第六十八話 英雄の残影 中編
調整のため、再投稿しました。
「・・・そして奴は自ら退いたのだ。」
フリューゲンは目の前に座る大勢の魔族たちに向かって、今日起こった戦いの事を語っていた。
『マスターロード』を撃退したその夜、彼は城塞都市の最下層、リンドドレイクが支配している種族の前で、自分の武勇をこれでもかと誇っていた。
「すげぇぜ、フリューゲンの兄貴!!」
「やっぱり旦那こそ魔族最強だぜ。」
「一生ついていきますぜ、兄貴ぃ!!」
いつも連れまわしている魔族の子分たちがここぞと彼を囃し立てる。
「しかし、兄貴、お上に戻らなくていいんですかい?」
すると、子分のウェアウルフがフリューゲンの顔を見上げながらそう言った。
彼は『マスターロード』を撃退するや否や、一度もリンドドレイクの住む区画に帰らずにずっとここで自慢話を続けているのだ。
「流石にあれほどの大敗を期した同胞たちの前に、一人勝ちしたこの俺が出向くわけにはいくまい。」
フリューゲンがそう言うと、そこら中から笑いが巻き起こった。
他のリンドドレイクの前なら殺されてもおかしくないほどの無礼だが、それを咎める者はいなかった。
「どうせそのうち、適当な場所に落ち着くだろう。
口止めもなされて俺一人の手柄にはならんだろうから、こうしてお前たちに口伝しているわけだ。」
「兄貴の武勇は記録に残らなくても、俺たちの一族が語り継ぐぜ!!」
「自分たちも同じです。」
子分のコボルトや配下のリザードマンまでも同調する。
「兄貴が一緒なら、また連中が攻めて来たって大丈夫だぜ!!」
「俺たちは兄貴と共に、死ぬまで戦うぜ!!」
「おうともさ!! 俺たちの英雄フリューゲンに乾杯だ!!」
乾杯だ、とそこに居る魔族の皆が手にしていた酒杯を掲げる。
「お前たち・・・。」
フリューゲンは彼らの心意気に感動して口元が緩んだが、それは出来ないだろうとも思っていた。
地上部隊だけでは、どうしても航空部隊と戦う事は出来ない。
しかし、それでもフリューゲンは嬉しかった。
それだけでも戦った甲斐が有ったという物であった。
これでまた翌日に攻撃を仕掛けてくると宣言したあの強大な『マスターロード』に相対することに、いったいどのような躊躇いがあると言うのか。
だが、そんな希望も長くは続かなかった。
・・・・
・・・・・
・・・・・・
「これは、どういうことだ・・・・。」
それは酒宴の最中だった。
リンドドレイク達が武器を持って大勢に一塊になって押し寄せてきたのだ。
空には生き残りだろうワイバーンに騎乗したリンドドレイクも何人かいたのだ。
彼らの剣呑な雰囲気に、宴会状態だったこの場が静まり返った。
「貴様を連中に引き渡すことにした、と言ったのだ。」
「それを彼らが求めたのか?」
前の族長が死に、それを引き継いだ若い族長のリンドドレイクにフリューゲンは眉を顰めて言った。
「違う。だが、それが我ら一族の生き残る術なのだ。
これは一族の決定だ、お前は『マスターロード』への生け贄になってもらう。」
話はこうである。
今回の戦いで大敗を期したリンドドレイクは、ドレイク族に恭順を示そうと言う訳だ。
それで、先ほどの戦いで彼らの顔に泥を塗ったフリューゲンを差出し、頭を下げようというわけだった。
フリューゲンにとって問題だったのは、それが一族全体の決定だという事だった。
「・・・・ッ・・・ッ・・・!!」
その時の、彼の怒りは如何ほどだったか。
ただ口がぱくぱくと開閉し、言葉がうまく紡げなかった。
同胞に裏切られたことに彼は怒っている訳ではなかった。
それが戦略で、一族の為になると言うなら彼は喜んで生け贄だろうと捨て駒にでもなるだろう。
だがそれが、ただ戦いから逃げるために、敵に屈した恐怖からの行いと言うのなら、全ては別だった。
「・・・・あの『マスターロード』は、俺たちを生かすつもりはない。
奴は言ったのだ、俺達一族を皆殺しにすると。我々のすべきことは、保身の術を考える事ではなく、如何にしてあの恐るべき大敵と戦うかだろう!!
自らの言葉にまで誇りを持つあの竜の化身が、それを曲げるとでも思うのか!!」
「あの男も、戦争で自ら進んで犠牲を出すこともないだろう。
我々が恭順を示せば、必ず乗ってくる筈だ。」
激怒するフリューゲンに、族長は噛んで含めるようにそう言った。
しかし、その眼の奥に恐怖が見え隠れしているのを彼は見逃さなかった。
「甘い、甘すぎる。奴は必ず、明日我らに再び戦いを挑みに来る。
その目的は、我が一族との因縁の清算だ。そんな奴が、恭順の提案を受けるはずがあるまい!!」
「貴様がいくら喚こうが、その戯言に付き合うつもりはない。これが一族の決定だ。」
「そうか、分かった。それが一族の意思なら従おう。」
フリューゲンは吐き捨てるようにそう言って、手に持っていた木製のコップを握りつぶした。
「兄貴・・・。」
「旦那ぁ・・・。」
「フリューゲン様・・。」
支配者たちの口論を見ていることしかできない子分たちは、震えた声で彼を呼んだ。
「だが、もはや貴様らは我が同胞とは思わない。
貴様らはあの『マスターロード』が蔑む、“虫けら”そのものではないか!!
地に落とされ、誇りまで落とされたか!! 恥辱も覚えず、恐怖に屈服し頭を垂れるなどと、誇り高きリンドドレイク族の行いではないッ!!」
フリューゲンはそう怒鳴り散らしながら、子分たちに向き直った。
「お前たち、最後のリンドドレイクの生き残りたるこの俺が宣言する。
これより我が一族の支配下及び隷属されている全ての種族に、その任の全てを解くことを命ずる。
あらゆる一方的な条約を破棄し、全員の身柄を開放する。
お前たちは敗者の部下としてではなく、改めて『マスターロード』と対等な立場で恭順の意を示すのだ。」
「貴様、何を勝手なことを!!」
族長はそのフリューゲンの行動に激怒して詰め寄った。
そのような勝手なことを当然許されるはずもない。
「黙れッ!! もはやこの世にリンドドレイクはこの俺一人。
貴様ら虫けらは、『マスターロード』に恭順でも何でもすればいいだろう。
誇りを捨てた魔族の末路が、どのようになるかその目に焼き付けるがいい!!」
フリューゲンは口笛でリンドブルムを呼び寄せると、上空に居たリンドドレイクを瞬く間に蹴散らした。
「我が戦友たちよ、諸君らが真に魔族と思う者の言葉に付き従え!!
この脆弱な虫けらどもか、最後まで戦うと決めたこの最後のリンドドレイクか、さあ選ぶのだ。
いざ、町の外へ我が先導に従い、脱出するのだ!!」
「貴様ら、勝手なことは許さんぞ!! 今逃げ出したものは必ず皆殺しにしてやるぞ!!」
フリューゲンと、族長の言葉が重なった。
しかし、既にその場に居た魔族の全ては立ち上がり、フリューゲンが飛び立つのと同時に散り散りになった。
そしてその場には、やってきたリンドドレイク達しか残されなかった。
「うおおおぉぉ!! 兄貴に続け!! 我らが英雄に続けええぇぇ!!」
「俺達一族は旦那にどこまでも付いていくぞぉおお!!」
「我らの一族は古来より由緒あるリンドドレイク族に仕えてきたのだ、今もそれは変わらぬ!!」
瞬く間に騒ぎが大きくなる。
そのような声が各地から響き渡り、連鎖的に広がり始めた。
リンドドレイク達は慌ててその事態の収拾を付けようとするが、誰も彼らに従う者はいなかった。
彼らが下等だと思っていた種族も、つい昨日までは前に立っただけで自ら進んで地面に頭を擦りつける事を厭わなかったと言うのに。
どんなに力で脅しつけても、見せしめに殺しても、誰も彼らに従わなかった。
それが魔族の本質から外れて、誇りを忘れた支配者魔族の末路だった。
それが、どんな強大な種族だろうと。
戦う事から目を背け、誇りを忘れた魔族の最後だった。
・・・・
・・・・・
・・・・・・
「で、このありさまか。」
失笑を浮かべる『マスターロード』の前には、三百余りのリンドドレイクと彼らが面子を保つために捕まえた魔族が数十ばかりが居るだけだった。
あれほど立派に見えた城砦都市が、今では全く廃墟も同然のがらんどうだった。
竜騎兵を倍の二十に増やして侵攻してきた『マスターロード』の前に、リンドドレイク達は降伏の意を示した。
「すべては、あの裏切り者の所為でございます。
偉大なる『マスターロード』におきましては、奴に付いて行った連中の平定まで煩わせることになるとは、我らもまことに遺憾であり・・・。」
「なぁ、一つ聞きたいのだが。」
「はい、なんでございましょう・・・。」
平伏するしかないリンドドレイクの若い族長は、恐る恐る『マスターロード』を見上げた。
まさしく、虫けらを見るような態度の『マスターロード』を。
「お前たちは、全く同じ状況で、されどもし相手が人間だった場合、同じように恭順の意を示すのか?」
「は・・・?」
「――――貴様らは人間相手でも追い詰められれば頭を垂れ、浅ましく生き残ろうとするのかと訊いているのだッ!!」
ゴウ、と『マスターロード』の怒声が大気を振るわせる。
「そ、それは・・」
「同じだろうな、長きに渡る戦いの無い時代を経て、支配することを当たり前だと思い、誇りを忘れたお前たちは必ず人間共にも平伏するだろう。
貴様はあの男を一族にして裏切り者と言ったが、貴様ら一族は魔王陛下を裏切ったのだ。」
くくくく、と明確な怒気を発揮しながらも、彼は酷薄に笑った。
「我ら魔族は、最後の一人まで、それこそ女子供、赤子であろうとその必要に迫られれば陛下の御為に喜んで戦い、この命を差し出すのが当たり前の存在なのだ。
それが、劣勢だから犠牲を出さぬために恭順だと? 馬鹿めが、そんな軟弱な種族は、我らが魔族には必要ないのだッ!!」
この状況だからだけでなく、誰一人として『マスターロード』の言葉に反論できた者はいなかった。
魔族としては、全く当たり前の道徳であるだけに、何も言えないのだ。
「だが、お前たちのいう事も一理ある。
無暗に犠牲を増やし、魔王陛下の御為に奉げる兵が減るのでは本末転倒だ。」
『マスターロード』は酷薄な笑みを浮かべたまま告げる。
その言葉に希望を見出した族長が顔を上げるが、その表情を見て凍りついた。
「そこで、だ。お前たちの選んだ恭順の道をお前たち自身の手で示してもらおうか。
そうだな・・・手始めに、お前達一族全員を手土産に、人間の魔術師の『盟主』にこの新しい支配者たる我が意向を示そうと思う。」
「そ、それは・・・。」
それが意味するところは簡単だ。
『マスターロード』を仰ぐ魔族の新政権を認めさせるべく、お互いに現状不可侵を結んでいる人間相手の生け贄にしようと言う魂胆なのだ。
そうして自らの力を示すのだ。
「だから我らは貴様らを殺さないでおこう。
だが、貴様らは誇りを捨てたのだ。だから人間たちに奴隷のように扱われたとしても、全く問題なかろうよな?
なぁに、人間は竜種が大好きだからな、さぞかし大事に可愛がってくれるだろうよ。」
死刑宣告より残虐な仕打ちだった。
見た目こそ怒りと理性を両立しているように見えるが、背後や空中に居る部下たちは戦々恐々としていた。
彼らの経験上、『マスターロード』のブチギレの仕方で最も酷いパターンだからだ。
奥歯を苛立たしそうにカチカチと鳴らしているのがその証拠だった。
こういう時の彼は、怒りのあまりに自分が思ってもいない事をいい、それらが周囲に飛び火して目も当てられない状況になるのが常だった。
ここで怒りに任せて大暴れしないのは、メンツがあるからだ。
メンツ、本当にそれだけだ。
そういったプライドがどれだけ魔族にとって重要なのか分かっているからだ。
肉体が強靭な分だけ、精神に重きを置く生命体。それが魔族。
それを忘れると、目の前のリンドドレイク達の二の舞になるからだ。
そして、『マスターロード』は怒りが風船のように膨らんでいる真っ最中であり、部下たちはこの後の破裂に付き合わされる羽目になるのが目に見えていたのだ。
だから彼の一人の部下がこう言った。
「忠言いたします。このような連中、存命に値しないかと。
こんな連中を人間共に送ったら、我ら魔族の品位と質と、そして竜族の沽券が問われることになります。
彼らもここまで無様を晒して生きながらえるのも苦痛でしょう、情けを掛けてやるべきでは?」
「・・・・・・・確かに、それもそうだ。」
もういっそこいつらをここで皆殺しにしてストレスを解消させようと言う魂胆が丸見えだったが、『マスターロード』は頷いた。
部下に言われて、若干冷静になったのかもしれない。
その言葉で部下たちもこっそり溜息を吐いた。
ブチギレた『マスターロード』は、それだけ何を仕出かすか分からないのだ。
しかし。
「だが、赦さぬ。」
その安堵は数秒と持たなかった。
「魔王陛下への反逆、そして自らだけでなく、相対する我ら竜族の誇りまで相対的に辱めた貴様らは、万死に値する。
いいや、殺してやらなーい。人間共にその鱗の一枚一枚を剥がれ、牙や角を折られて、肉をそぎ落とされ、血を抜かれ、生え変わるまで牧畜のように飼い殺される・・・それが貴様らの歴史に刻まれる末路だ。」
聞いているリンドドレイク達どころか、部下のドレイク族たちも怖気が走るような残虐な言葉だった。
するとその時であった。
「・・・もはや我慢なりませぬ。」
リンドドレイクの“語り部”が立ち上がったのだ。
「お前は?」
「私はこの一族の“語り部”です。」
「ふん、ではお前だけは手元に残そう。
そして、自分の同胞がどのような仕打ちを受けているのか、毎日広場で死ぬまで語り続けてもらおうか。」
そう『マスターロード』が言い放っている間に、彼女は隠し持っていた短刀の刃を口に含んだ。
「・・・・何の真似だ。」
「一族が誇りを失ったとは言え、このような有様を語り続けるなどと、私にはできません。
いっそ自ら命を絶ちましょう。そしてその血飛沫で我が一族の最後の誇りを示します。」
そのまま刃を口の中から頭に差し入れることが、ドレイク種が最も効率的に自決できる方法だった。
「それは困る。お前にはリンドドレイク族の秘宝や秘術の場所を喋って貰わねばならないからな。」
それを張ったりと受け取ったのか、『マスターロード』は歯牙にも掛けずに鼻で笑った。
「一族が恭順を示すと決めた時、私は信じられなかった。
私が代々受け継がれ、伝え聞いていた我らが一族の伝承や武勇からすれば、そのような行動は有り得ないからです。」
「・・・・・。」
「もし我が一族に誇りが無かったとするのならば、それは私の責任でしょう。
私が一族にもっと自分たちの勇ましさや強さを説き、誇りを呼び覚ましていればこのようなことはならなかった。
事実、最も私の話を真摯に聞いていた彼だけは一族の、竜族の誇りを忘れなかった!!」
“語り部”は涙を零し、短刀を持つ手を震わせながら続けた。
「貴殿らドレイク族には、誠に申し訳なく思います。
十番目の魔王陛下が君臨していた時代、最も我ら竜族が権勢を誇れた黄金の時代にはお互いに高め合った我らは今も見る影もない。」
「・・・・ああ。」
すると、先ほどまで怒り猛っていた『マスターロード』が小さく相槌を打った。
その瞳は、まるで彼女の語る時代を夢見ているようだった。
「私も“語り部”だった爺様から何度も何度も聞いた。
一度飛び立てば、立ち向かえる者無しと謳われたリンドドレイク族と、一度戦場に現れれば敵味方ひれ伏さぬ者無しと謳われた我がドレイク一族。
魔王陛下の忠誠の下、力を持つ者がすべてを証明していた時代だった。
私が再建を目指すのはそんな時代だった。もう一度そんな時代を夢見て、私は戦ってきた。
・・・だが、お前たちはそれを穢した。」
「ええ。」
“語り部”は『マスターロード』の言葉に躊躇いなく頷いた。
「お前たちは、不要だ。我らが目指す時代に、我らの望み夢見る時代には。」
そして『マスターロード』が片腕を上げた。
戦闘態勢の号令だった。
彼はリンドドレイク族の処遇を決めたのだ。
即ち、死刑。最初の言葉通り、皆殺しだった。
このまま蹂躙されると思いきや、“語り部”の言葉に奮起されたのか、何人もの若者が立ち向かう姿勢を見せた。
「面白い。殺せ。」
振り上げた手を『マスターロード』は振り下ろそうとした、その時だった。
「待たれよ!!」
槍を携え、リンドブルムに騎乗したフリューゲンが町の外から飛んできたのである。
「遅かったな、逃げ出したかと思ったぞ。」
ようやく役者が揃ったと、『マスターロード』は笑みを浮かべた。
「済まない、子分どもを纏めるのに手間取った。
それより大いなる『マスターロード』よ、これはどういう事だ。」
フリューゲンは彼に槍を突き付けながら言った。
「彼らはリンドドレイク族に非ず。我こそが魔族最後の、リンドドレイクの生き残りよ。
よって、関係の無い彼らは我ら一族と貴殿らの一族の争いには関係ない。
邪魔なのでこの場から立ち退いてもらおうか!!」
「なに?」
「フリューゲン、お前・・・。」
彼の物言いに、『マスターロード』だけでなく他のリンドドレイクも絶句した。
「ドレイク族の長とあろう御方が、よもや我が一族の亜種である“リンドドレイクもどき”と見紛うことはあるまいな?」
彼は、自らを裏切った同胞を助けようとしていたのだ。
「・・・くくく、なるほど、面白い。面白いなぁ、貴様は!!
よかろう、貴様の策略に乗ろう。危うくこやつらに騙されるところであったわ!!」
そしてあろうことか、その場の勢いで『マスターロード』も悪乗りした。
部下たちもギョッとした表情で彼を見やる。
フリューゲンの言っていることは明らかに支離滅裂で脈絡も無いことなのに、彼はそれを待ち望んでいたかのように高らかに笑った。
「お前たちはこいつらを見張っていろ。
仇敵の最後の生き残りよ、逃げずに現れたことに最大の礼儀を尽くそう。」
『マスターロード』は部下に指示を出して飛竜に跨ると、淀みのない動作で飛び上がった。
「一騎打ちにて、我らの因縁に決着を付けようぞ。」
「覚悟せよドレイクの長よ、我が一族の血に染みついた積年の怨念を今ここで清算せん!!」
フリューゲンが口上を述べると、二人は空高く円を描くように舞い上がった。
「昨日と同じように行くと思うなよ。」
「ドレイク族は戦いの前に多弁になるのか?」
「ぬかせ。」
彼の挑発も『マスターロード』は軽く流した。
そして二人の間には沈黙が舞い降りた。
両者を遮る者は何もなく、風の音と飛竜の羽音だけがその場を支配していた。
だがそれも長くは続かない。
『マスターロード』が幾多の敵にそうしてきたように、破滅を指揮する指先をフリューゲンに向ける。
彼は空気の脈動を感じて急加速した。
その直後に、彼のいた場所が爆炎に染まる。
一直線に飛んで逃げるフリューゲンを追うように、小爆発が連なり彼を呑み込まんと牙を剥く。
しかし、風を纏うリンドブルムは持ち味の速度でそれを徐々に引き離していく。
だがそれを許す『マスターロード』ではない。
突如としてフリューゲンに味方していた風が震え、乱気流となって彼の行く手を阻んだのだ。
それを即座に察知したフリューゲンは即座に様子見から戦法を変えた。
彼は精霊の干渉力で『マスターロード』に敵わないと判断すると、空気中の水分量を操り、薄い雲を発生させその流れで気流の動きを見切ったのだ。
「ほうッ!?」
その完璧な対応に、『マスターロード』は驚嘆した。
この“箱庭”の気候は完璧に制御されており、乱気流など起こりえない。
ただでさえ風を操ることに長けたリンドドレイクがそれに慣れているため、風の精霊の制御を奪われれば容易く失墜すると思っていたのだ。
更に判断からリンドブルムへの指示までほぼタイムラグなしでそれを行わなければ、風に飲まれて終わりだ。
彼はそれをやってのけた。
フリューゲンは乱気流の風を受けて急上昇すると、距離を取っている『マスターロード』の影響下に無い風の精霊を操り、追い風を発生させて彼に突撃を敢行した。
「ふん。」
しかし、『マスターロード』は冷静に風速が三ケタに達する暴風の壁を形成し、正面から迎え撃つ構えを見せた。
が、フリューゲンの背後で彼の発生させた薄い雲を利用し、電位差を生じさせ雷雲と化して落雷を発生させた。
その落雷は『マスターロード』の意思に従い、フリューゲンへと迸る。
発生までは人為的な魔術だが、そこから生じた落雷そのものは純粋な物理現象。
つまり、竜種の高い魔力抵抗能力の影響を受けない、極めて有効な魔術師らしい攻撃だった。
こういった婉曲な手順を踏んで、確実な攻撃を出来るかどうかで魔術師の質が問われる。
そういう意味では、『マスターロード』の戦い方は魔族らしくはなかった。
いかにフリューゲンたちが風を使いこなして速かろうと、ほぼ高速の落雷より素早いはずもない。
一条の雷光が彼を襲った。
だが『マスターロード』は攻撃のチャンスに、一瞬失念していた。
雷を操るのは、リンドドレイクの十八番だということを。
落雷が発生しようとしたことは、フリューゲンにも肌で感じられた。
どうしてか、と言われれば、何となく経験でそうなるだろうと種族がら知っていたからだ。
突撃の為の準備をしていたフリューゲンは、それを利用しようと即座に判断した。
照準が誘導されているとはいえ、落雷そのものはただの自然現象。
あっさりとその雷を制御し、片手に形成した魔力物質にその破壊力を注ぎ込み、衝撃波と共に打ち出した。
秒速数十キロにも至る超音速の魔力物質の飛翔体が轟音を鳴らし、プラズマ化しながら自らも衝撃波とソニックブームを伴いながら突き進む。
これこそ流星を操ると言うリンドドレイク族の証にして奥義。
リンドドレイク種族固有魔術:“流星光”である。
地上に存在するあらゆる魔術と比較しても最強クラスの威力と貫通力を誇る性能を有する。
それは暴風の障壁を易々と突破し、その衝撃波でそれを吹き飛ばした。
「ぐッ!!」
咄嗟に飛竜を操り直撃は避けたものの、『マスターロード』は“流星光”の衝撃波を受けて態勢が崩れた。
「『マスターロード』、覚悟ッ!!」
フリューゲンが竜上から跳躍し、彼が騎乗していたリンドブルムが彼の騎乗する飛竜に体当たりを仕掛けたのだ。
「くッ、おのれ!!」
幼体とはいえ四百キロを超える質量の体当たり。
自動車が激突するようなものだ。
バランスを崩した『マスターロード』は大きく吹っ飛ばされたが、それでも手綱は放さなかったのは流石だった。
激痛に飛竜は悲鳴を上げて暴れだすが、彼は拳ひとつを飛竜の背筋に落とすだけで黙らせた。
「流石ドレイク族の長、我が同胞でも今のように簡単には竜を落ち着かせられぬよ!!」
「ピギャ!!」
すると、あろうことかフリューゲンは彼の乗る飛竜の首の上に降り立った。
生体の飛竜の全長は六メートル前後。
場所が悪いとは言え、二人くらいなら十分乗れる。
とは言え頭部から『マスターロード』の乗る背部まで、実に目と鼻の先だった。
「無礼を承知の上で、お相手願おう!!」
槍を中ほどに持ったフリューゲンが飛竜の首を踏みしめて彼に刺突を繰り出す。
「小癪な、小僧が!!」
そして『マスターロード』も腰から剣を抜いてそれに応戦する。
直進する槍の穂先と、横合いから弾こうとする剣が激突し、火花を散らす。
しかしフリューゲンは更に踏み込んで、弾かれた槍の衝撃を受け流して空いた手で穂先の寸前を掴んでもう一度無理やりその切っ先を彼に向けた。
対する『マスターロード』も態勢の振りから大振りではなく、小回りの利く構えで迎撃の姿勢を取った。
それを見たフリューゲンは振り返るように軸足を利用して、虚を突くように槍の石突きで薙ぎ払う。
そして迎撃しようとしていた『マスターロード』も、実は片手を竜の背に乗せて飛び付く隙を窺っていた。
この場合、隙を見せたのは一瞬でも背を見せる形になったフリューゲンだった。
『マスターロード』のタックル・・・というよりは頭突きに近いそれは、槍を振りかぶった状態のフリューゲンに炸裂した。
当然、彼は空中に放り投げだされた。
それを待っていたかのようにリンドブルムが彼の真下に潜り込んで拾い上げる。
「くはッ、傾くのも大概にすることだな!!」
獰猛な笑みを浮かべた『マスターロード』が、大きく飛竜の翼を羽ばたかせて高度を上げつつ距離を取る。
「この私が空中戦でここまで苦戦するとは、魔族の中とは言えどもまだまだ世は広いなぁ!!」
「これでもう終わりというわけでもあるまい?」
角のある強烈な頭突きを食らったフリューゲンは痛む脇を押さえながらも笑っていた。
お互いがお互いに、強者に出会えたことがうれしくて仕方がないのだ。
「当然だ。こちらも礼に最大限の秘術を尽くそう。」
そしてその直後、彼の騎乗する飛竜の周囲を取り囲むように球状の淡く光る線が現れた。
それは魔法陣だった。
変化はすぐ起こった。
『マスターロード』と騎乗する飛竜が真っ赤な熱気を伴う灼熱の炎に突然包まれたのだ。
だがそれだけではない。
炎の中の彼らが、炎が激しく燃え上がるのと同じくして大きく膨れ上がっているように見えた。
否、本当に膨れ上がっているのだ。
炎の中の『マスターロード』から巨大な翼が広がる。
やがて、風にさらわれるように炎が取り払われた。
現れたのは、ヒト型ではなく竜身の巨体。
サファイアのように美しかった『マスターロード』の鱗が、溶岩のように真っ赤になり輝いているようにも見えた。
身長が拡大したように大きくなり、竜としての特徴が全面に押し出されている。
そして騎乗する飛竜も、全長二十メートルを超える巨体になっていた。
傍目から見ただけで、身長だけでなく当然その質量もそれ相応だ。
その姿は身体の線が細い飛竜とは見る影もなく、むしろその姿はエルダードラゴンに比類するほど逞しい。
竜化したことにより凶暴性が増して興奮しているのか、首や手足の動きを確かめるように激しく動かしている。
「コレゾ我ラガ竜神ニ嘆願シ、カツテノ肉体ヲ取リ戻ス、ドレイク族ガ秘奥 “竜身転換”。 」
その一挙一動が万物を震わせる声音と変えた『マスターロード』が悠然と言った。
これこそドレイク族の秘奥、自ら先祖返りを行いその強靭な肉体を復活させる大魔術だ。
だが、それは当然それだけの魔術ではない。
竜神に嘆願し、その力を借り受ける神降ろしを行う精霊魔術の秘儀なのだ。
「・・・その割には知性が若干衰えているようにも見えるぞ。」
だが力の波動は先ほどとは格段と違うことをフリューゲンは肌身で感じていた。
ただでさえ大人と少年くらいの体格差があったのに、人間と象くらいの肉体の違いが存在していた。
「ナントデモイウガイイ。
・・・サァ、第二ラウンドノ、ハジマリダァァァ!!」
轟、と『マスターロード』の気迫に第二層そのものがぶるりと振動した。
「強敵だな、恐らく後にこれほどの相手は無いほどの。
・・・心して掛かろうぞ、兄者よ。」
「ギャウ!!」
騎乗するリンドブルムの背を撫でて、その答えを受け取ったフリューゲンは笑みを深めた。
だが、『マスターロード』が吼える。
それだけで衝撃波を伴うような轟音は、一瞬足りとは言え彼らを怯ませるには十分だった。
「大イナル、竜神ノ力ヲ見ルガイイッ!!」
彼の騎乗する飛竜がブレスを吐いた。
それはまるでマグマのような鮮やかな濃い赤の液体で、火山の噴火を思わせるような勢いで放たれた。
「危ない!!」
風を操り急上昇してフリューゲンはそのブレスを回避した。
その直線状にあった城砦に距離があったにも関わらず直撃して、その超高温で真後ろまで焼き切り貫通させてしまった。
このクラスの威力となると、どんなに潜在的に、魔術で火の耐性を得ていても防げないレベルだ。
ただの飛竜でこれだった。
「これは噂に聞くエルダードラゴン同等かもしれんな。」
そう呟くフリューゲンの眼前に、ただの一度の羽ばたきでその飛竜は追いついてきた。
「くッ、さすがに馬力が違いすぎるか。」
「滅ビルガイイ!!」
両手を広げ、『マスターロード』が天を仰いだ。
その直後、空が落ちてきた。
そう表現するしかできないような、自然界では絶対に起こりえない現象が起こっていた。
例えるなら、超大規模な雲が空を覆い、それが地上に向けて落ちてこようとしている。
膨大な上昇気流を効果範囲外から受け取り、それを吸収するように大きくなりながら、轟音を奏でて落ちてくる。
言うなれば、人為的に作った極大のダウンバーストだった。
それが水滴を伴って降ってくる。
「兄者ああぁぁ!!」
災害クラスの大魔術に対して、フリューゲンはリンドブルムに指示して翼を折りたたませた。
その直後、卵殻状の岩盤のような魔力物質が形成されて、彼らの全身を守るように全身を覆った。
殺人的な速度の水滴が空中を貫き、下に突き刺さる。
ほぼ同時にやってくる極大の下降気流が、触れるものすべてを押しつぶしていく。
高い位置にある城砦が天辺からバラバラに砕け散る。
地上から敵味方問わずに悲鳴が聞こえ、必死に防護を張ろうとする光景が見て取れた。
神罰すら幻視するような圧倒的な光景だった。
すさまじい空気圧の流れに、彼らはかき乱されながらながらも受け流した。
卵殻状の岩盤が雨をやり過ごし、暴風が彼らを岩盤ごと押しつぶそうとしても一瞬の気流の抜け道を見逃さず、まるで激流に身を任せる魚のように無傷で突破した。
しかし、それを待ち受けていたかのように飛竜がマグマのブレスを解き放つ。
摂氏何千度の深紅の閃光が迸り、竜種でも直撃を受ければ即死するだろう熱線を最小限の動きで避ける。
鉄も溶けるような熱気を受けてもフリューゲンたちは眉ひとつ動かさない。
「負けられぬよなぁ、兄者!!」
「ギャウ!!」
先ほどの卵殻状の岩盤の破片を手に、“流星光”で反撃する。
衝撃波で打ち出された岩盤の破片は瞬時にプラズマ化して、秒速数十キロで飛竜の首元を貫いた。
「GUGAAAAA!!!」
激痛で『マスターロード』が駆る飛竜が絶叫する。
これでもうマグマのブレスどころか、呼吸すらままならないだろう。
されども、飛竜に戦意は消えていなかった。
むしろ、負傷前より荒々しく飛び、空を支配せんする。
「オ前ノ忠義ハ神ト魔王陛下ヘト届クダロウ・・・。」
戦いを楽しんでいた『マスターロード』の瞳に冷厳な光が戻った。
誰が見ても助からない飛竜を労い、彼は次なる手を打つ。
「モウ殺ス、次ハ無イ。」
「できるのなら、最初からやるべきなのではないか?」
フリューゲンの挑発など意に介さず、『マスターロード』は淡々と殺意を磨く。
彼の両手に、深紅、水色、深緑、土色の発光体が次々と集まっていく。
可視化できるほど活性化した精霊が、彼の意思に従い膨大な量が集っていく。
「貴様、まさか・・・。」
「相反スル四ツノ属性ノ精霊ノ特性ヲ利用シタ、四属性複合魔術ダ。
反作用ニヨリ、互イノ精霊同士ガ相乗シ合イ、莫大ナエネルギーヲ発スル大魔術ダ。」
それは、難しいことはわからないが危険だからフリューゲンはやるなと言われていた精霊魔術の使い方だ。
互いに相克し、反発する精霊の力は無制限に膨張し、果てしない破壊力を生み出す。
それこそ、この第二層とその上下の階層に甚大な被害を齎すほどの。
それだけの力を有するだけあって、その難易度も現存する魔術の中でもトップクラス。
人間ならば高位の術者とその補助で十人単位も必要とする儀式魔術となる。
それを彼は一人でやろうというのだ。
正気の沙汰ではない。
もはや勝負のために、『マスターロード』は周りが見えていない状態だった。
後先考えず、ただ勝つために、己の力を証明すべく戦おうとしていた。
自分の力を証明する、それはフリューゲンも好ましいと思う。
だが、それでも規模と限度はある。
フリューゲンは何となく確信していた。
彼の魔術は確実に発動し、己を殺すだろうと。
だがそれは完璧に制御されたうえで、彼の部下を含めたこの周辺一帯を微生物一匹残さない空間に変えるだろう。
彼は目的の為なら、どんなことも、どんな犠牲も払うだろう。
「させるかぁ!!」
フリューゲンも、己のできる最大限の技で立ち向かう構えを見せた。
両者が最大の激突を図ろうとした、その時であった。
わあああぁぁ、と地上から叫び声が聞こえた。
それは真剣勝負をする二人にも聞こえ、無視できないほどの喧騒だった。
「馬鹿ナ!! 予定ヨリ速スギル!!」
その時、地上では無数の魔族が大挙して押し寄せ、二人の戦闘の余波でぐちゃぐちゃになった城砦都市を蹂躙している姿だった。
彼らは、『マスターロード』の地上制圧部隊だった、
戦略は昨日と同じで、『マスターロード』率いる航空部隊で先制攻撃を加えた後、予定の時刻に地上部隊が制圧するという流れであった。
いくら航空部隊が強くとも、歩兵でなければ制圧はできないから、彼らが戦略に絡むのは当然のことだ。
だが、それが行われるのが予定より早かったのだ。
手柄欲しさで独断専行があったのは明白だった。
「もう、終わりだ、終わりだよ『マスターロード』よ。
・・・楽しい戦いの時間はもう終わりだ。」
フリューゲンは槍を下して、力なく首を振ってそういった。
「認メヌ、コンナ決着ナド、私ハ認メヌゾ!!
コレハ私ガ望ンダ結末デハナイッ!!」
「いいや、負けだよ、俺の負けだ。
もう終わりにしよう、偉大なる『マスターロード』よ。
これ以上、俺たちのエゴで同胞を巻き込むわけにはいくまいよ。」
頑なに叫ぶ『マスターロード』に、フリューゲンも頑とした態度で臨んだ。
「貴方は長であろう。一族の長だ。
そんな貴方に相対した者として、貴方も長としての采配を望む。」
「・・・・・・・・・。」
その言葉に、『マスターロード』は無言だった。
しかし、先祖返りの秘術が解け、徐々に元の姿に戻っていったのが、彼の何よりの返答だった。
「・・・我が戦友たちよ。」
『マスターロード』の威厳に満ちた声が、轟いた。
たったそれだけで、蹂躙と戦果を望む魔族たちが天を仰いで停止した。
「リンドドレイク族の全てが降伏した。
戦いは終わったのだ。戦争は、終わったのだ。
この土地はすべて我が物である。それを荒らす者は我が逆鱗に触れることと知れ。」
それが、終戦の宣言だった。
地上にいた魔族たちも、一瞬何を言われたのか分からないようだったが、すぐに勝鬨を上げ始めた。
すぐに『マスターロード』を讃える叫びが広がり、戦勝に歓喜する。
戦いは、終わったのだ。
たった一日だけの英雄だったフリューゲンはそう思った。
そして、自分たちの時代も終わったのだ、と。
「いくぞ、我が仇敵よ。」
威厳に満ちた『マスターロード』の声に応じて、フリューゲンも地上に向かった。
この時、フリューゲンは死を覚悟した。
彼は最初の宣言通り、一族郎党処刑するだろうと思ったのだ。
だが、それはなかった。
むしろ彼はフリューゲンとの決着が最後まで付かなかったことを喧伝した。
その健闘を認め、リンドドレイク族はドレイク族の支配下に置かれて辺境の僻地に飛ばされるだけで済み、『マスターロード』の政権が続く限りいかなる種族を配下にすることも認めないと取り決められたが、それ以外は軽い取決めだけで済んだ。
そしてフリューゲンたちリンドドレイク族は蚊帳の外に置かれたが、『マスターロード』率いるドレイク族は瞬く間に魔族全体を掌握し、支配した。
魔族に平和が訪れたのだ。
だが、二人の間にあった種族の因縁は終わったが、同時に二人の長い腐れ縁の始まりでもあった。
これより約百年後、フリューゲンは『マスターロード』に呼び出されたことにより始まる。
皆さん、約ひと月ぶりです。
いろいろと自分の身にあったので、モチベーションがダダ下がりで投稿が遅れました。
もっと速いペースでやりたかったのですが、今の自分の状態ではそうもいきません。
詳しくは活動報告をこの後書きますが、あまり面白い内容ではありません。
次回も冒頭はできているので、調子が戻ってる時に書きますね。
次は番外編の続きを予定しております。変なタイミングで番外編出したことにちょっと後悔。私どちらかしかすすめられない性質なので、どちらを書こうかで立ち往生してたりで、それも遅れた原因の一つですね(笑)
それでは、また次回。