第十九話 終幕
―第十九話―
終幕。
「発射まであとどれくらい?」
「わからない。」
「わからないって、どういうことよ!?」
「し、仕方ないだろ…」
「リオ、マリア! ヴィシュートが君たちに伝えたいことがあるらしい。」
「ベリアルは、ヴァ―ヴァリアンに搭載されている。ヴァ―ヴァリアンは現在自動操縦だ。中には誰もいない。発射まで、あと5分だ。」
「だそうだ。取り急ぎ破壊してくれ。頼んだぞ。」
「あと5分…」
「ヴァ―ヴァリアン発見!」
「マリア、私に名案があるんだけど…」
「迷案じゃないだろうな?」
「フルパワーでのビーム攻撃一発にかける。」
「なるほどやっぱり“めいあん”だ。」
「つべこべ言わない! 行くわよ!」
「「エネルギー充填開始!!」」
「発射まであと2分!!」
「間に合って、お願い!」
「充填完了!」
「10、9、8、7、6、」
「5」
「4」
「3」
「2」
「1」
「「行っけぇぇぇぇぇぇ!!!!!」」
ベリアルから発射されたビームと、ヴュアル、メリッサ2機から発射されたビームが拮抗する。
「私たちが!!」
「この世界を!!」
「「守るんだぁぁぁ!!!」」
ぶつかりあっていた2つの光線は、お互いの威力で相殺。辺りにかなりの衝撃波を出したが、街も避難した両軍、住民にはなんの被害も出なかった。
サン=レイピアでの戦闘はこれで終結した。
「マリア、リオ、あんたたちはすごいわ。ほんとに世界救っちゃうんだもん… そりゃあたしなんかが勝てるわけないわよね…」
「社長、テス・ラーゲットを発見。回収します。」
「一刻も早くラボに運んでちょうだい。処置を受けさせないと。」
「ラウラ…?」
「派手にやられたわね、テス。でも安心して? 優しいお姉ちゃんが助けてあげる。」
「誰も頼んで…ない…」
「気を失ったみたいね。大丈夫よ、また戦えるようにしてあげるから。うふふ…」




