5話 解決編
金口虎南は長井千尋とマドクルナドでデートしてた。
金口はチーズバーグーを、千尋はダブルチーズバーグーを頬張っていた。
「俺はあの事件の真犯人を知っている」
「きゃあ。誰なの虎南くん?」
金口は一から丁寧に解説することにした。
まずは最初の田中殺しだ。
「田中の部屋は密室だった。合鍵を使うにはオーナーの承認印が要る。
でも申請書が出ていなかったから俺たちは合鍵を使えないと思った」
そうだ。合鍵を使うには申請書を出して実施者の承認行為が必要だ。
しかしこれには抜け道があった。
「俺が田中の部屋の合鍵をもらう時、すごく急いでいた。
だから申請書を出さずに口答承認で合鍵をもらったんだ」
申請書を出さなければもちろん実施者のオーナーの押印がもらえない。
しかし急いでいればそういう例外も出てくる。
「つまり犯人は例外的な理由でオーナーの承認なしに合鍵を使ったんだ。
申請書も出さず口答承認すらもらわずに!」
恐ろしい手口だった。越権承認どころじゃない。
一担当者が自分の判断だけで勝手に合鍵を使ったのだから。
もし見つかれば上場廃止もまぬがれない。絶対に、絶対に、絶対にだ。
しかし犯人はそれを平然とやってのけた。恐ろしい犯人だ。
「次に高橋殺しだ。あれは高田か千尋、お前ならできた。
高田は外にいたしお前は高橋を追いかけて外にいたからだ」
千尋は何も言わなかった。
金口はそのまま続けた。
「そして第三の事件、佐藤と斉藤殺しだ。
これは驚天動地の驚愕の驚きのトリックが使われたんだ!」
金口も気づいたときにはあまりのすごいトリックにびっくらこいた。
こんなトリックを思いつくとは何てすごい犯人だ。
「実はサイトウの表札からイの字を抜き取ってサトウの表札に足したんだ。
こうすれば二つの部屋が入れ替わる!」
「もともと夜中のうちに死体は佐藤の部屋にあった。
鈴木はサイトウの表札からイが抜けた部屋をサトウの部屋と思ったんだ!」
あとは11時に死体が発見されるまでの2時間の間にこっそりイのブロックを戻せばいい。
おそるべき完全犯罪だった。
「鈴木は自殺じゃない。夜中のうちに殺されたんだ。
よく考えたらあんな出血量で自分の血で遺書は書けないからな」
金口はそういうと目の前に座る長井千尋を指さした。
長井はおかわりのビッグマッドを食べていた。
「真犯人、怪人ピエロは・・・お前だ!長井千尋!」
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「真犯人、怪人ピエロは・・・お前だ!長井千尋!」
幼なじみの金口虎南に指さされた長井千尋は思った。
ポテトがしなびてしまった。こうなるとおいしくない。
「千尋、どうしてこんなことをしたんだ・・・」
「どうしてって・・・」
長井はうむむと考えた。理由はいろいろありすぎてまとまらなかった。
ただ長井はあの死んだ五人が許せなかった。
「私が虎南くんと付き合ってるの知ってあの人たち気持ち悪いって言った」
「千尋・・・」
本当は田中を殺したところでやめようと思った。
人を殺すときの感触はすごく気持ち悪かった。
でも高橋に「変なヤツ」と言われたのでやっぱぶっ殺すことにした。
私が変と言われるだけならまだしも虎南くんまで変と言われるのはムカつく。
「いいか千尋。殺人はいけないんだ、それは犯罪行為だ」
「虎南くん・・・」
長井は思った。自首しよう。罪は償わなければならない。
ビッグマッドとポテトとコーラをお代わりした。食い納めだった。
それだと佐藤の部屋の合鍵で斉藤の部屋を開けようとするから矛盾すると思った人は及第点。
結局開いてしまった事実から佐藤と斉藤、もっと言えば他の部屋も全部同じ鍵で統一していたと推察し、オーナー酷くないか?と思った人は合格点。




