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第十三話 メモリアル・ピース

少しだけお話が動きます

―第十三話―


メモリアル・ピース。


「久しぶりね、テス。」

「これはこれは副社長さん。」

テスは今、とある女性と会っている。


「随分と他人行儀ね。実の姉との再会だっていうのに。」

「そういうなら可愛い妹のお願いをきいてくれるわよね?」

ラウラ・ホーリック。表向きは、メモリアル・ピース社の副社長。実はテスの姉である。


「あなたのGAは最新のくせに随分と負けてるみたいね? 私なら一流の機体にしてあげるけど、使う人間が二流じゃあねぇ?」

「このあたしが二流だと!?」

「自分が一流だっていうなら、あるお仕事をしてもらおうかしら?」

「それが成功したら、あなたのお願い聞いてあげるわ。」

「交換条件ということか…」

「安心して、アヴィスはタダで強化してあげるから。それを使ってお仕事頑張ってね?」

「くっ、わかった… 急いでもらおう。」


三か月後

ライブ会場での戦闘区域


「みなさん、私たちも戦います!」

リオ・マリアの加勢に活気立つ軍兵士たち。

「俺たちの勝利の女神だぁあああ!!」

「ヴァステトがいれば百人力よ!」


「みなさん、二手に分かれて展開し、挟み撃ちにします。私かマリアについてきてください!」


「しっかりやれよ、リオ?」

「そっちもヘマやらかすんじゃないわよ!」


「ほぅ、この機体は機動力がなかなかいいな。」

「私、この機体ちょっと苦手かも。」


それぞれ感想を言いながらも、いつもと変わらない活躍を見せる二人。旅団の軍勢を序盤から圧倒していく。


「リオ!」

「そろそろね。私たちが攪乱しますので、みなさんは一斉砲撃を!」


「いくぞ! てやあああぁあぁ!」

「おぉりゃああぁぁぁ!!」


二手に分かれた連合軍に挟み撃ちにされ、集結する形になったところを、今度はヴァステトが攪乱し攻撃目標が定まらないうちに、一斉射撃を受け、旅団側はほぼ壊滅状態。ちりぢりに敗走していく。


「深追いはやめておきましょう。」

「そうだな。」


「やったぁ! 追い払ったぞぉ!!」

「さすがだぜ! ありがとうヴァステトぉ!!」

「ヴァ・ス・テ・ト! ヴァ・ス・テ・ト! ヴァ・ス・テ・ト!」

鳴り止まない、二人へのコール。


「ライブの続きみたいね。」

「続きやっちゃおうか?」


「みんなー!! ライブの続きやっちゃうよー!!」

「今日の勝利はみなさんのおかげです。曲は同じになっちゃうけどもう一回いけますかー?」


「イェーイ!!」

戦いの疲れも感じさせずにノリノリのオーディエンスが盛り上がる。


リオ・マリアのヴァステトによるファーストライブは、戦闘というハプニングもあったが、大成功に終わった。そして戦闘に勝利したことで、連合の国民たちの注目もさらに上がったのであった。

「マリア、ありがとう。」

「ん? 何がだ?」

「マリアが私を引っ張ってアイドル活動してくれなかったら、このライブの余韻というか、感動は味わえなかったと思う。私、もっとアイドルやりたいかも。」

「そうか! これから頑張ろうな、リオ!」

「うん!!」



「よし、全国ツアーをやろう!」

「いや、それはちょっと…」


一か月後


ヴァ―ヴァリアン

「ヴァステト? リオとマリアったら、今度はアイドルの真似事? ふん、何を血迷って…」

そういうとテスは、ヴァステトのデビューシングルを床に叩きつけ、踏み割る。


「ミラン、あたしはしばらく別行動をとるわ。」

「わかった… 今となっては旅団はもうお前のものなのだから、自由にすればいいだろう?」

「そんなさびしいこと言わないで?」

旅団では、ミランとヴィシュートは同一人物 ということが発覚して以来、テスが事実上の主導権を握りはじめ、ミランは傀儡と成り果ててしまっていた。


「やるしかないか…」


テスは単独行動を開始する。


ツヴァイ・レイボルト


「あら、マリア。キャプテンになんか用でも?」

「あぁ。最近制服が小さくなったような気がして。」

「それで新しい制服を渡していたところだ。それとヴァルキリーの強化を相談されていたしな。」

「そうですか… ふふん、マリア太ったんじゃない?」

「うーん、そうかもなぁ… 胸の辺りがきつくて…」

「なん…だと…? 私より一つ年上なのに、まだ成長している、だと…?」

「どうした、リオ?」

「これ以上育たない私へのあてつけかー!!」

「お、落ち着けってば! これからだよ、これから!」

「確かに、リズも普通サイズだよな…」

「キャプテン!!」

「わ、悪かったよ。ところで何か用か?」

「あとで少し分けなさいよ、マリア?」

「む、無理なこと言うなよぉ…」

「がるるるる。こほん、キャプテン、最近テス・ラーゲットの動向が掴めません。近いうちに何か起こりそうな予感がします。」

「うむ、何か企んでいるのかもな…」


一人のクルーが駆け込んできた。

「ぜぇ、はぁ、キャプテン! ニュース見ましたか?」

「ニュース? いや、見ていないが。」

「大変なことが起こってるんですよ。」

そう言うと彼は、テレビをつける。そこには、


『メモリアル・ピース社の社長、ウィル・レメゲトン氏が暗殺されました。犯人は逃走中です。繰り返します、メモリアル・ピース…』


「リオ、これはもしかして…」

「えぇ、嫌な予感が当たったみたいですね。」

「テス・ラーゲット…」


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