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五つの世界の端々で  作者: ひょっとこクソ太郎
序章 2年 春
7/90

学校のマドンナ 5

廊下に出ると良樹の姿はもう無く代わりに数名の男子生徒が待ち構えていた

「ミリア・レイドルさん!僕の手紙読んでもらえましたか⁉︎」

「ミリアさん!好きです!付き合って下さい!!」

「ごめんなさい」

考えるまでも無く頭を下げるミリア

恐らくラブレターの差出人達であろう男子生徒達は膝から崩れ落ちて行く

今にも折れそうな膝に鞭打ってなんとか耐えている生徒の1人が震える声を絞り出す

「り、理由を教えて下さい…」

「皆さんの気持ちは非常にありがたいのですが私は自分より弱い男性に興味がありません。また仮に私より強くても『普通の』男性にも興味がありません」

(鬼だわ…)

誰かが言った。好きの反対は無関心である

興味が無い、と言い切った途端質問を投げかけた生徒も膝から崩れ、更にそのまま倒れ込んでしまう

「失礼します」

機械的な動きでお辞儀をして男子生徒を掻き分けるようにズカズカと歩みを進める

それに続いて美空、由美も駆け抜けて行く

昨日は大人しかったのにまた1年と同じだなぁとミリアは考えるが

「言いたいことを言って自分の気持ちをハッキリ伝える。そうすれば相手はちゃんと理解してくれる」

と教えられたのであくまで自分はそれを実行しているに過ぎないと思うようになった

ただそれが毎度の事すぎて慣れてしまった為機械的に見えているのを本人は未だ気付いていない


「ハッキリ言うようになったよねミリー」

「ウダウダしてると余計焦らしてるみたいですので、サクッと引導を渡すです」

「ホントに鬼じゃん」

「私は鬼ではありません」

「いや分かってるけどさ…」

ふふんと誇らしげに鼻を鳴らす

死屍累々の廊下を抜け靴を履き替える

学校に来ていた時間は短かったが先回りしたのかミリアの靴の上にはまた便箋が積まれていた

「モテるのも考え物だねミリアちゃん」

「です…」


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