子には致命的だった。



「待ちなさい、目が見えないだけなら、まだやりようがあるでしょう。」

それに反対したのは、“語り部”だった。


フリューゲンより年上の彼女は、もう既に余命が間近なのだろう。

既に子供に役目を引き継ぎ終えた彼女のその声は、とても弱弱しかった。



「しかし、“語り部”殿。実際の戦いは昔話のように行かぬのだ。」

あれから二度ほど代替わりした族長も、出す答えは何代遡ろうと同じだろう。


リンドドレイク族は例外なく優秀な精霊魔術の使い手となる。

その基本となる精霊魔術の一つに、“精霊の眼”と呼ばれるものがある。


自身の視覚を、精霊を通じて遠くを見通すという魔術で、これを使えば盲目だろうと周囲の状況を目で見る以上に綿密に把握できるのだ。



「だが、あの子は他の卵に危害を加えたらしいではないか?」

祭司を担う神官がそう言った。


「それは、その場に居合わせた彼から不可抗力だと聞いています。

幸い、処置が早く済んだおかげで、皹の入った卵は何事もないそうではないですか。」

「それは何もわかっていない者の言葉だ。罅が一度でも入れば、いったいどのような悪影響が出るか分からない。

リンドドレイクの子とは言え、産まれても無い身ではどうしようもない。」

一族唯一の医師が厳しい表情で“語り部”に言った。



「しかしッ」

「“語り部”殿、仕方あるまいよ。」

なおも食い下がろうとする彼女に、フリューゲンは諭すようにそう言った。


「貴女の慈悲深さは誰もが知るところだが、我々にも秩序が有ろう。

赤子だから、どうしようもなかったから、そう言ってしまえる事にも限度がある。」

「・・・・・貴方は、変わりましたね。」

「歳を、取ったからな・・。」

フリューゲンは、どこか物悲しそうにそう呟いた。


それ以降、“語り部”は一言も話さず会議は終了し、あの赤子の廃棄が決まった。

明日にでも飛竜の巣に捨てられ、彼らの餌になることだろう。



仕方がないこととはいえ、その無情な決断は彼の胸を痛めた。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




それから二年後のことだった。

あの時、皹が入った卵や他の卵も無事孵化し、いずれ彼らに与えられる飛竜の調達に、フリューゲンは部下を率いて飛竜の巣へ来ていた。


「な・・。」

「あれは・・!」

そこで、彼は信じられない者を見た。



「クイーンワイバーンが、背に乗せているだと・・」

あの時、この飛竜の巣に捨てたあの赤子が、眼下のクイーンワイバーンの背に乗り、他の飛竜から食べ物を受け取っていたのだ。


ワイバーンが、いかに竜に近かろうと他種族の子を養育するなんて聞いたことが無かった。

事実、今までも似たようなことはあったが、こんなことは一度も無かった。



その時、フリューゲンは心のどこかで確信した。

あの赤子は、自分の後継者になりうる、と。



「お前たち、いったん飛竜狩りは一旦中止しろ。」

「しかし、教官殿はどうするので・・・?」

部下はフリューゲンに問うが、彼の眼はあの赤子にのみ向いていた。


「儂はあの子を引き取る。」

「正気ですか!? あれは一族が捨てた子ですぞ!!」

「責任は全て儂が負おう。だからお前たちは一度戻れ。」

フリューゲンに強く言われると、部下たちはどうしようもなかった。

しぶしぶながら、彼らは引き返していく。



「さて、ここからが骨だな・・・。」

なにせ、あのクイーンワイバーンからあの赤子を掠め取らなければならないのだから。





・・・・

・・・・・

・・・・・・




「なるほど、そんなことが・・・。」

あの後、クイーンワイバーンからあの赤子を連れ帰り、勢いでごり押しして一族の連中に認めさせると、彼は真っ先に“語り部”のところへやってきて、事後報告をした。


彼女の命はもう、風前の灯火だった。

既に病床に就き、二度と起き上がることは無いだろう。



「これは、あの日あの子を捨てた我々の贖罪なのだろうか・・・。」

「でしたら、貴方が彼を立派な戦士に育て上げてください。

貴方のように誰にも負けないように・・・彼は、貴方が必要でしょうから。」

「だが・・・儂にそんな時間は・・。」

「いいですか? 貴方が、彼を育て上げるのです。

彼は、きっと一族にとって、げほッ、げほッ!!」

しかし、“語り部”は最後まで言葉を言いきることは無く、血の混じった咳を吐く。


「おばあ様!!」

次代の“語り部”たる彼女の孫が駆け寄り、心配そうに背中を擦る。



「・・・・・」

「たのみ、ますよ・・・。」

彼女が彼にそう託して亡くなったのは、その日の午後のことだった。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




「お前から私に頼みごととは珍しい・・・その眼はどうした?」

ある日、フリューゲンは『マスターロード』を訪ねた。

彼は忙しい中、突然の来客であるフリューゲンに玄関口で応対してくれた。


「ちょっと、な。先日、クイーンワイバーンに挑む羽目になってな。」

「お前が負傷など、信じられない・・・まあ、とにかくこっちにこい。」

フリューゲンの片目の負傷に驚きつつも、彼は自身の私室に通した。



「急に訪ねてきて、いったい何用だ?」

「“代表”殿に預けたい子供がいる。」

「なに?」

彼からの思わぬ頼みに、『マスターロード』は眉を顰めた。



「どういうことだ?」

「とても優れた資質を持った子供が生まれたのだ。

可能な限り、儂はその子に技術を叩き込もうと思う。だが、それは寿命が許さないだろう。

儂はあと百年も生きれぬ身。せめて、あと百年あれば・・・。

故に、儂が亡き後は、“代表”殿が後見人となり、彼を立派な――」

フリューゲンの頼みは、最後まで語ることはできなかった。


どがしゃん、と『マスターロード』が執務机を真ん中から叩き折ったからだ。



「きッ、貴様から、そんな言葉を聞こうとはなッ!!」

彼は、怒り狂っていた。



「いいか、勝ち逃げなど許さんぞ!!

貴様が死ぬだと? 戦場ではなく、ただの老衰で・・・」

まるで今まで信じてきた常識が全くの無駄だと言われたかのように、『マスターロード』は両手で頭を掻き毟って叫ぶ。


「殺してやる、皆殺しだッ!!

私は貴様と対峙した時、貴様が吹いた法螺はまだ忘れていないぞ!!

貴様が死のうものなら、お前たち一族は終わりだ!! 皆殺しにしてやる!!

貴様が居るから見逃してやったのだぞ!! 勝手に死ぬだと、そんなこと許さないッ!!」

取り乱したように、彼は周囲のありとあらゆる物体を破壊しながら叫んだ。


しかし、フリューゲンは動じなかった。



「魔術を極め、いつまでも若く有れる貴殿とは違うのだよ・・・。」

「なぜ、お前は怒らぬ。お前の一族を貶したのだぞ。

なぜ怒号の一つもない・・・まさか、そこまで衰えたというのか・・?」

「真のリンドドレイク族がもはや儂だけかどうか、それは我が亡き後に貴殿が証明するでしょう。」

「あ、あああ・・・。」

その覚悟のこもったフリューゲンの言葉に、『マスターロード』は後退った。



「嫌だ、私の楽しみを、年に一度の模擬戦を、貴様は奪うと言うのか?

高々寿命なんかで、お前ほどの男が死ぬのか・・?」

「それが自然の理と言うものだろう?」

「があああああああああああああああああッ!!!!!」

『マスターロード』の咆哮が、第一層を揺らした。




「許さん、許さんぞ。

貴様の率いた航空部隊は必ず魔王陛下に必要とされるだろう。

人間どもの町を業火で焼き払い、大地を奪い取り共に凱旋することを、何度夢見たことかッ!!」

「儂も、残念でならぬよ。」

「うがあああああああああああああッ!!!!!」

『マスターロード』は周囲に形あるものをメチャクチャに壊し始めた。



「“代表”殿ッ!! 何があったのです!!」

そして、騒ぎを聞きつけた彼の秘書官が駆け寄ってきた。


「大丈夫だ、ちょっと取り乱しているだけだ。」

「フリューゲン殿・・・取り乱しているとは・・?」

バフォメットの書記官はメガネをかけ直して、困惑しながら二人を交互に見やった。




「・・・付いてこい。」

そして、一通り暴れると、冷静になった『マスターロード』はフリューゲンの腕を掴むと無理やり引っ張っていった。

フリューゲンはされるがままだった。



二人は飛竜に乗り、不在宮から飛び、城下町から離れると、ある場所へ飛んで行った。




「ここは・・・。」

「我らがドレイク族の聖地だ。」

そう、彼らが謳う火山だった。


空を飛べば幻獣に襲われる第一層だが、『マスターロード』の発する魔術により、魔物一匹より付かないでいた。


頂上の真っ赤なマグマが煮えたぎる地獄の釜のような火口を通り過ぎると、麓の方に結界に隠された小さな横穴があることにフリューゲンは気が付いた。


「ん? ・・・まさか、これは・・。」

そこから見える聖地の全体像でようやくこの火山が何なのか気づいた。



「エンシェントドラゴン・・・。」

「そう、ここは古代竜の骸だ。」

ドレイクたちが聖地と崇める理由がよくわかった。

古代竜は神の化身とされる彼らからすれば、ここが聖地と称されるには十分な理由だろう。



「そしてこれから向かうのは、心臓があった場所だ。」

そう言って、フリューゲンは『マスターロード』に連れられ、暗闇に閉ざされた横穴を進んでいく。


暗闇を進んで十数分ほど経つと、唐突に『マスターロード』が火を灯した。

そこは、小さな祭壇だった。


竜を模った像が、両手の爪でオレンジ色の透明な宝石を手にしていた。



「これを持て。」

それを無造作に掴むと、彼はフリューゲンに押し付けてきた。


「これは・・・なッ」

変化はすぐにあった。



「ここは、かつての古代竜の心臓があった場所だ。

この聖地の地脈は、ここに集中している。この祭壇は竜の息吹を凝縮させ、結晶化させる為の祭壇だ。

これの力を使えば百年程度、寿命を延ばすなど造作もないだろう。」

「お、おお、おおお!!」

フリューゲンが手にするオレンジ色の宝玉から、凄まじいエネルギーが流れ込んでいくのを感じる。


使い古され、老いた彼の肉体が、徐々に若返っていくような、生気に満ちた力の塊だった。

残滓とは言え、これが古代竜の力なのか。




「約束しろ、百年でお前に匹敵する、いや、お前以上の実力を持った後継者を作れ。

もしお前の後継者に値しないというのならば、私は容赦なくお前たち一族を一人残らず消し炭にしてやろう。」

「・・・・恩に着る、偉大なる『マスターロード』。」

ふん、と彼はフリューゲンの礼など振り払って、使い終わった竜の宝玉を元の位置に戻した。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




フリューゲンは、厳しくあの子供を育てた。


盲目だからと言う理由もあるが、それ以上に彼の資質に目を付けたフリューゲンはあの後に生まれた子供たちと一緒に訓練した後も、個人で徹底的に技を教えて言った。

飛竜を与えられる前から彼に飛竜の技を教えるフリューゲンに非難の声も飛んだが、彼は一切それを聞き入れずに、彼を鍛え上げた。


ある日、彼が同胞にいじめられているのを発見した。

フリューゲンは、それを咎めなかった。


なぜなら、彼をいじめているのは、かつて彼が生まれた時に卵に皹を入れた者たちだったのだ。

彼らは障害こそ出なかったが、他の同胞に比べて若干体が弱いと言う影響が出たのだ。


フリューゲンは、それは彼が背負うべき業だとして、彼に乗り越えさせようとした。



「どうしてやり返さなかった。」

フリューゲンは少年に成長した彼に問うた。


彼をいじめていた者たちは、今はいない。

いつまでもやり返さない少年を見かねてフリューゲンが助け船を出したのだ。


これは優しさではなく、あの調子では本当に彼らは少年を殺しかねなかったからだ。

だからフリューゲンは彼らに言った。


数に頼って攻撃するのはいいが、窮地に陥れた相手が死に物狂いで逆襲されることを覚悟しろ、と。

彼は、いじめ自体を否定はしなかった。



「だって、やり返したら、じいさんにめいわくかかるから。」

少年はそう答えた。


「馬鹿者め。儂の名誉など、藁ほども重くない。

お前が一族の者として恥ずかしくないほど強くなれればそれでいいのだ。」

フリューゲンはそう言って、少年の頭をぐしぐしと撫でた。


リンドドレイクに家族と言う概念は無い。

しかし、フリューゲンは寝食を共にし、昼夜問わず鍛えようと鍛練を施すこの少年に、人間でいう親子の情に似た何かを見出していた。



「ねぇ、じいさん。なんで、じいさんはおれだけ、きびしくするの?

みんな、おれだけずるいっていうんだ。おれはこんなの、いやなだけなのに。」

少年は空っぽの双眸を腕で擦りながら、必死に涙を堪えていた。


「お前は儂の鍛練がいやか?」

「うん・・・・。」

「嫌ならいい。だが、今すぐこの集落から出ていけ。

お前がここに居られるのは、儂がお前を一人前にすると皆に言ったからだ。

それが出来なければ、己の武を示さなければ、我が一族に居る資格は無い。」

「う、うぅ・・・ぐす、ぐす。」

「泣くな、男だろうが!!」

フリューゲンは、一切妥協をしなかった。


妥協の仕方を知らなかったというのもあるが、年を取った彼はそのような言い方しかできなかったのだ。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




あれから十年以上経った。

フリューゲンの厳しい鍛練を、少年は順調に耐えていった。


少年はそれしかなかったとも言えるし、彼も根本は魔族に違いないからだ。



ある日のことだった。

この辺りで一番の景色のある峠に寄った二人は、そこで酒盛りを始めた。


と言っても、まだ若いと言う理由で少年には一滴も飲ませなかったが。



「爺さん、一人でそんなに飲むと寿命が縮まるぜ?」

「ふん、小童が。お前にそんな心配をされるいわれはないわ。」

フリューゲンは頑固オヤジのようにそう言って、持ってきた酒を独占していた。


このケチンボが一族の“英雄”様かよ、と少年の不満そうな顔には書いてあった。



やがて、文句も嫌味も言い尽くすと、静寂が舞い降りた。

今日は遅くまで鍛錬が続き、時刻はもう既に真夜中で、綺麗な満月が頭上に輝いている。




「なぁ、爺さん。なんであんたは俺だけ特別扱いするんだ?

俺はまだ飛竜を乗せてもらえる年齢じゃない。だっていうのに、こんなところで人目を忍ぶように技を教えてくれるんだ?」

それは、彼がまだもっと幼い頃に同じような質問をしていた。


「ああ、それは約束だからだ。」

「約束?」

その日はフリューゲンも酒が入っていたから、いつもより饒舌だった。


彼は『マスターロード』との約束を、酒の勢いで事細かく語った。

素直に彼に資質を見出したと言わないあたり、酔っていても歳食った彼は捻くれていた。




「爺さんが居なくなったら俺たちは終わりって、そう言ったのか?」

「ああ、言っていたな。」

「・・・・・・。」

それだけ訊き返すと、少年は黙り込んだ。


暫らく、無言の時間が二人を包み込んだ。



そして。


「じゃあ、俺が証明してやるよ。

・・・・俺たち一族が、魔族最強のだって。

爺さんが鍛えた部隊と、俺がそいつらを率いて、爺さんの伝説なんか霞むくらいの武功を立ててやるよ。」

「そうか。お前もとうとうその気なったか。」

フリューゲンは口に含んだ酒を飲み干すと。




「――――ようやく肩の荷が下りた気がしたよ。」

そう、言った。




「爺さん?」

「それを見届けるまで、儂は死ねんな。」

「なんだよ、爺さんがそう簡単にくたばるかよ。

それに、いつか爺さんを地面に叩きつけるまで生きてて貰わなくちゃこまるからな。」

「くかかか、お前のような若造が、儂から一本取ろうなぞ、一千年早いわ。」

フリューゲンは呵々大笑して、その態度に不機嫌そうな少年はそっぽ向いた。



英雄の残滓は、確かに彼に受け継がれていた。






―――――――――――――――――――――――――





『エンプレス』との酒盛りも終わり、彼女は酔っぱらいながらも帰って行った。


一人、応接室に残された『マスターロード』は、過去を思い返しながら、これからのことについて考えて、暗い気分になっていた。




「俺は・・・どうすればいいのだ・・。」

いらない、と魔王に言われたのだ。


彼が必死に守ってきた伝統も、試行錯誤して作り上げようとした精強な魔族たちも。

全部、全部、いらないと言ったのだ。


何の価値もない、と断じられた。




「だとしたら、俺はいったい今まで何をしてきたのだ。」

そして、なにを夢見てきたのだろうか。


「所詮は、“夜の眷属”よりの魔王だという事か・・・。」

魔族が大雑把に二種類に分けられるように、魔王も破壊や殺戮を好む“獣の眷属”寄りか、混沌や策謀を好む“夜の眷属”寄りかに分かれる。

魔王はその属性によってどちらかを重用し、駆使する。


そういう意味では、今の『マスターロード』が政権を握っていた魔族は二番目の魔王には合わなかったという事だ。


だが、求めてきた魔王が理想と合わなかったからと言って、今までやってきたことを無駄にするわけにもいかない。




「私は、私が臨む王を頂こう。」

そう決断すると、彼は音の鳴らない呼び鈴を鳴らした。


程なくして、彼の背後に黒い布を全身に巻いた、黒いミイラ男のような魔族が音もなく姿を現した。

彼ら、もしくは彼女らは、『マスターロード』直属の諜報部隊だ。



「各勢力の情報は集まったか?」

「順調に。経過報告は致しますか?」

「順調ならそれは前回定めた期限の時でいい。」

「はい。しかし、確かに順調ですが・・・。」

「分かっている。もっと踏み込んだ調査結果が欲しい。

お前自身も出て、実りのある報告をしろ。お前も、今の魔王候補には思うところがあるだろう?」

「・・・・ご随意に。」

黒い影は、現れた時と同じように音もなく消えた。




「私は、私の理想を諦めない・・・ッ」

『マスターロード』は、決意を新たにし残ったワインを飲み干した。




皆さんお久しぶりです、ベイカーベイカーです。

いろいろ忙しくて、遅れました。詳しくは活動報告で書きますので。

といっても、特に書くことなんて無いんですけどねww

更新は多分今月後半になるでしょう。


信じられるか、この話は半年前に終わらせようと構想を練ってたんだぜ・・?

予定は必ずしもその通りにならないといういい例。

それでは、また次回。


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