一日の始まり (仕事)
恨み それは 感情の中で強く発現して時には人を複数人死ぬこともある。嫉妬や悲しみや苦しみの上位互換とも呼べるだろう。
ピピピピピピ カチッ
「、、、朝か」
いつもの部屋、起きようとするとすぐ近くのカーテンから日の光が漏れて眩しさとともに目覚める。
カーテンを開けて朝飯の為の食パンをトースターに入れ、今にも倒れてしまいそうになるほどの眠気を必死に我慢して洗面台で顔だけ洗う、髪の毛を整えるのはめんどくさいからここに来て時間とLINEをチェック。「今が、7時3分か。当たり前か、LINEは、今日は依頼が多い、、、クッソ」
チーン
焼けたようだ、トースターからパンを取り出し、洗ってあった皿に置き、マーガリンを冷蔵庫から取って牛乳を取り出す、
「今日も一日、『死にませんように』」
そう言いながらBGMに好きな曲を流しながら食事を終わらせた。
「頭整えて、髪型整えて、11時には出ないとか。だから、その間に依頼のやつを、」
彼はそこから8時までに着替え、昨日の夜にやっていた洗濯物を家の一番陽の当たるところに干し、そこから10時まで趣味の絵を書く。依頼は大体1~2個、だが今日は多かった4個、いつもの倍以上、受けた以上やるしかないが、正直30分で1つまともなのを書き終えるのは至難の技、しかもラフ等を見せて相手の追加要求を呑まなきゃいけない。1枚で2500円貰ってるのでかなりガチで描かないといけないのも含めて、「仕方ない、本気を出そう」
多種多様な才能をもちあわせていたのでそれら全てを駆使し、ラフを10分で終わらせ全員に見せながら、先に本番を初め、通知が来た瞬間それで要求を見る。既読が長かったり色々あるが、大体はOKを貰える、強いて言うなら微調整程度はされる。それほど感性はよかった、だが、
「やっば、10時30分だ。」
仕方ない、残りは仕事の後だ、もう最終確認をしなくては、
仕事、それは、殺し屋だ。主に恨みを持って依頼する者が多く、大仕事はあまり来ないのであまり腕は良くないとされていると思いながらも仕事はこなす、本業だから。
実際1殺25万は少し少ないとも感じていた。高いと思われそうだが1ヶ月で最大でも3殺が限界、そもそも依頼すら来ない月だってある。
何故なら殺すために最初はその人の日常、周りの関係性、一番殺しても後始末が出来る場所、それら全てを調べ上げ、ここという日に決めて殺す、日常でいきなり殺す事は出来る、だがそれは周りにバレる可能性が高く後始末もその場で出来ない、だから1番バレないところで後始末の時間が十分あると予想される所で確実に殺す。少し間違えれば捜索が始まり警察沙汰、それだけはゴメンだ。また人によっては狙撃を使わないといけない場合がある、が、それは全て自作、エアガン等を改造しまくって人を遠距離から狙撃出来るようにして使う場合もある、安全だが警察沙汰が避けられないのが欠点、また、玉も残るのであまりしたくないが、セキュリティに引っ掛からないためには必要なスキルだ。
何処ぞの「一殺一億」なんて一番破格だ、素人はともかくそれだけあるなら他の人を雇えばいい。本当は別の仕事に就きたい、ただ、しょうが無いのだ。何故なら殺す事に特化した才能によろずに通じる幅広い知識と肉付きを持っているためである。人を落とす事なども難しくないし時々殺し以外でも「アイツから金をぶんどってくれ!大量の金を取られた!」とか「俺の代わりに今日の仕事やっといて!これ業務内容、あと顔の型はこれ!」とか、なんで自分の顔の型作ってまでサボりたいんだよ...
体のスタイルはかなり細々としているので上手く肉をつける様にすれば全然バレないし業務内容も行く時に全部覚えられる。声真似も超長時間出来るので男女関わらず変装も可能、何でも屋と言っても過言じゃない。そんな訳で、今日の仕事は半分終了。悲鳴を出さずに首を刺し、頭と体を別れさせた後、血がかかってもいいようにしていた黒い服と奴の行動で1番長く人の通らない所でサクッと殺した。血がどんどん出る、生臭い嗅ぎごたえのある、よく嗅ぐ匂い、地面はコンクリートなので血が目立ちにくいがそれでもバレるほどだ、だからその死体はあまり隠さない、部品は隠すがそれを全て始末するのは家に用意している焼却炉に持っていかなくてはならない、そしてその血を消すには、全て洗い流すのがいい、準備していた清掃員のコスプレと大量の洗剤とホース、これで洗い流す、完璧ではないがこの後死体を焼却炉に持っていくのだ、この仕事キツすぎる。
骨に関してはめんどくさいから(カモフラージュとして)よく食べる手羽先などに加える。火力高いからだいたい燃えてくれるが骨だけは難しい。だから時々燃やさず裏企業で移植用内蔵として出回ることもある。中には首だけ持って帰りたいという奇人が依頼に来たりするが、その場合は首を無事にしなきゃいけないのだが、まぁこの殺し方なら良いのだ。
「さて、ここから2人目のターゲットのサーチをしようかな。」
今日も殺す準備と副業で忙しい、生活はそこまで裕福では無いが生きていけてるので幸せと感じ、恋愛等は出来ないが趣味もちゃんとできてるし楽しいのは変わらない。そして、この仕事は人の恨みを受け継ぎ、他人の為に、そして生きるために人を殺すのだと、感じていた。