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リアルチートと、極振りな友人達 〜運営を困らなせる噂のアイツら〜  作者: 暁 龍弥


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決戦 ― 調律者 vs 奈落ノ調者(後編)/“救う勝利”

世界が震えた。

破滅の旋律が最高潮に到達し、空すら黒く染まる。


カーミラが泣きながら叫ぶ。


「終わらせる!全部壊す!

 壊れたら楽になるの!!

 壊すしか私は救われないの!!!」


破滅の音が渦を巻き、街が軋む。

地面はひび割れ、構造物が音を立てて崩れ落ちる。


だが――四人は走り続ける。


殺すためではなく、救うために。



最初に前へ飛び出したのは――カイ。


カイは剣を振り抜き、破滅の衝撃波を正面で叩き切った。


「この戦いは終わらせねぇ!!

 お前が泣きながら破壊選んでる限り、俺は絶対止まらねぇ!!!」


カーミラが涙の笑顔で応じる。


「優しさなんて……“残酷”なんだよ!!」


ドレスの裾が舞い、黒の刃が十字に広がる。


「《奈落連奏アビス・フーガ》」


四連撃、四方向からの同時攻撃。

普通なら避けられない。


カイはそれでも笑った。


「そんなもん――仲間のためなら踏ん張れるだろ!!!」


ガッ!!!

剣と刃が激突し、カイの足元の床が崩れる。


骨が軋む。血が流れる。

それでも倒れない。


「俺は力で前を切り開く!!!

 泣いてる奴を救いてぇからだ!!!!!」


その咆哮が、破滅の旋律の一角を砕いた。



次に動いたのは――レイナ。


レイナは震えた足で立ち上がり、前に出る。


「カーミラちゃん!!」


破滅の風に身体が吹き飛び、血が滲む。

それでも声を張り上げる。


「“苦しい”“助けてほしい”“怖い”――

 それ全部言っていいんだよ!!!」


カーミラの瞳が揺れる。


苦しみを隠すために破壊を選んだ少女。

だからこそ、レイナの言葉は刺さった。


「壊したいって思うのも、助けてって思うのも、

 どっちも間違ってないよ!!!」


レイナの杖が光を放つ。


「《慈光の抱擁パレス・セラピー》!!!」


破滅の旋律へ、感情の肯定をぶつける魔法。

傷を癒すためではなく、“心を支えるため”の魔法。


カーミラの膝が震えた。


「そんな……優しさなんて……反則だよ……」


破滅の旋律がさらに崩れ、泣き声が混ざる。



三番目に動いたのは――レン。


再構築できない矛盾を、たった一人で解いた戦略家。


血で濡れた弓を構え、息を切らしながら叫ぶ。


「壊したい自分と、救われたい自分!

 その二つが同時に正しいなら――

 矛盾ごと許してやればいいだろ!!!」


矢に魔力が収束する。


「《心象反響射ミラージュ・アロー》!!!」


矢はカーミラへ“傷”ではなく“心の音”を返す。


・壊したい

・救われたい

・楽になりたい

・誰かを信じたい

・信じるのが怖い


全部同時に存在している――と見せつける矢。


引き裂かれるはずの矛盾が、ひとつの痛みとして形になる。


カーミラの呼吸が乱れ、泣き声が漏れる。


「そんなの……そんなの受け入れられるわけない……!!

 受け入れたら私……救われたいって認めちゃうじゃない……!」


それでも三人の想いが破滅の旋律をほぼ破壊した。


残るのは――最後の一撃。



俺はゆっくり前に歩く。


武器は構えていない。

攻撃の構えもない。


ただ近づく。


カーミラはわずかな破滅の魔力で自分を守ろうと叫ぶ。


「来ないで!!

 来たら……私、期待しちゃう!!!

 助けてほしいって言っちゃう!!!!」


俺は迷わず言う。


「言っていい。

 泣いていい。

 助けてって言っていい。」


カーミラの魔力が暴発し、風景が白く霞む。


「お願いだから来ないで……!

 期待して裏切られたら、また壊れちゃうから……!」


俺は答える。


「裏切らない。

 ――何度壊れても、何度でも助ける。」


破滅の旋律が完全に崩れる音がした。


カーミラの膝から力が抜け、ドレスの裾が揺れる。


俺は手を伸ばす。


「カーミラ」


彼女は、震えながら顔を上げた。


涙に濡れた瞳で――本当の願いを言う。


「……助けて」


その瞬間。


黒い魔力が砕け、破滅の旋律は消滅した。


俺は少女の身体を抱き止める。

熱い。震えている。涙が頬を濡らす。


「言えたじゃないか」


カーミラは声にならない声で泣き続けた。


「助けてほしかった……ずっと……

 でも誰も助けてくれなかった……!」


「だから俺たちが来たんだよ」


四人が近寄り、カーミラを囲む。

攻撃ではなく、守るために。


・カイ → 怒りで敵を撃退

・レイナ → 優しさで心を支え

・レン → 理性で矛盾を救い

・俺 → 調律で願いを受け止めた


戦いは終わった。



【重大イベントクリア】

《第二章 決戦:奈落ノ調者》

《勝利条件:カーミラ救済 → 達成》

《死亡者:0》

《追加報酬:特殊フラグ「救済戦勝」取得》


街に色と音が戻り、光柱が柔らかく輝く。


だが、通知はもうひとつ落ちてきた。


【世界変動】

《調律によって“滅びの未来”が正式に否定されました》

《災禍序列が“最大殺害対象”をあなたたちへ変更》


レンが低く息を吐く。


「これで“災禍”は全力で潰しにくる」


カイは笑う。


「なら潰し返すだけだろ」


レイナがカーミラの手を握りたいと震えながら言う。


「一緒に……来よう?」


カーミラは首を横に振る。


涙は止まっていたが、表情は曇っていた。


「私はまだ“味方”になれない

 ――けど、敵でもいたくない」


俺はうなずく。


「それでいい。

 今はそれで十分だ」


世界はすぐ変わらない。

人もすぐ変わらない。


だからこそ、変わろうとする一歩を尊く思う。


カーミラは涙の跡が残る笑顔で言った。


「ありがとう……

 殺さないでくれて……

 救ってくれて……」


そして光の中へ転移して消えた。


きっとまた会う。

次はもう敵じゃない。

けれど完全な味方でもない。


そんな絶妙な距離のまま――物語は続く。


俺は静かに言う。


「行こう。まだ救うべきものがある」


三人が頷き、アリアが微笑む。


【第三章突入】

《世界の調律編:都市“アルケイン・シェルタ”》

《新事件:救世派と滅び派の“対立劇”開幕》


救ったからこそ、次の試練が始まる。


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