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生産系彼氏と戦闘系彼女  作者: INGing
序章 プロローグ
1/7

語り部、始まりを語る。

 西暦2XXX年、某日。


 この日、世界を震撼させる大事件が起こった。

 それはとある・・・オンラインゲームをプレイしている者達が、そのプレイ中に亡くなってしまったのだ。

 亡くなった者達の正確な人数は把握されていないが、おそらく少なく見積もっても数百人は下らないだろう。


 原因は、一人のプレイヤーがそのゲームで不正……所謂チート行為を行おうとして、サーバーへのハッキングを試みたせいで起きたものだ。

 運営側が構築しているセキュリティは強固な物で、結局は断念せざるを得なかったのだが……その時、乱暴な侵入を試みたせいか幾つかのデータが破損してしまう。


 そのデータの一つに、アバター・・・データが含まれている。

 結果、アバターデータが破損したプレイヤー達はリアルの生命をも終える事となった。





 ……何故ゲームのデータが破損しただけで、リアルの生命も終わったのか。

 それについての説明をさせて頂く。


 西暦二千年初期、ヴァーチャルリアリティ……VRと呼ばれる概念が生まれた事はご存知だろうか。

 その言葉の意味通り、仮想の空間を如何に現実に近づける事が出来るかと言う試みだ。


 その波はゲーム業界にも訪れ、次々とVRを冠する商品が発売された。

 方やゴーグルを着けて視覚情報に訴えるもの、方や身体に装着して体感に訴える物。


 そして2XXX年の今、遂にヘと直接作用する物が生まれた。

 完全没入フルダイブ仮想現実ヴァーチャルリアリティと名付けられたそれは、またたく間に全世界へと波及していく。


 カプセル型のそれについて、詳しく説明する事は止めておくが「仮想空間」で「現実」のように生活する事も出来る。

 そのせいか仮想空間から現実に戻る事を辞める人間が相次ぎ、社会問題として提起された事もある。


 そんな現実と変わらない仮想の中で、自身の体が崩壊していく様を味わったプレイヤー達。

 現実での死因は、つまり「ショック死」と言う訳だ。




 それから、死亡した人数が正確に把握出来てない理由をお教えしよう。

 カプセルの中に浮かぶ死体を家族や知人が発見した場合、これは何の問題も無い。

 ただ、天涯孤独の身の者だったりすればその発見は遅れてしまうだろう。

 だがこれも、運営に登録されていた個人情報を警察に公開する事でほぼ・・発見されている。


 問題なのは、カプセルの中に身体が無い・・・・・ケース。

 単純に破損したその日はログインをせず、外出していただけと言う場合もあった。





 しかし……その日にログインしていた者で身体が無い者も居た。





 破損したデータの数と、死亡……または生存確認出来た者の数が合わない。

 それが今回の事件で、正確な死者数が分からなくなった原因だ。


 その事についてネット上では「奇跡的に生きてたけど、その後出掛けた」と言う意見や「死体を見つけた家族が隠したんじゃね?」などと心無い物も、果ては「裏の組織が死体を攫って臓器売買とか?」に対し「裏の組織ってなんだよ」と言う者。


 挙げ句の果てには……



「きっとゲームの世界に転移したんだ!」



 等と、荒唐無稽な意見まで出る始末。





 ……そして、これはその『荒唐無稽』な事がその身に降り掛かってしまった二人が主役のお話。


 拙いお話ではありますが、どうか温かい目で二人を見守って頂けると幸いで御座います。

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