私兵偽造でございますか?
服も何着か買ったし、魔法…とは考えたなくないが超常現象を起こすことと斜め上の会話以外は唯の綺麗な女性である。
秀美は「まあ外で色々仕組みを知ることは良いことだ」と言い
「しかし、紙幣偽造か」
大事になるかもしれないな
と呟いた。
リリアはじっと秀美を見て
「私兵…偽造…とは」
と小さく呟いた。
北の魔術師としてフィマールの王に仕えていた時は全てを見通し、時に戦乱の収束を行う手助けもしていた。
だが、何もかもが違っている。
そもそも王を名前呼びなど
「ありえませんわ」
である。
優はリリアを見ると
「紙幣偽造っていうのはね」
とお財布から千円札を出し
「このお金の偽物を作るってことなんだよ」
と告げた。
リリアはじっと見て
「先日、スーパーと言うところで食べ物と引き換えに使っていたこちらの通貨でございますね」
と告げた。
「王族がそのようなことをするとは…と驚いておりました」
優は笑って
「だって、僕も兄も王族じゃないよ」
と言い
「日本には王族はいないんだ」
皇族はいるけど
と告げた。
リリアは悩みながら
「前にもそのようなことをお聞きしましたが…まだまだ王…いえ、秀美さまと優さまの国のことを学ぶ必要がございますね」
と告げた。
秀美はふぅと息を吐き出した。
優は秀美を見て
「けど、あの買い物がどうしてお金の偽物なの?」
と聞いた。
秀美は「ん?」と優を見て
「あー」
と言うと
「駅の売店っていうのはな、通常、会社に向かうとか列車に乗るとかいう合間に買い物をすることが多い」
急いでいるんだ
と告げた。
優は頷いた。
秀美は笑顔で
「だから、お釣りの受け渡しで時間を取られたくないってことだな」
そう言う意味で態々高額な紙幣を使う人は少ない
「それに売店の人もそういう忙しいやり取りが多いから紙幣を一々確認したりしない」
と説明した。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。