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クリスティナの王都新生活・2

 フレイヤが「寝台を注文してくる」とレイと一緒に出かけた隙に、クリスティナはぴぃちゃんを呼び出した。 


「かわいいお部屋でしょう。私も大人になったら、こういうお部屋に住む」


 現れたぴぃちゃんは白とピンクで、お部屋にぴったり。


「ちょっとそこに立って」


 クリスティナの言う通りに花の絵のついた花瓶の脇に移ったぴぃちゃんが「こう?」と首を傾げる。



「ぴぃちゃん! 最高にかわいい」


 手を叩くクリスティナを真似てぴぃちゃんも羽をパタパタさせる。きっとこれは「ぴぃも、このお部屋が気に入りました」だ。


 本当に、どうにかしてフレイヤお姉さんにもぴぃちゃんを見せてあげたい。こんなに可愛い鳥さんは、他にいないもの。



 飾ってあるものやカーテン、ひとつひとつが素敵。ぴぃちゃんに見せながら自慢する。

どれもクリスティナのものではない、という正しい意見は無視だ。



「そうそう、お姉さんのおうちにレイも一緒に住むの」


白いカラスが「そうなの?」と見上げた。


 


 普通は「未婚の男女」は、同居しないもの。でも。


「レイさんの山荘で半年もお世話になっていたんですもの」


 王都にいる間は、うちにご滞在ください。フレイヤは朝食の席でそう言った。


 レイが考える様子を見せたのは一瞬のこと、すぐに「ではお言葉に甘えて」と返した。



 その時のフレイヤお姉さんの顔をクリスティナは忘れないと思う。


 あれはたぶん社交辞令というもので、お姉さんが「どうぞ」と言ったら、相手は「お気持ちはありがたいけれど」とそれらしい理由を作って辞退するものなのだ。


 お姉さんはそのつもりだったのに、レイの返事が違ったから「えっ!?」というお顔をした。

そこから瞬きほどの速さで立て直してのこれぞ淑女という微笑。



「ルウェリン城の玄関ホールより狭い家では、おくつろぎくださいとはとても申せませんが」

「ご謙遜を。隅々まで洗練されたご尊宅に感銘を受けました」



 にこやかなやり取りなのに、クリスティナが手に汗を握ってしまったのは、どういうわけか。


 春からずっと一緒にいて山荘暮らしが楽しかったので、三人で暮らせるのはちょっと嬉しい。

内心歓迎するクリスティナに、レイは素早く片目で瞬きを寄越した。


 クリスティナも同じようにしたのに、両目でばちんとなってしまった。



 という説明をぴぃちゃんにしながら、ちらっと浮かんだ考え「あれ、レイがいる所には、はうるちゃん来られるようなこと言ってなかったっけ」は、遥かかなたに飛ばした。


だって、このお部屋にはうるちゃんは合わないもの。


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