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ユウキサーガ ~ 悪を撃ち抜くCheckmate!~  作者: クレキュリオ
Episode2 スペース編

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30/71

プロローグ 新たな旅立ち

前回の反省から、戦闘やアクションを増やす予定です。

あと今回は群像劇を止めました。

 エックスとの戦いから始まった事件が解決して、一週間後。

 春休み中のユウキは、退屈を持て余していた。

 休みが終われば、新たな学校へ入学する。


 姉と同じ進路に向かう事にした。

 父の背中を追いかけたいというのもあるが。

 どうにも自分は誰かのために、動くことが性にある。


「ふわぁ~。また僕だけのけ者扱いっと」


 ユウキは欠伸をしながら、ニュースを眺めていた。

 姉は一足先に、入隊に向けた準備をしている。

 両親は新しい任務が入ったと言って不在だ。


 当然一般人に過ぎない、ユウキには情報が入らない。

 一人で寂しく飴を舐めながら、報道を見る。

 どこの局も、街の崩壊で話題が持ちきりだ。


 ゼットは倒したが、被害がなかった事になるわけではない。

 軍の発表では、狂人の発狂と言う事になっている。

 早い話、臭いものに蓋をしたのだ。


「吹雪の奴も、忙しそうだしなぁ」


 吹雪は傾の一件の他に。吸血鬼たちの新しい住処を探している。

 種族の違いもあるが、彼なりに遺跡の崩壊に責任を感じているらしい。

 主導したのは彼の父親なのだから。


「そう言えば、Dr.ネガリアンはどうなんたんだろう? まあ、流石に懲りただろうが」


 逮捕されたという話題も、死んだという話も聞かない。

 一時は電波ジャックまでした、世界征服宣言者がもう空気だ。

 話題の移り変わりの残酷さを、ユウキは感じていた。


 今日はどんな事をして、暇を潰そうか考えていた。

 彼にとって、動かないというのは最大の拷問だ。

 近所の手伝いをしたりもしたが、ネタが尽きてしまった。


 寝ころびながら、漫画を読んでいるとインターホンが鳴った。

 荷物か何かだろうと、軽い気持ちでカメラを見る。


「誰?」


 予想に反して、カメラに映るのは知らない女性だった。

 寝ぐせだらけの銀髪の髪をロングにして、緑のジャージを着ている。

 ダルそうな目をしながら、ヘッドホンを装着。


『パソコン貸してくんない?』


 開口一番がそれだったので、ユウキは首を傾げる。

 確かに家には高価なパソコンがある。

 両親が仕事用に使うものだ。


「どちら様ですか?」

『あれ? 光夜でも巫女でもない。誰?』

「重複なる問いかけをしないでください。僕はユウキ。二人の子供です」


 結局自分が先に名乗る事となった。

 父と母の名前を気安く読んでいるのだ。

 知り合いか何かなのだろうと、ユウキは警戒しながらも話を続けた。


『あ! そっか! 子供が生まれたって何年か前にお祝いを……』

「もう十五年前のことですよ」

『まあ気にしない、気にしない! 基本リモートでしか話さないから!』


 次の言葉が名前でなければ、速攻で切ろうとユウキは覚悟した。

 女性はおっとりとした口調ながら、得体の知れなさを醸し出している。


『私は三日月瑠璃。二人の古い友人だよ』

「瑠璃……。Really!?」


 その名前は父から聞いた事が、何度もある。

 両親の幼馴染であり、優秀なハッカーでもある。

 後方支援担当だが、父のチームのブレイン役でもあった。


 ユウキにとっては、レジェンドと言っても良い。

 そんな人が急に訪ねて来るとは……。

 大慌てで玄関に向かい、鍵とドアを開ける。


「うわぁ~。大きい子供が居たんだね~」

「十五歳ですから。それより、パソコンを貸して欲しいとは?」

「姪っ子を助けたいんだけど。私のパソコンが諸事情で使えなくて……」


 状況は掴めないが、緊迫していることだけは伝わってきた。

 両親のパソコンを勝手に使わすのはどうかと思うが。

 断るのも少々気が引ける。


「あ。でも僕、パスワード知らないですよ」

「大丈夫! 二人の行動パターンから、察しが着くから!」

「そりゃ、安心だ。セキュリティーが甘すぎてな」


 ユウキは瑠璃を、自宅に招き入れた。

 なんと言うか、格の割りに親しみやすい人だ。

 凄腕なのは間違いないが、見た目からはそれを感じさせない。


「でも入れるのは、三日月さんだけですよ。お連れは、No thanks」

「瑠璃で良いよ。それにお連れじゃなくて……」


 隣の住宅、その屋根から飛び降りる影があった。

 人ではない。トカゲの様な怪物で、手の甲に針が装備されている。


「招待状のない押し売りだから」

「了解です。丁重にお引き取り頂こう」


 ユウキは剣を引き抜き、怪物に刃を向けた。

 飴玉をかみ砕き、テンションを上げながら威嚇をする。


「Are you ready? Go!」


 ローラースケートで滑りながら、怪物に近づいた。

 まずは様子見の一撃。剣を縦に振ってみる。

 怪物は針でユウキの剣を防御した。


「パワーはないみたいだな」


 ユウキは怪物の胸部に、手を当てた。

 力を込めて念力波を発生させ、背後に吹き飛ばす。

 怪物は一度転倒するも、直ぐに立ち上がる。


 怪物は片方の針で、もう片方の腕を引きちぎった。

 斬られた腕は直ぐに再生が開始される。

 引きちぎった腕を、針ごとユウキに投げつける。


「ヒュ~! Crazy!」


 ユウキは片手で、投げられた針をキャッチした。


「再生するんじゃ、どこから手を付ければ良いのかね?」

「脳は再生しないよ。脳に直結している、目ん玉を狙って」


 瑠璃は家に入り、パソコンを開きながらアドバイスをしてきた。

 ユウキは手に持った針を見つめて、ニヤリと笑う。


「R指定の絵面になるけど、大丈夫ですか?」

「ブイ! 慣れているから!」

「ぶ、ブイ? 意味は分からないけど、OKっという事で!」


 ユウキは敵の眼球を狙って、針を投げつけた。

 針はトカゲの頭を貫通し、緑の液体を吹き出す。

 怪物は悲鳴を上げながら、もがき苦しむ。


「うへぇ~。思ったより酷い絵図だ……」


 怪物は地面に倒れると、液状になって溶け始めた。

 緑色の液体が、アスファルトに染みこむ。


「これ、僕が掃除するの?」

「大丈夫。雨と同じように乾くから!」

「自宅の目の前に、怪物の液体が染みこむのちょっと……」


 少々引き気味で、怪物の溶ける様子を観察していると。

 再び屋根から、飛び降りる影が現れた。

 同じ怪物が、今度は二体現れる。


「そうそう! 追手は三体居るからね!」

「そりゃ良かった。これでAll Clear!」


 ユウキはテレポートを使って、怪物の背後に周った。

 剣を振って、針だけを破壊する。

 破損した針が上空へ飛ぶ。ユウキは素早くキャッチして、念力で空を飛ぶ。


 トカゲの頭上に向かい、針を投げつけた。

 同時に指を鳴らし、新たな超能力を発動する。

 針が二つに分身して、二体の怪物を貫いた。


「To Easy! 瞬殺成功だぜ!」


 二体のトカゲは、最初の個体と同じように溶けた。

 少し口角を下げながら、ユウキは剣を仕舞った。


「へえ。中々良い腕じゃない。こっちも丁度解析が終わったよ」


 玄関から両親の部屋でまで、開いたままだ。

 どう考えても見ない場所に、部屋あるが。

 瑠璃はユウキの動きを、把握しているようだ。


「ねえ、君。お姉さんと仕事をしてみない? 報酬も出すよ」

「中身によるね。勿論、仕事の」

「女子高生の護衛なんだけど」


 ユウキは溜息を吐いた。


「本当は光夜に頼ろうとしたんだけど。君の力なら問題ない仕事だよ」

「護衛が必要な時点で、絶対普通の女子高生じゃないですよね?」

「多分ね。Dr.ネガリアンって奴が、必死で狙うくらいだし」


 その名前を聞いて、ユウキはいっそう深い溜息を吐く。


「OK。引き受けますよ」 

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