表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Run away! 2

冬使用。

作者: 貴幸

Run away!のアキトとヒロキの話。



なんとなく授業が暇で、学校をでてきた。

学校サボったりしてるなんて言ったら兄は怒るだろう。




「あ。」




本屋の片隅に見慣れたパーカーを着た人がいる。

ヒロキだ。

声をかけたい。



①『ヒロキ、おはよ!今暇?』


②『あれ?ヒロキじゃん、偶然だな!』


③『ヒッロキー☆出会っちゃったね☆』


④『おーい、ヒロキ、おはよう!』



「ヒ、ロキ〜げ、げんき〜?」



頭が混乱しておかしい声のかけかたをしてしまった。

ビクッとするとすぐにこちらを向く。



「あ、アキト。」



「偶然だな。」



少しニコッと笑ってくれた。

しかしその顔の眉間にシワがよる。



「…今日、平日だよね。」



ギクッ。

ばれた。



「いや、今日は学校休みでぇ〜…………嘘です。」



ヒロキには何故か嘘をつけない。



「アキトってさ…やっぱその、ピアス開けてる人とかと絡んでたりするの?」



「…不良と絡んでるっていいたいの?」



遠回しに言おうとするけど、うまく言えないんだろうな。



「ケンカとかさ。」



「…まあ、たまにするけど、別にばれない程度だし。」



ああ、引かれてる。

しょうがないだろ、殴りたくなるんだから。

殺さないだけまだマシだ。



「そ、そうなんだ…」



「あのさ、今暇?」



「え?う、うん。」



「じゃあ、どっか遊びに行こうぜ!」



ヒロキと遊んだ事が無いと思っていたところだ。










「学生服でぶらついていいの〜?」



「周りはヒロキが思ってるほど不良に目は向けてないよ。」



そう、冷たすぎるくらいに。



「そうなんだ…。」



「ヒロキ、パーカー寒くないの?」



今は冬に近い秋なのに、パーカー一枚だ。

俺もまあセーターしかワイシャツの上にきていないが。



「冬使用。」



生地が少し厚いらしい。



「セーターあったかそう。」



「着てみる?」



「アキトが寒いよ?」



「ワイシャツで平気。」



とはいったものの少し寒い。



「パ、パーカー着させて。」



あ、あったかい。



「なんかすごいぶかぶかする。」



「そりゃその中にワイシャツとか着るからな〜。」



ヒロキが学校通ってたら、きっとこんなんなんだろうな。

…でも、ヒロキが元から高校に入ってたら、関わる事なんてなかったんだろうな。



「ヒロキ、高校から学校行くつもりないの?」



「学力が追いつかないかな。」



案外間に合いそうだったりするんだけどな。

きっと、それだけじゃなくてお金の事とか気にしているんだろう。



「じゃあ入るなら大学からか。」



「そうだね…。」



その頃には、18歳。

酒がもうすぐで飲める年だ。



「あと四年か。」



「そうだね。」



「あと四年待てば、一緒に勉強できるな。」



待つよ、いつまでも。



「…そうだね。」



少し、嬉しそうだ。



「よし、何処にいこうか!」



「カ、カラオケ!」



「いいね!今の時間なら空いてるし!」








少し気が弱いけど、しっかりとした意思を持ってる俺の友達だ。






学校サボってカラオケ行くとあまりに空いていてびっくりする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ