知ってたなら言って欲しかった……
こんな物語あったらいいなあと思ったら、小説を書き始めました。
趣味全開のご都合主義で進みますので、温かく見守って頂けると幸いです。
誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。
転移魔法陣の光が収まり、視界が開けた先にあったのは澄んだ透明な湖に建っているトーテムポールだった。
「わぁー!凄く綺麗な場所だね!」
〈そうねぇ。とてもいい所だわぁ。もちろん、レーナ様の近くが1番心地よいけどねぇ。〉
そんな会話をしつつ、褒められたことが嬉しくてソワソワしながら周りを見渡すと、辺り1面木ばかりでどうやら森の中のようだ。
初めて転移魔法陣を使用したシューラスさんとラフィネさんはちょっと興奮気味にアイコンタクトを取り、空中を指で弾いている。
「ラフィネさん、ここに来た用事を済ませてもいいかな?」
「あ、ごめん。どうぞお願いします。」
邪魔しちゃ悪いかな?って思ったけど、善は急げと言うので、さっさと終わらせてからゆっくりする事に。
ちなみに空中を弾く動作は何をしていたのか?と聞いたら、チャットや掲示板で情報がないか確認をしていたと教えてくれた。
自分たちも転移魔法陣を使えるようになるのか!?って2人で議論していたらしい。
今までプレイヤーの知り合いが居なかったからそんな機能がある事すら知らなかったよ、私…
「よし、まずはラフィネさんからさっきみたいに触れてもらってもいいかな?その後に、シューラスさんもお願いします!」
「わかった。」「おう。」
感覚的にその方がいいだろうと思うやり方で指示を出し、私も最後に触れる。
すると、トーテムポールに力が満ちて私の支配領域と繋がったのを感じる。
2人も感じたのか、ぽかーんと口を開けたまま空中を見上げている。
ポーン。
[この世界で初めて訪職者同士が真なる契約【神名による血(魔力)と地の同盟】を結びました。これにより同盟システムが特殊解放されます。詳細に関しましては現在表示されています、ポップアップに説明を載せてありますので、ご確認ください。閉じてもシステムのお知らせより再度表示できます。]
〚初めて達成したプレイヤーには、称号“創設者”が追加されます。特殊条件に基づき、プレイヤー名レーナには権能【契約と懲罰】が授けられます。(この声は本プレイヤー以外には秘匿されています。)〛
え、ええぇぇ!?
これもアナウンス事だったの!?何かこうした方がいい気がしてやっちゃったんだけど...
や、やばいって!ラフィネさんとシューラスさんに何も説明せずに結んじゃったし、どうしよう...
なんかまずい事になったかも!?と内心焦る私にフィルが近づいて来た。
〈やはり無意識だったかの?主。〉
「む、無意識って?私、やっぱり何か変な事した!?」
〈いや、そうじゃないぞ。だから落ち着くと良い。〉
深呼吸して落ち着かせようとしている私に向かって他のみんなも近づいて来た。
〈見るからに主たちの方でも何かあった様だが、こちらから説明させて貰おう。〉
そう前起きながら説明してくれる。
今、私がやった事は土地と土地を魔力的に結びつける契約で、同盟を組む方法の中では2番目に厳しい条件を満たし、結ばれるものだという事。
その条件は
①同盟の契約に神の名を関する種族が関わること。
②上下関係や一方的な関係ではなく、平等で対等であること。
③契約書を交わした3日以内に互いの魔力を土地に流して循環させること。
④上3つを踏まえたうえでそれ以外の立会人がいること。
の4つみたい。
それを何も知らない状態で無意識にやっていた私って!?
同盟によるメリットは土地間の転移可能、能力値1.5倍UP、種族による恩恵相互UP、ウィスパー機能解放。
もちろんデメリットもあって、正しい手順以外で同盟破棄した場合、種族恩恵・能力値ともにDOWNし、大幅にデバフされるそう。
それを聞いてラフィネさんとシューラスさんにすぐ謝ったよ…
知らなかったとはいえ、重すぎるし。
2人は笑って許してくれたけどね!本当にすみません……
ちなみに1番制約が厳しい同盟方法を聞いたら、土地じゃなくて人同士で魔力を交わし、真名にて契約を結ぶって方法らしい。
メリットはUP倍率が高くなり、デメリットはその逆だという事。
よかった!……実はそれも考えていたとは言えないし、言わなくてよかった!
フィルによる説明会がひと通り済んだところで、さっきアナウンスであった権能について聞いてみることにした。
恩恵の効果も知りたいけど、絶対にそっちが先だよね!?
それにラフィネさんとシューラスさんは情報収集で忙しそうだからね。
「説明ありがとう!あ、あのさ、フィル以外にも質問なんだけどさ、権能って知ってたりする?」
〈権能!?それも授かったのかの?〉
〈え!ちょっと早くない!?!?!?女神様、主のこと好きすぎない?〉
〈いいえ!流石はレーナ様です!〉
〈然り。〉
〈ほらぁ、落ち着きなさいぃ。びっくりする気持ちは私にもわかるけどぉ〜。私以外が騒いでいると逆に冷静になれるわぁ。〉
〈落ち着くのを待つ間に、私が説明しちゃいましょうかぁ〜。〉と、今回はエレンが説明担当をすることにしたらしい。
お願いしますと頭を下げ、聞く体勢に入る。
ちなみに私は、いつも冷静なフィルが1番先に驚愕しているからとんでもないことなんだろうなぁ……と若干他人事の様に考えてた。
簡単に説明すると、神の名を関する種族に与えられる創造神の力の一旦であるとの事。
基本的には経験を積んで長生きした者のみに与えられる権限みたいなもので、能力は様々らしい。
似たような能力を何名も持つ事も複数所持している事もあるのだとか。
その場合は持つ者によって力の差がやっぱりあるらしく、それが創造神にどれだけ寵愛されているかの度合いになるらしい。
私は精霊だからぁ、付き合いの長い神獣に聞いた話だけどねぇ?とエレンはフィルをチラ見しつつ苦笑しながら話してくれた。
〈我としたことが、取り乱しておったわ。して、主よ。権能の内容を聞いても良いかの?〉
エレンと話している間に、落ち着いた様子でフィルが話しかけてきた。
「あ、うん、えっと【契約と懲罰】って書いてあるね。」
〈はぁ!?〉
〈……我はもう驚かんぞ…。〉
若干、引き気味の反応をみるに、詳細を知っているのは神獣組だけっぽい感じだ。
フィーとルーも神獣に近いって聞いたけど、根本的には精霊だから知らないのかな?
ふたりの反応からしてやばそうではあるよね?
〈はぁ…創造神さまは主が相当お気に入りらしいの…。〉
〈そうね。これまであるとは聞いてたけど誰にも与えられることの無かった最上位に分類される権能だもの。〉
〈そうじゃの、中々奇なことをなさるものじゃ。〉
「え、えっと?」
疲れた様子のふたりに戸惑いながら、ちなみに詳細は?と問いかける。
そのままの意味ではあるが……、まずは契約からと前置きされる。
前提として、この世界の契約は一部を除き教会やギルドを通して行う。契約書を交わして終了とはならない。
交わした後はその書類一式を教会やギルドへ持っていき、そこで専用の祭壇に捧げられる。
大丈夫であれば祭壇が輝き、不当な部分があれば光すらしない。不当な部分を修正し終えてまた祭壇に載せれば輝くのだとか。
ここまでが契約の一連の流れであり、先程行った契約は一部例外にあたる力業であるとの事。
私の場合はそれを今度からどこでも出来るし、何ならこれからの契約は司る事になるだろうと。
いや?いやいや!1プレイヤーに任せるには重すぎない!?だからあれだけ引き気味だったのか……。
なんて納得しかけていた私に声がかけられる。
〈での、ここまでが契約についてじゃ。懲罰については皆が考えている事であながち間違ってはないの。〉
と話を続けてくれるフィルに耳を傾ける。
〈まあなんじゃ、皆が考えている通りではあるのだがの?この場合は契約と紐付けられたものじゃの。〉
自動発動でちゃんと創造神様と創世神様が確認してくれてるから安心せいとの事だった。
権能は(稀に意識しないと使用出来ないものもあるが)自動発動が主なのでそこまで気負わなくていいらしい。
いや、未だに重いな…って思っているけど、それだったらまだ安心かな?
ありがとうとフィルに伝えて、深く深呼吸する。
あ!2人のこと無視して話してた!とシューラスさんとラフィネさんの方を向けば、怒ってはいない様で、ちょっと落ち着かせて欲しいという表情でこちらを見ていた。
そういえば、ずっとラフィネさんの領域で立ち話してたんだよ。
ここの保護だけして私の家に戻ろうか?と提案すると頷いてくれたので、今度は私が転移魔法陣を展開して戻ることにした。
一息ついたら忘れないうちに恩恵についても教えて貰わなきゃ!と気合いを入れつつ。
色々忙しくて間が開きすぎました。すみません。
<ステータス>
名前:〘レーナ〙
種族:特殊種族〘神人〙
職業:固有職業〘テモンマスター〙
従魔:フィル〔フェンリル〕
チナ〔カーバンクル〕
契約:エレン〔精霊竜別名“”精霊王〕
セラフィナ〔天使〕呼び名[フィー]
ルシェ〔悪魔〕呼び名[ルー]
HP:500/500 MP:上限なし
【スキル】
種族スキル:『神眼』『真贋判定』『空中飛行』『以心伝心』『ステータス偽装』
職業スキル:『テイム』『召喚』『帰還』『念話』『言語マスター(パッシブ)』『好感度アップ(パッシブ)』
【魔法スキル】
『結界魔法』『氷雪魔法』『風水魔法』『時空間魔法』『超級精霊使役魔法』
【称号】
『万物の愛し子』
『初心に戻る』
『創設者』




