凶行
7話目に続きちょいグロシーンあります。
苦手な方は・・・ほんとスミマセン;
気がつけばもうすでに健二は動かなくなっていた。
頭は砕かれ、まるで腐った果実から果汁が染み出ているようだ。
手を見ると、紺色だった制服の袖は血で黒くなり、カッターシャツは赤く染まっていた。
殺してしまった。
潤は目を見開き、健二の遺体を見つめた。
ここから逃げることもできず、四肢をがたがたと震えさせるばかりだ。
「きゃぁぁぁ!!!」
真央の悲鳴が呪縛を解いた。
真央の方を振り向くと、いつもの笑顔の可愛い真央は消え、恐怖に怯え顔を涙でくしゃくしゃにしている。
真央は何度も何度も立とうと足を動かしているが、力が入らずただただ地面をこするばかりで立ち上がることは出来なかった。
潤はそんな真央にゆっくりと近寄った。
「ま、真央」
「いや・・・・いやぁ・・・・」
真央は激しく首を横に振った。
真央に拒絶された。
その時潤の頭に悪魔が囁き掛けた。
一人殺セバ二人モ同ジ
潤は先ほどまで不安で押しつぶされそうな表情をしていたが、その囁きにより豹変した。
潤は真央の腕を掴み、真央を振り回し転倒させた。
真央はガチガチと歯を鳴らしながら必死に懇願する。
「お、お願い助けて・・・?
黙ってるから!わ、わた、私なんでも手伝うから!
は、早く遺体を―!!」
潤は真央にまたがり片手で口を押さえた。
「お前が悪いんだ真央・・・!
あんなやつとあんな・・・!!
俺をバカに・・・!!」
「んーんー!!んー!!」
真央は足をバタつかせ、手をバタつかせと抵抗するが、抵抗空しく容赦なく額に石を打ちつけられた。
先程真央も聞いた健二と同じ鈍い音が、自身の中で痛みと共に響いている。
潤は何度も何度も打ち付け、真央は目を見開いたまま絶命した。
涙と血液が混じり合い、真央の顔はますますくしゃくしゃになっている。
潤は真央と健二の血を十分すぎるほど浴びたのだった。