ジローとしりとり
これはどこかの一軒家で起こるひとりの人間とひとり(?)の雪だるまの話である。
「なあ、リュウ」
「なんだ?ジロー」
はじめまして。僕の名前はリュウ、みんなからはそう呼ばれています。ちょっと不思議な生活をしている普通の高校生です。
そして僕の目の前に寝っ転がっている雪だるまの名前はジロー。なんで動くのか分かりませんが、実害がないので居候させています。
さて、今は日曜の昼下がり。ジローと家の中でゴロゴロしていると、ジローが僕に話しかけてきた。ろくでもないことに違いない。
「暇だからさ~、しりとりやろうぜ」
「……」
ほら、ろくでもない。でも実際暇だから付き合ってやるか…
僕はカバンから教科書とノートを取り出し自分の机に向かう。
…えっ?しりとりはやらないのか?ちゃんとやりますよ。しりとりも。
「是非、と言いたいところだが、生憎僕には宿題があるんでね。暇つぶしなら一人でやれ」
「……」
ジローは何かに気付いたようだ。ある意味当然。これぐらい気づけなくてはこの家の居候失格だ。
「練習問題ばっかりやって、何か意味はあるのかい?」
「いつでも続けてやることに意味があるんだよ、ジロー」
「ろくでもないことばっかりやってんな、人間は」
ろくでもないのはお前の頭だ、雪だるま、と言いかけたがなんとか押し止めた。だって負けるの嫌だからね。
「忘れないうちに復習するのが普通の成績を保つ秘訣だよ」
「よ…良くやるね。」
「年がら年中家の中でゴロゴロしているお前では出来ないこと」「と?と、と……トイレ行ってきまーす」
…逃げたか…
まあいいや、今回も僕の勝ちだったな。
本格的に勉強を始めようとすると、ジローが部屋に飛び込んできた。
「すぐリベンジだ!リュウ。」
-----びしっ!
そんな音がでそうなくらいの勢いで僕を指差した。
……おや?人に指をさしてはいけない、って教えてなかったっけ…
「…スマン、ジロー。そろそろやめにしようか、このしりとり」「…了解。」
全然了解してねえじゃねえか!
「いや、だからやめようって…」
「て言うリュウも出来てないよ。」
「あっ…」
今日もこんな感じで休日を過ごしていくのでありました…
途中分かりづらいとは思いますが、どうか見逃してください(汗)