後編 最強の裏切り者
「ちょっとまったぁーーーーーーーーー!!!!」
モニが叫ぶ。
駐屯所にはたくさんの遺体が並んでいた。
エンポリオにはまだ息がありそうだ。
「いいタイミングだよ」
モニは満足そうだ。
「そうか? いくぶんか間に合っていないようだが」
トトが答える。
「なんだね。君たち。私はいま職場を突然荒らされて苛立っているところだよ」
カルロは剣の血を拭き取りながら言う。
「そんなところに申し訳ないだよ」
モニは咄嗟に答える。
「謝らんでいい」
トトが制す。
「迷子というわけじゃなかろう。お前らも〈アミカ〉の一員か?」
「なんだそれ?」
モニが腕を組む。聞いたことがない。
「おいおいおい、じゃあ関係者でもないのに何しにきたんだ」
呆れた顔のカルロは、もはや問答にあきたかのように剣を構え直し、ゆっくりと近づいてくる。
「どのみち〈下級市民〉だろ。口をふさぐのもめんどうだから、とりあえず死んでいけ」
カルロの跳躍は真っ先にモニを捉えていた。
剣先がはっきりと殺意を飛ばしていた。
「なんのこれしき!!」
モニは手にした杖で地面をトントンと叩く。
すると、地面が立ち上がってたちまち「壁」をつくった。
「なにっ!?」
カルロはとっさに壁の後ろに回り込もうとする。
だが、そこで待ち受けていたのはトトの拳だった。
「ぐはぁっ!!」
カウンターヒットが威力を倍増する。
「まだだ」
トトはすかさず間合いを詰め、体制を戻そうとしたカルロの脳天に蹴りを入れる。
カルロは側頭部を地面に叩きつけられる。
「やったね、トト」
モニがサムズアップする。
しかし、カルロは立ち上がる。
「お前らなんなんだ。能力をもっているのか……。兎人の能力使いなど前代未聞だぞ。それに、そっちの男、なぜ武器を持たない……暗殺者ではないのか……」
「大丈夫だ。問題ない」
「何を言っている! くそっ、しばらくコイツらの相手をしろ」
カルロは後ろに控えていた部下に指示する。
とたん、複数人が取り囲むようにしてトトを襲った。目視で確認した人数は11人。
「だから、暗殺者は群れないほうがいい」
トトは懐の短刀を取り出すと、いちばん距離の遠い敵に向かった。
神速ともいうべきスピード。
いちばん離れた敵は最も油断している。驚きの表情を見るまでもなく、トトは首を掻き切った。
派手な血しぶきがあがる。
だが、今度はトト背後を5、6人が取り囲もうとしている。
「血は武器となる」
トトが言うと、さきほど倒した相手の血飛沫が宙空に止まり、弾丸に形を変える。
「弾丸」
血から生まれた銃弾が乱射され、次々と射抜いていく。
「血を武器に変えるだと!」
その光景を目の当たりにしたカルロは驚愕する。まったく聞いたことのない能力だ。
そして、それだけではなかった。
いま血の弾丸に撃ち抜かれた者たちから出た血が、また不自然に集まりだした。
「剣」
トトがそう呟いた時には、禍々しい造形をした剣が彼の手に握られていた。
幻覚でも見ているように戸惑っていた残りの敵は、瞬く間にその剣に切り捨てられた。
「馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な!!!」
のこりはカルロひとりだった。
〈八つ胴切り〉を拾い直してトトに突っ込む。
得物は剣と剣。
しかし、最初のひと振りで勝負はついていた。
トトの剣がカルロの胴を真っ二つにしていた。
「チャオ」
「やった!! やった!!」
観衆に徹していたモニがはじめて声をあげる。
それから、カルロの元に近寄ると、ごそごそと何かを漁り始めた。
「フェットチーネ級だよ!! トト。この二日間でSPとLPの最高ランクを倒したよ!」
「そうか」
「もうちょっと喜んでよ!」
「モニ。暗殺は楽しんでやるものではないんだ」
「うーん……」
「お見事ね。あなたにかかれば、最高ランカーも雑魚なのでしょうね」
どこかからか声が聞こえる。
「誰!?」
モニが振り向いた先には、ジジが用意した案内役の猫しかいない。
「物足りなかったでしょう? こんどは私が相手をしてあげるわ」
間違いなく言葉を発していたのは猫だった。
そして、それは言い終わると人の姿へと変わっていった。
※ ※ ※
「やはり、化け猫だったか」
トトはフードを外した。
銀髪に赤眼。どこの種族かもわからない容姿。
「いいえ、猫姿はリラックスモードにすぎないわ」
そういいつつ、猫はすっかり人の姿になっていた。
いつの間にか軽装の鎧を身につけていた。
「美女!」
モニが叫んだ。
「ありがとう。モニ。でも、ちょっと待っててもらっていいかしら」
「おまえも敵だったのだよ!」
「ふふん。いちおう名乗っておこうかしら。ソフィアよ。ソフィア・ベルッチ」
同時に、背後の空間が破れるような音がして、ゆっくりと何かが現れる。
様々な形状をした短剣だった。
5本はあるだろう。
「なに? あんたも暗殺者?」
モニは身構える。固有武器を携帯せずに異空間から召喚できるのは国家暗殺者でもかなりの上位だ。
「ご明答。かわいこちゃん」
「さっき見てなかったの? フェットチーネ級なんて私たちにとっては雑魚なのだよ!」
「見てたわ。素晴らしいわね。本当に」
「なら尻尾をまいて逃げるべきだよ!!」
「そういうわけにはいかないの。この体になると尻尾がないしね」
「……モニ。今回は手伝わなくていい。これは〈ランカー〉よりも上だ」
トトが口をはさむ。モニが振り返ると、これまで見たこともない構えで警戒している。
「え、なにそれ? まさか、カンピオーネ!? そんなのおとぎ話じやないの??!!」
「明後日くらいに話す」
「遅くね!?」
「ちょっと、いつもより力を使う。さがっててくれ」
「へえ、あんたまさかカンピオーネの実力を知っているっていうの? ランカーの外にある、各世代に1人しか認められない九人の〈王〉といわれる私たちの力を」
ソフィアが語り出すが、トトはこの詰所に散らばっている死体を見ていた。
「ああ、知っている。説明は不要だ。そいつらは九人いて、カンピオーネと呼ばれている」
「ちっ……説明がモロにカブっているよ。本当に聞いていたのかい?」
「問題ない」
「こっちにはあるんだよ!!」
ソフィアは短剣のひとつを取り出すと、トトに向かって行った。
「あぶない!!」
とっさにモニが〈壁〉をつくる。
しかし、それはあっけなく壊される。
「なんで!?」
「格上だって説明しただろう!!」
ソフィアは言いながらトトに刃を向ける。
トトは転がっている死体から血を吸い上げる。
「弾丸!!」
しかし、ソフィアは短剣ですべてをはじき返す。
「う、う、うそなのだよ!」
モニが悲鳴をあげる。
「さて。私の短剣にはすべて特別なクスリが仕込んである。ひとかすりでもしたらサヨナラだよ!!」
「ああ、わかっている」
そこから繰り広げられた攻防は、剣術の試合のようだった。
「やるね、やるじゃないか!! やっぱりあんたはっっ……!」
化け猫は狂喜乱舞しながら短剣を打ち込む。
「国家公務員ごときじゃないね!!」
「どうでもいい」
トトは冷静に剣筋を読んでいた。
しばらくすると、ソフィアが押される形勢になった。
「カンピオーネを実力で凌駕する存在なんていないよっ。ありえないわ!!」
ソフィアは言うと、力を込める。だが、それは攻撃ではなかった。
防具が弾け飛んで、下着姿のようになった。
「うそ、やけっぱち!?」
モニが叫ぶ。
「これから本領発揮なのよ」
ソフィアは言うやいなや、短剣のひとつ「麻痺」を取り寄せ、トトに向かう。
「ひと擦りでも入れられたら、私の勝ちだよ!」
ふたたび短剣による攻防が繰り広げられる。
お互いの武器が小さいだけに、体術を駆使して防御するしかない。
読みが一つでもはずれたら、刃が通る。
そのきわめて小さな隙を見つけ出したのはトトだった。
ソフィアの剣筋を見切って、カウンターで腹を切った。
「ぐっ!!」
ソフィアが悲鳴をあげる。
しかし、浅かった。女はとっさに後ろに飛び退く。
「さすがだね。やっぱり、あんた、カンピオーネどころじゃないね。はははは」
ソフィアは急に笑い出す。
「いいよ。でも私もカンピオーネとしての意地がある。本気を、出しちゃうね」
次の瞬間、彼女が身に纏っていた下着が弾けるように消え去った。
「なんで全裸になるのだよ!!」
モニがこの状況に悲鳴をあげる。
「わたしはね、脱げば脱ぐほど、強くなるの」
「えーーーーーーーーっっ どエロ変態暗殺者ーーーーー!!」
「大丈夫だ。問題ない」
トトはまったく動揺していない。
だが、言う通り、とんでもないスピードで攻撃を仕掛けてくる。
「幻惑、猛毒、麻痺、失明……どれでも好きなナイフをあげるよ!!」
ソフィアは自分の周囲にある短剣を持ち替えながら、次々と攻撃を放ってくる。
トトはそれを短剣で受け流しているが、明らかに防戦になっている。
「そらそらそらそら! ひとつでも当たればおしまいだよ!!」
だが、トトはそれをすべて防ぎ切った。
「さすが。でも防戦一方じゃない?」
「大丈夫だ。問題ない」
トトはそう言うと、自分の腕に短剣の刃をすべらした。
血が流れる。
「血は武器になる」
「それがあんたの能力なんだね。武器をもたずに敵地に行き、すべてを壊滅させる」
「ディアボロ」
トトが唱えると血は大きな針のような形に変わった。
その数は八本。トトはすべてを指の間に挟み込む。
「来なよ!!!」
ソフィアが迎えうつ。
最初の一撃でトトが右手に持っていた4本すべての針が打ち込まれる。
「なんて速さなのっ!!」
ソフィアは回避するのが精一杯だった。
だが、つぎの瞬間、壁際に追い込まれたソフィアは右腕、左腕、右足、左足をすべて貫かれていた。
ソフィアの四肢から血が溢れ出す。
しかし、その血は意志をもっているかのように目の前の男の元に集まっていく。
「剣」
トトがつぶやくと、ソフィアの血液は禍々しい剣に変わった。
「い、ぃ、いやっ」
ソフィアの口からはじめて恐怖が溢れた。
「チャオ」
トトがそう言った瞬間、侵入者が現れた。
「待ってくれーーー!!」
そこに現れたのは、あろうことか今回の依頼人である蛙人のジジだった。
「トト、待ってくれ!!」
「どうしたの!? ジジ!!」
代わりに答えたのはモニだった。
「その人は、味方なんだ……」
ジジは息を切らしながらそう訴えた。
※ ※ ※
「この人、カンピオーネと言っていたのだよ。暗殺者のなかでも数人しかいないっていう〈二つ名〉を持っているって言う……。なんでジジの味方なの? 私たちをいじめる悪い奴らのトップクラスだよ」
モニは言う。ジジは信用できると思っていたが、まだ隠していることがあるようだ。
「僕たちは、その……。イタロ帝国に抗おうとしている抵抗組織なんだ」
「……」
トトは暗殺の手を止めている。
「どういうこと?」
モニが聞く
「つまり裏側で戦っているのさ。この理不尽と」
「お店はいいの?」
「お店? ……ああ、お店をやりながら、定期的にみんなで集まって、どうしたらこの支配が覆されるか、いや、みんなが平等に暮らせるか考えているんだよ。貧民街のほとんどの人はメンバーだよ」
「……」
「それで、僕たちを束ねているリーダーがそこにいるソフィアさんだ」
「こいつは、国家暗殺者だ。わるものだ」
モニは言う。
「そう、なんだけど、そうでもないんだ」
ジジは脂汗を垂れ流しながら答える。
「すまないが、拘束を解いてもらえないだろうか。もう危害を加えるつもりはない」
四肢を串刺しにされたソフィアはトトに言う。
「ダメだ」
「即答なのね。い、い、いいわ。ちょっとくらい我慢するから」
ソフィアはトトの言葉に顔を赤らめながらも、気丈にふるまう。
「お嬢、すみません」
ジジがソフィアに詫びる。
「いいわ。あとは私から説明する。私はソフィア・ベルッチ。カンピオーネのひとり、〈嬢王のソフィア〉。あなたは、カンピオーネをご存知なのね?」
ソフィアは縛られながら、呼吸が乱れながらも自己紹介をはじめる。
「ああ、知っている」
「でしょうね。あなたは国家暗殺者のなかでも高ランク」
「……ああ」
「最近は金目当ての自由暗殺者の締め付けは厳しくなって、どんどん数を減らしている。帝国が本気で国家暗殺者以外を駆逐しようとしているわ。本来ならあっという間に始末されていたはずよ。あまり知られていないけど、カンピオーネすら動員されているのよ。でも、生きている」
「だから、なんだ?」
「そこらへんの暗殺者とは格が違うということでしょ」
「お嬢、じゃあ、やっぱり本当なのか。伝説ってやつは」
ジジが口をはさんだ。
「ええ。いま確かめたとおりよ」
ソフィアが答える。
「マジか。カンピオーネより上がいるなんて」
「カンピオーネの9人は同時代に必ずひとり選任される。でも〈影の四帝〉は、資格者がなければ空位になる。歴史的にも何人がいたかわからない。それほど、ありえない存在なのよ」
「そうなの?」
モニがトトに問いかける。
しかし、トトは答えない。
「LPとSPの真の最高位は〈スパゲッティ〉と〈マッケローニ〉。それぞれ2名。歴史上、何人いたかも知られていない。影の四帝と呼ばれ、組織の人間ですら存在を知らない。教帝さま含めわずかな人間だけ。称号はそれぞれ「絶望」「暗黒」「灰燼」「憤怒」。
そう、あなたは四帝の中でも筆頭の〈絶望〉。
誰にも存在を知られず、いくつもの国を滅ぼした。
武器を持たず、標的の血を武器に変える。
それゆえに〈絶望〉と呼ばれる……」
「マジか……」
ジジはエンポリオの応急処置をしながらつぶやく。
「あなたがなぜ組織を抜けたのかはわからない。でも、陰で国家暗殺者たちを暗殺しているのは知っている。
だから敵ではないと思っている。私たちの目的は、この国の歪み正すこと。
あなたに手を貸してほしいの。
お願い。〈絶望のサルバトーレ〉」
※ ※ ※
食事を調理するトト。
仕事のあとには必ずパスタをつくる。
これはどこにいっても変わらない習慣。
スパゲッティが茹であがるるまでに、ニンニクを刻み、黒オリーブとケイパーを用意しておく。
ここは抵抗組織〈アミカ〉の基地。ゴミ島と呼ばれる無人島にある。
名前の通りゴミが不法投棄されていて、人が棲みつかない。
この島の地下に居住空間をつくって、〈アミカ〉は利用していた。
さまざまな武器や、食料が貯蔵されている。
もちろん、ふだんは貧民街で生活しているし、組織としての活動も行なっている。
今回、島を利用するのは緊急避難だ。
「本当に会えるとはね。サルバトーレ・バッジョ」
組織のリーダーである〈嬢王〉のソフィア・ベルッチがトトに問いかける。
「トトでいい」
「トトね。わかったわ。それでね……」
「まだ調理中だ。あとにしてくれ、ベル」
「ベル?」
「トトは長い名前が覚えられないのだよ。だからあなたは今日からベルなのだよ」
モニが言う。
「あら、……そうなのね」
ソフィア・ベルッチは少し顔を赤らめた。
「できた。食え。いっぺんには無理なので2人ずつだ」
トトはスパゲッティの皿を運んでくる。
モニとベルにリザーブされた。
「これは、プッタネスカね……」
「そう。倒した敵を食べるのだよ」
「私、倒されたっけ? 倒されたかも。どっちでもいいか。美味しそう」
「いただきまーす」
「ジジはどうする? 今日はフェットチーネ級も倒したから、クリームチーズでやるのもありだぞ」
「そんなルールがあったんだ。いや、俺もプッタネスカを食べてみたい」
「わかった」
「ちなみに、とくに何もない日はスパゲッティ・アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーニなのだよ」
モニが解説する。
「スパゲッティ級は世間的に存在しないからね」
ベルは納得しながらプッタネスカを口に運ぶ。
「そうそう」
「とりあえず、……こんな絶品パスタ、食べたことがないわ」
「トトッ、おいしいって!!」
モニが飛び上がって喜ぶ。
「ああ、問題ない」
厨房からそっけない返事があった。
※ ※ ※
「できれば、ふたりの目的を教えてぽしい」
食後、ジジが切り出す。
トトは答えない。
それを見たモニがそっとつぶやく。
「トトはモニを守ってくれているの」
「守る? 誰かに狙われているの?」
「うん。教帝に」
「教帝? 最高権力者よ。なぜ?」
「わからない……。でも、私は兎人なのに能力が使えるの」
モニはあらためてフードを外して、その長い耳を見せる。
「イタロ人であれば下級市民でも能力を発現する者はいる。でも、それ以外の人種では聞いたことがない……」
ジジが言う。
「兎人……は、帝国が最初に滅ぼした種族だ。生き残りは少ない……」
ベルか言う。
「それ以上はいい」
口数の少ないトトが全員を制す。
「とにかく、俺たちの最終的な目的は教帝マストロヤンニを倒すこと。それに暴政に与する暗殺者を狩ること。それが違わないなら手を組もう」
「ああ、違っていない。その先にあるものがたとえ違ったとしても、いまは協力するし、それ以上のことは詮索しないわ」
ベルが答える。
「四帝が味方になるんなら、それはもう、みんなも燃えるわ。あはあはあはあは!」
「お嬢。四帝のことは誰も知らないから、なんのこっちゃわからないのでは」
「ジジ、あなた冷静ね」
「お嬢は取り乱しているようですが」
ベルは顔を真っ赤にしながら、突然話題を変える。
「とりあえず、落ち着くまでこの街を離れないといけないだろうけど、私は帝国全土で宿屋を経営している。表向きの仕事ね。あなたがどこに行こうがタダで泊まらせてあげる」
「そうか。ありがたい」
「私の宿に泊まらせてあげる」
「ああ、ありがたい」
「私のベッドで一夜を過ごさせてあげる」
「ああ」
「私が一緒に添い寝してあげてもいい」
「お嬢!!」
ジジが見かねて一括する。
「添い寝ってなに?」
モニがジジにたずねる。
「いやあ、あはははは」
ジジは慌てている。
「お嬢は、惚れっぽいんだよ、これが。まあ、気にするな」
ジジがトトに耳打ちする。
「は!?何言ってんの」
ベルには聞こえていた。
「問題ない」
トトは答える。
「は!? それもどういう意味!?」
ベルの動揺は止まらない。さらに顔を真っ赤にする。
「気にしないで、トトの口癖なのだよ」
モニがしたり顔で答えた。
第一話完
つづくー
コミックになるのを前提に書いたやつですが、漫画原作とはどういうものかも知らず……。
まあ、とりあえず1話ぶん書いてみました。
ご興味のある方は勝手にコミカライズしてみてください!!