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ユウキサーガ ~ 悪を撃ち抜くCheckmate!~  作者: クレキュリオ
プロローグ

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プロローグ

需要内の分かっている作品。挿絵はAIイラストを加工したもの。

今回は各キャラの見た目イメージくらい、挿絵にしようと思っています。

一応EP3まで詳細なプロットがあるので、そこまでは書かせて。

 授業が全て終わり、ホームルームと言う謎の儀式を終えた後。

 生徒たちはやっと、学校と言う呪縛から解放される。

 一人の青年は挨拶が終わると、直ぐに帰宅の準備をした。


 亜麻色の髪をショートにした、少々童顔。

 私服である青いパーカー、黒いズボン。

 緑の瞳で見つめた赤いローラースケートに履き替える。


 携帯端末の電源を入れて、窓から飛び降りようとする。

 が、教師が戻ってきたので断念。


「よお、冬木。どうせこの後暇だろ?」


 クラスメイトの一人が少年、冬木ユウキに語り掛ける。


「レイドメンバー足りなくてさ。よかったらどうだ?」

「No thank you。悪いがこれから僕はデートなんだ」

「いや、お前彼女いないだろ……」


 同級生の呆れ顔を余所に、ユウキは教室の外にへ向かう。


「女の事遊ぶのだけが、デートじゃないぜ。See you!」


 ユウキは廊下をスケートで走り、学校から飛び出す。

 何の変哲もない中学校を去り、街へと向かった。

 彼は中学三年。既に進路は決まっている。


 春からは新しい学校にお世話になる。

 卒業式まであと少し。正直、別れる事になる友人と遊びたい気持ちはある。

 それでも今日だけは、遊べない理由がある。


 彼はCDショップに入る。少し古びた店だが、掘り出し物が多い。

 その為、マニアはこの店を好む。


「ヘイ、店長! 予約していたものを頼むぜ!」

「おう、ユウ! ほいよ!」


 ガタイの良い店長が、予約棚からCDを投げ渡す。

 

「おいおい。貴重品なんだから、投げるなよ」

「ガハハ! 最悪念力使えば、落とす前に拾えるだろ!」

「超能力使うのも、疲れるんだぞ」


 ユウキは古いCDをカバンに仕舞った。

 ここには既に絶版になったアニメの曲が、記録されている。

 配信サイトでも購入できない、超貴重な音楽だ。


「それにしても姉ちゃんの為に、お小遣い貯めて誕生日プレゼントとは! 立派だな!」

「まあね……。普段から迷惑ばかりかけているから」


 今日はユウキの姉の誕生日。家族で揃う約束の日だ。

 二歳上の姉は、これから進学する場所で既に勉強中。

 少々レトロなものが好きなので、良く中古ショップを出入りしている。

 ユウキはレアCD購入のため、お小遣いを半年も貯め続けた。


「悪いな店長。わざわざ取り寄せてもらって」

「なぁに。これからもごひいきにしてくれれば、お安いもんよ!」

「Of course! 卒業してからも頼むぜ!」


 ユウキはCDを購入すると、全速力で家に向かった。

 出来ればサプライズをしたい。

 姉が帰る前から、準備をしなければ。


 家に帰るには、街中を通って住宅街に出る必要がある。

 人通りの多い場所を避けて、ユウキはスケートで滑った。


「へへ! このまま帰宅時間のNew Recordを出してやるぜ!」


 ユウキが駆け足で街を歩いていると、パトカーのサイレンが聞こえてきた。

 普通なら気にすることもない。街では事故が多いからだ。

 だがパトカーの台数は、一台二台ではない。


 何台ものパトカーが二車線に跨って、同じ場所を目指していた。

 到着したのは市役所だ。パトカーは一斉に門をくぐる。


「なんだ?」


 野次馬は良くないと、頭で分かっていたが。

 ユウキは思わず、パトカーの様子を見に伺った。

 パトカーは市役所の入り口を塞ぐように止まっている。


 誰かを包囲しているのだろうか?

 警官たちは銃を構えている。


「君は完全に包囲されている! 無駄な抵抗は止めなさい!」


 撃つはずがない。ここは日本だ。軍以外が威嚇射撃はしない。

 そんなユウキの予想を裏切り、警官は発砲した。

 一斉射撃で、容疑者を攻撃している。


「まずい! 退避! 総員退避!」


 警官たちが撤退すると同時に、パトカーの一台が爆発。

 煙の中からようやく、容疑者の姿が見えてくる。

 普通の人間ではない。腕が六本もあるからだ。


 白い胴体に、緑の瞳をした謎の生命体。

 一番大きな二本の手が、鎌状になっている。

 モンスターと言っても良い、姿をしている。


 謎の怪物は手から紫色の光弾を放った。

 もう一台のパトカーに直撃し、爆発を発生させる。


「しょうがないなぁ、まったく」


 怪物は一本の腕で、パトカーを持ち上げた。

 爆発で倒れている警官に、パトカーを投げつける。

 ユウキは右腕を前に突き出した。


 彼の掌が緑色に光り、同色の光をパトカーも帯びる。

 パトカーはゆっくりと、垂直に降下した。


「nice to meet you! ご機嫌斜めだね!」


挿絵(By みてみん)


 ユウキはカバンを足元に置いて、手を前に突き出した。

 彼の手元に光が集まり、刀が出現する。


「ここは余りGlobalじゃないんだ。支援を受けたいなら、東京行こう」


 ユウキがサムズアップをしながら、口にすると。

 それが気に障ったのか、怪物は紫の光弾を発射した。


「冗談が通じない系? 家の姉ちゃんそっくりだぜ!」


 ローラスケートで滑り出すユウキ。

 ステップを踏んで、近づく光弾を回避する。

 怪物との距離を詰めて、剣を一振り。


「コイツは特注品だから、よく切れるぜ! こっちに刃はついてないけど!」


 ユウキは刀を使って、怪物を吹き飛ばした。

 怯んだ隙に左手を突き出す。

 念力を使って、怪物の動きを止める。


「一体落ち着こうぜ。殺生は嫌いなんだ」


 ユウキは怪物を宥める様に、近づいた。

 見た目がモンスターとは言え、何も知らずに殺す気にはなれない。

 相手が何者でどこから来たのか。ちゃんと知ってから、対処する。

 それがユウキのやり方だ。

 

「暴れなかったら、誰も乱暴はしないさ」


 言葉が通じているのか、或いは敵意を感じないからか。

 怪物は抵抗する力を弱める。


「良い子だ。そのまま大人しくな」

「ダメ! 直ぐに離れて!」


 どこからか女性の叫び声が聞こえてきた。

 大人しくしていた怪物は、突如激しく動き拘束を脱出する。

 そのまま六本の腕を引いて、ユウキに飛びついた。


 宥めるために近づいたユウキでは、対処できないと思ったのだろう。

 ユウキは溜息を吐きながら、指を鳴らした。

 すると彼の体がその場から消滅。次の瞬間、怪物の背後に現れる。


「一応言っておくけど、僕の警告は二回までだぜ!」


 背後から回し蹴りを行い、怪物を吹き飛ばす。

 再び場所を転移して、怪物の前方でアッパーを放つ。

 怪物を空中に投げ出した後、ジャンプして近づく。


 ユウキはサマーソルトキックを行い、怪物を地面に叩きつけた。

 マンホールの上で、怪物はぐったりしている。

 怪物は腕でマンホールの蓋を持ち上げた。


「へん! 逃げる気か?」


 マンホールに中に入る怪物を、ユウキは追いかけた。

 直ぐに追いつくだろうと、思っていたのだが……。


「下水道って、こんなに迷路上になってんの?」


 マンホールの下は、複雑な道が広がっていた。

 足音も聞こえず、怪物がどのみちに逃げ込んだのか分からない。

 溜息を吐きながらユウキは追跡を諦めた。


「ん? なんだこれ?」


 ユウキは道端に落ちている、石に気が付いた。

 宝石の様に赤く光っているが、丸っこいただの石にも見える。

 先ほどの怪物と関係があるのかもしれない。ユウキは石を回収した。


 下水道から出て、戦闘前に置いたカバンを回収する。

 周囲を見渡すが、撤退した警官が増える様子はない。


「姿は監視カメラが捉えているだろうし。後は国家権力に任せるか」


 顔なじみの警官に挨拶をした後、ユウキは帰宅を再開。

 下水道で拾った石は、警察に預けた。


「折角のBirthdayを邪魔されたぜ」

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