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魔法少女の瞳に映る未来  作者: 宿木ミル
第一章 舞台が幕を開ける時、魔法少女は新しい世界を見る
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第16話 幕が上がる

 集合場所の花吹雪町、中央広場。

 そこには多くの人が賑わっていた。

 理由は単純明確。


「さぁさぁ皆さん集まってー! レガちゃんとクミちゃんの特別公演、間もなく開幕だよーっ!」


 レガとクミが人を集めて公演を行う日だからだ。

 奇術師としても有名なふたりはこういう舞台を開くことは少なくない。そういう事情もあってかなり人気みたいだ。

 そのふたりの裏方及び協力者として私とアイも舞台を手伝う流れになっている。

 広場に設備された舞台の裏。挨拶を終えたレガとクミのふたりが、私たちに声を掛けてくれた。


「間違いなく波乱万丈な舞台になるけど、大丈夫? 準備できてる?」

「幕が上がったら、もう止まらない。覚悟はしといた方がいいですよ」


 その言葉に対して、静かに頷いて答える。


「完璧できるかはわからないけど、私の役割は果たすつもりだよ」

「はい、わたしも未来さんと一緒に目を光らせてます。安心して舞台を展開してください」


 私だけではなく、アイも同じ気持ちのようだ。

 以心伝心、とまではいかなくてもそれなりにいい関係性になれているのかもしれない。


「それにしても作戦会議の時に、ひとつ作戦を考えたと言っていましたが……」


 手元にある瓶をふたつ確認して、アイがぼやくように言葉にする。


「中に魔物が入ってるであろう魔力増幅装置の瓶を気が付かないように使うことで、相手の動きを釣るなんて……失敗が怖いですね?」

「えへへ、そうかも」


 作戦会議の時にレガが言葉にしていたこと。

 それは、相手が動く可能性を増やす為に魔力増幅装置をパフォーマンスとして利用するということだった。


「でも、大丈夫。絶対撃退してくれるよ。未来さんなら」

「ありがとう、信頼には応えるよ」


 レガの言葉を聞いて、私も決意を固める。

 誰一人傷つく舞台にしてはいけない。みんなが明るい気持ちになれるようにしないと。


「しかし、黒幕さんが出たあとはどうしても状況は不安定になると予想できます。相手がどうやってくるかはわからないですし」

「うん、そこがどうしても懸念点。なにか観客のみんなにトラブルがあったらと思うと心配で……」

「レガ……」


 クミが心配そうな目で見つめる。

 少し、落ち込んだ表情を見せたのち、小さく息を吸い込んでもう一度レガが笑顔を作っていた。


「でも、頑張る。ショーマストゴーオンっていうからね! 全力でやるから!」

「こっちは最後まで舞台を続ける覚悟はできてます。……そちらも、魔法少女としての『役』をよろしくお願いしますね」

「大丈夫、しっかり演じて見せるから」


 決意は固めてある。

 相手がどうやってきても対応する覚悟もある。

 そんな私を見て、アイはひとつ問いかけてきた。


「ところで、少し気になりますね。その役は歴戦の魔法少女なのでしょうか、それとも今を生きる魔法少女?」

「それは……」


 少し考えて、答える。

 私がレガとクミの舞台で演じる魔法少女としての姿。

 もし、ひとつ役割を考えるとするなら……


「……『未来』を見つめる魔法少女、なんてどうかな」

「悪くない役、ですね」

「そう言ってもらえてなにより」


 私として、私らしく、魔法少女に向き合いたい。

 そういう役を演じたい。

 だから、そう答えてみた。

 その答えに対して、アイは安心したような表情で微笑んでいた。


「よし、じゃあ、そろそろ始めよっか!」

「状況が動くのは恐らく魔力増幅装置を使ってから、ですね」

「うん、怪しい動きの観測はアイさん、お願いします」

「えぇ、じっくり見つめます」

「対処は未来さん!」

「うん、任せて」

「舞台はレガちゃんとクミちゃんでアドリブしてでも盛り上げるから、よろしくね! じゃあ、出発!」


 笑顔を見せて、ふたりが舞台へと向かっていった。

 ここからが、本番だ。




 レガとクミのふたりが舞台に上がった瞬間、大きな歓声が響き渡った。

 拍手の音が外にいるのに滝のようだ。舞台裏でも音が聞こえてくる。

 今、ひとつの舞台が幕を上げた。そう語りかけるかのような音だ。


「紳士淑女のみなさん、こんにちは! 今日はレガちゃんとーっ」

「クミの舞台に来てくれてありがとう」

「ふふっ、今日が特別な一日であるように、そしてみんなの思い出に残る日になるようにっ、全力で走り抜けるよ!」

「応援、よろしくお願いします」


 まるで静と動。

 のんびりとした喋りのクミと、場を盛り上げるレガのふたりがお互いに場を作っていく。

 ふたりの様子はアイが召喚している瞳型の使い魔が映像を映し出している。

 彼女たちの会話の内容は雑多だ。

 日常の出来後を軽く話したり、この場所を選んだ理由だったり、様々なことを話す。


「さてさて、今回の公演の場所は花吹雪町! この町で有名なのは、やっぱりアレだよね、クミちゃん」

「うん、『魔法少女ひとみ・アイゼン』だね」

「そうそう、最近10周年のイベントもやってたね! 実はレガちゃんも見に行ったんだよ?」

「当然、こっちも一緒に行ってた」

「ふたりで行ってね、新しい展開を行おうっていうのを見て、びっくりしちゃった!」

「続編は驚きだった」

「うんうん、本当に仰天!」


 話を聞きながら行動に備えていた時、聞こえてきたのは『ひとみ・アイゼン』の話題だった。

 まさか、ふたりも行っていたなんて。なにかの縁を改めて感じさせられる。


「そういえば、未来さん。シナリオは考えてたりするんですか?」

「……今聞く? それ」


 一応作戦中なのに、脱線するようなことを聞いてくるアイに少しだけ口を尖らせる。


「大切じゃないですか、待ってる人もいるんですよ?」


 そんな私を気にせず、彼女は気になったことを知りたいと好奇心を隠さない態度で尋ねてきた。

 はぐらかしても意味はないだろう。そう思い、私なりの答えをぶつける。


「……今回の騒動で感じたこととか、そういうの取り入れたいなって考えてる」

「事件をそのまま物語にすると?」

「そういうわけじゃない。でも、少しずつ伝えたいことは思い浮かんできてるから、心配しないでいいよ」

「なるほど、そうでしたか」


 まだ完全に思い浮かんだわけじゃない。

 正直、まだ悩んでいる部分も多い。

 だけれども、私なりに伝えたいことはできてきている。それを新しい魔法少女の物語として展開させてあげたい。

 それは、きっと私の新しい一歩にも繋がるはずだから。


「ところで、アイ。現状、視察していてどう? 不審な存在はいる?」


 集中力を途絶えさせないように、一緒に確認する。

 様々な目を展開しているアイはひとつひとつを調べて、私に告げる。


「はい、様々な角度から目で見つめていますが、ぱっと見でわかるような怪しい人影はいまのところ見当たりません。まだ行動を起こすつもりはないみたいですね」

「了解」

「ただ、魔力増幅装置の揺らぎみたいなものは感じてます。使用時に即時対応できるようにはした方がいいかもしれませんね」

「仕掛けてくるとしたらそこになるかな……わかった、準備する」


 即座に行動できるように魔力を集中させていく。

 私とアイが会話している間に、舞台に上がっているレガとクミは様々な技能を披露していた。

 シルクハットから鳩を出す、カードマジックを行う……どれも手慣れた技術と言わんばかりに成功させていた。

 箱を使った脱出劇も冷や汗ひとつ流さずに成功させていた。ふたりの技能が伺える。


「さぁ、ここから先は何が起こるかは摩訶不思議! 魔法のステージに案内するね!」

「ここから先は不思議なワンダーランド、そして……私たちも最後までどうなるかわからないどっきりな舞台」

「閉幕の瞬間までしっかり見届けてね! じゃあ、いくよ!」


 その瞬間、魔力増幅装置を使うという合図の音が響き渡る。

 映像に映るレガの指には三本の魔力増幅装置の瓶。

 それが空高くに投げ飛ばされた。

 その瞬間、アイの視線が私に向く。

 戦いの合図だ。


「魔力反応変化、魔物になりますよ」

「わかった、任せて!」


 魔法少女としての魔力を展開して、空に飛翔する。

 宙に投げ飛ばされた瓶は黒い魔力を展開させ、異形の存在、魔物へと化けていく。

 感覚として、少し顕現が早くなっていると感じる。

 やはり、黒幕は近くにいるのだろう。

 魔物の落下速度も速い。

 即時対応できない場合、怪我人を発生させる可能性すらある。

 でも……


「観客の誰一人を傷つけさせるつもりはないから……!」


 瓶から現れた魔物にそれぞれ狙いをつける。

 これをトラブルに見せないように、そしてパフォーマンスの一環であるように見せる為に。

 最初から、全力で相手を打ち倒す。


「ザフィーア・シーセンッ!」


 宙に浮かぶ魔物ひとつひとつが完全な形になる前に、私の魔力を放つ。そして、その魔力を凝縮させた結晶で拘束する。

 投げ出された瓶の数はみっつ。つまり拘束対象は三体だ。


 ひとつ、熊型に化けようとした魔物を捕縛。

 ふたつ、鳥になって飛翔しようとする魔物を結晶に包み。

 みっつ、ゴーレムのように巨大化しようとした魔物を魔力で抑え込む。


 これで準備は整った。


「光り輝き、はじけ飛べ!」


 青く輝く結晶に、私の魔力をぶつけ、弾けさせる。

 打ち上げられる花火のように、そして見るものを魅了する宝石のように輝かせ、爆発させる。

 空を飛翔しながら、舞台を見ている観客の様子を確認する。

 目を輝かせている少女がいた。

 うっとりと煌めきを見つめている人もいる。

 ……これなら、問題ないはずだ。

 魔物は人の明るい感情を嫌う。

 いま、この瞬間に発生していたであろう魔物は分散、撃退できただろう。

 この舞台の様子を見ているであろう黒幕の動向はまだわからないものの、ある程度の安心は確保できたはずだ。


「空駆ける魔法少女に大きな拍手を!」


 声援と拍手が送られる中、静かに地上へと降り立っていく。

 レガとクミの間に立った時、目くばせでレガが少し私を見つめてきた。

 それが、成功させてくれたことへの感謝を伝えていたのはなんとなくだけれども伝わっていた。


「今さっき、見事に空中での演技を成功させた魔法少女、彼女は久遠さんですっ!」


 レガとクミが観客の私への視線誘導を行ったので、私もお辞儀をして答える。

 ここまでは問題ない。

 何事もない、平和なマジックショーだ。

 このまま舞台の幕が閉じるのなら、それもひとつの成功と言えるだろう。


「ふふっ、次は魔法少女らしく、魔法をいっぱい使ったステージにしていこうかなっ!」


 そう言葉にしながら、レガが魔力を展開した瞬間だった。


「その必要はない、このステージは失敗に終わるからな」


 黒いスーツを身に纏った男性が舞台に上がってきた。

 ざわめく観客。

 レガも一瞬だけ動揺していたが、すぐに持ち直した。


「いいや、舞台は成功に終わるよ。大団円で、笑顔の方がみんな嬉しいからっ」

「私たちの舞台はいつもラブアンドピース。平和で、笑顔に終わるもの」


 動揺を広げさせないように、レガとクミは明るい言葉を繋げていく。

 それに対して、男性は軽蔑したかのような声で話す。


「恐れ、絶望、恐怖がショーを盛り上げるというのは考えたことはないかな? 例えば、大切な誰かが傷つく物語とか」

「なにが、いいたいの?」

「みんな『劇的』な展開を求めているかもしれないということさ! こういう風に!」


 男性が指を鳴らした瞬間、舞台に2匹の魔物が現れた。

 竜と虎。どちらも大型の魔物だ。

 顕現速度は即座。準備していたのか。


「焼き払え、魔物の竜よ! 観客共を絶望させてしまえ!」

「それは……!」


 竜の魔物が息を吸い込み、構える。

 レガも行動を起こそうとしていたものの、相手の動きに対応しきれず、動けない。

 クミも同様。

 それでも、私なら……!


「ルビーズ・ディフレクトッ!」


 観客に向けられた炎のブレス。

 その火炎をドラゴンの周囲を覆うよう結晶の壁で塞ぐ。

 熱気があったとしても、それが私たちや、観客に届くことはない。


「こっちは虎を止めないと!」

「動きを止める」


 レガとクミは同時に魔力を解き放つことによって、虎の注意を引き寄せる。

 戦いには慣れていない様子だけれども、連携の力によって観客の被害を阻止している。

 しかし、これでは完全な均衡状態ではない。

 まだ、男性が動けるからだ。


「観客のみんな、ここから離れて!」

「魔物は危険だから、怪我しないように避難を」


 ふたりが警告を放つ。

 それに対して男性は嘲笑いながら言葉を繋げた。


「まさか、逃げられるとでも思っているのかな?」


 観客が離れようとした時、不可視の壁に阻まれる。


「で、出られない!」

「なんだ、なにが起こっているんだ!?」


 動揺する観客。

 不安の声が増えていく。


「魔力障壁さ」


 男性は大きく笑い、蔑むように言葉を繋げる。

 大規模な魔力障壁で観客の行動を縛る。その方向による妨害はすぐに対処するのは難しい。

 膨大な魔力をぶつけるなどして、破壊しないといけないからだ。


「君たちはここで最悪のショーを見て終わりなのさ。魔法少女が負け、涙のバットエンドの果てに君たちも……ひひっ」

「嫌だ、俺は死にたくない!」

「こわい、こわいよぉ……」

「みんな……」


 動揺の声を聴いて、レガの表情が落ち込む。


「お前が招いた結果だよ、花薄レガ。僕を誘い込んだことによって、こんな事態になったんだ」

「わたしのせい……?」

「そうだ、君がマジックショーなんて初めてなければこんなことにはならなかった。強硬したのは失敗だったね?」

「わたし、わたしは……」


 繰り返す言葉。

 それに追い込まれるレガ。

 言葉が繰り返させる度に、動揺の声が広まる。

 不安も、恐怖も、広がっていく。

 動くべきだ。

 しかし、竜のブレスは続いている。

 安全確保ができるまでは行動を増やすことは難しい。

 だからこそ、せめて男性の言葉に対して反論しようとした瞬間だった。


「呆れますね」


 ゆったりとした動作をしながら、アイが舞台にあがる。そして、同時に使い魔の眼から光線を放つ。


「グオォ!」

「ガルル……」


 視覚外からの攻撃によって、注意を逸らされた竜と虎は攻撃をすることを中断し、男性の周囲に集まっていった。


「舞台を台無しにしているのは、貴方でしょうに」

「お前は……!」

「ふふっ、花吹雪町の魔法少女です。よろしく」

「魔物だろう、お前も!」

「さて、どうでしょう? 少なくとも、今は魔法少女であることには間違いないですよ」


 使い魔の眼がそれぞれの魔物を攻撃する。

 その間に、アイは私に視線で合図を送った。

 視線を向けた先は、レガの方向。

 彼女ふたりのサポートに移った方がいいということだろう。


「こうなることは想定はしてたけど、みんなが怖い表情を見せてると……やっぱり不安になっちゃって……レガちゃん、これじゃダメだよね」


 落ち込みながら、私を見つめるレガ。

 クミは首を横に振って否定しているものの、かける言葉が思い浮かばない様子だ。


「まだ、なにも失われていないよ」

「でも、観客を怯えさせちゃった」

「どんな逆境にも屈しないのが魔法少女だと私は思ってる」


 魔力を再度集中させながら、呟く。


「大丈夫。私がいて、みんながいるから。怖がらなくていいんだよ」

「うん、レガと一緒に戦う準備はできてる。だから、一緒に頑張ろ、レガ」


 クミがレガに手を差し伸べる。

 その手を掴んだレガは、息を飲みこみ、決意した。


「そうだよね、まだ舞台の幕は下りていない。……みんなを笑顔にするチャンスはまだまだある!」

「レガ、もう平気?」

「うん、ちょっとだけマイナス思考になっちゃってただけ。……でも、もう大丈夫! 大団円の為にレガちゃんも全力モードで頑張るから!」


 ふたりが立ち直ったのを確認しながら、再び魔力を解き放つ。

 目標は竜型の魔物。


「トパーズ・バレット!」


 結晶の魔力弾をぶつけて竜に対して攻撃を行う。

 ひとつひとつの火力は控え目なものの、相手の注意を引き受けることはできるはずだ。


「グオォ!」


 竜は誘い通り、私の方へと向かってきてくれた。

 これなら対応しやすい。


「では、こちらはあの男の方に攻撃を切り替えます」

「小賢しいっ」

「煩わしく言葉を繰り返す口は閉じてもらった方がいいと思うので」

「言わせておけば!」


 今、私は竜にだけ集中していればいい。

 眼前に迫る竜を撃退する。それだけを考える。


「グワッ!」


 竜が牙を向けて、私に襲い掛かる。

 それを後ろに飛び、回避。同時に魔力を腕に集める。


「速攻で終わらせる……!」


 束ねた魔力を結晶……黒鉄の剣として変化。

 そして、その剣を竜に向けて構え、切りかかる。


「アイゼン・シュヴェルト!」


 接近、敵の胴体を狙い、真っ二つに切断する。

 黒鉄の剣が竜を補足し、黒い魔力を浄化させながら魔物を消し去っていく。

 強大な魔物を撃退する為の必殺技。それはまだ、問題なく使うことができる。あの日の私と同じように。


「やってくれたな、過去の魔法少女!」

「どんな魔物だって撃退するつもりだから、覚悟して」

「だが、お前は決定的なミスを犯した!」


 そう言葉を発した瞬間、撃退した竜の魔力が虎の魔物に集まっていった。


「お前が倒した竜の魔力を、あの虎に吸収させれば……くくっ、どうなると思う?」

「……そういうことか!」


 魔物同士の合体。それは強大な力を発揮させることもありえる。

 私なら対応できる魔物でも、レガとクミのふたりだと危険になる可能性が高い。

 急ぎ、虎の魔物に対応をしようとした時だった。


「大丈夫、絶対負けないから!」

「相手が集まるなら都合がいいです。ここは私たちの独壇場にしてみせます」


 レガとクミのふたりは大胆不敵に笑っていた。

 まるで、大きなトリックを始めるかのように。


「ほう? お前たちに何ができるというのだ? 青二才の魔法少女ふたりに」

「ふふん、大道芸のような面白いことで、観客を沸かせちゃうよ」

「刮目して見てるといいと思う」


 ふたりが息を合わせた瞬間、空から突如スポットライトがふたりに降り注いだ。


「レディース、アンド、ジェントルメン!」


 それはふたりが主役の舞台の幕が上がった瞬間だった。

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