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危機意識高めのクリスティナ

 クリスティナがフレイヤの部屋を訪ねる時は、ぴぃちゃんが先導する。先の角まで行って左右に目を配り羽の先で「おいでおいで」をしてくれたら、そこまでクリスティナが走る。それを繰り返して着く。


 たまにはフレイヤお姉さんのお部屋に泊まりたいと思うけれど、なんとクリスティナと同じくフレイヤも朝はいつまでも寝ていたいタイプだった。


「ちょっと心配よねぇ」

「ちょっとだけ」


 ふたりで頷き合っていると、ぴぃちゃんがこちらを見てとばかりにバタバタする。

 たぶん「ちょっとどころじゃないですよ。ぴぃは無茶苦茶心配ですよ。やめてやめて、お寝坊怖いからやめて」と訴えている。


 とても可愛いのに、ぴぃちゃんの姿がお姉さんに見えないのは、残念。



「ティナちゃんがいつも背負ってくる袋にはなにが入っているの。べっこう飴が出てきたからお菓子袋かなと思っているのだけど、違う?」


 違う。これはジェシカ母さんに教えてもらった持ち出し袋だ。


 帽子と着替えと下着。ちょっとした食べ物。水を入れた瓶。大切なもの(どんぐり、石、小さなお裁縫セット)替えの靴を入れている。

これだけでもう重くて手で持つのは限界。なので背負う。


 いざという時に重くて長い時間持てないといけないので、慣れるために部屋にいる時には背負うことにしているのだ。



――ぴん!クリスティナはいいことを思いついた。


「一緒に考えてあげるからお姉さんのも作ろう」

「じゃあこのカバンに」

「だめ。手提げは長く持つと疲れるから、両肩に掛けるか、斜め掛けじゃなくちゃ」



 フレイヤの荷物をあさり、ちょうどいいしっかりとしたストールを引っ張り出す。何か所か縫い留めて背中に背負ったらいい感じだ。


「なんだか、典型的な田舎の泥棒みたいね」


 ちょっとセンスに難がある……と気の進まないフレイヤを、クリスティナのやる気が押していく。



「これはね、次の生活の不安を減らすためのものなの。これだけあればなんとかなるって思えるの。見た目は二の次です!」

「……おっしゃる通りです。ティナ先生」


 全面的に降伏したフレイヤに「むふん」と、クリスティナが得意げにする。



「私はお金は少ししかないけれど、お姉さんはお金は持てるだけ持ってゆくべきよ。お金で解決できることは、いくらでもあるもの」


「ティナちゃん、お年おいくつだったかしら?」

「ティナは九歳」


 なぜここで改めて歳を聞かれたのかと思えば「しっかりしてる」と感心された。


 褒められるのはくすぐったいけど好き。もっと褒められたい。



「さあ、お姉さんの持ち出し袋を考えよう!今作っちゃお」


クリスティナは張り切って言った。


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