第五十話 閑話 少女妖精
史上最悪にして至高の悪魔召喚士は語る。
「第一印象なんて言葉が有りますよね。他人に初めて会った時その外見でその人格の七割が自分の中で決まると言う話ですが、私はそれは違うと思います。
まず人は初めて会う人間にまみえた時に、自分と違う所を探すのです。
そして次にその相手の身分を見る。相手が奴隷なら蔑んで見下し、王侯貴族なら媚びへつらう。
ここまで至って、ようやく相手の思想を見る。相手の人格そのものなんて、五の次よりもっと後ですね。
更に、少なくとも自分は他人より優れていると思いたがるのが人情です。この世に差別も平等も無くならない原因のひとつですよ。
ねぇメリス、この間貴女にピッタリな面白い言葉を知ったので教えてあげますよ。
ゴーレム効果、と言う言葉はご存知ですか?
他人が自分に対して悪い印象を持って接すると、その他人は自分にとって実際に悪人になってしまうと言う事らしいのですよ。
私は貴女を理解して居るので、貴女が知人に対してそれなりに薄情では無いのを知っています。
しかし当然ながらそれを他人が知るわけがない。勿論私達は世間一般から見れば極悪人でしょうけれど、誰もが貴女に対してそう接する訳ではありません。
貴女は口で言うよりは、他人の心情に対して敏感ですから。それに対して偽悪的に振る舞うのは損ではありませんか?
私は思うのですよ。貴女はただ他人の評価を得たいだけではなく・・・・分かりました、分かりましたから無言で銃を突きつけないでくださいよ。」
毎日のように行われているお茶会より抜粋。
「痛ましく虚しい事だ。
己が美しく、呪われて産まれた事を恨むのだな。」
それが彼女にとって、一番古い記憶の言葉だった。
これは一つの物語の始まりである。
彼女の記憶に残る最古の風景は、緑が一面に広がる草原に、花畑が両手を広げても収まりきらないほどの規模が点在している場所だった。
そこ常に木々にはみずみずしい果実が実り、そこに停まる鳥たちの美しいさえずりが絶えず音色を奏でていた。
楽園。
当時の彼女に人並みの教養が有ったのなら、そう表現するに相応しい場所だった。
飢えもせず、老いも無く、死ぬことすらない、永遠に若さを保てる至上の世界。
それはまさに幻想その物の、空想の中の世界。
だから、そこの住人に成ると言う事は、もう二度と現実の世界に戻って来れないと言う事。
例え現世に舞い戻っても、逆に現実が現実と思えなくなる。
人の世界に、馴染めなくなる。
むしろ、楽園に足を踏み入れた者が現実の世界に戻ろうとも思わないだろう。
そこには永遠を含めた全てが有るのだから。
何の比喩でもなく、その場所は人間の欲望が望むもの全てが存在するだろう。
だが、それを理解するにはあまりにも幼すぎた少女は、自ら元の世界に戻る事を望んだ。
ただ家に帰りたい、と。そう望んで帰還した。
普通なら、刷り込みにも似た感情で楽園に留まろうとするのに、彼女はそれすらにも囚われなかった。
しかし、現世に戻った彼女には当然ながら現実で生きた記憶を失っていた。
妖精に攫われると言う事は、そう言う事なのだ。
人間にとって、残酷で、おぞましいことなのだ。
彼女にはもうあらゆる意味で、地上に帰るべき場所も、居場所も存在しなかった。
そんな彼女の前に、悪い魔法使いが現れた。
彼女の存在を疎ましく思っていたその魔法使いこそが、妖精を唆して彼女を楽園へ連れ去った張本人だったのだ。
彼は彼女が帰ってきたことに驚愕しつつも、それがどれほどの意味を持つか知っているので、恐怖に戦慄した。
仕方がないので、彼は彼女を自分の目の届く所に置くことにした。
名前も、記憶も、帰るべき場所も失った彼女は、疑うことなく悪い魔法使いに付いて行った。
だが、彼が彼女に付けさせた侍従の全てが、三日として持たなかった。
彼女の可愛らしさに必ず溜息をつく侍従達だったが、彼女らはすぐに青い顔でその役割を辞退するようになったのである。
彼はその理由にすぐ見当がついた。
彼女は彼が目を離している隙に妖精の仲間として認められていたのだ。
あの楽園に連れ去られるくらいながらそれは当然の話だった。
妖精の思考は、至極極端である。
基本的に、妖精は極端に美しく描かれるか、極端に醜悪に伝えられる。
それが妖精と言う存在を如実に示している。
人間に対して有益であり、同時に害悪である。
どちらに傾くのかは、刹那的快楽主義者の妖精たちのその日の時と気分に拠る。
妖精の記述は不完全なものが多いが、大抵がそのような性質を持っていると彼は長年の研究の成果によって知っていた。
だが善人には比較的に善意で接するし、悪人には悪意を返す事が多い。
人間にはその姿が全て違って見える事から、妖精は人の心を映し出しているのだろう。
そしてその極端な思考と性格は、人間には馴染めないものだ。
いや、むしろ恐怖すら感じるだろう。
それに本物の妖精が一緒になっているのだから、堪ったものではないはずだ。
なまじ彼が雇う侍女は、魔術師の家系の後取りから外れた子女や自分が嘗て輩出した弟子の系譜の人間だったりするから、彼女の輝かんばかりの才能が分かるだろう。
彼女の隔離したかった彼は必要最低限の人間にしか彼女の存在を知られたくなかったのだが、結局は自由奔放を体現した彼女を押しとどめる事は誰も出来なかった。
結局、彼は彼女を部屋の一室に閉じ込めることになった。
彼は世界中から消滅の危機に瀕している妖精たちを保護していたが、その中の一部が彼女に憑いてしまった。
妖精たちにしては珍しく、対等にだ。
それは、妖精たちが彼女を仲間と認めたと同意義なのだ。
彼女らは人間なんて遊び道具か虫けらのようにしか思っていない。
そんな彼女と妖精たちを一部屋に閉じ込めるのは、中々に至難の業だった。
妖精たちは彼に対する義理と恩で、頼みを聞いたりしている。
彼が妖精たちを説得するのに多大な労力を要したのは言うまでも無い。
彼は当然当初から彼女を殺す事も考慮していたが、それだけはどうしても実行に移せなかった。
圧倒的な才能と、妖精たちに祝福されて生まれて来た彼女を、何よりも恐れていながら、それ故に殺す事を躊躇っていた。
その芽を潰す事は、魔術の伝道師たる彼にはあまりにも惜しかった。
さんざん悩んだ末に、彼は一つの結論に至った。
彼女を己の後継者にする、と。
それが、彼女を排除することが出来なかった彼の雪辱でもあり、彼女をこんな境遇に陥れた贖罪でもあった。
遅かれ早かれ、彼女が冥府魔道に墜ちるのは目に見えていた。
あの凄まじい才能が、普通に生きることを許さないだろう。彼が目を付けなくても、妖精たちは彼女を放っては置かなかったはずだ。
だがしかし、それがどうせ変わりないからと言って、酷い仕打ちをして良い理由にはならない。
だからまず彼は分別が付く年頃になるまで、教育を施しながら育てることに決めた。
ところが、彼女には教育など不要だった。
チェンジリングの対象の共通点の一つとして、対象の子供の能力が高いことが挙げられる。
これは魔術の才能があるとかだけでなく、頭の良さや身体の丈夫さなどが総合的に高く、非常に感性に優れていることが妖精に好かれやすい要因になる。
彼女は、誰かに教わる事など無くとも自前の聡明さを発揮して、軟禁された状態にも関わらず周囲からありとあらゆる知識を吸収して行ったのだ。
周囲から恐れられるほどの、約束された天才がそこに居た。
誰に頼る事も無く、誰の助けも必要無く、完璧に生きられる生物。
それはもはや、人間ではない。
彼女はもう、人間の体を持った妖精そのものだった。
聖書にあるように人類最古にして原初の穢れは、善悪を知り、多くの知識を得ることである。
しかし彼女は、その多くを理解できない為に、穢れることなど無い。
原因と結果だけの合理的な思考回路。
物事の過程に他者に陥れられるとしても、それを彼女は理解できない。
良い事と悪い事を分かっていても、どうしてそれが良くて悪いのかが分からない。
知識として、概念として分かっていても、それを許容し受け入れることはできない。
聡明だが無知ゆえに潔白。
尺度が彼女自身だけなので、必ず他人とズレる。
基準は、全て彼女の中にある。
世間一般、ありとあらゆる常識に囚われない。
本当の意味で、完全な自由を獲得している存在。
それが彼女だった。
普通の人間にとっての自由とは、法律や良識の範囲で自己の責任の上で成立する物だが、彼女はそんな物は囚われない。
不完全な人間が作った規律や規範など、彼女には無意味なのだから。
だがそれ故に、彼女を軟禁するのは造作も無かった。
彼は彼女からそれなりに信用を獲得して居たので、口先で丸めこんだのだ。
そして彼女は数年にも及んだ軟禁生活を、疑問も持たずに受け入れた。
それは彼女が妖精のように、“退屈”を理解できなかったことが大きかった。
彼女は自身が面白いと感じた本を、何度読み返しても面白く感じられた。
元々の性格だったのか、飽きると言う事を理解できなかった。
刹那的快楽主義者な妖精たちには希薄な、物に対する執着心と言う物が強く有ったのだ。
妖精には無い、生産的な欲望。
あるいは、彼女に残っている人間らしさなのかもしれない。
ただ人間の肉体がそれを招いているのでは、と彼は推察したが。
人間の構成要素としての“魂”や“精神”は“肉体”より優先度が高いと魔術師たちは考えているが、肉体の欲求は往々にしてその二つを凌駕する。
彼がかつて住んでいた世界では、肉体より精神の方が優先されたそうだが、その事実を解明するには神域に至る必要が有るだろう。
その位置に近いはずの彼も、今ではすっかり俗世に落ち着いてしまったが。
ところで、ここまでの話の主人公は、話を進めて行くと言う役割を担う存在の事を示すなら、主要人物の一人とは言え怪物性を描かれる彼女ではなく、悪い魔法使いたる彼と言う事に成る。
なにせ、彼女はここまで殆ど受動的で、自らの意思を示していないのだから。
ここまでは、必ずしも悲劇のヒロインが主役に成り得るとは限らないと言う、ただそれだけの話。
だが、ここで主役は一旦切り変わる。
彼は、“魔導老”は、彼女を中心とした物語の舞台から一旦降りるのだから。
彼女の転機は、唐突に訪れた。
どこからか嗅ぎつけたのか、彼女の命を狙う存在が現れたからだ。
彼女の命を利用し、彼を殺そうとする別の悪い魔法使いが。
その混乱に乗じて、彼女は外に逃げ出した。
いや、彼女は逃げ出したとすら思っていないだろう。
ただ風のように、気の向くままに行動しただけだった。
その最中に決めた自分の名前も、多分一日もすれば忘れていたかもしれない。
名前は魂の定義や存在の証明であるのと同時に、その存在を縛り付ける鎖でもある。
彼女は、それすらにも囚われなかった。
しかし、彼女は外を散策して最中にそうは成らない出来ごとに遭遇した。
仲間の妖精とどんな遊びをするか決めようしていると、彼女は突然知らない騎士に連れ去られたのだ。
いや、連れ去られたと言うのは語弊が有る。
その時外は大変危険であり、彼女を助けるべく騎士はわざわざ危険を冒した訳だった。
「お姉さんはだぁれ?」
彼女はその女性騎士に問うた。
「私はエクレシアと言います。貴女は?」
「えーとね、えーと、・・・ミネルヴァ!!」
ついさっき決めた名前を、彼女は名乗った。
「そうですか。良い名前ですね。
いいですか、今あそこは悪魔がたくさんいるので、大変危険なのです。
本当は保護した私が終始面倒をみるべきなのですが、今私は忙しいので最寄りの境界に預けますので、事態が収束するまでそこに居てください。」
「・・・?」
今まで危機と言う物を感じた事のない彼女は、エクレシアと名乗った騎士の話を一割も理解できなかった。
それでも自分が好きな冒険譚の絵本から危険と言う言葉の内容を引用して照らし合わせたりして何となく自分なりに理解しようとした。
だから、彼女は分かったと頷いた。
結果的にエクレシアの真剣な態度から直感的にそう判断したのだ。
それ故に、彼女は無知でありながら聡明だった。
頭が良いと言う事は、多くの知識を知っていると言うだけでは無いのだから。
エクレシアは相当急いでいたのか、近くにある教会に彼女を預けると、脇目も振らずに去って行った。
すると、である。
「あ、見つけた見つけた。」
「もう、探したわよー。」
と、仲間の妖精たちが駆け付けて来たのである。
「あ、みんなー!!」
彼女の足元から、仲間の妖精たちが現れた。
エクレシアに連れられた時に逸れた両者だが、当たり前のように合流した。
「なんで教会になんかいるのよ、向こう行きましょ、向こう。」
「え、でも、さっきのお姉さんは危ないからここにいなさいって。」
彼女がそう言うと、妖精たちは一様に頭に疑問符を浮かべると、輪になってがやがやと相談を始めた。
「てっきり攫われたかと思ったわ。さっき仕返しに行った奴居たけど・・・・まあ良いか。」
「まあ、結果的にあそこ危なかったし良いんじゃね? 後から私達も追う予定だったけど、それは勘弁してあげましょう。」
「そうねそうね。そんなことより、これからどうする?」
「翁ちゃんに文句言われる前に帰る? きっとふつーに捕捉されてるだろーし。」
「反対反対反対。あの部屋暇だからヤダー!! 久々に出たんだし、オイシイものたべたーい!!」
「どーかん。私は人間達が恐怖に泣き叫ぶ姿が見たいわぁ!!」
「えー、趣味悪いわねー。可愛い男の子と遊ぶ方が断然良いに決まってるわ。」
案外俗っぽい相談をする妖精たちだった。
「ねぇねぇ、あんた・・・あ、今はミネルヴァだったわね。たぶん翁ちゃん怒ってるかもしれないけど帰る?」
「あー、結局こいつが帰るって言ったら駄目なのよねー。忘れてた。どうするの?」
彼女が居ないと基本的に森から離れられない妖精たちの、何だか無計画さが窺える会話だった。
「あのね、あのね!! あのお姉ちゃん“きし”だったよね!!」
「あーうん、見てないから分からないけどそうなんじゃない?」
そして彼女は、眼をキラキラさせていた。
「わたししってる。ドラゴンさんから“きし”さんに助けてもらうと、けっこんするんだよね!! このあいだ、ごほんでよんだ!!」
「あ、うん、読んだわね、確かに。」
「え、読んだっけ?」
「読んだわよ、もう忘れたの? 馬鹿じゃないの?」
「そんなことより遊びましょうよ!!」
どこまでもまとまりのない連中だった。
「それって、とってもいいことなんでしょ?」
少女は妖精たちにそう言った。
「うーん、どうしようかな、説明めんどうだわぁ。」
「まあ、間違っちゃいないけどねぇ。」
「これで絵本と現実の違いをちゃんと理解してる所が笑えるわ。」
「で、結局どうしたいの?」
好き勝手言う連中の中、一人の妖精が少女に問うた。
「うーんと、えーと、どうしようか?」
そして、それは彼女にも分からなかった。
圧倒的に彼女には経験が足らなかったのだ。
「ねぇねぇ、それよりここの“外”に興味あるでしょ? そっちで遊びまわりましょうよ。」
そんな中で別の妖精が彼女にそう言った。
「え、あんたここしばらく翁ちゃんの所に居たから分からないでしょうけど、今“外”はマジでヤバいから止めた方が良いよ。」
「うんうん、多くなった人間どもがのさばってさ、生意気に私達の住処を片っ端から壊して行くから。」
「そう。それであたしの昔の友達が消えちゃったわ。土砂崩れと地震で仕返ししてやったけど。」
「そだねー、人間は見たらとりあえず排除するくらいの心意気じゃないと、“外”に居るのは無理かもねー。」
と、殆どが猛反発した。
ここに居る妖精たちの多くは、自分たちの生まれた森から住む場所を追われた経験が有るのだった。
中には“保護”と言う名目で無理やり連れて来られた者も居るが、人間に対する概ねの印象は変わらない。
「じゃあ、ミネルヴァの事もあるし、さっきの人に“お礼参り”に行かない?」
「あ、それいいね。」
「おお、賛成賛成!! 楽しそう!!」
そしてすぐに別の話題へと移り変わって盛り上がる妖精たち。
「おれいまいり? なにそれ?」
「お礼と報復を同時に出来る便利な言葉よ。」
「そうそう、状況に応じでどっちにでも切りかえられる便利な行動よ。」
「え、そうだっけ?」
「まさか、んなわけないじゃない。」
次々と流れる妖精たちの会話に、当然ながら彼女は対応できていなかった。
「えと・・・おれいしにいくんだよね?
・・・・えーと、ひーちゃんはどう思う?」
彼女は、この中で一番真面目なフェアリーのひーちゃんに問うた。
幼い彼女は多くの情報を処理しきれないから、他人に聞くと言う賢明な判断に落ち着いた。
「まあ、本来の意味的に間違っちゃいないけど。こいつらのことだから余計なことまでしそう。」
「ぶーぶー!! なによそれ、決めつけないで!!」
「そうよ!! いつも一人だけいい子ぶっちゃって!!」
「日ごろの行いを胸に手を当てて思い出してから言いなさいよ!!」
そのままぽかぽかと喧嘩を始める妖精たち。
「あ、だめだよ、けんかしちゃ!!」
そんな双方たちを小さな手でひっ掴まえて引き離す彼女だった。
「親切にしてもらったんだから恩返しはしないと。あ、そうだ、あの部屋から出た記念に、友達になってもらったらいいんじゃない?」
「ともだち・・? たしか、毎日ずっと遊んでくれる人だよね?」
「うん、まあ、そんな感じ?」
詳しく説明するのが面倒になったのか、妖精のひーちゃんは頷いた。
「それたのしそう!! 行く行く行くー!!」
エクレシアに待っていろと言われたのもすっかり忘れて、彼女はそう言った。
「おっけー、んじゃ、れっつらごー。」
その時教会には数十人の避難民が溢れていた。
だから、たったひとりの少女が消えた事を気にしろと言うのも酷な話だった。
ただ、彼女らがエクレシアの所まで辿り着くのに、自由気ままに寄り道しながら遊び回って結局数日を要した。周囲に迷惑とか騒ぎを振りまきながら。
存分に感受性と好奇心を育てながら、彼女は本来の目的を思い出してエクレシアの下に辿り着いた。
辿り着いたと言うと追い掛けたみたいに聞こえるが、実際は位置座標を割り出してもらって空間転移してもらっただけである。
それまで第二十七層で思う存分遊んでいた。
「ねぇ、お姉さん、どうしてくるしそうなの?」
そして少女がエクレシアの下に現れると、彼女は悪魔の呪詛でうなされている最中だった。
「うーん、これは悪魔にやられてるわねー。」
「時々いるよねー。信仰心が高すぎて逆に悪魔に魅入られるってパターンでこう言う目に遭うの。」
そうだねー、とか言いながら妖精たちは頷いている。
「なんとかできないの・・・?」
「何とかできない訳じゃないけど、そう言うのはうちらみたいな弱小妖精じゃなくて、ディーナ・シーの妖精騎士団みたいな連中を“向こう”から連れて来ないと無理ねー。」
彼女が頼りにしているフェアリーのひーちゃんはそう答えた。
自然の権化たる妖精は、それだけで並みの精霊魔術師が十人束になっても勝ち目はないが、中には明確に戦闘や護衛を役割として担うと伝えられる妖精も居る。
そう言った妖精は、文字通り幻想的なまでに強い。
今上がったディーナ・シーも、一説には起源はケルトの神々が堕天したと伝えられ、英雄妖精と称されるほど強い。
それに病魔を予防したり退けたりも出来ると言う。しかも彼女らは常に集団を形成しているのだ。悪魔の一体など、退けるのも容易いだろう。
「でも、あいつら基本的にお祭りの日ぐらいにしか“こっち”に来ないじゃない。」
「それに強いからってそれに鼻を掛けて意地悪してくるから私あいつら嫌い。」
「それでそのこと指摘すると逆上するし。」
「つーか、そもそもあいつらが人間一人の為に動いてくれると思う?」
ないない、と妖精たちは揃って首を横に振った。
「それどころか、あいつらにミネルヴァのことが知られたら取られちゃうかもしれないわ。」
「て言うか、絶対に取られるわ。あいつら可愛い娘とか好きだし。」
「そうね。それだけは絶対にイヤ。」
等など話し合っているが、妖精たちの話し合いは纏まる気配はまるでなかった。
「ねぇねぇ、あくまさん。どうしてお姉さんにいじわるするの?」
少女は、エクレシアの頭上に浮かび上がっている普通なら人間には見えない状態の悪魔に問うた。
物怖じなんて言葉も意味も知らない彼女は、堂々と正面から。
「穢れも知らない幼い少女よ。恐らく永遠に穢れを知りえないだろう無垢な少女よ。それは出来ない相談だ。」
悪魔は見る者を恐れさせる邪悪な姿を現して、淡々とそう答えた。
「・・・どうして・・?」
「それは私が悪魔だからだ。お前には理解できないだろうな。
お前が幾ら聡明で、これからどのような知識を得ようとも、人間の穢れその物とも言える我々を、お前が理解する日は来ぬだろう。」
「ちょ、危ないって。」
彼女は仲間の妖精から首根っこを引っ張られた。
「人間からしたら悪魔とうちらも大して変わらないかもしれないけれど、必ず仲良くできるってわけじゃないのよ。」
「心配せずとも、お前たち全員を敵に回せるほど、今の状態は芳しくはないのでな。」
妖精たちの心配も余所に、悪魔は淡々と答えた。
「ねえ、どうしてあくまだといじわるするの?」
「お前にとって、妖精が仲間だと事と同じだ。今お前が学ぶべきことは、なぜどうしてではなく、相手に対する対応の仕方だ。
相手によって、相手を区別し、対応を変える。それが人間の必須スキルだ。
お前なら、本当の意味で分け隔てなく誰にも接することが出来るだろう。しかし、その代わりお前は誰も愛さない。
それは不信を招く。他者の嫉妬を招く。有らぬ誤解を受けるだろう。故に、お前に真の友人は出来ないだろう。
相手によって順番を付けると言う事を、善良だと思いたがる人間は忌避するが、それは時として相手や自分の為になるのだ。
くくく、しかしそうなっても、お前は後悔などしないのだろうな。」
「・・・よく・・わからないよ・・・。」
少女には、悪魔が何を言いたいのかよく分からなかった。
それでも彼女の中に、くっきりと残る、呪いの言葉だった。
反芻すればいつでも思い出せる、言葉と言う原初の呪詛。
「では一言で言おう。人間は上手く言った物だ。
清水に魚棲まず。お前のように天衣無縫で、誰が見ても聖人のように澄んだ心を持つ潔癖な人間には、付いて行きたがる人間はいないと言う事だ。」
「・・・だから、ともだちが・・・できないの?」
少女は悪魔の言葉を理解できなかったが、だいたい何が言いたいのかは分かった。
「多くの人間は好ましいとは思わないと言う事だ。
お前だって心当たりがある筈だ。お前に接した人間が、逃げるように立ち去るのを。
分かるか? 私が悪魔であるように、お前がお前である故に恐れられる。
お前がどうであろうと、他者からの悪意はお前を何れ蝕むことだろう。」
「・・・・ううん・・・めがしょぼしょぼする。」
少女は何だか難しい話をされ過ぎて、深夜と言う時間も相まって眠くなってきてしまった。
「おやすみ。」
彼女はそのままベッドに身体を預けて寝てしまった。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
妖精たちと悪魔の間に残ったのは、沈黙だけだった。
「・・それよりさ、ここってあそこでしょ、翁ちゃんが言ってた魔族の領域!! まだ見ぬ遊びのフロンティア!!
ねーねー、朝になったら何して遊ぶー?」
「まずは仲間探しでしょー。うちらと遊べる奴らばかりじゃないし。」
「ま、人間よりは多いと思うけど。」
「魔族って高いとこから落としたらどんな顔するのかなー。」
「止めなさいよ、魔族は人間と違って多くないんだから。」
そのまま相談を始める妖精たちに、黙って消える悪魔。
何とも微妙な空気のまま、翌日にまで時間を進める。
何かしらのできごとはそれなりに有ったのだが、どうでもいいので割愛する。
「おなかすいた・・・。」
はてさて翌日になって少女が起床すると、腕で目をごしごししながらそう呟いた。
「んじゃ、なにか食べ物でも探す?」
「あ、私良い考えがあるわ。」
「なになに?」
「仲間を作って、みんな子分にしましょ。そいつらにもってこさせるの!!」
「それはグッドなアイディアね!!」
「ついでにそのあと皆で遊びましょう!! 沢山いればそれだけいろんな遊びが出来るわ!!」
珍しくあっさりと妖精たちは次の行動を決めると、彼女を引っ張って外に出ていった。
そして、妖精たちは空き地を探して寝ぼけた少女を適当な木の下に置くと、村中に散って行った。
「ん、あれ・・・?」
彼女が二度寝から目を覚ますと、二十人近くもの魔族の子供がわいわいがやがやと集まっていた。
「お、おお・・!!」
彼女は空腹なんて忘れて、眼を輝かせた。
「あぁッ、やっと起きたわね、早くそれ食べてなにをするか決めるわよッ!!」
もごもごと何かを咀嚼しながら妖精は言った。
他の妖精たちも子供たちが持ってきたと思われる食べ物を上機嫌で食べている。
「うんッ、みんなッ!! あそぼッ!!」
その日は夕方に成るまで彼女達は遊び倒した。
昼ごろには度胸試しと称して村中に多大な迷惑を掛けたりしていたが、当然そんな事を気にする彼女達では無かった。
・・・・
・・・・・
・・・・・・
「ん・・んぅ・・・?」
彼女は、心地よい揺れに目を覚ました。
「起きたのか? このクソガキめ。」
彼女は誰かに背負われていた。
もうすぐ日も沈むと言うような時間だった。
「・・・ん、あなたはだあれ?」
寝ぼけたまま彼女はそう言ったが、眠くなったのでもう一度睡魔に身を任せた。
「おい!!」
「・・・ぉぅ!?」
彼女は揺さぶられて、今度こそ目を覚ました。
「お兄さん、だぁれ?」
「お前の面倒を押し付けられた奴だよ。」
そう彼女を背負った青年は不機嫌そうに答えた。
「つーかお前は何なんだよ、どうしてこんなところにいるんだよ。」
「うーんとね、・・あれ? どうしてきたんだっけ?」
彼女が首を傾げると。
「あれ? なにしに来たんだっけ?」
「え? 魔族のみんなと遊びに来たんじゃなかった?」
「えー、違うわよ、魔族にイタズラしに来たんじゃない。」
「ぐぬぬ・・・・背負われてなければイタズラできるのに・・・。」
その瞬間一時を生きている妖精たちは、誰ひとりとして本来の目的を覚えていなかった。
「あ、そうだ、お友達をつくりにきたんだ!!」
「友達って・・・・。」
青年は色々と言いたそうだったが、彼は彼女との対話を試みることを選択した。
「一応聞くけど、お前って人間だよな?」
「そうだよー。みんな人間だっていうもん。」
「皆って言うと・・・妖精か? 俺には見えないんだが。」
「うん。ここにみんな、いっぱいいるよ!!」
彼女は元気よく彼にそう言った。
「・・・・いっぱいいるなら、わざわざこんなところまで友達なんか作りに来なくても良いだろ。」
「うーん、みんなはお友達とはちがうとおもうの。
おじさんもそう言ってたし。みんなとわたしは同じだから。」
「ん・・?」
青年に、少女の言葉は理解できなかったようだった。
「つーかお前、昼間のガキどもが友達だっつーんじゃねーだろうな。」
「うーんとね、まだなってないから、これからなるの。」
「バカ、なに言ってやがんだ。あれから皆、母親とかに連れてかれでこってり絞られたんだぜ。
迷惑ばかりかけるお前なんかに、誰が友達に成りたがるかボケ。
それに、一方的に迷惑を掛ける関係が友達で有ってたまるか。」
「えーと・・えと・・よくわからない・・。」
「よくわかんない、じゃねーよ。
相手の事も考えないで、何が友達だ。仲良くなるってそう言う事じゃねーだろ。」
「でも、でも、きょう、みんなとあそべたよ・・・?」
「遊べたら友達なのか? たった一度きり遊んだら友達なのかよ。
はぁ・・・ガキ相手になに言ってんだか、俺は・・・。」
青年は面倒くさそうに深々と溜息を吐いた。
「じゃあ・・お兄さんは私のお友達になってくれないの?」
「お前が良い子にしてればな、俺だって仲良くしてやるし、自然と友達だってできるさ。」
「うん、わかった、いいこになる!!」
青年は、本当に分かってんのか、とか思いながらも、それは後から教えれば良いかと言う事にした。
「ねぇねぇ、あいつって、あれじゃない。ロリコン!!」
「なにそれ?」
「ミネルヴァくらいのまだ子供も作れないくらいの年齢の体形に欲情する変態よ!!」
「ええーーッ!!」
妙な知識だけ正確に記憶している妖精たちだった。
「・・・? お兄さん、ろりこんなの?」
「違うわッ!! どこで知ったんだそんな言葉!!」
そんなこんなで、彼女は青年が下宿している家に行くことになった。
・・・・
・・・・・
・・・・・・
「どうしたのその子供。
まさかお前の? いつの間に作ったんだい?」
「お前ならそう言うだろうと思ったよ!!」
青年と、家主の魔族は読んでいた本から顔を上げてそんなやり取りを繰り広げた。
「きゃー!! またちっちゃなドラゴンさんだ!!」
「あ、おい!!」
青年が止めるのも間に合わず、彼女は家主のドレイクに近づいてきゃっきゃとはしゃいだ。
「ちょ、危ないってば!!」
「怒られる!! 食べられる!!」
「かっこいー!! ひーはいてー!!」
妖精たちが彼女に危機を訴えて後ろを引っ張ろうとしているが、なんのそのだった。
「なにこの子供。妖精憑き・・・?」
「ちょっと聞いてくれクラウン。
何だか知らんがこのガキを押し付けられちまった。」
「どいうことだい・・・?」
そして、ドレイクは彼から彼女を預かる事になった経緯を説明した。
「良いんじゃないかな。こいつって人間臭さないし。それに妖精まで憑いている。」
「ちょ、お前、反対しないのかよ!?」
「見た所、シーリー・コートのようだし。もっと有用な妖精を引っ張ってくるかもしれないじゃないか。」
「お前までクロムみたいなことを・・・。
てか、なんだそれ、シーリー・・?」
「シーリー・コート。良性の妖精の集まりの事を言うんだよ。まあ、妖精だからそこまで信用できないけどね。」
「だけどよぉ・・・。」
青年はドレイクの反応に素直に賛成できないようだった。
「きゃーきゃー!! つのだ、かっこいいー!!」
「それに見る目が有るじゃないか。僕の勇ましさを一目で理解しているだなんて・・・・って、触るな!!」
「・・・・・。」
ぴょんぴょんジャンプしてドレイクのツノを掴んでぶら下がる少女の姿に、何だか青年も妙に気疲れした。
彼にはただでさえ、この後一仕事待っていると言うのに。
と、まあそんな感じで彼女はドレイクの家に落ち着くことになった。
妖精たちも新しい拠点を手に入れたと、大喜びだった。
・・・・
・・・・・
・・・・・・
それから数日経ったある日である。
「お姉ちゃん、またきたよ!!」
「あ・・ミニーちゃん・・。」
彼女は何とか悪魔の手から逃れたエクレシアに会いに来ていた。
「もうげんきになった? こんどあそんでくれる?」
「そうすぐには・・・無理ですよ・・。」
「うーん、いたくてうごけないんだよね・・・。しかたないよね。」
彼女は落胆して残念そうに呟いた。
悪魔の魔手から助かったエクレシアだったが、精神的にかなりダメージを受けて今もまだベッドから出れないでいるのだった。
それを彼女は分かっているのだが、構ってほしい為に毎日会いに来るのが子供心だった。
「じゃあ、おはなししよう。あのね、あのね、きのうもね、むらのみんなとね。」
「あのですね・・ミニーちゃん・・。」
「ん?」
「私なんかと話していてもつまらないでしょう?」
エクレシアは精神的に不安定なのか、ネガティブな思考に陥っていた。
「そんなことないよ。わたしはたのしいよ。」
「・・・では、どうして私なんかに毎日こうして会いに来てくれるのですか?」
「だって、やくそくしたから。こんど、あそんでくれるって。」
「・・・・。」
エクレシアは、複雑そうな表情になった。
「では、私がやっぱり遊んであげられないと言ったらどうしますか?」
誰にも会いたくない心境だったエクレシアは、思わずそう言ってしまった。
「え・・・・それは・・・」
少女は困ったような笑みを浮かべて、エクレシアの手を握りしめた。
「痛ッ!!」
「うそつきなんて、だいっきらいだよ。―――赦さないから。」
「ミニーちゃん・・?」
この時、エクレシアが彼女を見る目は、知り合いの少女を見た時の表情ではなかった。
「みんなにも、わたしにも、ウソをついたら、うらぎったら、このよにいられなくなっちゃうんだよ。」
彼女は、自分でも何を言っているのか理解して居なかった。
だけどそう言うのが、正しい気がしたのだ。
彼女はいつも、その瞬間だけを生きているのだから。
「そ、う・・ですよね、ごめんなさい。酷い冗談を言いました。
動けるようになったら、必ず一緒に遊びましょうね。」
「うんッ!!」
若干エクレシアの声は震えていたが、そんな些細なことなど気にせずに彼女は笑顔で頷いた。
「あ、みんながよんでる。ごめんねお姉ちゃん。またくるね。」
「ええ・・・。待っていますね。」
突然、仲間の妖精から交感で呼ばれたので、彼女はエクレシアにそう言ってすぐに外に出た。
仲間の妖精に呼ばれた彼女は、その足で郊外の方へ向かった。
そこには、青年が同僚たちと共に集まっていた。
仲間の妖精たちもそこに居た。村でいつも遊んでいる仲間たちもだ。
「お兄ちゃん、みんなッ!! どうしたの!?」
「来るんじゃねぇッ!!!」
すると、青年が凄い剣幕で怒鳴ってきた。
しかし、その程度で彼女が尻込みする訳も無く、すぐに皆の下へ辿り着いた。
「来るなっつってんだろッ!!」
彼が捕まえようとするが、彼女はするりと抜けた。
皆の中心には、一人の魔族の子供が横たわっていた。
真っ赤に汚れていて、右肩から先が無かった。
死体だった。
「ねぇねぇ、どうしたの? なんでねむってるの? おひさまはでてるよ?」
いつも遊んでいる相手の変わり果てた姿にも、彼女は理解できなかった。
「ねぇ、どうしてつめたいの? もしかして、おなかすいてるからなの?」
「ミネルヴァ、止めろ。そいつはもう・・・。」
青年が、息絶えた魔族の子供を揺すっている彼女の肩を掴んで言いにくそうに呟いた。
いつもはうっとおしい位に喋っている妖精たちも、誰もが沈黙を守っていた。
「ねえ、お兄ちゃん、どうしてこの子はしゃべってくれないの・・? わたしのこと、きらいになっちゃったの・・?」
「違うんだよミネルヴァ、この子は死んじまったんだ。
最近この近くにまで魔物の群れが来てたんだ。子供たちには村の中で遊べって村の皆が言い聞かせてたのによ・・・。」
彼は遣る瀬無さそうな表情のまま、彼女にそう伝えた。
「しんじゃった・・・? なに、それ・・?」
「もう二度と、遊べなくなるってことだよ。話もできなくなるし、もう何も食べれなくなるし、笑ってくれなくもなる。遠い所にいかなくちゃならないからな。」
「とおいところ・・・? それって、“あっち”? それなら、みんなに頼めば・・・」
「いいや、多分それより遠いところだ。死んでない奴には絶対にいけない所だ。」
「じゃあ・・・どうすればいいの・・・?」
分からない事の連続で、彼女はどうしたらいいのかも分からなくなっていた。
いつものように、わからない、と言って逃げられないこの状況で、彼女は混乱の極致に居た。
「・・・旅の安全を祈れば良い。むこうでも、楽しく過ごせますようにってな。」
「うん・・・・ねぇ、むこうでも、わたしのことおぼえていてくれるかな。」
「お前が良い子にしているなら、多分覚えていてくれるだろうぜ。」
「・・・うん。」
少女が頷き、妖精たちが歌う。
鎮魂の歌が、村の郊外に鳴り響く。
この日、彼女は『死』について学んだ。
彼女の物語は、まだまだ終わりが見えない。
先月末には書き上げたかったのですが、何だかモチベーションが上がらずに少し遅れてしまいました。
本当なら、ミネルヴァの話ではなく、物語を進めたかったのですが・・・実は物語を先に進めていて途中でこっちの話に切り替えたので、書きあがるのが遅くなったというのもあるのです。
待っていた読者の方々には、焦らすように待たしてすみません。
ですが、このあたりでミネルヴァについて語らなければ、どんどんと後回しになると思ったのです。
次話についてはある程度構想も出来上がっているので、今回ほど待たせる事は無いと思います。
そいうことで、また次回。おたのしみに。