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ある精霊士達の災難(?)な日【別視点】

こんな物語あったらいいなあと思ったら、小説を書き始めました。

趣味全開のご都合主義で進みますので、温かく見守って頂けると幸いです。

誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。

 イベントに参加して転送された後から違和感はあった。普段は人懐っこい契約精霊たちが妙にソワソワしている。何かあった?といくら聞いても口を揃えて〈今はまだ言えない〉と言う。


 おかしい。今までこんな事なったのに。むしろお喋りな方で聞いてもいないのに教えてくれていた。


 この森には妖精がたくさん居るよ!ここは精霊と契約するにはピッタリな所だね!次はどの精霊と契約する?ん?妖精は基本的に人の前に出てこないんだよ〜!etc.....


 まあ、他は普段通りだから今は気にしても仕方ない。そもそも、この現象は俺だけなのか?それとも他の精霊士たちにも起こっているのか?と気になったので、精霊士たちのみが見れるチャットで相談してみることにする。


:なぁ、聞きたいことがあるんだが。

:なんだ?

:あ、私もあるんだわ。同じ内容かもしれないけど。

:僕もある!とりあえず、聞くよ!

:ありがとう。精霊たちが妙にソワソワしてないか?みんなの精霊たちも同じか?

:私の精霊ちゃんたちも同じ状態だ〜!

:やっぱり同じ内容だったわ!

:僕も同じだ〜!それに聞いても今は言えないって言われたんだよね〜。みんなも?

:俺も言われた、それ!

:私も!


 やっぱりみんな同じなのか…。


:他は普段通りなんだよなぁ…

:そうそう!だから妙に気になってねぇ

:真ん中島付近に近くとさらにソワソワするんだよな〜

:しかもめっちゃ気持ち良さそうだから気になって仕方ない。

:それも同じだわ

:精霊たちが嬉しそうだから離れられないし。別に離れなくていいけどね?笑


 そうなのか?俺はまだ真ん中島に近づいてないから知らなかった。行ってみるか。


:それなら精霊士で集まらないか?現地の方が情報集めやすいしな。

:いいね!賛成!

:楽しそうだな、俺も参加するわ。

:うん、いいね!私も行くわ!


 確かにそうかもだ。俺もこの集まりに参加しよう。どうせ、真ん中島に行くつもりなんだ。


:相談乗ってくれてありがとう。現地で会おう。


 そう送ってチャット画面を閉じた。向かっている途中だったからだいぶ近づいていたが、確かに近く度に精霊たちの落ち着きが無くなっていくな。

 それに、居心地いい感じがしてくる。『感覚共有』を使用しているからか?このスキル、まだ使い道分からないんだよな…


 お、あれか。そして…あ、いたいた!あの集団が精霊士の集まりで違いない。何故分かるかって?だって、精霊飛んでるし。


「お、待ってたぜ!お前が来る少し前に、おそらく特殊種族と上位種族の2人1組が結界に拒まれず、島に渡って行った所だ。」

「そうだったのか。いい場面見逃してしまったな...」

「まぁな、確かにあれは圧巻だったわ。」


 フレンドがいたため、少し話し込んでしまったが、精霊たちの様子を見に来てたんだった。


 ん〜、確かに今までよりソワソワしてるな…。十中八九、原因はあの島にあるんだろうな〜


 なんて呑気に考えていると周りの精霊たちが一斉に真ん中島を注目する。


「お、おい、何があった?大丈夫なのか?!」

〈やっと言える!〉

〈契約者に黙っている決まりだったけど、辛かった!〉

〈ね、辛かった!〉

「やっと言えるって何をだ?」

〈その前に約束!〉〈約束!〉

〈精霊と契約している者以外にはまだ秘匿しておく事!〉〈破ったら…〉

「破ったら…?」

〈契約破棄される!〉

「はぁ?あ、いや、わかった。」

〈なら教える〉〈神域が作られた!〉〈王様がいる!〉〈精霊王様、嬉しそう!〉

「ちょ、ちょっと待て!情報が多すぎて頭が追いつかない...。ちなみにまだあるのか?」

〈うん!〉〈あと少し〉〈もう少しだけあるよ!〉

「一旦、一旦待ってくれ。少しだけ時間をくれないか?」

〈〈いいよ!〉〉


 ありがとう。そう声を掛けて同じ状況だろう精霊士の方を振り向く。うん、やっぱりみんな解禁された情報に頭が追いついていない様だ。


 譲りたくないが、百歩譲って精霊王の存在は前に少しだけ聞いていたから、今この場にいること以外はいいとして。何も良くないが。

 し、神域?!なんだそれ?急に作れるもんなのか?それ。てか、作れていいのか?


 …あ、いや、そういう感じだったんだっけか。特殊種族に有利な環境も用意するって書かれてたんだよな、確か。


「よし、残りも聞こう。」

〈元は神域じゃなかった!〉〈精霊王様の主様はすごい!〉〈力ある種族!〉

「え…」

〈この先はもう入れない〉〈行きたかったけど〉〈仕方ないよね!〉〈また、チャンスあるかも!〉〈うんうん〉〈次に期待しよう!〉

「……」

〈とりあえず〉〈今はこんなところ!〉〈やっと言えた!〉〈スッキリした!〉


 考えていた事を覆され、驚愕しているまもなく、4属性を司る精霊王に主がいて契約していると言う事実。最後にサラッと言われた現在の状況。とてもじゃないが、ひとりで考えるには限界がある。


「な、なぁ、俺たちの中でちょっとだけ情報を整理したいんだがいいか?」

「むしろありがとう!」

「そうそう、ひとりじゃ出来ないって思ってたところだもん。」


 このままだと迷走していきそうだったので、周りに声を掛けみんなで整理していく事にする。


 まず、共通の認識として、精霊士みんなが精霊王の名前だけ知っている。って事で大丈夫か?と問いかけ、顔色を伺いながら話を進める。

 うん、大丈夫そうだな。


 で、次だ。神域が運営が用意した物じゃなくて自作だってこと。それと精霊王とこの段階で契約しているってこと。

 チート過ぎないか、これ。1回運営に問い合わせするべきだよな?


「とりあえず、こんな感じだが……俺は運営に1回問い合わせしてみるわ。」

「…いや、最初のアナウンスで言ってなったか?今回のイベントで起きたことは全部仕様です。みたいなこと」

「確かに言われてみればそうかも…」

「え、もう送信しちゃったが?」

「え」

「ま、まあ、送ってしまったものはしょうがない。そ、それよりこれからどうするかが大事じゃないか?」

「う、うん、確かに。」

「お、メールが…」


――ポ〜ン♪


 メールの返信が帰って来るとほぼ同時に全体アナウンスが流れる。

 は?真なる同盟??特殊解放?


「…おい」

「……」

「…おいって。これって絶対そうだよな?」

「…分かってるって!」

「皆まで言わなくていいから!私もわかってるわ。」

「まじか…同盟組んじゃったか…」

「だから言わなくていいって言ったじゃん!」

「いや、でもよ?これは言わないとやってられなくね?」

「同盟組んだココと勝てるか?」

「あ」

「あーあ。言っちゃったよ…」


 想像すればする程、ヤバすぎて苦笑いしか出来なくなる。いや、でも待てよ?


「…言っちゃった俺が悪いんだが…みんな気付いてただろ?」

「気づいてたけども!」

「それに、」

「「それに?」」

「凄く楽観的な考えではあるのは分かってるけど、これだけ強固な結界魔術?を張ってるんだ。戦いたくなくて大人しくしていたんじゃないか?平和主義ってやつだ!」

「それだと嬉しいけどな...」

「で、メール、返ってきたんだろ?なんて書かれてたよ?」

「お、そうだった!全体アナウンスと同時だったから忘れるところだったわ。」


 どれどれメールの内容はっと。


[いつも当ゲームを遊んでいただきありがとうございます。御問い合わせ頂きました件についてですが、イベント最初にご案内した通り、仕様です。イベント内限定の力でもありません。なお、チート行為でもありません。当ゲームはチートや粘着PKなどの迷惑行為は行動ログにて監視し、即刻該当アカウントを削除しておりますのでご安心くださいませ。]


 は?イベント限定の力じゃない?!通常フィールドでも起こせるってことだよな!?あー、やべぇめっちゃ混乱してきた…


「…おい。おーい!」

「あ」

「やっと反応したわ!」

「どうしたんだよ?フリーズか?」

「いや、それは無いだろ?このゲームに限って」

「だよな〜!知ってた。で、メール見たあと固まってたけど、そんなに衝撃的なこと書かれてたのか?」

「あぁ、だいぶ。口で説明するの面倒だから各自見てくれ。」


 そう言ってメールウィンドウを開いたまま、みんなの方に向ける。

 これでこいつらも俺の仲間だ!驚愕するがいい!…って悪役ムーブしてる場合じゃない。みんなの反応を見なくちゃな!え?性格悪いって?面白そうだから仕方ないね!


 やっぱりみんな驚愕で口開きっぱなしじゃん!口頭で説明しなくて良かったわ笑

 ……って、楽しんでる場合じゃないわ!まあ、自分が悪いけども。


「おい、大丈夫か?」

「「……」」

「おーい!」

「「……っ!」」

「お、戻ってきたな!」

「戻ってきたな!じゃないわ!」

「そうよ、わざとでしょ?!」

「僕らの反応見るためにあえて自分で説明しなかったんだね?」

「当たり前だろ?って、そんな事よりもどうするよ?」

「そんな事じゃないわ!」

「まあまあ、落ち着いて。俺もムカついてるが、ここで喧嘩した所で何も解決しないだろ?」

「そうだね。どうするか?だったね...そんなの決まってる」

「「敵対しないようにする!」」

「お、揃ったな!」

「それしかないじゃん。」

「もし、強制的に戦わせようとしてきたら降伏するしがあるまい?」

「そうだね。それしかないよ」

「そもそも精霊が力を貸してくれるのか?王様いるんだろ?」

「それも踏まえて降伏しかないな。」

「「了解!」」

「じゃあ、精霊士たちの総意という事で。……あれ?そういえば精霊たちは?」

「さっきから湖の方に集まってるわよ?気づいてなかったの?」

「全然」

「まあ、それだけ衝撃的だったって事だよね…」

「精霊たちも楽しそうだし、飽きるまでここにいるか〜」

「「賛成!」」


 その後も特殊進化の全体アナウンスが流れて話し合いが精霊士たちで開かれるが、精霊たちは飽きることなく踊りながら歌って楽しそうにしていた。

 精霊士たちも飽きもせず、見守っている。見ていて癒されるのもあるが、そもそも精霊に選ばれるから精霊士になっただけあって、精霊が喜ぶなら基本的に寛容なのである。


 そんな精霊士たちの災難(?)な日はまだまだ続くのであった。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

次の更新日は3月17日頃を予定しています。

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