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詩*海辺にて*

薔薇色の海

作者: a i o

夕陽は

咲き綻ぶように

散っていきました


凪いだ海の

陰影に

ひらひらと

紅色を落とし


浜辺に打ち上げる

その裾まで

淡く色づかせたのです


私の皮膚の

細かな皺も

砂浜に残る

疎らな足跡も

余すことなく染め上げ


風に洗われれば

掻き消える儚さを

孕みながら


旋律となり

奏でられる光


繋がることも

途切れることも

恐れぬ光が

射したのは


感傷と近しい場所で

溶け合う

眼差しと海──


永遠と刹那の

果たされた

邂逅──



世界はほどなくして

薔薇色に包まれ


薬指の爪ほどの

割れた白い巻き貝を

吐息のような明るさで

柔く抱き


そうして

静静(しずしず)

滲んでゆきました




海はもう


蒼い影を

曳くばかり





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― 新着の感想 ―
[良い点] 美しい夕の海が見えるようです。刻々と変化していく夕陽のひかりが、海に照り映えながら、足元までも染めている。あっという間のひかりを、見事に文字化されています。久しぶりになろうで詩に出会った気…
[良い点] こんばんは。 美しい、とても美しい詩です。 悲しさが、切なさが、儚さが、ただただ静かに美しく胸に残ります。 いつも読ませていただいております。 本当にありがとうございます。
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