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理解出来ない国民性

作者: 小雨川蛙

 

 ある日、遂にわが社でも最新の機械が導入された。


「すっごいですね! これ!」

「あぁ。噂に聞いてはいたがこれほどとは……」


 私を含めた社員達はその機械の素晴らしさに感動する。

 聞けば海を渡った国ではもう二年も前から使っているところが多いらしい。


「にしても、どうやってうちの社長はこんなもの入手してきたんでしょう?」

「あぁ。聞いた話では向こうの国に社長の親友がいてな。工面してくれたらしい」

「なるほど」

「で、お礼も兼ねて俺達は馬車馬のように働かなきゃいけないってわけさ」

「ははは、勘弁してくださいよ」


 普段ならば怒り狂いながらする会話であるが、この機械のお陰で冗談交じりに言い合える。

 それにしても社長は本当に良いものを手に入れてくれたものだ。


「回復の泉、なんてね」


 そう。

 この機械から湧き出る水を飲めば疲労は一気に回復し、絶好調の状態になることが出来るのだ。

 分かりやすく言えばゲームの全回復ポイントというやつか。

 延々と続く仕事なんて普段なら考えたくもないがこれのお陰で全く苦にならない。


「さーて、それじゃ、馬車馬のように働きますかね!」

「二十四時間どころか百時間だって働ける。流石に息抜きくらいはしたいがね」

「じゃ、どちらが先に音を上げるか勝負しましょうよ」

「望むところだ」



 ***



 この機械は少しでも退社後の時間を社員に楽しんでもらうよう開発されたのだと私達が知るのはずっと先のことだ。

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― 新着の感想 ―
これ、欲しいです!!(笑) あと、これは睡眠不足解消にも効果があるのでしょうか。睡眠は情報の整理が目的の1つなので、それができずにずっと働くと人間がどうなっていくのか?ちょっと面白そうです。 あと、仕…
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