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一度死んだ私が刃を振るう  作者: 神崎りさ
〜第一章〜
7/8

覚悟

稽古は過酷だった。


とにかく走って走って走りまくった。

走り込みのあとは木刀を使って素振り。

足の運び方も教わった。


「よし! 今日はここまで!」


終わりの合図が出た瞬間、私は地面にペタっと座り込んでしまった。


「こんなんで座ってたら、明日からは先が思いやられるな」


と井本くんが呆れ顔で言った。


「まーた、お前は。初日なのにここまで出来るのは大したものだよ? ゆっくりでいいから、しっかり段階踏んで強くなろう」


「…はい。ありがとうございます」


西山さんは優しく言ってくれるのは嬉しいが、自分に甘えないようにしないと。


よろよろと立ち上がり、二人にお礼を伝えた。


「今日はありがとうございました。 任務頑張ってくださいね」


そして私はある場所に向かった。








「今日はありがとうございました。任務頑張ってくださいね」


ペコッとお辞儀をしてから紗知ちゃんは行ってしまった。


「泰宏ー。もっと優しく教えてあげようよ」


俺がこう言うと泰宏が言うセリフはだいたい予想はつく。


「お前は女に甘すぎる」


やっぱりそうだ。

もう三年も一緒にいるからお見通しさ!


「俺らもグダグダしてねぇで行くぞ」


そっか…これから任務だった。

あ! いいこと思いついた。


「帰りに紗知ちゃんにお土産でも買ってこーっと」


そう言うとまた泰宏は甘やかすな!と俺の頭を叩く。









稽古が終わったあと、私が向かったのは影浦隊長の部屋だ。


聞きたいことがあったので行くことにした。


部屋の前に着き、ノックをしようとしたら中から声が聞こえた。


「長期任務お疲れ様。なにか変わったことはあったか?」


影浦隊長の声だ。


「いいえ。特にはないです」


この声は誰だろう…。


「おっ! ちょっと待ってくれ。杉尾ー! 入っていいぞ」


急に名前を呼ばれ、驚いた。

なぜ、私がドアの前にいるのが分かったのだろうか。


少しパニックになりながらも部屋に入っていった。


「…失礼します」


「ちょうど良かった。杉尾のことも話しておこうと思ってな」


私のこと?

すると、影浦隊長と向かい合って座っていた人が喋りだした。


「俺は一ノ隊副隊長の星平裕章だ。周りからの噂でよく耳に入るが、本当に一ノ隊に女が入隊するとは」


「杉尾紗知です。足を引っ張らないように頑張ります」


星平副隊長は眼鏡をかけていた。真っ黒のサラサラな髪の毛で目がキリッとしている。

とても顔が整っていて、俳優とかにいそうな顔立ちだ。


「足を引っ張らないなんて当たり前だ。一ノ隊は常に前線で戦う隊だ。この隊に弱いやつはいらない」


星平副隊長の言葉は井本さんよりも厳しかった。


「…なら、必要だと思われるように強くなります」


いちいちこんなこと言われた位で負けてられない。


「その言葉が口だけでないといいな。俺たちは命をかけて戦っている。命をかける覚悟がないなら三ノ隊にでも行け。影浦隊長、俺はもう行きます。…失礼しました」


私に厳しい視線を向けながら部屋を出ていってしまった。


「星平は厳しいと思うけどな、良い奴だ。今の言葉も決して杉尾を馬鹿にしたりとかでは無いぞ」


「…はい。ですが、言われっぱなしは悔しいのでいつか見返します」


影浦隊長は目を大きく開けて、そのあと笑った。


「あはは。そうかそうか。意外と負けず嫌いなんだな。いい心掛けだ」


影浦隊長を見ていて、この人は多分、色々な人から尊敬されているのだろうと感じた。

学校の先生とかにいそうな感じだ。


そして、急にはっとした表情で私を見た。


「そう言えば、なにか話があってきたんだよな。どうした?」


影浦隊長が私の目をじっと見つめる。


「悪魔について聞きたいことがあって…」






━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


《簡単キャラクター紹介》

星平裕章ほしひらひろあき

・22歳 185cm

・一ノ隊 副隊長


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