1話 秋祭り(3)
1話 秋祭り(3)
「……れ、……、こ……」
うーーん。
「これ、起きなさい。これ……」
あれ?ここは?境内? 目の前には光り輝く美女が。
「ほほほ、美女などと正直なやつよのう」
へ?自分しゃべったっけ?
「しゃべってなぞおらぬぞ」
???? え?どういうこと?そう言えば隕石が…… \(^o^)/
「いやいや、まだ死んではおらんぞ」
まだ?いつ?3秒後?\(^o^)/
「まだまだ先の予定じゃ、少しは落ち着かぬか」
……なんで考えが判るのかな?まさか……
「そのまさかかもなぁ」
神様?輝く容姿、高貴な顔まさか、大日孁貴神様?
「マニアックな名前で思い出したの」
えと、えと、
「掛けまくも畏き 天照大神の大前に 恐み恐みも白さく……」
「あー、よいよい。今更だし、話が長くなる。いつも通りでよい」
「あ、はい。それで何か御用なのでしょうか?」
「実はだな、荒ぶる邪神(ポチ♪)が勢いを増してな。星を落してきたのじゃ」
「では、あの隕石はやはり。何か御心に沿わぬ不届き者でも居ましたでしょうか?」
「そうではない、高天原より逸らせることは敵ったのだが秋津島に向かってしまった。
そして、この八州島にあわや衝突する前に止めたのじゃ。
今回のことは基督のいうアーマゲドンの始まりかもしないのじゃ。
終末戦争にそなえ高天原だけでなく数多の神仏の協議の結果
地球の生物を見殺しにするのは忍びないとの意見が多数出た。
そこで、各々が管理する別の世界へ疎開させることが決まったのじゃ。
まず、今回最初の被害を蒙った八州島を異世界へ疎開させることにした。
じゃが、急だったこともあり高天原の管理する世界ではない」
「どなたの世界なのでしょう?」
「古代エジプトの神々の世界じゃ。すまん、断腸の思いじゃが耐え忍んでくれ。
神代として鏡を授けよう。神代に祈れば高天原に通じる。
先方の人々と和をなし達者で暮らせよ」
「いつ地球へ……」
「判らん、終末戦争がいつ終るのかは予測できん。そうそうかの世界は魔法があるらしい」
消えていく天照大神を呆然と見送るしかなかった。