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魔族の掟  作者: ベイカーベイカー
第四章 断片編
61/122

第五十四話 幕間 価値のあるモノ 前篇


・・・どくん・・・どくん・・・。



―――ここは、どこだ・・・。


絶え間ない心音の鼓動で、彼は深淵から意識を呼び起こした。



しかし、何も見えない。

暗黒の中で、彼を証明するのは自身の意識だけだった。


―――なぜ、私は生きているのだ。



身動きが取れない。

まるで何かに浮かんでいるかのようだった。



―――これが噂に聞く“虚無の闇”か。


それにしては、温かく、心地の良い場所だった。

書物曰く、そこはあらゆる概念が欠落した真の地獄であるという。



ならばこの暗闇はいったいどこなのか。

幸い、彼には考える時間は嫌というほどあった。


人間なら発狂してしまうだろう時間を掛けて、彼はゆっくりと情報を求めた。



そして気づいたことがある。


時々、何か言葉と思わしいものが取り交わされるのが、この暗闇の外から聞こえる。

この暗闇がどこまで続いているのか確かめようと思ったが、案外狭い場所だというのが分かった。

そして何よりこの暗闇の空間は、よく動くのだ。

まるで揺り籠のように。



―――まさか、な・・・・・。


彼の頭に、その結果から一つの結論に至った。

だが、そんなバカなと切って捨てた。


それは生物なら誰しも必ず経験することであった。

しかしそれゆえに、有り得ない事柄なのだ。



魔王である彼には、たとえ生まれ変わっても存在しない物なのだから。


彼は、記憶にある知識を呼び覚ますために、意識を集中させて埋没させる。

そして、魔術を行使する。


接触している生物の思考を読み取る魔術だ。




『あら、また動いた。本当にこの子はやんちゃなのね。きっと、元気に産まれてくるに違いないわ。』


そして、確定した。



―――馬鹿な。


彼は思い当たってしまったのだ。

有ろうことか、彼はどこかの誰かの子供として、再び現世に生を受けてしまったのだという事実が。





・・・・

・・・・・

・・・・・・




彼が生まれ落ちたのは、第八層に存在する村だった。



彼の母親にあたる人物から産まれた時に、産声を出さなかったという話でちょっとした話題にもなったが、所詮は村の中での話である。


彼は・・・いや、厳密に言えば、彼ではなく彼女だった。

それを言ってしまえば、そもそも以前の魔王だった頃にもそもそも性別なんて無かったのだが、便宜上彼という呼称を今まで用いていた。

だが、これからは彼女である。


なにせ、彼女は女性として生を受けたのだから。



「確か人間どもに昔好まれたという廃れた文学にこういう展開が存在したな。」

ある日何らかの理由で突然死を迎えたりすると、神やら何やらの舞台装置が現れて、別の世界や時代の人間へと生まれ変わらせる、というものだ。


そんなの自分の人生に不満を想像で転嫁する愚かな行為だと切って捨てていたが、実際体験してしまうと笑いごとにもならなかった。



彼女は当然、人間ではなかった。

種族は、キャットピープル。


猫人間だ。

ワーキャット、ウェアキャット等々色々言い方はあるが、現在ではそれが一番通りが良いらしい。

魔族の中でも最弱から数えた方が早いくらいの弱い種族だ。



魔族は大きく分けて、“夜の眷属”か、“獣の眷属”のどちらかに分かれるが、この種族はそのどちらの属性を持っている。

どちらかと言えば“夜の眷属”寄りなので、身体能力より特殊能力が優れていると言った種族だ。


というか、彼女が生まれ落ちた村は、そのどっちにも属することができる者たちの集落だった。

人間からは“亜人”と称され、魔族の中でも人類に比較的に友好的で中立の立場を取っている存在であり、第十層から第六層まで広く分布している。


その為、“亜人”は人間の領域である第十五層まで自由に行き来が可能で、現在ではその特権を生かし商売をする者も多い。

まあ、人間から種族全体を舐められていると言われてしまっては反論できないだろう。

そもそも亜人は強力な魔族ではないのだから。


彼女の外見は人間大の猫が二足歩行している、という感じを想像して貰えば十分だが、“夜の眷属”は大抵が変身能力を兼ね備えている。

人間が好みそうな、例えば耳と尻尾だけを残して外見を人間みたくすることも可能だ。

当然、人間と見分けが付かなくなるようにすることも。



これは弱い種族ゆえに、人間から警戒心を取り除く会得した能力だとも言われているが、そこは初代の魔王に聞いてもらわねば分からない。

ここに住んでいる亜人種は大体が、そういう能力を生まれながらに持っている。


そういう事情も相まって、彼女の父親も商人だった。

彼女の家は代々そういう家系だった。


彼女はそんな中で、生まれ育つことになった。




「今日は日なたでお昼寝しましょうね、可愛い我が子・・・・・にゃぁ、眠い。」

と、母親に連れられて縁側で丸くなって眠る。


偽物の太陽の光でも、気持ちよくなってすぐに寝てしまう母親に彼女は何だから妙な気分になった。

それは嫌な気分ではなかった。

どちらかというと、仕方ないなぁ、とかそう言った微笑ましいという感情だった。



初めての経験であった。


嘗て魔王だった彼女は、母親などいなかった。

そもそも、魔術本の一説には“魔王”とは現象だという説もあった。


だから性別も無いし、繁殖もしない。

それなのに、感情という無駄な機能が付随していた。



それ故に、最も有名な四番目の魔王は人を愛してしまい、それが憎悪へと転化して人間への逆襲に走ったと言う。

実際、彼だった頃の彼女には、感情と言うのは自分の状況を苛ませるのを確認させるためだけにあった。


“亜人”の中でも“夜の眷属”寄りの彼女は、人間に溶け込むために人間らしい感情と感性を持っている。

だが、彼女は思う。


申請すれば、“亜人”は社会的な保障は出来ないが人間との結婚すら許されている。

実際この村にも何人も、普通に暮らしている人間の姿を見ることができる。



だが、それは必要なモノのだろうかと。

感情は、また自分は苦しみながら生きるだけになるのだろうかと、彼女はずっと考えていた。



考えていると、彼女は生まれて初めての疲労に襲われた。

四六時中活動していても披露とは無縁だった魔王の肉体など今はなく、最下級の魔族でしかなかった。


彼女は、初めての母の腕の中でまどろみの中で眠りに落ちた。






・・・・

・・・・・

・・・・・・





「もっと姿勢を正せッ!! そんなんで獲物の穴に矢玉をぶっさせられんぞ!!」

村の郊外に、そんな怒声が響いた。


亜人は大抵が狩猟民族である。

産まれてから五年が経ち、成長した彼女は食器の使い方よりまず、弓の引き方を教えられた。


教育の為に村の子供たちを集めて戦技を指導するのは、ポーヴァルバニーのラビと言う女性だった。

歴戦の傭兵だったらしく、十数年前に戦いから落ち延びてきて、色々あってこの村が気に入ったのか、ここに一部隊丸々帰属することになったらしい。


今では七人の娘の母親となっているが、そうとは思えないほど引き締まった肢体は全盛期を過ぎても衰えを感じさせない。

彼女は常に軽装で肌の露出の方が多く、その肌は度重なる戦いで傷痕だらけだが、それでも言い寄る男が数知れないという。



そんな訳で、強力な狩猟部隊率いるラビ達の獲物が、この村の大きな収入源となっている。

ラビの部下が獲ってきた肉は彼女も毎日のように食している。


お蔭で彼女は食べ物に困ったことなど一度もなかった。



「ねぇねぇ、ミーシャちゃん・・・。」

黙々と的に向かって射撃を続けていた彼女に母親が与えた名前を呼ぶ者がいた。


いつもは元気に天に向かって立っている耳が、まるでロップイヤーのように垂れて顔も項垂れているポーヴァルバニーの少女だった。

二つ年上の幼馴染である、モモだった。

同時に、ラビの末子でもある。


名前の適当さが多産なポーヴァルバニーらしさを伺わせる。



「・・・どうやったらまっすぐ矢が飛ぶか、お願いだからあたしに教えて。」

そう涙目で、モモは言ってきた。

彼女より長く弓矢を習ってきたはずなのに、他の姉妹より全然上達しないのである。



「・・練習かな・・・?」

前世では才能に胡坐をかいて生きていた身で何という言い草だとは思うが、こればっかりは本当に練習して会得したのだから仕方がない。

弓を引く機会など、今まで無かったわけなのだから。



「だから、いっぱい撃ってもぜんぜんダメなの。」

「やみくもに撃つだけじゃ上達はしないよ。ちゃんと上手い人の撃つところ見ないと。」

実際彼女はラビが手本を見せてくれた時の筋肉の動きを参考にしたのだから。


「うーん・・・。」

「母上に教えてもらえばいいじゃないの?」

「でも、お母さんって、いつも忙しいから・・・。」

ラビは難しそうな表情でそう呟いて俯いた。



「こらッ、そこ、サボるな!!」

すると、他の子の様子を見ていたラビが二人が話しているのを見て声を荒げた。


「ひぅッ!? ごめんなさい!!」

モモは更に涙目になって、弓を引き始めた。



「・・・・・・。」

彼女も、黙々と的に矢を射始める。


今日は昼までそれを続けて終わった。




「ミーシャ。娘が迷惑をかけるな。」

弓矢や的の片づけをしたりと帰り支度をしていると、ラビがそう言ってきた。


「いいえ、ラビさんにはいつもお世話になっていますので。」

彼女は当たり障りのない、いつも演じているごく普通の一般的な反応で返した。

とは言え、本心でもある。


彼女は今でも食べ物がなくなるというのが怖いのだ。

だから母親にはいつも無理を言って、保存食などの蓄えを多く残すようにせがんでいる。



「私の娘のはずなのに、どうしてか器用さに欠けているようでね。

どうも狩猟鉈を振り回して獲物を追い掛け回す方が好きらしい。やんちゃなのはいいが、もっと賢く生きる為には色々なことができた方が良い。」

「そうですね。」

「その点、お前は少し賢しすぎる。物覚えが良いのはいいが、周りの歩調に合わせることは大事だぞ。

共に歩めぬ者とは、生きてはいけないのだからな。」

「そういう種族ですから。」

彼女は大真面目にそう返した。


村と言う社会的共同体の中に生活していても、彼女の種族は基本的に気まぐれで個人主義だ。

集団戦が得意なポーヴァルバニーとは違うのだと、割り切っていると言った方が良いか。



「いや、そうではなくてだな・・・。いいや、いずれ分かるようになるか。」

ラビはそう言って踵を返した。


「・・・・?」

結局、彼女はラビが何を言いたかったのか分からなかった。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




この村は共同体として、様々な亜人の種族が共生している。


顔から胸までが人間で残りの四肢が鳥というハーピー。

近くに集落があるため、交流が盛んでこちらに移住している者もいる狼人間のライカンスロープ。

主に放牧を行う半人半羊の姿を持つパーン族。

先ほども上げた狩猟ウサギのポーヴァルバニー。

呪術に長けた長寿種族であり、実質的にこの村の支配者である上位魔族の人狐。


そう言った、交渉次第では友好的に人間と接することができる種族ばかりだ。

そして前述したように、農業などに従事する人間も少なからずいる。

扱いは奴隷と同じ身分であるが、他の下位魔族より軽視されているだけで大して変わらないのが現状だ。



しかし共生関係と言っても、人間や彼女と同じキャットピープル以外は種族単位で明確に済む区画が分かれている。

二千人程度の村とは言え、人間のような文化的に入り乱れて、と言うのは難しいのだ。


彼女が、種族が違う、と割り切っているのもそういった理由もあった。



「うにゅぅ・・・・。」

翌年になっても、相変わらずポーヴァルバニーの亜種であるロップイヤー種みたいに耳を垂らせて、意気消沈としている。


種族によってある程度、得意不得意は決まってしまっている。

だが、魔術が得意な種族が魔術を苦手とし、弓が得意な種族が弓の扱いを苦手にするのは非常に珍しいことだった。

何せ魔族はそのように作られているのだから。

特にポーヴァルバニーは、生まれつき弓の引き方や、狩りの仕方を本能で知っているはずだ。


だからあまりにも出来が悪くて姉たちに怒られたというモモに、彼女はいつも密かにと試みているという特訓に付き合ってやったのだが、やっぱりいくら撃っても的に当たらない。



「モモ、お前わざとやっているんじゃないの?」

彼女は木の枝を爪で削りながらそう言った。


姿勢も完璧に叩き込んで当たらないのだから、もう才能がないかワザとかのどちらかしかないだろう。



「むむぅ・・・・だってぇ・・・。」

モモは頬を膨らませて俯いた。



「まあまあ、モモ殿が真面目にやっているのはミーシャ殿も承知のはず。そう落ち込まれるな。」

と、そう口にした第三者は、人狐のクー・フーだった。


村の代表である人狐の孫娘で、この三人はいつもつるんでいるメンツなのだ。

彼女だけ齢二十を超えるが長寿族は得てして成長も遅いので、彼女達と幼馴染と言っても過言ではない。


とは言っても、もう既に外見だけは成人に近いが。一族でも類を見ない早熟と驚かれている。



そんなクーは魔術で火を点けて、魔物の肉を串に刺して焼いていた。

モモの特訓に付き合う片手間、彼女・・ミーシャが弓で狩った獲物をバラして、枝を爪で串にしてから刺してクーが焼いているといった状況だ。



「モモ殿、いつまでも弓を構えていては疲れるであろう。

肉も焼けてきたところであるし、そろそろ休憩にしてはいかがかな。」

「うん・・・。」

姉妹に怒られたのが相当堪えているのか、いつもは肉の匂いで元気になるモモも陰鬱な様子だった。


無理もない話だった。

姉妹と言っても、七人ほぼ同時にこの世に誕生したのだから。

末妹だからと言って、甘えられないのだ。



「・・・ところで、先ほどからミーシャ殿は何をしておられるのか?」

「ん? これか?」

クーに問われて、ミーシャは作業を止めて顔を上げた。



「簡単なクロスボウよ。」

彼女が作っていたのはその辺にある折れた木の枝で組み立てた、即興のクロスボウだった。

弦は獲物の魔物の腱を使っている。

足りない材料や機構は魔術で代用した引き金もない子供の工作、玩具レベルの代物だ。


普通なら、ちゃんとした大弓を作る。

こんな風に武器を現地調達する方法を、彼女たちはラビから習っているのだ。




「まっすぐ飛ぶように作ってあるから、これを使って止まった的に当たらなかったら、絶対ワザとね。」

「でも、こんな変な弓、使ったことないから分からないよ。」

「ここの窪みに矢を番えて、弦を引いて、筈の切り込みに弦を入れて、放せば矢が撃てるの。・・・引き金はついてないけど。」

「まずは目標にどう狙えば矢が当たるか分からなければダメということなのかな?」

丁寧にミーシャはモモに玩具のクロスボウの使い方を教えているのを眺めて、クーは首を傾げた。



「弓なんて使う必要のないお前は口を出さなくていい。」

「あややや・・・。」

ミーシャにそう言われて、クーは肩を竦めた。

強力な呪術師である人狐の長距離攻撃は弓に頼らずとも幾らでもあるのだ。


それを皮肉られては、クーも門外漢なのでそれ以上口に出すことはしないことにした。

そもそも、これは練習にもならない。


クロスボウは、大前提として動く標的に弱いのだ。

つまり、野戦を得意としない狩猟種族のポーヴァルバニーにはこんなもの無用の長物なのだ。

普通にロングボウを扱った方がずっと強いのだから。



「これで、あの的を撃ってみて。」

「うん・・・。」

モモは、慣れないクロスボウを構えて、百メートル先にある木の枝に括り付けた的を狙う。



これでも、いつもの半分ほどの距離だ。

ラビの戦技指導では、この倍の距離で訓練している。


あくまで、ここでの特訓は練習なのだ。



「えいッ」

掛け声を入れても弾道は変わらないのに、モモは気合を入れて矢を放った。



「あららららー・・・。」

しかし、矢玉はひゅーんと的の上を飛び、木の葉の中に消えた。


「あー、モモ殿・・・」

「やっぱり、当たらなかった・・・。」

何といっていいのか分からない様子のクーを見て、モモはまたまた肩を落とした。




「・・・ねえ、モモ。もしかしてお前、的が見えてないんじゃないの?」

「ひッ」

ミーシャがそう言った直後、モモの全身がびくりと震えた。



「・・・・ああ、なるほど、そういうことだったのであるか。」

クーも全てを悟ったのか、感慨深く頷いた。

そんなことは黙ってないで早く言え、と彼女らが言うのは簡単だが、それはあまりにも酷な話だ。


体に何らかの障害を抱えた者は、普通は一人で生きていけない、或いは食い扶持を減らす為として間引かれるのが魔族社会では当たり前なのだ。

女性しか生まれない狩猟民族であり、同時に戦士としての役割を求められるポーヴァルバニーなら、それは尚更だ。



「今夜は、ウサギ鍋かな・・・。」

ミーシャがぼそりと呟いた。


「ぅいッ!?」

「おいおいミーシャ殿。笑えぬ冗談は止すべきだろう。おお、よしよし・・・。」

完全に怯えきっているモモを、クーは優しく抱き留めた。



「しかし、このまま解決策が無ければ、そのようになるのも時間の問題であるな。」

クーの言う通り、動体視力が命とも言えるポーヴァルバニーの目が悪いというのは致命的だ。

こればっかりはいくら努力しても埋まらないだろう。


モモが狩猟鉈をぶんぶん振り回して獲物を追う姿をよく見るので、近い物を見るのなら問題はないようだが、慰めにしかならないだろう。



「ううッ・・ミーシャちゃん、クーちゃん、どうしよう・・・。」

ぼろぼろと泣きながら、モモはクーの体に縋り付いて言った。


「ふむ。・・・これは御婆さまに相談するしかあるまいか。」

「それしかないだろうけど、やっぱりラビさんに言わないわけにもいかないでしょ・・。」

「確かにそれが一番だろう。だがそうしたら鍋行きの可能性が高い。ラビ殿は高潔な戦士であられるが、親子の情に流される人物とは思えない。」

「確かに、子供に厳しく接することで己を律している節もあるしね・・・。」

後で思えば、クーはともかくミーシャは六歳の言う言葉ではないと割と後悔した。



「そう言えば、父上が言っていたんだけど、人間には生まれつき目の悪い者が装備して視力を普通に戻す装飾品があるとか。」

ミーシャは父親を出しにしてそう言った。

元からそういう知識があるのを、前世の記憶から知っていただけだ。


当然、眼鏡の原理も知っている。それどころか、どう治療すれば治るのかも知っている。

だが当然のごとく、彼女に眼鏡を作る技術も、近眼を治す手術を行う技術もないのだ。


一時的に視力を良くする魔術はあるが、根本的な解決にはならない。



「しかし、そんな物が容易く手に入るとは思えぬのであるが。」

クーは難しい表情になってそう言った。

魔族が人間の物を手に入れるのは非常に難しいのだ。

そもそも、輸入品が制限されている。



「ならば、仕方がないか・・・」

「ん? どうしたであるか? 何か妙案でも?」

「ああ、無理を押して父上に頼んでみるよ。時々人間の変なモノを買ってくるし、もしかしたらそれを持っているかもしれない。

だからとりあえず何とかなるまでは、仙狐さまにも内緒で。」

ちなみに、仙狐というのが、クーの祖母のことである。


「ううむ、その僅かな可能性に賭けるしかあるまいか。」

クーの方は何か思いついたわけでもない様子だったので、とりあえず適うなら丸く収まるミーシャの提案に一先ず賭けることにしたようだ。



「大丈夫だ、モモ。私が何とかするよ。」

「うう・・・ミーシャちゃん・・・。」

うるうると上目使いで、モモは頼もしそうに笑うミーシャを見上げたのだった。






・・・・

・・・・・

・・・・・・





「モモ!! 有ったのよ!! 見つけたのよ!!」

翌日、朝一番で彼女はモモを家から引っ張り出して、家の裏に連れ出すとそう言った。


「うぅん・・・・なにがぁ・・?」

無理やり叩き起こされてまだ寝ぼけているモモが、目を擦りながら彼女の顔を見上げる。



「昨日の話だよ、覚えているでしょう?」

「・・・あ、あああ!! うん、うん、覚えてる、思い出した!!」

「忘れてたの? 相変わらず私たちの種族よりお気楽ね!! そんなことより、これを見て!!」

モモが覚醒したのを認めると、彼女は持っていた代物をモモに突き出した。



「・・わぁ、キレイ・・・・。」

モモが溜息のような感嘆の声を漏らした。

それくらいの、彼女の持ってきた眼鏡は美しかった。


宝石であるエメラルドでレンズが作られた、人間の貴族がよだれを垂らして欲しがるだろう超が付くほど一流の逸品である。

触媒のレンズだけでなく、フレームにまで精緻で高度な術式が刻まれたこれは、骨董品でありながら美術館に納められても可笑しくないほどの、最高峰の美術品でもある。


当然、買えばこの村どころか地上の小国ぐらい買えるくらいの逸品が、魔族の辺境の村の商人が持っているはずもない。

しかしその辺は色々と口裏を、父親に無理やり合わせさせた彼女である。


眼の悪いと言っただけの友達にあげるべきものではないのだが、彼女はポロッとそれをモモに与えた。



「本当に貰っていいの? こんなにキレイなの。」

「“そんなの”でよければ、モモに上げるよ。」

彼女に、人間が定めていた価値など、無意味だった。



「いやぁ、残っててよかった・・・。」

「ん?」

「いや、何でもないよ、こちらの話。」

彼女はモモが疑問を抱く前にそう言い切った。



「あたし、ミーシャちゃんの事、いつもゴハンを腕で囲って周りを見ながら食べるから、けちんぼだと思ってたけどそうじゃなかったんだね。」

「失礼ね。どうせ使わない物や、腐らない物に固執しても仕方ないじゃない。」

「うん、そうだね。あたし、皆から遅れてるから、これから頑張るね。

あたし、お母さんみたいな、すごい強い戦士に成りたいんだ!!」

モモは瞳を希望に輝かせてそう言った。



「そうか、ラビさんは果報者だね。」

彼女もそんなモモを見て、微笑んだ。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




エメラルドグラスを装備したモモは、目に見えて見違えていた。

彼女は元々努力家であったし、神経レベルまで弓の扱いは叩き込まれていたので、十分も使えば他の同族に負けないほどの腕になった。


皆の驚いた姿を改めて思い返すと、彼女は誇らしい気持ちになれた。

生まれて初めての気分だった。



「あのね、ミーシャちゃん。」

そしてその日のうちに、モモがこう言ってきた。


「あたしね、お母さんに言おうと思う。」

何が、と聞くほど彼女も無粋で無思慮ではなかった。



「・・・ああ、良いと思うよ。」

それが、道具が齎し仮初めな勇気だとしても、モモに行動する力を与えたのなら、それは道具の本分を全うできたという事だろう。

彼女はそう思った。


彼女は基本的に、価値が有るのなら使わなければ意味のない、が信条だ。

だから美術品などを崇めるように飾り立てたりする、人間の感性が理解できない。


貴重だというのなら、大事に使えばいいのだ。

もったいないと腐らせるよりは余程マシなのだと。


前世ではそういう理念で、略奪を繰り広げた。




「あのね、お母さん。」

彼女はいつものラビの訓練が終わると、モモに付き添うように、腕を組んで無表情のラビの元に行った。



「・・・・・・。」

「あの、そのね、あの・・・・。」

「たわけが。私が気付いていないとでも思ったのか?」

どうやら最後の最後で踏ん切りのつかない様子のモモに、ラビはどこか呆れたようにため息を吐いてそう言った。


ああやっぱり、とミーシャは思った。

一流の戦士であるラビが、自分の娘の体調を分からないわけがない。


だから彼女もクーも、彼女に言うべきだという事を最初のうちに選択肢に組み込んだのだ。



「いつ自分から言い出すか今か今かと待っていたが、結局二年近くかかったな。貴重な時間を随分と無駄にしたものだ。」

「・・・・ぁぅ・・・。」

どうやらラビの言葉は図星らしく、モモはそこまで見破られていたのかと何も言えなかった。


「ご、ごめん・・なさい・・・。」

「自分の弱さを認められない者は、必ず戦場で己を過信する。そして、自分の状態を仲間に話せない者はすぐに死ぬし、信用もされない。

そんな輩は、チームで動く我が種族の者として認められない。どこかに嫁入りを考えたが、その必要もなさそうだな。」

「・・・お母さん・・。」

「済まない、世話を掛けたな。それと、悪いが今から少し、この子と話すことにしたいんだが・・・。」

「・・・・いいえ、大丈夫です。それでは。」

ミーシャはラビに一礼して、踵を返して立ち去ることにした。



その日、彼女は生まれて初めて母親に甘えてみて、驚かれた。






・・・・

・・・・・

・・・・・・





「やあ、ミーシャちゃん。ちょっといいかな?」

あれから数日たったある日、彼女はいつもの様に遊びの誘いにクーの元へ行こうと、人狐の済む区画へと足を踏み入れた時のことだった。



「おや、ヨハンさんじゃないですか。」

彼女の前に目的地から現れたのは、若い人間の男だった。

彼女も知っている人物だ。クーの家から出てきたところから分かる通り、彼はクーの身内でもある。


彼女の二十五歳上の姉の夫のなった男である。

つまり、クーの伯父にあたる。

そしてこの村に住む合計二十人ばかりの人間の代表でもある。


各種族は代表が一人いて、何か村単位で決めるときはその村代表が話し合って決めることになっている。

二十人程度とは言え、人間も一つの種族としてこの村では認められているのだ。



「これは君が作ったんだってね!! いったいどこで覚えてきたんだい!!」

子供のように目を輝かせてそう言った彼の手には、依然彼女がモモに作ってあげた玩具のクロスボウがあった。

確か、クーが欲しがっていたからあげたと、モモが言っていたのを彼女は思い出した。


玩具とはいえ魔術的な機構を使っていると分かる通り、彼は魔術師・・・いや、魔術師崩れと言ったところか。


ここに住む魔術師ではない一般的な人間は、魔術師たちに支配されているのもあってか、彼らがどんな存在かもよく知らずにその力に憧れているものも多い。


彼も魔術に魅せられた一人で、独力で魔術を学ぼうとしたが、大した才能も無く魔術師が住む上層から門前払いを喰らい、いつしか恋した相手が人狐で、魔族の領域に来ることを決意したという経緯を持つ愉快な男である。


今では妻の手伝いをしながら、彼女に魔術を習い、日々研究を行っているという。

とまあ、人間から見ても変人だ。



「伯父上、恥ずかしいのであるが・・・。」

後から家から出てきたクーが、恥ずかしさを隠すように顔を手で押さえてそう呟いた。



「ああ、済まないねぇ!! 新しい物を見るとついつい・・・。

これは文献で見たことがあるんだ、かつて魔術師の世界で栄えたという機械化魔術の呪刻機構によく似ていてね。ちょっと気になったから聞きたかっただけなんだ。」

彼女は、ヨハンの言葉に内心で舌打ちした。

現在では神秘性の低い魔術師から人気のないマイナーな魔術らしいし、簡単な物だから大丈夫かと油断していた。


彼は魔術師としては微妙だが、研究者としては熱心で優秀な人間らしかった。



「伯父上、御婆さまに教えてもらったのでは?」

ヨハンに呆れたように視線を向けて、クーがフォローを入れた。



「ああ、確かにそうかもしれないね。いやはや失礼した。珍しい物を見たから、全く失念していたよ。

だが、キャットピープルは魔術師と使い魔の契約を交わすこともあるというから、そちらの線かもしれないよ?」

「伯父上、もう良いですから戻ってください。」

「あ、ああ!! ちょっと、せめてこの術式がどんな文献にあったか―――」

ヨハンはクーに背中を押されてどこかに無理やり連れて行かれた。



「・・・・・・・・・。」

「ミーシャ、居るのかい? 居るのなら、こちらにおいで。」

「はい。」

彼女は家の中から聞こえる声のままに、中へと入った。



「よくきたねぇ。」

クーの家の中には、道士服の老いた人狐が居た。

他の家族は出払っているのか、彼女一人だけだった。


彼女は魔術師たちがまだこの星に入植したばかりの、約千年もの昔から生きているらしく、当時の地上交流時代の数少ない生き残りだ。


この地球に来た魔術師たちは、その当時数が少なく、地上との交流に積極的だったという。

その際に、心の広い『盟主』は地上への門を魔族にも開いた。


と言っても、比較的人間に友好的な種族や亜人に限られたが、百人近くが地上に散って、その多くは迫害などで地上に朽ち果てた。

それは世界各地の伝説や伝承の裏付けとなって今も残っている。


僅かな魔族や亜人だけが舞い戻り、地上の文化などを持ち帰った。

かくいう彼女も、今は中国のある地方に赴き、その力で人々の為に尽くして、一部の地域では今でも神として崇められてすらいる。


そんな彼女を皆は称え、畏怖を込めて仙狐さまと呼んでいる。




「何かご用でしょうか・・・。」

「魔王様、そんな言葉使いでなくともよろしいですよ。たった今、ここに無意識に誰も近づけなくしましたからね。」

「仙狐さま、私は今、魔王などではないのですよ。」

ミーシャは本心からそう言った。

仙人の持つ神通力や仙術を扱える仙狐さまは、初めてあった時に一目で彼女の前世を見破った。


彼女がさらに幼少の頃から懇意にしており、その縁でクーと仲良くもなった。



「未だに、そう仰られるのですね。」

彼女の答えに、少しだけ残念そうに仙狐さまは呟いた。


仙狐さまは、以前彼女に予言した。

いつか必ずや、彼女は魔族の先頭に立って、この村に訪れる恐るべき凶兆と戦うと。


だから仙狐さまは、彼女にいずれこの村の頭目に立って貰いたいと言っていたのだ。



「未だも何も、今の私はただのひ弱な猫人間。魔王の面影など、今や欠片も残ってはいないのです。

今にしてみれば、生命が誕生する合間に見せた夢現なのかもしれないとすら思っています。」

「だけど、お友達の為に、その御力を御使いになったのでしょう?」

「あれは私の力ではないですよ。」

謙遜の様子すら見せないように、彼女はそう言い切った。


それに前世に比べれば、月とスッポンとすら言えるほど貧弱なのは本当だ。

産まれた種族がある程度の魔術を前提として扱えるスペックを持っていたが、モモの一件の後には疲労で倒れかけたくらいだ。


それくらい、以前と今とでは能力や才能が違うのだ。



せめて人狐くらいの能力があれば、受けるのもやぶさかではなかったのかもしれない。

村の皆に数限りない恩を受けて今まで生きてきた。


だが、今のこの貧弱な肉体では魔物の群れに立ち向かう事すらできない。

だから無理だと、断った。


「私ではなく、もっと適任が居るはずです。」

少なくとも、今の自分など村の長には不適格だと。



「ふふふ・・・・いずれ、魔王様にもお解りになる日が来ることでしょう。」

しかし、仙狐さまは意味有り気な笑みを湛えた。


彼女はその笑みに釈然としないものを感じたが、結局何も言えずにその日は終わった。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




「ミーシャちゃん、ここの配線はどうおもうかな。」

「ここをこうした方がより効率的だとは思いますよ。」

あれから、五年もの月日が経った。


あれからあまりにもヨハンがしつこいので、適当な知識を書き記して秘伝の文献を捏造して渡したところ、遥か昔の言語で書いたにも拘らず、何と僅か一月で解読したのである。

彼女は彼の能力と執着心と情熱を計り間違えていた。


そして、簡単な動力機関を開発し、自動で動く装置を作り始めた。

彼は農夫をしている他の人間たちを集め共に協議を重ねると、自給自足の為に農地を増やす計画を立てた。


基本的に狩猟民族な亜人達だが、当然野菜とかは狩りの獲物を貨幣に交換し、中央の町で買うことになっている。

その値段はバカにならない。


その負担を減らそう言う、涙ぐましい話であった。


元々上層での人間たちの文化レベルは中世ほどだったので、色々と案が出たらしい。

他にも色々な階層に彼は赴いて、ゴブリンやコボルトなどの技術者たちに意見を聞いてきたらしい。


そして試行錯誤の結果、大地を掘り返す機械を作成した。

どちらかと言うとそれは農具というより、ドリルで地面を掘り進む機能を付けた牛車の出来損ないみたいな赴きだった。

試作品だったのもあるので、見た目もアレだった。



ただ、がしゃんごしょんと激しいピストンの騒音を立てながら、ゆっくりと地面を掘り返すそれは中々良い出来だった。

一日がかりだったが、ほぼ自動で農家一人分の所有する農地ぐらいの広さは掘り返せたのである。


そもそもここの地域は地面が硬くて石も多いから農業に向かないとされていたのが、それのお蔭で大分良くなったのである。

それから人数を集めて改めて耕したり肥料を撒いたりで、彼女も駆り出された。


何はともあれ、かくして農地拡大計画は成功したのである。

それから時間のある者たちが農業を手伝うことになり、耕した畑は村の共有財産となったのだ。



そしてその大役の主柱を担ったヨハンは、今も開発に熱中していて、時々彼女に意見を求めてやってきたりするのだ。

モモあたりは、ミーシャちゃんを取られた、と涙目になったりしていたが、そんなわけで毎年多くの野菜が取れるようになったのであった。


彼女としてはどうしてこうなった、と言う心境ではあるが、まあ自分の知識が回りまわって村に貢献できてよかったかな、と思うことにしたのだった。



「おや、どうかしたのかい?」

「ああヨハンさん、別に何でもないですよ。」

どうやらボーっとしていたらしく、彼女は何でもないと首を振った。

貴方に呆れていたんです、とまでは言えなかった。


「ここをこうしたら・・・うーん、でもこうするとなぁ・・。」

「なんだか・・・本当に熱心ですね。」

だが、彼女が思わずそう口を滑らせても仕方がなかった。



「そりゃあね、何の取り得もない僕みたいな人間は、こういったことでしか皆に恩返しができないからね。

僕ら人間と違って、亜人や魔族の皆はこう言ったことが得意じゃなさそうだからね。」

「・・・・・。」

ヨハンの言葉に、彼女はなぜかかつて出会った魔王について思い出した。



自分に芸術の尊さや価値について一方的に説いてきて、やれあれは壊すなだ、やれあれは汚すなだ、と口うるさく言ってきた魔王。


かの魔王は、魔族は創造性が無いと言っていた。

そういう機能はつけられていないのだと。


例えばクロスボウがある。野戦を好む魔族はそれを有効なものとして価値を認めない。

だが、それを大きくして攻城兵器にしたり、工夫を凝らして改良をするといった発想が、そもそも魔族には浮かばないのだ。


だから、魔族に絵画などの芸術的文化はない。

それを美しいと感じたりすることもない。



「さて、あとここなんだけれど・・・。」

ヨハンは図面を広げたまま、沈黙した。


「どうしたんですか?」

「隠れた方が良い。どうやら役人みたいだ。」

ヨハンはそう言って、彼女を連れて近くの家屋の物陰に隠れた。



見れば、向こう武装した見慣れない魔族の集団が、規則正しく歩いてきていた。

一人だけ、守られるようにして武装した魔族に囲まれているのが役人だろう。


彼女の人生で初めて見た。

この辺を統括する領主がいるのは知っていたが、あれがそうなのだろう。やたら偉そうだ。



「よく役人だってわかりますね。」

「あんな物々しい連中が、役人じゃなくてなんなんだい。」

彼は非常に苦々しい表情でそう言った。

人間の役人もあんな感じらしかった。


下手に前に出たら何をされるか分からない、とまで彼は言った。




「・・・・・・・・。」

彼女は、そんな役人とその部下たちを遠目で見ていた。


彼らは仙狐さまの家の方に歩いて行った。




「きっと、ろくでもないことが起こるぞ。」

ヨハンのそんな不吉な言葉は、その数日後に見事に的中することとなった。













※重大なミスにおける、内容の修正部分。

五十二話 フウセンの歓迎会の延期が明日だったが、本来である三日後に修正。

五十三話 地下研究室と特殊部隊を作るのを提案したのがクラウンになっているが、当然それはクロムの間違いでした。


前々から読み直すたびに誤字が見つかるのですが、今回は誤字ってレベルじゃなかったので、ここで修正の報告とお詫びをいたします。


お詫びは以上です、また次回にお会いしましょう。


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