プロローグ
「ちくしょう!なんでここに魔王がいるんだよぉ!」
そう叫びながら、襲いかかってくる魔法を必死に交わしているのはデュークであった。
「隊長!このままでは部隊がもちません!1度撤退をしましょう!」
「了解だ!みんな1度引くぞぉ!」
「隊長!後ろからも魔物が!引けません!」
「なぁ!レイスの隊はなにをしているぅ!どうして俺たちの後ろから魔物が来るんだよぉ!」
「ぐはぁ!」
前方魔王、後方に魔物がいるため引くに引けないデュークの隊は、魔物の攻撃によって徐々に数を減らしていった。しかし、魔物も無限に湧いてくるわけではない。無我夢中で魔物を捌き続けていると、いつの間にか敵は魔王だけになっていた。
「ほう。その魔物たちを倒し切るか。体力は素晴らしいなぁ。しかし、その疲れ切った身体で私の攻撃を受け切れるかな?」
何十年間も誰も生きて帰ったことがないと言われるこのダス城の魔王は恐ろしく強かった。気づけばデュークの隊はデュークを除いて全滅していた。
「もうあと1人になってしまったか。仕方ない。お前で遊ぶとしよう。」
「ふざけるなぁ!俺の仲間を返せぇ!」
「まだ立ち上がれる体力が残っていたか!これは面白そうだなぁ!遊び甲斐があるぞぉ!」
デュークはもう動けなかった。そんなデュークに近づき、魔王は魔法を放った。
「アンチステータス」
『あぁ。これが死ぬという感覚か。不思議と力が湧いてくるなぁ。エース、ティーナ。俺は先に行くぞ。俺の分まで生きてくれ。』
…
……
………
「…なんで俺まだ死んでないんだ?」
「今私が使ったのはステータスを反転させる魔法だ。弱者は強くなるが、強者は弱くなる。私はこの私だけのユニーク魔法を使って強者だったものを弄ぶのが大好きでねぇ。君はどのように踊ってくれるんだ?」
『ステータスを反転?じゃあ今の俺はどうなっている?ステータスオープン』
名称:デューク・オリバー
レベル:1
HP:14000
MP:18000
物理攻撃力:14600
物理耐久力:16200
魔法攻撃力:19000
魔法抵抗力:14800
素早さ:12000
装備:
鋼鉄の剣
マグナス鋼の鎧
『おいおいおいおい!俺強くなっちまってんじゃねぇかよ!ん?まてよ』
この時、デュークはあることが頭に浮かんだ
『え?俺これ魔王倒せるくね?』
「どうした?早く私を楽しませろ!」
ゆっくりとデュークは立ち上がる。
「そうだ!その調子で私に挑んでこい!そして絶望しろ!」
『今なら、いける!』
「エアスラッシュ!」
「ふははははぁ!今更そんなチンケな攻撃が私に効くわけぐはぁ!」
「エアスラッシュ!エアスラッシュ!エアスラッシュ!」
「ぐぉぉぉ!何故だ!何故お前にそんな力がぁ!」
「うるせぇ!お前が俺に力を与えたんだよ!」
「そんなバカな!あれは強者を弱者に…。まさか、まさかまさかまさかぁ!」
「やっと気づいたか。そうだよ!俺はもともとクソ雑魚なんだよ!」
「そんな…バカな…」
「はぁ、はぁ、はぁ。倒せた。倒せた!魔王を倒せたぞ!…うっ!なんだ、力が入らない。なに…がおこった…………」
魔王を倒した後、デュークは気絶した。
…………………
「まさかあいつが魔王を倒すとはな。一体どういうカラクリだ?いや、そんなことはどうでもいい。お前ら、宝玉を取ったら引くぞ!頂いてくぜ。お前の手柄。ひぁはっはっはぁ!」
騒々しかったダス城に静寂が訪れた。
誤字脱字があれば報告お願いします。
デュークの元々のステータス
レベル:68
HP:630
MP:210
物理攻撃力:530
物理耐久:470
魔法攻撃力:130
魔法抵抗力:510
素早さ:680