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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第六章 不吉な朝の一幕

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第18話 急な非番

「そう言えばいつもリンさんはこういう時は制服着てますけど……今日は違うんですね……何かあったんですか?」


 誠はリンの言うままに隣に座るとそう話しかけた。


「ええ、今日は急にクバルカ中佐から第二小隊は非番だと言い渡されました。しかし……急なことなんで正直困っています。誠様の所にご挨拶に伺っても……そしてそのまま行きつくところまで行きついて快楽のふちにおぼれてみるのもよろしいのではないかとご提案申し上げます。このリン、そのすべてをかけて誠様のご意向に沿えるように努めます。決してさせることはないでしょう」


 リンはじりじりと誠に身を寄せてくる。


「あのー、リンさん。なんで急にそんな話になるんですか?それに僕は今日勤務が有りますよ。サボったらそれこそ目の前にいる斎尾温治さんに何されるか分かったもんじゃないですか?そのくらいのことは察してくださいよ」


 リンのそのあまりにあざとい態度に誠は嫌な予感しかしなかった。


「神前の言う通り!オメエは神前に近寄るんじゃねえ!この色情狂が!そんなことアタシがいつ許した?拳銃が効かねえならライフルを持ち出す!ライフルが効かなきゃ寮の倉庫にあるRPGだ!それでも駄目なら……」


 大人しく話しかけるリンに向けてそう叫んだのはいつものように軽装に左肩から銃の見えるホルスターをぶら下げたかなめだった。


「西園寺さんは最終的にこの寮を内部から破壊するつもりですか?RPGなんか室内で撃ったらこの寮でも倒壊しますよ。西園寺さんはそれを『女の戦いだ』とか言って正当化するんでしょうけど、そんなのリアルにやってる国があるなら見てみたいですね。そんな事をする人はこの世では西園寺さんただ一人です」


 誠は攻撃的発言をエスカレートするかなめに冷静にツッコミを入れた。


「かなめ姫、おはようございます。誠様のおっしゃる通りです。そのようにあまりに攻撃的だからあれほど誠様にアプローチをかけながら私とかえで様が来るまで誠様との関係に何一つ進展が無かった……違いますか?やろうと思えばかえで様のような優雅な立ち居振る舞いが出来るのはかなめ様が康子様とお電話されている時の言動からして分かっているんです。なぜそのようなまともな対応が取れないんですか?これだから戦うことしか出来ない名前だけの貴族の姫君は困ったものですね」


 何を言われても平然と対応する。その落ち着きの払ったリンの大人の態度に感心しながら誠は素材不明の肉の塊を口に運んでいた。



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