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魔族の掟  作者: ベイカーベイカー
三章 祈願祭へ
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第三十九話 タイムリミット五分前




『黒の君』は語る。


「今日はシンプルな話。愛って偉大だと思ない?

なにせ、もし今の時代で神様を殺せるのならば、それは愛しかないからだと思うんだよね、僕は。

もしかしたら、それはこの僕すらも殺しうるかもしれない。それはそれで実に興味深い研究対象だと思うな。まあ、それはこれからの経過次第ってことで。

・・・・・ねぇ、君はどう思う?」




           いつかどこかでのある少女との会話より抜粋。










「嫌な夢を見た・・・。」

俺は、夜もまだ明けるには少々早い時間に起床する羽目になった。



原因は、今見た夢にある。

血みどろの人生を送った二人の男と女の話だった。



「魔導書、お前だろ・・・・。」

手には、彼らの生涯を見守った柄だけの魔剣を握っていた。

誰かの夢を見たらそいつの所縁のある品物を握っていたとなると、軽くホラーだ。




―――『肯定』 その通りです。



「お前だろうな。」

夢の内容なんて頭に入らない物で、ザルで振るいにかけたように大半が抜け落ちている。

断片的な内容だったし、大まかな事柄くらいしか頭に残っていない。夢には親切にもモノローグが文章で解説されてあるわけでも無し、固有名詞なんて殆ど覚えていない。


残っている強烈な印象は、


死神の狂気。

魔女の慟哭。

哄笑の悪夢。


それくらいだ。

夢なんて、それくらいあやふやなものなのだ。


ただ、魔剣の持ち主だったあのジャンキー野郎の狂気と、その半身だった王李の心境だけは残っている。

どちらも俺には理解できない内容だったし、目的や手段が入れ替わるほど何かに執着したことも無い。


だが、共感は出来た。

今の俺のように、誰かを守り、助けたいという気持ちの一点だけは。


だから、俺は奴の魔剣を扱う事が出来るのだろう。




―――『説示』 魔剣の記憶からかつての所有者の技能をスキャンし、トレースしました。彼の使用できる魔術の理論も構築済みです。



「だが、技量不足なんだろ。」

俺の言葉に、はいと同意が返ってきた。




―――『解説』 本来の所有者なら、魔剣は同一の魂と言う触媒なので負荷の軽減が可能となるのですが、マスターの場合この魔剣そのものを魔術発動の起点とするのでそれが出来ません。



「あいつの全盛期の武技が再現できるだけでも御の字だろ。」

夢の中では負け続けみたいな内容だったが、とんでもない。

お前はゲームの呂布かってぐらいの無双状態だったのだ。




―――『難色』 あれは内功と呼ばれる気と言う概念で肉体を強化することが前提となっています。魔術で再現は可能ですが、今のマスターの現在の魔術キャパシティでは、それとトレースだけで許容量の限界に達するでしょう。



「所謂メモリ不足ってやつか? それって鍛えりゃ何とかなったりするもんなのか?」

或いは、パソコンで例えるのならOSが違うのかもしれない。




―――『肯定』 マスターの認識でおおよそ有っています。マスターが扱いやすいように調整し、魔術の最適な運用によって効率を良くすれば、他の魔術も扱える余裕がでるかと。



「なるほど、大師匠が言っていたのはこのことか。」

はい、と俺の言葉に魔導書も同意した。


天下の大魔術師『黒の君』こと大師匠は、改良し、調整し、新設し、自分だけの魔術を構築しろと言っていた。

何となく俺はその意味を理解した。



しかし、エクレシアぐらいの熟練でも一度の戦闘に扱える魔術は五つぐらいが限界だと言っていたのを、俺は思い出した。

それ以上は脳が持たないとも。

きっと組み合わせとかも重要なのだろう。



「つーか、術式の効率化なんてどうすんだよ。俺はまだ魔力の精製も素人レベルなんだぜ。」

サイリスに聞いたが、使われた術式を見ただけで分かるなんて、それに関する才能が無い限りかなりの高等技能らしい。

聞けば聞くほどエクレシアは才能の人だと言うのが分かる。弟子分として鼻が高いが、同時にそれにふさわしくない自分にほとほとまいる。




―――『提案』 私がマスターの体を借りてサポートしますので、それで感覚とコツを掴んでみてはよろしいのでは?



「ああ、なるほど、その手が有ったか・・・っておい、お前それが出来るなら最初から言えよ!!

おかげでサイリスの奴に頭下げる羽目になっただろうが。」

魔導書の言ったことは、上手い人の技術を見て真似をすると言うレベルではない、達人が俺の体を使って実演してくれる、と言うのと同じだ。

きっとそのコツや感覚なども確りと伝わるに違いない。


実際、俺は以前から魔導書に記録されている戦闘経験を模倣するようになってから、格段に動きが良くなったとエクレシアに褒められたくらいだ。

この上に、今度からあのジャンキーの膨大な戦闘経験と洗練された技能も上乗せされる。


それを自分流に最適化させ、自分の物にすればその辺の魔物や下級魔族くらいには負け無しになるだろう。



まあ、そんなことより今の俺は、魔導書の所為でサイリスに無駄な貸しが増えてしまった事に怒りを覚えていた。

・・・我ながら器の小さいことで情けなくなるが。




―――『弁明』 これはマスターの為でもあります。



「なんだと?」

どういうことだ、と俺は魔導書に続きを促した。




―――『回答』 それが重要な工程であるからです。私が協力し、上手く行ったところでマスターはそれを自分自身で得た力だと誤認しかねなかったからです。



「・・・・俺が自惚れる、って言いたいのか?」

それはない、とは言い切れない。

どんな温厚な人間でも、ある日突然拳銃を手に入れたら、凶変しないとも限らないのだ。


俺自身がそうでないとも、限らない。




―――『肯定』 魔術とは、魔性の力です。それに魅せられ、破滅する人間は歴史が証明しています。同時に、狂気もまた内包しているのです。マスター、貴方も見たでしょう?



「深淵を覗く者は、また深淵にも覗かれてるって奴か?」

魔術やオカルトに傾倒して、破滅したと言う歴史上の人物は何人も居る。

それが誰かと言えるほど俺は詳しくないが、今の時代、全く魔術なんて信じられていない俺の国でさえ、新興宗教に嵌まって騙されたりする。


俺なんかよりずっと強靭な意志を持っていたはずのジャンキーも、深淵に引きずり込まれた。




―――『忠言』 これだけは忘れないでください、マイマスター。貴方はもう、冥府魔道の海にどっぷり浸かっているのだと。船の上で、海の底を見ている立場ではないのだと。底の見えない深海の暗闇に、足を踏み入れているのだと。それらを前にすれば人間など、どこまでも矮小な存在だと。決して、忘れないでください。



「・・・・・・分かってるよ。」

半ば強がりのようにそう答えた。


魔術師と言う人種がどこか狂気じみているのは知っている。

皆まともじゃないし、まともではできないのだろう。


クロムの奴も、エクレシアも、サイリスやラミアの婆さま、クラウンもジャンキーも王李も、そして大師匠も、どこか狂ってる。

多分、俺もどこかネジが外れているのかもしれない。


でなければ、魔術に人生を捧げるなんて選択は無かったに違いない。



敢えて、最低な本音を言わせてもらうことを許してほしい。

エクレシアを助けることとか関係なく、俺は魔術に傾倒する事に悦びを感じている。


楽しいのだ、愉快なのだ。

人間と言う欝屈とした枠組みから、少しずつ解放されていくのが。



人間誰しも感じた事あるだろう、自分が嫌になる事を。

自分の限界と、人間関係や社会とのギャップと軋轢。

それらを並べて考えた時、嫌になる時が有る筈だ。少なくとも、俺は嫌になった。


もしかしたら、これは異常な思考なのかもしれない。

それこそ、誰かを殺してまで解放されたかったのかもしれない。


やっぱり俺は、人間じゃないのかもしれない。

人類、失格なのかもしれない。



でもだからこそ、俺は魔術師に相応しいのかも知れない。

地獄に堕ちるのに、相応しいのかもしれない。




だが、もう引き返せない。

俺はきっかけが欲しかったのかもしれない。


親父を殺した時と同じように、エクレシアの命を天秤に掛けて彼女を助けるという名目で、人間を、辞めることに対して自分を正当化したかったのかもしれない。

もうそういう年頃は終ったと言うのに。



だけど、人間ってそう言う生物だろ?

状況や誰かに、後押しされないと踏ん切りがつかないってことがままある。


だが、もうそんな言い訳は出来ない。

だって、俺は人間を辞めるんだから。


深淵にどっぷり浸かったのだから。




なあ、エクレシア。こんな最低な俺を、お前はどう思うんだろうか。

おっと、今のあいつはそんな問答なんて出来る状態じゃないか。


・・・・・・じゃあ、これからあの悪魔とやらを引き摺りだして、直接聞かせてもらうとするか。






・・・・

・・・・・

・・・・・・





とは言ったものの、時間はもうすぐ夜明けだ。

大師匠との約束までまだ半日はある。



そう言えば、昨日は結局エクレシアの見舞いにいけなかった事を思い出したので、今はまだ無駄だと分かっていても彼女の下に行ってみることにした。


すると、途中サイリスが凄く困ったような表情をしていた。

彼女がエクレシアを診ているのだから、彼女の行動時間的にも居ても別におかしくはないのだが、どちらかと言うと困惑している近い。



「どうしたんだ、サイリス?」

俺は、五秒で彼女が困惑した理由が理解できた。

逆に言えば、五秒もその状況を理解できずにいた。




「うーん・・・、むにゃむにゃ、いたくないよー、いたくない・・・すー・・・いたくない、いたくない・・・。」

エクレシアの腕に寄り添うように、ガキが寝ていた。


しかも、人間の幼女だった。

それも飛び切り可愛い。危うくロリコンに目覚めかけたが、その侵し難い雰囲気に賢者になった。字面だけ見たら最悪であるが、実際俺の状況を分かりやすく伝えるならそんな感じだった。



「これ、あんたの知り合い・・・なわけ無いわよね。」

困惑の様子のまま、サイリスが口を開いた。



「ああ、まさかエクレシアの奴が連れて来た・・・わけは無いよな。」

あいつはこの魔族の領域の危険性をよく理解しているし、それこそ余程の理由が無ければ他に人間を連れてくるはずもない。


その幼女は見えれば見るほど浮世離れしていて、傍目からも普通じゃないと一目で分かった。

将来は確実に傾国の悪女になるか、絶世の美女として持て囃されるか、いやそれ以前に、永遠に幼いままのような神秘的な雰囲気が有った。



まるでピーターパン。されど、ティンカーベルに近い。

妖精が絵本の中からそのまま出て来たような、儚さと、芸術的な美しさと、神秘性を兼ね備えた美少女だった。


思わず、生物的に同じ種族なのかと、一瞬そんな考えが俺の頭を過ぎった。

むしろ、誰かに設計された人形だと言われた方が納得できるほど、同じ次元に存在しているのが疑問に思えるほどだ。それくらい、非人間的な美しさだった。




―――『同意』 あながち間違いでも無いでしょう、マスター。



あ、そう言えば魔導書が居たの忘れてて結構変な事を考えてしまった。

ちょっと後悔した。




―――『解説』 彼女は、無意識に周囲の認識を歪めています。自身を好意的に認識する、生まれつきの魔性の魅力です。もはや魅了チャームの呪いに近いほど。



「生まれつきの、魔性の魅力・・・?」

そんな小説の登場人物みたいな事があるのか?


そう言えばチワワと言った小型犬は、他者に保護してもらうように可愛らしく進化したと言う。

それが人間にも同じように、生まれつき愛されるように一種の進化或いは変異をして生まれると言うのもあり得るのかもしれない。




―――『疑念』 と言うより、彼女の場合、生まれる前に何らかの呪いを掛けられたパターンかと。それこそ、妖精に魅入られて・・・。



「ははは、妖精なんているわけ・・・いるんだろうな。」

魔族の分類にも妖精種とか言うのもある。

妖精としての伝承や、それに類する話が伝わっており、生まれながら潜在的に精霊魔術の適正が有る連中だ。

そう言う種族は、人間と違って種族単位でそう言う才能を持っている。



「そうなると、俺よりよほど人間離れしてるじゃねーか。」

俺も魔導書に魅入られた性質だから分かる。

何かしらの人間とは違う存在に見初められるって事は、それに近い存在ってことだ。


俺が魔導書に魅かれたように、彼女も妖精を引く何かを持っているのだろう。




「妖精なら、そこに居るわよ。」

「うぇッ!?」

サイリスが幼女の周囲を転々と指差す。

マジかよ、全く分からなかった。


魔導書曰く、妖精の観測は子供のように高い感受性か、それらを見る特殊な才能が必要らしい。

つまり俺には子供らしい純粋な感性は無いようだ。


・・・・いや、分かってたけどさ。



しかしながら、今回の場合に限って、“妖精”に魅入られたのはエクレシアのようだ。


あの幼女は、人間と言うにはあまりにも別の何かに近づきすぎている。

誰かの資質を見極めるなんて事が出来ない俺でも分かるくらい、この幼女からは凄まじいオーラと言うか、溢れる才覚的な何かを感じるのだ。




「しかもたくさん。なんだかこっちの様子を窺って相談してるわね。何かされる前に逃げた方がいいわよ。

連中って人間なんか玩具ぐらいにしか思ってないから。ロクなことにならないわ。」

「お、おう・・・。」

そして妖精ってのは想像以上にエグイ連中らしかった。


確かの妖精種の魔族って人攫いとかの逸話とか多いけれどさ。




「早く!!」

サイリスが部屋の中を睨みつけて、急に怒鳴った。


俺は、弾かれるように逃げ出した。






・・・・

・・・・・

・・・・・・





「妖精って怖えぇ・・・・。」

サイリスがあんな剣幕で怒鳴る姿なんて初めて見た。

俺は顔を山の向こうから出し始めた疑似太陽を眺めながら、まだ生ぬるい空気が残る初夏の夜の空気の余韻に浸っていた。


そのまま浸っていたかったのだが、クロムの住居から彼女が変な格好をして網を担いで出てくるもんだから、俺は一瞬何してんだこいつ、と思ってしまった。



「あら、早起きね、変な顔してどうしたの。」

「いやそれはこっちの台詞だよ。なんだその変な格好は。」

クロムの奴は鎖帷子みたいなのを着ており、鉄の籠手と装甲が取りつけられたレギンスに、ブーツも鉄製だ。

脇に兜まで抱えているし、まるでこれから戦争にでも行く見たい格好である。



「妖精避けよ。連中、絶対に精霊が宿らない鉄が嫌いだから。

何でもラミアの老師の家に妖精が沸いて手を焼いているらしくてね、ちょっととっ捕まえようかと思って。連中の秘術は有用だから。」

だからそんな装備なのかよ。


「つーか、妖精みれるのかあんた。」

「見れるわけないじゃない。私って天才だけれど、生憎精霊魔術に関する適性はからっきしなのよねぇ。私の得意な錬金術と相性最悪だし。

そんな関係で一度精霊魔術にボロ負けしたことがあるから、ちょっとトラウマだったりするんだけれど。まあ、何とかなるでしょ。」

こいつの楽観的な所は見習うべき所なのかもしれない。



「いや、ならないだろ。見れないんだろ、妖精。」

「馬鹿ねぇ、なんのための錬金術だと思っているの。つい今しがた、妖精を見えるようにする軟膏を作ってきたの。

天敵に対抗し、駆逐し返す人間の叡智を馬鹿にしちゃいけないわ。」

クロムは胸を張ってドヤ顔でそう言った。

確かにこいつの性格はともかく、こいつが作る物は一定以上の評価は出来るから、そうなんだろうけれど何だか若干の胡散臭さは拭えない。



「まあ、戦う事前提にしなければ妖精の苦手な物ってこんな格好しなくても色々あるけれど。」

「本当か?」

このままエクレシアの所に居座られても困るし、俺も何か対策を考えなければと思っていた所だ。



「イヤー凄いなぁ、クロム先生。ここはひとつご教授してくださいませんかねぇ。」

と、俺は手でごますりしながらそう言った。経験が生きている。

若干棒読みだったが、気にしてはいけない。



「そうね、そこまで言われちゃ教えてあげなくもないわ。」

そして、このちょろさである。

あまりにも呆気ないのでこっちの方が不安になってくる。



「まず一番簡単なのは、上着を裏返して着る事ね。」

そして帰ってきた答えはそんな不安に拍車を掛けるものだった。


「えー・・・そんなんでいいの?」

「古くから言い伝えられてる妖精避けの方法よ。

まあ、連中の頭なんてその程度だってことじゃない?」

本当かどうか魔導書に尋ねてみると、なんと妖精種の魔族対策に一行ほどそれらしい記述があった。

飽くまで妖精の対策であって、妖精種の魔族の対策じゃないから詳しく書かれていないようだが、一応信憑性のある方法らしかった。



「あとは塩水に聖書、オークの木で作った十字架とか、蹄鉄の護符とか特に有効かしらね。」

そこまで言って、ああ、とクロムは明後日の方向を見やった。

何か物想いに耽ってる様子だが、こいつがこんな風になると何かしら考え事をしているようで、邪魔すると怒鳴られる。


一応教えてもらっている身なので、彼女の思考が終るまで十数秒ほど黙って待っていた。

すると、




「これを身につけておくと良いわ。」

と、言って、クロムはおもむろに何処からか蹄鉄を取りだした。


「お、おう・・・。」

クロムが効くと言うのだから効くのだろうが、いまいち信じられないのは俺が現代人だからか。



「それ、悪魔避けとしても有名な代物なのよ。」

え、と俺はクロムの言葉に、手にとって眺めていた蹄鉄から彼女に視線を上げた。


「聖ダンステンの逸話でね、蹄鉄を悪魔の足に打ち付け、悪魔の侵入を退ける約束をしたって話よ。それなりに由緒ある話よ。

それに則した術式を組んだから、使えば一時的に悪魔の目を逸らす事が可能になると思うわ。使う度に、聖水で清めて貰わないと駄目だから、そこは留意してね。」

即興だからどこまで通用するか分からないけれど、とクロムは付け加えるようにそうも言った。




「なあ、どうしてあんたはこんなに協力的なんだ?」

今まで口にしなかった事だが、俺は何だか気味が悪くて尋ねてしまった。


言ってから、これはもう一度蹴られても仕方ない失礼な物言いだったかもしれない。



「先行投資よ。私の目的は以前に語ったわ。それ以外の何が有るって言うの。まあ、悪魔相手に私の力がどこまで通用するのかも興味はあるんだけれど。

貴方の気持ちは分かるわ。私だって心の底から誰かを信じたってことなんて無いもの。疑う気持ちは魔術師なら常に持っておくべきものだし、それは人間として正しい感情だと思うわ。」

「魔術師は、人間辞めるもんじゃなかったのか?」

「私も人間辞めなきゃ大師匠が謳う最果ての極地に至れないと思っていたわ。だけど、私はそうじゃないと思うの。」

彼女は続けてこう言った。


天啓があった、と。



俺は思わず、首を傾げた。

信心深さも欠片も持ち合わせていない、このクロムが天啓と口にしたのだ。



「前に一度死に掛けた時、女神が見えたのよ。

そして私を諭してくれたの。貴方のやり方は間違っているって。だから私はね、人間のまま神の領域を侵そうと思ったの。

人であるからこそ、価値が有るのだと思うようになったの。」

クロムは、案外ロマンチストらしかった。


俺は未だに、神の存在を肯定できない。




「意外だな、あんたってそう言うの信じるんだ。」

「なに当たり前のこと言ってるの。私だって女よ。」

「へぇ・・・。」

半ば魔術に人生を捧げているような彼女が、まさか女性としてのプライドが有るなんて思いもしなかった。

研究者気質とでも言うのか、研究とか自分の興味のあること以外の事に目に入らないように思えたから。



「なにその表情。言っておくけれどね、どんなに清廉潔白な聖女だろうとね、自分自身が女だって事実は捨てられないわ。

・・・・貴方が気にしている彼女だってね。」

「そう言うもんなのか?」

「彼女がそこまで自分を捨ててなければ、だけれどね。」

「・・・・・。」

否定も肯定もできない、凄く嫌味な言い方だった。



「つーか、そんな重装備で妖精捕まえられんのかよ。」

「あからさまに話題を逸らしたわね。

大丈夫よ、これ見た目よりずっと軽いから。

それに切り札もあるわ。この対妖精用飽和食塩水ハバネロ配合スプレーがあれば、妖精なんてイチコロよ。変質者から妖精まで幅広く撃退できるわ。」

なんだその無駄な開発は。

つーかあんたに変質者撃退用のアイテムなんて必要ないだろ。



「あんたは妖精みたいなファンタジーな存在なんか、そもそも信じてなさそうだけれど。」

「そう? でも妖精にまつわる伝承には有用な物が数多くあるわよ。」

クロムにとって妖精とはそのくらいの認識らしかった。

飽くまで、魔術の材料らしい。



「ちょっと見たけど、なんだか凄かったぞ。引き込まれるような魅力と言うか、なんだ。正直あれを敵に回したくないな。可愛かったし。」

「ははん、もう既に妖精にやられてるわね。

妖精話で有名なのに、シェイクスピアの真夏の夜の夢があるわね。妖精の王が作った強力な惚れ薬が登場する奴。」

これだけ準備したんだから私は大丈夫よ、と壮絶なフラグを残してクロムは去っていった。



数時間後、術式の作動確認と使用感を確かめて、自分の現実とすり合わせを行った。

その後、エクレシアの容態を見に行った時にあの幼女は居なくなったので、ちょっと心配になってクロムの所に寄ってみると、彼女のすすり泣く声が聞こえてきて、ああ失敗したんだな、と俺は何となく悟ってその場を後にした。


その後、村中の警邏の仕事中に魔族のガキどもに混じって遊んでるあの幼女を見かけたりしたりもしたが、そのフリーダムな姿に俺は何も言えなかった。

隊の同僚には笑われたが、ついついあの後上着を裏返して置いたのが功を奏したのか、俺が声を掛けるより早くその幼女は魔族のガキと一緒に行ってしまった。


そしてその日、村内で子供の悪戯による被害が普段の十倍以上に膨れ上がって、午後はその処理で忙殺された。

この歳になって子供を追いかける羽目になるとは思わなかった。





「ねーよ、なんなんだよこのガキ・・・。」

あの名も知らぬ美幼女だが、あの後何度も遭遇したが、クロムのくれた蹄鉄の護符のお陰か、一度も気付かれる事は無かった。


しかし、村で多発している悪戯事件だが、ガキの中心になっているのがどうやらあの幼女らしく、結局俺の居る警邏隊で捕まえることになった。



つか、アイツ絶対人間じゃない。

背中に羽でも生えてるのかってぐらい軽やかな身のこなしで、ちょこまかと逃げるのである。俺に気付いていないにも関わらず、だ。


クラウンも勘の良い奴だが、あれはそう言うレベルじゃない。

気付かれていないのだから捕まえるチャンスは何度かあった。しかし、いざ捕まえようとした土壇場で、必ず俺の気を逸らす何かが起こって捕まえ損ねる。


あれは危機回避能能力が高いとかではなく、そもそも危機に陥らないようになっているとしか思えない。

クロムが大敗したわけである。



あれは無理だ。彼女を探しているのは俺だけではない。

魔族の連中も沢山いて、次々と魔族のガキどもを捕まえているなかで、あの幼女だけは目撃されはしても決して捉まらなかった。


その神出鬼没さは、まるで妖精である。



だが事態はあっさりと収束した。

あの幼女が、馬小屋の藁の中で寝てるのが発見されたからである。


その姿を見て、皆が毒気を抜かれたように溜息を吐いて元の生活に戻ってしまったのである。幸い、被害と言っても露店の果実を盗まれたとか、水をぶっかけられたとかその程度。

まったく得する気質である。


大師匠に今日の夕方に備えていろと言われていたのに、無駄な体力使ってしまった。




で、だ。

何がねーよ、なのかと言うとだ。



「同族の尻拭いは同族が行うのは当然だ。」

と、隊長が一言。

満場一致なのを見ると、それは魔族で割と一般的な考え方らしい。


人間を辞めると大師匠に宣言しても、分類上俺は種族人間なのは変わりない。



そう言うわけで、俺が無期限の監視と言う名目でこのガキの子守りを押し付けられたのだ。

そして現在、寝ている幼女を背負って帰宅中だった。


これクラウンにどう説明しろって言うんだよ。

あいつのことだから、いつの間に作ったんだよ、とか言いかねない。


しかし、数時間とは言え俺たちを村中駆け回させたこいつだが、俺はどうしても憎めなかった。

いや子供だからというのもあるし、彼女の生まれついての魔性の魅力にながされているのかもしれないが。


あの時、この幼女がエクレシアの腕に抱きついて寝ていた時、呪詛に苦しみ耐えていた彼女が少しだけ楽になっているようにも見えたのだ。

だから俺は、こいつを邪険にする事は出来なかった。




そして、結論だけ言わせて貰おう。

彼女は家で、クラウンの家で預かる事になった。


その経緯は紆余曲折というか、割と簡単だった訳だが、正直下らないし語るのも億劫なので後日、機会が有った時にさせてもらう。


今は、それより大事な事が有る。






・・・・

・・・・・

・・・・・・




夕方、若干いやかなり疲れた様子のクラウンと共に俺はラミアの婆さまの所へやってきた。


婆さまもサイリスも当然居る。

クロムは・・・なぜか仮面を付けていた。ほらあるだろう、なんか胡散臭い仮面舞踏会に付けてく、目の周りだけ隠す、あのアイマスクみたいな形のあれだ。


目が凄まじく充血していたので、どうやって彼女がやられたのか想像がついてしまった。

道理で柄にもなくすすり泣いていると思った。

きっと目の周りは腫れているに違いない。


そこまで分析して、俺は敢えてその事に触れない事にした。

それが優しさである。




面子が揃ったところで、俺はテーブルの上にある魔具“ラッキー&ヘル”を手に取った。


「やぁ。」

どう呼びかければ良いものかと考えていると、向こうの方から姿を現した。

多分、立体映像的な何かだろうが、君が悪いほど存在感が有る。



「獣臭いね、吐き気を催すよ。今嗅覚なんて無いけれど。」

そして開口一番がそれだった。

余程、魔族が嫌いらしい。



「大師匠・・・その、『盟主』が心配無さっておりました・・よ?」

「嘘はいいよ。あいつが僕のことを心配する訳が無い。・・・・そう言う風に教育してやったし。」

片膝をついてご機嫌を伺うようなクロムの態度に、大師匠はうっすらと笑ってそう答えた。



「それより体貸してよ。僕がここにあるのは精神と魂だけなんだ。僕が二人同時にこの世に存在するのは実にマズイ。僕みたいな存在が二人も居たら世界が滅んじゃうからね。」

あははははははは、と笑いごとのように大師匠は笑ってそう言った。


冗談だと思うが、何とも笑えないジョークだった。



「だから、ちょっと借りるね。どうせ君の体なんてどこまで精巧でも空っぽなんだから。」

「い、いやです・・・許して、ください・・・。」

「黙れよ、弟子の弟子その1。このエルリーバ一族の面汚しめ。

どうせ聞いているだろうけれど、身の程知らずのオリジナルにも伝えておけよ。余計な事は考えるなってね。あと馬鹿弟子にも調子乗んなって伝えとけ。」

振るえるクロムに、大師匠が冷たい視線を向けた。



パッと大師匠の姿がテレビの電源を消したように消えた。

同時に、クロムの体が揺れたが、すぐに彼女は立ち上がった。


いや、もう彼だった。

天下の大魔術師、『黒の君』だった。




「うるさいねぇ、魂が器に適合してないのは分かってるよ。ちゃんと肉体の負担は最小限にするって。嫌ならボロボロになるまで居座るよ。

君なら分かるよね、魂と肉体の関係は。肉体は受精した瞬間に魂が宿り、母親の胎内で魂の形に合わさるんだ。もしその器に合わない魂が長時間いると・・・さあ、どうなるかな。」

どうなるも何も、たった今ボロボロになるとか言ったよな!?

わざわざ懇切丁寧に説明するように言ったのは何でだろうか。もしかしたら、クロムが抵抗しているのかもしれない。


そう言って黙らせたのか、クロムの体を借りた大師匠は手のひらサイズの魔法陣を人差し指で展開した。



「わぁお、びっくり。ボクマジで死んだみたい。いや、これは死んだと言えるのかな? いや死んでるか。ともかく、まさか本当にバックアップを使う羽目になるとはね。」

何やらぼそぼそと呟いた大師匠は指を鳴らすと、その手には節くれだった如何にも魔法の杖っぽい代物が握られていた。


「えい、っと。」

そしてなぜか、それをぽいっと投げ捨てた。

投げ捨てて、その杖はどこかに消えた。始めから無かったかのように。


それだけだった。



「あの、大師匠?」

「ああ、ああ、ごめんごめん、ちょっと気になる情報がこいつの頭に有って、少し確かめたくてね。もう用事済んだから、行こう行こう。」

「あ、はい・・・。」

一連の行動に何の意味が有ったのか理解できなかったが、多分何かしら意味のある行動だったのだろうと、無理やり俺は結論付けた。



「ほんっと、うるさいね。カナリアじゃないんだから。弟子も、弟子の弟子も人権なんざ無いんだよ。それとも、“モノ”にしないとそれが分からないのかな?」

と、呟きながら彼は勝手にエクレシアの居る部屋に歩いて行った。


・・・・他人事ながら、背筋が、震えた。

俺はきっと、クロムに同情して居るんだとは思う。

俺はあいつに良い感情は抱いていないが、恩もあるし貸しもある。それはあまりにも不憫な仕打ちだった。


『黒の君』の意味は、黒魔術師の暴君だと言う。

一番肝心な『暴』の字を略すなよ、それ。



「・・・・・・。」

「そんな目をしなくても、あんな風に扱いはしないよ。」

サイリスが今にも泣きそうな顔でラミアの婆さまを見ていた。


彼は魔族である彼女達を眼中にすら入れて居なかったし、誰も口もはさんでこなかったが、多分それで正解なのだ。

彼が魔族と関わったら、それは人類の敵対者を駆逐する立場にしかならないのだ。



「聞きしに勝るってやつかな。確かにあれは関わり合いになりたくないね。」

そしてクラウンもビビってた。

俺もそうだ。前に会話した時も得体の知れなさは全面に出てたけど、それなりにフレンドリーだったから。


アレを、仮にも同じ人間と言う種族だと思ってほしくない。

関わり合いに成りたくも無い。


アレは不吉と言う言葉が付き纏う、魔術師の概念そのものだ。



とは言いつつも、俺と違って有る程度大師匠の事を知っている彼らも彼らで興味はあるらしい。

魔術師と言うのは魔族でも大して人間と変わらないのかもしれない。


遠巻きに様子を見るように俺たちは大師匠に追従する。



「ねぇ、大人しく出てけば手荒な事しないよ。」

と、エクレシアが居る部屋の布を巻くって中を見ると、早速大師匠が悪魔相手にそんな事を言いだしていた。



「断る。これは正当な報復で有り、それ故にこの娘の命を頂戴している。」

「ああつまり、この小娘を死なせたく無ければ生け贄を持って来いって話なのね。わかったわかった、理解した。」

ぽんぽん、と大師匠は手を叩いて頷いた。


そして、






「じゃあさ、もしこの小娘の命が尽きたら、その呪詛は成立しないよね?」





「ちょ―――」

待って、と言う前に、大師匠は実行した。


ぁ、と今まで苦しみ呻いていたエクレシアが、小さく息を吐いて、ぱったりと力尽きたように沈黙した。



死んでいる。

まだ、生きているままの体温が残ったままで、死体が一つ。


本当に、死んだ。




「んな・・・」

然しもの悪魔も、流石のそのような暴挙は想定外らしかった。


「ほら、なに呆けてるのさ。」

それはどちらに対して言っているのだろうか。

俺か、悪魔か?



「さっさとその魔剣、引き抜けよ。時間は無いよ。」

大師匠は言う。早くしろと。




「―――“キマイラヘッド”ッ!!」

俺は、大師匠の全知全能という謳い文句を信じるしかなかった。


霊的にエクレシアの背に突き刺さっていた魔剣が、魔剣キマイラヘッドの力によって引き寄せられ、引き抜かれる。

摘出は、なんの滞りも無く成功した。



その陰には、当然大師匠が手を貸してくれていた。

いや、今も手を貸してくれている。



「え、えぇ・・・?」

サイリスが理解できないと言ったような困惑した響きの言葉にならない声を漏らした。


それは、エクレシアを文字通り殺して悪魔の裏を掻くなんて事ではない。

実際彼は理解できない事をしていた。



彼は、手のひらの上に無数の円環魔法陣を次々展開しては、次々と消していた。

例えるならほら、漫画やドラマであるだろう? 天才ハッカーとかがパソコンの画面に意味不明な文字の羅列みたいなのがダーッて流れるウインドウをいっぱいだしては消えて行くアレに似ている。


その結果、誰もが手も足も出なかったあの上級悪魔が、微動だにできていなかった。




「信じられないねぁ。悪魔の呪術に即席で弱点を的確に付く術式で相殺して、その上で動きを完全に制限している。」

ラミアの婆さまが言った事は、本当に人智を超えていた。


サイリスは以前言った。

弱点を突かれなければ魔術が途中で終わる事はマズ無いと。


それは魔術を破るには、あらかじめ弱点が分かっている魔術に対して、少なくとも一度は見て対策をしないと不可能だからだ。

それに則して対策を立てるのに普通はインターバルが有る筈で、敵である魔術師は一度見せた魔術はもう対策が取られている事を前提とするのが、エクレシアから教わった基本戦術の一つだ。


だからそもそも、戦闘を行う魔術師は手数が要求され、手札が見破られないように立ち振る舞う。

それに相手の魔術を看破し、対抗する知識も必要とされる。



だけど、『黒の君』こと大師匠は、悪魔の未知の術式の構成を瞬時に把握して、それが発動するより早く構造的弱点を突いて破壊している。

馬鹿げている。そんなの、早押しクイズで出題者が問題の始めを言う頃には回答を出しているようなものだ。



「ふーん、その程度なの?」

そんな絶技を繰り出しながら、大師匠は悪魔を見上げて挑発するように笑みを浮かべた。


その上で、彼は遊んでいた。

悪魔と言う人智を超えた存在に、それを上回る理解不能な妙技を披露してなお、――――彼は余裕だった。



「・・・・・・・・。」

悪魔は答えない。答えられない。


そんな余裕が、無い。

彼の額に脂汗みたいなものが流れているのが、よく分かる。




「まあ、爵位も無い悪魔なんてその程度だよね。」

大師匠は、まるでデコピンでする様に親指をばねに人差し指を弾いた。


直後、悪魔が大回転しながら吹っ飛んだ。

テントの布を突き破って、外に放り出される。






「―――――五分だ。」


大師匠は、エクレシアの額に手を当てて言った。




「彼女が脳死に至って、魂が肉体から乖離するまでの時間だよ。

これは宗教観念や民間伝承によって最大一カ月前後まで伸びたりするんだけれど、僕の時間は五分だ。それ以降は、完全な状態での死者蘇生は不可能だと言わせてもらおう。」

その説明を受けて、俺は息を呑んだ。


エクレシアの命が許される、残り時間。

たった五分。あまりにも、短すぎる時間だった。




「それまでに、君があの悪魔を倒せ。

これは奴と君の決闘だよ。僕は君をあの悪魔と同じ土俵に上げてやったぞ。あとは君次第だよ。君が、あの悪魔を倒すんだよ。」

まぁそれまで彼女は守ってあげるよ、と大師匠は淡々と言った。

だが俺はもう、大師匠の方は見て居なかった。



土煙りの中、立ち上がる悪魔にしか俺の目には映らない。




「まさか、このような・・・!!」

あの感情の希薄な悪魔が、これ以上無く怒気を放っていた。

人間なんかに良いように遊ばれた、とそののっぺりとした表情の無い顔が物語っていた。


時間が無いのは分かっているのだが、これだけは言わないと気が済まない。



「――――運が悪かったな。

あの人は、何だか魔術師の間じゃ天災みたい言われてるらしいぞ。」

本当に運が無かった。

本当だったら、このままタイムリミットを迎えて、まんまとエクレシアの魂を奪えたと言うのに。本当に、運が無かった。




「おのれ・・・おのれ、人間めぇ・・・!!」

「お前は俺たちに、悪魔めって言われて怒りを覚えるのか?」

これも、意趣返し。

何番煎じか分からないが、これも言っておかないと気が済まなかった。

後、エクレシアには悪いが、もうひとつだけ。





「ああ、後、俺はお前を恨んでないぞ。今からこれ以上無く清々しい気分で、心置きなくてめぇを八つ裂きにできるからよぉぉおおおおお!!!」

「URUUUUUUUURAAAAAAAAAAA!!!!」

俺の言葉に、悪魔が悲鳴のような叫び声を挙げて応じた。



覚悟しろ、今すぐ決着を付けてやる。

エクレシアの為に、この戦いをお前の信じる神に捧げてやろう。











割と好調に書けています。個人的には、それなりに熱い展開にできたと思います。

私ってそういう展開が苦手なんですよね。この小説バトルモノなのにねww


暇な今週中に、悪魔との決着をつけたいところですね。

明日からも気合入れて書きますね。それでは、また。


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