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一度死んだ私が刃を振るう  作者: 神崎りさ
〜第一章〜
5/8

刀の女性

「早速、部屋を紹介したいんだがもう動けるか?」


話が終わった後もずっとベッドの上にいる私を心配したんだろうか。

本当は具合が悪いとかではなく、ただ、まだこの現実を受け入れられないだけだ。

刀なんて持って戦えるのかな。


「おーい? 杉尾?」


その声にはっとする。

下げていた顔を上げると心配そうに見つめる一色と影浦の姿があった。


「すみません。大丈夫です」


ベッドから降り、歩こうとしたら少しふらっとした。

長い時間寝ていたんだろう。


「じゃあ、俺は戻る。影浦に案内してもらってくれ」


「はい。ありがとうございました」


ひらひらと手を振って一色は行ってしまった。






「ここが杉尾の部屋だ。好きに使ってくれて構わない。なにかあったら言ってくれ。」


長い長い廊下を通って部屋を案内してもらった。

途中、トイレやお風呂も案内してもらったがどこも広く綺麗だった。

一ノ隊から四ノ隊まであり、どの隊舎も廊下で繋がっているらしい。


「後で、お前に稽古をつけてくれる男が二人来る。井本と西山というやつらだ。今日は顔合わせだけだ。杉尾はゆっくり休んでくれ。」


「はい! ありがとうございました」


稽古頑張れよ、という言葉を残し消えてしまった。


「…何今の瞬間移動?」


目までおかしくなってしまったのか。

とりあえず、部屋を片付けよう。


「頑張らなきゃ」







「なーなー、聞いたか泰宏? 新しく入った人、女の子だってさ! ちょー美人だったらどうしよ!?」


俺は隣で歩いている井本に声をかけた。


「どうでもいいだろ。そもそもなんで女が入隊できるんだ。星平副隊長が聞いたら追い出すかもな」


井本は女に全く興味が無い。

稽古をつけると言う話を聞いた時も、影浦隊長の前で顔には出さなかったが、明らかにめんどくせぇオーラが出ていた。


「星平副隊長ねぇ、確かになんで女が一ノ隊にいるんだ。とか言いそうだな」


星平副隊長は悪魔撲滅隊の中で一番イケメンと言われる男だ。

だか、凄く厳しく冷たい。

他の隊の女性隊士が近寄り難いという話も聞いたことある。


「ここだな。入るか」


その新しく入った女性の部屋の前に着いた。井本がノックする。


「影浦隊長に頼まれた、井本と西山だ」


井本がそういった後、中から声が聞こえた。


「はい。どうぞ」


扉を開けると、中にいた女性が振り返った。


その瞬間思わず、俺と井本は息を飲んだ。

サラサラな真っ黒の髪、大きな瞳、白い肌、華奢な体。


…この子


「…めっちゃ美人じゃん!! どうしよ泰宏!?」


俺がこんな感じで騒いでいても、いつものようにうるせぇ!と返ってこない。

不思議に思い、井本を見ると固まっていた。


「お前、何固まってんだよ…!」


おかしくてゲラゲラ笑ってしまう。


はっとして女性の方を見ると何が何だか分からないと言った表情だ。


「あー、ごめんね。俺は西山陽介。そんで、隣のやつは井本泰宏。君の稽古を頼まれたんだ」


「はい。話は聞いています。杉尾紗知です。よろしくお願いします」


声まで可愛いとか何!?

…ダメだダメだ、落ち着け俺。


「明日から稽古だから、今日はゆっくり休んでね。また明日来るから、それじゃあ」


「わざわざありがとうございました。明日からよろしくお願いします」


「うん! こちらこそよろしく! 失礼しましたー」


伝えることを伝え、俺と井本は杉尾の部屋を後にした。


まだ固まっているこいつの頭を叩き、歩き出す。


「それにしても美人だったなぁ…」


「別に美人とか関係ねぇだろ」


さっきまで固まってたやつが何言ってんだか










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《簡単キャラ紹介》

井本泰宏いもとやすひろ

・16歳、172cm

・一ノ隊所属


西山陽介にしやまようへい

・21歳、180cm

・一ノ隊所属

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