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リアルチートと、極振りな友人達 〜運営を困らなせる噂のアイツら〜  作者: 暁 龍弥


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24/42

― 四人の旅立ちと“最初の分岐”

戦争から三日後――

王都フラウリアの朝は、驚くほど穏やかだった。


市場には笑い声が戻り、

子どもたちは剣と木の盾を振り回して遊び、

兵士たちは瓦礫の修復を手伝いながら談笑している。


“世界が救われた日常”がここにあった。


なのに、胸の奥がざわつく。


(平和だけで終わるなら、それでいい。

 だけどこの世界は――まだ終わっていない)


食堂のテラス席で、いつものように四人で朝食を囲む。


カイはパンに肉を挟んで豪快に食べながら言った。


「リアチー。

 今日からどうすんだ?

 王都に残って戦力として動くか、旅するか」


レイナはミルクを混ぜながら迷う。


「どっちもあり……だよね。

 ここに残ればみんなを守れるし、

 旅に出れば、知らない世界を見に行ける」


レンは落ち着いた口調で整理する。


「残る=安定、守り。

 出る=変化、情報獲得。どちらも正しい」


みんなの視線が俺に集まる。


俺ははっきり答えた。


「旅に出る」


迷いはない。


ここに残れば、

世界は“俺たちに依存して止まる”。


外へ向かえば、

“この世界の真実”へ近づける。


そして何より――


俺たちは“冒険”を望んでいる。


三人は表情を一瞬で明るくした。


カイ「ひゃっほう!旅の時間だ!!」


レイナ「最高の一日が始まるって感じ〜!」


レン「戦争で得た注目から距離を置けるのも利点だ」


すぐに準備が始まった。


・回復薬

・旅用の食糧

・スクロール

・地図

・装備のメンテナンス


王都の人々は名残惜しそうに見守りながらも、

「行ってらっしゃい」と笑いで送り出してくれた。


騎士団長レオンも門の前に立っていた。


「調律者殿、三戦士殿。

 君たちの旅が“世界を導く旅”であることを願う。」


カイは拳を突き出し、


「また戦いたくなったら呼んでくれや!」


レイナは笑顔で手を振る。


「絶対また戻ってくるからね!」


レンは目を閉じて礼を返す。


「次は“助ける側”ではなく“共闘”で会おう」


レオンは力強く頷いた。


「楽しみにしている」



王都を後にし、街道を歩くだけのはずだった。


けれど――ログが突然表示される。


【メインルート発生:プレイヤー主導型】

《四人の選択に応じて世界のメインストーリーが変化します》


内容は三択だった。


▸ A:南の《氷狼山脈》へ

 → 古代遺跡とモンスターの巣窟。高難度ダンジョン。


▸ B:東の《神秘大陸エーテル》へ

 → 未開の大陸。魔法文明の残響と新種族の噂。


▸ C:北の《鉄血戦線》へ

 → 戦乱渦巻く無法地帯。ギルドと国家の争奪戦。


すべてが本編規模。

どれを選んでも世界の今後を大きく変える。


レイナが息をのむ。


「……選ばなきゃ、だよね」


レンが分析する。


「A=純粋な強化

 B=世界の真理へ最速

 C=勢力図を握る力を得る」


カイは全身を震わせながら笑う。


「どれ行っても面白ぇの確定じゃん……!!

 リアチー、どれ行く!?」


三人の視線が、また俺へ向いた。


(どれが正解かじゃない。

 どれが“楽しい未来”につながるかだ)


迷わず告げた。


「B。東の《神秘大陸エーテル》へ」


風が強く吹き、草原を揺らす。


カイの目が輝く。


「新大陸!未知の冒険だぁ!!」


レイナは小さく跳ねた。


「一番ワクワクするやつ〜〜!!」


レンは満足げに微笑む。


「情報面でも最良の選択だ。

 世界の秘密に踏み込むなら、まずはそこだ」


だがその瞬間――

システムメッセージが追加で降りた。


【注意】

《この選択は“世界のシナリオを書き換えます”》

《以降、すべての勢力は“東へ向かう四人”を基準に動きます》


そして――


【隠し通知】

《選択 B を選んだプレイヤーは現時点で世界に四人だけです》


俺たちは顔を見合わせた。


「四人だけ……?」


つまり――

この世界の“本編”を世界ごと書き換える旅に行くのは、俺たちだけ。


同時にもう一つの通知が落ちた。


【災禍序列:観測】

《災禍序列は、深淵シンエンの選択に興味を示しています》

《神秘大陸エーテルに向かう際、彼らと接触する可能性が高い》


空気が再び張り詰める。


カイは剣を肩に担ぎ直した。


「来るなら来い。ぶっ潰すだけだ」


レイナは笑顔のまま震える。


「でも……4人なら絶対、負けないよね?」


レンが頷く。


「調律 vs 破滅。

 そして《災禍序列》。

 本気で遊ぼう」


俺は一歩前に進み、宣言する。


「東へ行く。

 《神秘大陸エーテル》へ。

 世界の真相に触れるために――

 そして“俺たちの物語”を選ぶために」


その瞬間、世界が音を立てて動く。


【メインストーリー改変完了】

《第二部:選択編 第1章「東へ」開幕》

《大陸間航海イベントが全世界で解放》

《最初にエーテルへ到達した勢力が、世界の優先権を獲得します》


三人が笑った。


カイ「競争かよ……上等じゃねぇか」


レイナ「絶対1番乗りしようね!!」


レン「誰の物語でもなく、“四人の物語”にする」


海風が草の匂いを乗せて吹き抜ける。


まだ誰も踏み入れていない大陸が、

東の地平線の向こうで待っている。


冒険は――ここからが本番だ。


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