『雲上の赤い花』
画家は、
右脳で描く色タイプと
左脳で描く形タイプがいるという。
ならば、詩人には
右脳で描く感性タイプと
左脳で描く形タイプがいるのだろう。
そして、わたしは
右脳で描く感性タイプの天恵でありたい。
灼つく太陽に照らされた
パレットにひねり出された
油絵具。
その色と色とが溶け合うことを
拒否したカンバスに
前方から風が吹いて
後方へいっせいに流れるような
赤い花がメラメラと燃える。
詩人よ、
目にしたもの全てから
インスピレーションを奪え、
その花の鼓動を、
その花の叫びを、
その花の情熱を、
我がものとせよ。
緑の葉で覆われた中空に
数知れぬの情念を
見落とすことなかれ、
0,0001秒の瞬きは、
内なる”箱”の飾り窓から望む
感動的な真っ赤な夕陽を
狂気の闇に誘う。
花の輝きに想う。




