いつもいつでもどこまでも
作品ほったらかしで短編書いてすいません。
だって、小、中どっち書けばいいか分からないんだもん(後で作者に天罰)
すいませんすいません許して下さい
気晴らしに読んでみて下さい。
では、どうぞ
お腹すいた
お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいた
「あー、何で何もないの。何で、昨日買ったじゃん」
私こと作間典時は非常にピンチを迎えてます。
何故ならあれだけ大量に買った食糧が紛失していたからだ。
通常で一週間分、それがたった一日で・・・・・・
「うるさいぞー。今日は日曜なんだから静かにしてよー」
奥の部屋から顔を出すのは自称精霊様のノイン。精霊の癖に普通に俺のジャージを強奪しパジャマ代わりに使っている。
見た目は薄緑のショートヘアーに水色の澄んだ瞳、ほっそりとした顔立ちで笑うとなかなか可愛い
可愛いが今は憎たらしい
ズンズンと大股でノインに向かい力一杯ほっぺたを引っ張った
「この暴飲暴食脳無し精霊が、なんべん冷蔵庫空にすりゃ気が済むんだボぉケェガーー」
「ひ、ヒヤイヒヤイ、あたみゃカヤフノヘヘフ(い、痛い痛い、頭から角出てる)」
「黙らっしゃい、罰としていつものやりなさい。二時間」
ほっぺたから手を放し睨みつける
「そ、そんな。こんな朝から二時間もなんて」
頬を朱に染めながら目をそらす
「草刈だアホ精霊!」
「草木の精霊に草刈なんて、同族殺しなんてあんまりだよ。人手無し、悪魔、殺人鬼」
俺はニッコリと微笑み
「お前、前に確か空の大精霊の使いって言ってたよな?」
「あ、あはは、そんなことないよ、私はプリチーな大地の精霊さんだよー」
「あはははは」
「あ、はははは」
短い笑いの後、再度睨む
「やりなさい」
「はい」
こんな暴飲暴食脳無しバカタレ精霊が何故我家に転がっているのか、それは約三ヶ月前に遡る
いつものかったるい授業を終え(殆んど寝ていた)のんびり家に帰る。家は俺しかいない。高校ながらも一人暮らし。偶々受かった高校が遠いためアパートを借りて暮らしているのだ
そしていつも通り鍵を開け真っ先に向かうのが冷蔵庫。欠かさず飲むのがイチゴ牛乳。
あの甘さが一日の疲れを取り除いてくれるのだ
「♪♪♪」
気分よく開けた冷蔵庫は・・・・
「!!!!!!!、か、空だと」
何故だ、一昨日に買い溜めしていたはずだ。それが何故
ガリっ
何処からか何かをかじる様な音が
パリポリ
またか、多分セロリか白菜か。あんな音が出る野菜はあれしか入ってないな
「し〜あ〜わ〜せ〜」
ん、女?まさか女が泥棒に?
しかし許さん
俺の部屋に侵入して飯を食うとは許すマジ
スパーン
「人様の部屋で何さらしてんじゃこらー」
ビクッと震え勢いよく振り向いた女は水色の半袖短パンといったかなりラフな格好で、口にはエビフライに使うはずだったエビをモキュモキュしながら
「ファフェ?(誰)」
「それはこっちの台詞だ不法侵入娘。今すぐ飯代払ってさっさと出てけ、そうすれば通報程度にしてやる」
結局警察に突き出す気マンマンです
「むぐむぐ、んぐ。いいじゃん減るもんでもあるまいし」
「減ってんじゃん飯、冷蔵庫ほとんど空じゃねーかよ」
「気にしない気にしない」
ピクッ
ゆっくりと近付きムンズと後ろね襟を掴む
軽々と持ち上げた後部屋から玄関、玄関から通路、通路からご見捨て場へ
ポイ
「エッ、捨てちゃうの!駄目だよこんな可愛子ちゃん捨てちゃうなんて。罰が当たるよ」
「・・・・・」
そのままアパートへと戻る
「無視、無視なんてあんまりだよ。これでも私凄いんだよ」
「・・・・・・」
階段へと消える
「人手無しー。悪魔〜、精霊殺し〜」
さ、帰って通報するか
空になった虚しい冷蔵庫を眺め電話へとてを伸ばす。すると
「ちょぉっと待ったー」
ロープを握り締め上から勢いをつけて窓に向かって・・・・・・・・
「ゴン・・・」
窓にぶつかるも全く割れない。強化ガラスですから
そのままズルズルと伸びる不振者を横目にボタンをプッシュ
「止めてよ。全て洗いざらい話してご飯代とかちゃんと払いますから」
「よかろう。初めから素直になればいいものを」
窓を開け不振者を部屋に入れる
「で、何もんだ」
「えっと、空のエアロス様のとこで働いてるノインです」
「よし、今すぐ出てけ電波野郎」
「ええぇー。ちゃんと話してますよー」
「なんだよエアロスって、知らねーよ」
「そりゃそうだよ。私精霊だもん」
「やっぱ帰れ」
「信じてよー」
足元にすがりつく
「ええい離れろ。まとわりつくな。信じてほしけりゃ証拠見せろや」
「分かりましたー、えいっ」
言うなり体が宙にプカプカと浮いた
「信じて貰えました?」
流石にこんな芸当普通の人間には出来まい
「信じてやろう」
「案外アッサリ認めましたね」
「気にするな。性格なんだ。」
中学の辺りからよく言われている
「よし、分かったから出てけ」
「ええぇー。ちゃんて放したじゃん」
「話したからって家に居ていい訳無いだろ」
当たり前だ
「通報は流石にせんが飯代置いてさっさと帰れ」
「私最初にあった人のとこで修行しなきゃいけないんです。だからお願いしますー、家に住まわせてー」
「うっとーしーから離れろー」
「お願いー」
「離れろー」
三時間経過
「分かった。飯代出すんなら住んで構わん。だから離れろ。苦しい」
後ろから首に手を回し両足はギリギリと 脇腹を絞めています。こんな小さい体の何処にこれだけの力があるのか
「いやったー」
部屋を飛び回るノイン
それがこいつとの出会いだった
二時間経過
「お、終りましたー」
フラフラのノインは泥だらけの足で飛んできた
「ならさッさとシャワーでも浴びとけ。これから食いあさった飯買いに行くぞ。これじゃ朝飯すら食えん」
「私は食べたけフォヘー」
「なら昼飯もいらないな?」
「いやはいやは、オナハヘフ〜(嫌だ嫌だ、お腹減る〜)」
もう大分慣れたけどさ、疲れるんだよな
あの小さい体にどれだけ入るのやら。三人前を当たり前の様にたいらげる
鼻唄を奏でながら浴室でシャワーを浴びてるこいつ。もう少しまともなら文句言わないのになー
ちなみに飯代は三ヶ月分滞納してます
「ドーブネーズミーみたいに、はなりたくないー♪」
「なんだそりゃ」
二人は早朝からやってる八百屋『八百八』で買い物中です
「ノリノリだねノインちゃん」
「そうだよ八のおっちゃん」
あ、そういえばこいつ、天使とか幽霊とか普通は見えないと思うけど当たり前の様に見えるからね
「おじさん、人参白菜ゴボウ大根キュウリトマトショウガ大葉林檎蜜柑キウイブドウさつま芋下さい」
「あいよ、人参白菜ゴボウ大根キュウリトマトショウガ林檎蜜柑キウイブドウさつま芋ね」
「おっちゃん、大葉抜けてるよ」
「悪い悪い穣ちゃん、おまけに林檎一個あげるから」
「やたー」
さて、野菜尽くしの朝食の後、俺は用事で家を出ようとして・・・・・・・
「私を見捨てないで、典時」
「黙りなさい、ただ買い物に付き合うだけだ」
「典時をたぶらかしてるのはキクサゲね」
「キクサゲ?」
キクサゲ・・・・
「利下か?難しく読むなよ。ただ買い物に付き合うだけだ」
「キクサゲめー、呪ってやるー」
「黙っとけ」
「連れてけー連れてけ」
問答無用で戸を閉める
駅の前には既に利下は立っていた。
「すまん、バカを抑えるのに手間どった」
すると利下は笑いながら
「いいって。あの子だって良いとこあるじゃん」
セミロングに薄茶色の髪、派手でもなく地味でもない。普段着でなかなか様になるスタイルだ
「さー買い物に行こー」
10時から始まり終わったのは夜の7時だった。
「流石に止めませんか?」
「しょうがないなー、勘弁してやるか」
総重量約70キロ
俺はそこそこ体力はあるので大丈夫だかその辺の奴なら既に倒れてるぞ
利下の家に大量の荷物を宅配し、ようやく家に帰ることが出来た
しかし家に帰っても大量の飯作らなきゃいかんのか
溜め息をつきながら
「ただいま」
「おっかえりー」
勢い良く飛び付いて来るノイン・・・・・・・・あれ?
いつもやって来るのにどうした?
部屋は暗く静かだ
何処かに出かけたか?
そんな事を考えながら自分の部屋を開けるとそこにはノインがグッタリと横たわっていた
「ど、どうした?」
微かな呼吸が唯一生きてることを示している
「どうしたノイン、何があった!」
「典・・・時君」
細く開く瞳で
「わ、私、私」
気力を振り絞り
「私、・・・・お腹すいて」
「は?」
「力が出ない・・・・・」
そのままノインを持ち上げるとベランダに放り投げた
「て、典時、何で閉め出すの!」
黙れ
疲れるんだよこいつ
ねー、なんとかしてくんないかこいつ
「典時、お願いだから中に入れてー。ご飯食べさせてー。お願いー」