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5話 ヘルゾディックvsカゲヨシ 【中間】

「ほらほら、どうしたゴミぃー‼」


ヘルゾディックの後ろに、貼り付けられたように空中で静止している約百人強が、さまざまな色が飛び出しており、まるで虹のようであった。当の百人強の人間は苦痛に顔を歪めているが。


対して、カゲヨシは楽しんでいるヘルゾディックとは違い、どこか受け入れたような顔をしていた。


(どうして勝つという結果が得れないのか……それは俺が勝つという過程がないということ。過程がなければ結果は得れない。……俺はあいつには勝てないっ。)


カゲヨシはさっきから能力を行使していたが、勝つという結果が得られることはなかった。今できるのは、避けるという結果を得て、避けているだけ。


策はある。だが、成功する確率は低い。いや、もしかしたらないのかもしれない。


(だが、やるしか――ない‼)


「うがああああああ!!!!」


カゲヨシは攻守を切り替えるように、雄たけびを上げながらヘルゾディックに正面から突っ込んでいった。そして、右手の人差し指をヘルゾディックを指し、連続で叫んだ。


「後ろの人間を一人、殺す結果を得る‼

 後ろの人間を二人、殺す結果を得る‼

 後ろの人間を四人、殺す結果を得る‼

 後ろの人間を八人、殺す結果を得る‼

 後ろの人間を十六人、殺す結果を得る‼

 後ろの人間を三十二人、殺す結果を得る‼

 後ろの人間をすべて、殺す結果を得るっ!!」


カゲヨシは一人、二人、四人と、二倍ずつ後ろの人間を殺していき、後ろに貼り付けされたような人間は、すべて姿を消した。


そう、この能力にはあるルールがある。それは、結果を得るとき、過程の中には能力を行使する過程が存在しないというルールだ。


カゲヨシが変えたのは原点だ。結果や過程のさらに前の、原点を変えたのだ。状況が変われば過程、結果も変わる。


事実、ヘルゾディックの後ろにいた百を超える人間は存在せず、ヘルゾディックしかそこにはいない。そして、ヘルゾディックに飛び出していた右手を見ながら叫んだ。


「ヘルゾディック‼お前を殺す結果を、得るっ‼」






……





……あれっ、どうなっている。んだ……。これはっ。


カゲヨシの命がけの行動――過程はなんの結果も生まなかったのだ。それに何かの感情、怒り悲しみ諦め、どれかの感情を顔にだそうとしたとき。


ヘルゾディックはこちらをあざ笑うように、言ってきた。


「くくくく、クハハハハ!!我に勝ったと思ったのか、ゴミごときが。俺のような者が、貴様のようなゴミに、負けるわけないだろう。そして……よくも俺に勝てるという妄想を勝手に見てくれたなゴミっ!!」


ヘルゾディックは笑顔から一転、鬼を超える顔で何かを投擲した。


次の瞬間、閃光がカゲヨシに嚙みついた。

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