1一の香
一ヶ月一日一詩キャンペーン』第二十九詩。
海月さんからの御題提供、和基さんの「我思う故に我あり」という言葉から出来上がった詩です。
「宇宙より広く、盤より狭い」という名言があったような……。
確か前、部誌に「9×9の青春」って書いた覚えがあります。懐かしいなぁ。まあ、2ヶ月前ですがww
前書きが長くなってすいません。
では、どうぞ。
私は1一の香である。名前はまだない。
そんな私。最近存在意義が見出せない。
理由は主が私を全く動かさない事にある。
友達の桂馬は、いつも活躍を讃えられる。
私は角に狙われる。
主は私を無視して相手に攻め込む。
期待してくださいとは言わないけれど、
ちょっとは気にかけてほしかった。
相手の捕虜にされた私。
いっそのこと相手に仕えようか。そう思い始めた。
私は金の補助を命じられた。
主は私を救うことなく攻め続けた。
その戦は、主の大勝で終わった。
前にいた金が教えてくれた。
元々無理な戦いであったらしい。
私は親切な彼女の主に仕えることにした。
かれこれ一日。いくつか戦を重ねた。
私の新たな主は、私のことを気になんてしてなかった。
時には存在を無視し、場からいなくなっても気づかなかった。
時には私を生贄にし、相手に私を捕虜にさせた。
ああ、愛しき主よ。
私の我侭がまかり通るのであれば、私は貴方にまた仕えたい。
猜疑心を持った私を責めたい。
貴方は素晴らしいお方だった。
その日から約一年。
私は遂に、主と遭遇した。
角で私を捕虜にした主。
私に触れる手の温もりが、なんと温かかったものか。
元主が隙を見せた。ここは私の出番!!
「頑張って来い。」
主の一言に、私の目から涙が。
休憩室から勢いよく飛び出し、私は戦場に赴く。
相手の角殿と金さんが並んでいるところを奇襲する。
これが私の真骨頂、田楽刺し!!
久しぶりにした技。とても気持ちがいい。
元主の顔は真っ青。
その戦も主の大勝であった。
主は私に言った。
「此度の戦はそなたの働きが大きかった。」と。
今日、私は何回彼に泣かされただろうか。
私はまた、彼に従い戦場に赴く。
動かされなくったて、私は私だ。
今日も、主の下で戦えるのを誇りに思う。
私は、主の一番槍になる。
最近自己を顧みることが多いabakamuです。
感想ヨロです。