宮川 潤
誰にでも、『もしあぁだったら』と思ったことはあるだろう。
もし自分が金持ちであったら
もし自分が頭がいい人間だったら
もし自分が美人だったら
もし自分がスポーツ万能だったら
もし自分に積極性があったら
もしこの会社に入社しなければ
そして
もし自分がN高校に合格していれば
今回の物語の主人公は、今年S高校に入学したばかりの男子高校生・宮川潤。
ちょっと癖がある髪質の黒髪で、キリッとした目が印象的な高校生。
しかし無愛想だ。
S高の生徒ではあるが、少し違うところがある。
それは彼が無愛想な理由でもある、行きたくて来た高校ではないということ。
潤が狙っていた高校は都内でも有数の進学校N高校。
しかし、結果不合格で滑り止めとして適当に受けたS高校に通うことになってしまった。
この瞬間、潤はやる気を失った。
学校には通うものの、学校での友達も作らず、部活にも入らず、毎日街をふらふらしていた。
当然成績も落ち親から叱咤をくらう。
そんな毎日に嫌気をさすが、何もする気力がない。
潤はベットに大の字になり、呟いた。
「N高校に行きたかったなぁ」
合格するもんだと思ってた。
N高に行って生物学学んで、N大で医学部にいって・・・。
これが、大まかではあるが俺の人生プランだったのに。
一番腹立つのは親の落胆っぷりだ。
俺は・・・確かに結果には出なかったが、頑張ったのに。
何であんなに責められなきゃいけないんだ。
「くそっ」
潤は拳に怒りを込め、枕を思いっきり殴った。
初めてここに投稿します。
そしてオリジナル小説を書くのも初めて。
初めてづくしですが、よろしければ最後までお付き合い願います。