サイコパス女
監禁、暴力がテーマですが1話ではそんな表現がないので今回はR15指定などはしませんでした。
温かい目でみてください。
幼い頃から自分は狂っているのかもしれない。
母が魚をぶつ切りにしている時は背伸びをしながら見ていた。何事も無いように魚を切っていく。
切断面が露わになって中心に白い骨が見えた。周りには敷き詰めるかのように身がギッシリとある。
身から私たちと同じ血が流れてまな板が赤い血で濡れていた。
人間も切断すればこう見えるのだろうか?
その瞬間、私はドキドキしながらジッと見つめていた。
いまだに包丁に付いた血や生々しい光景が忘れられないままでいる。
私は人間を”殺してみたい”という欲求にかられた。
殺してみたい、どんな感触なのだろう。生魚と同じような感じなのだろうか?硬いのか軟らかいのか。
ガチャリとドアが開く音がした。青白い、マンションの蛍光灯の光が自分の部屋まで漏れ出す。
手が震えてくる。初めてはやっぱりなんでも緊張するのか…。
でも自分の欲求を満たせると思えばへでもない。
もう私は、人間とはいえないのだろう。
「…はー、はー。ひ、ひぃ…ー――」
頭を押さえる。息が苦しい…汗をだらだらと垂れてきた。
落ち着け、落ち着け、落ち着け。
腹式呼吸をする。何か間違っているかもしれないが、そんな事は関係ない。
落ち着ければそれでいいの。
「はー、…すぅーはー。……ちょっと、落ち着いてきた」
まだドクドクと心臓の音が聞こえてくるがさっきよりは落ち着いてきた感じがする。
汗を着ていたカーディガンで拭うと持っていたスタンガンをテーブルに置いた。
このスタンガンは父さんが買ってくれた護身用のものである(護身用というのは建前で本音は”捕まえる”ためのもの)。
私の足元には男性が転がっていた。これは私がスタンガンで気絶させたものである。
スタンガンは初めて人に向けて使用したが、一撃で気絶するものなのか。
ネットでは一撃ではならないとかまずしたらショック死してしまうなど書いてあったから不安だった。
取りあえず、ネットで買った手錠などで体を椅子に固定させた。絶対に抜け出せないように。
SMプレイ用の道具が役に立つとは思わなかった。前の彼氏に感謝しなくては。
「…ふふっ、あっはは」
固定し終えると笑いがこみ上げてくる。
やった、やった…ついにやった。できた、出来たわ。
これで私の欲求が満たせる。
人では無くなってしまったその女は高々と笑っていた。