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こんな権限あったんだ!?

こんな物語あったらいいなあと思ったら、小説を書き始めました。

趣味全開のご都合主義で進みますので、温かく見守って頂けると幸いです。

誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。

 ルーに抱えられて少し空の旅を楽しんだ後、私は拠点であるログハウスにお客さんふたりを連れてきた。

 ぶれること無く安定に着地したルーにお礼を伝え、ふたりの方を向いて自慢する。


「何も言わずに連れてきちゃったけど、ここは私たちの拠点だよ。ログハウス風のお家に住んでみたくて建ててみたんだ!ぜひ上がって!」

〈〈ようこそ、我らが住処へ〉〉


 いつの間にか両開きになっていた扉をフィーとルーが声と動作を揃えて開いてくれた。

 このふたりは格好が格好なだけに、すごく似合うよね!

 最初は執事やメイドさんみたいな格好じゃなかったのにこれもいつの間にか変わってたんだよね〜。

 お客さんふたりをリビングに用意されていたテーブル付きのソファーに案内する。

 すごくガチガチに緊張してるけど、別に取って食う訳でもないのになぁ。


「さあ、座って!立ったままだとお話しずらいし、座ってお菓子でも摘みつつ、お話しよう!しばらくゆっくりして行ってくれると嬉しいな。……あ!もしかして、陣地のトーテムポールが気になる?」

「あ、いや、それも気になるが……凄すぎてな。ちょっと状況についていけていないだけだ。」

「そうだよね。とりあえず、お茶でも飲んで落ち着いたらお話しよう。フィー、ルー。後でふたりから場所聞いて転移陣作成するの手伝ってくれる?」

〈〈我が主の御心のままに。〉〉

「ありがとう!それじゃあ、みんなもその通りでお願いね?」


 次の予定を立てつつ、ふたりが落ち着くまでお菓子をつまむ。

 ん〜!ご飯の時も思ったけど、お菓子も美味しいな〜!現実では好きなように食べれないし、ゲーム内とはいえ、味覚が再現してあるのは有難いよね。


「そろそろ落ち着いたかな?話し方については堅苦しくしなくて大丈夫だよ。私自身は凄くないし?」

「それは有難いが、えっと…レーナさん」

「あ、私のことはレーナって呼んでね!呼び捨てで大丈夫。」

「じゃあ、遠慮なく呼ばしてもらうが、充分レーナも凄いからな?」

「うん。精霊は妖精種よりも上位に位置する。それなのに精霊を統べる王と契約を結べているのだから、レーナもすごい。」


 わぁ、あまり喋らないって紹介されてたラフィーネさんまで饒舌になってる。

 そっか、それほどすごい事なんだね。


「私がすごいって話は一旦、置いておいて。まずは同盟?だっけその話をすべきだよね?多分?」

「お、そうだったな。俺はこいつとフレンドだから一緒に行動していただけで、決定権はないんだが…いいんだよな?」

「ええ。是非とも同盟をお願いしたい。」

「了解!じゃあ、これからよろしくね!」

「軽っ!何か手続きとかある?俺たち自身初めてでよく分かってなくてな。」

「やっとミーの出番だにゃ。同盟に関する手続きだったにゃ?この世界では神様に証人となってもらい、専用の契約書に双方の署名をしてもらうきまりにゃ。」

「え、すぐには無理ってことなのかな?」

「まだ話は終わってないにゃ!ちょうどここには“神”に関する者が3名もいるにゃ。その3名も証人になれるのにゃ!まあ、今回はレーナが当事者だからフィルかチナのみたけどにゃ。」

「え?私、やり方知らないけど…。フィルとチナは分かるの?」

〈今までやった事はないが、やり方は知っておる。〉

〈私も初めてだけど、やり方は知ってるわよ?〉

「え、そうなんだ。やり方は後で教えて貰うとして、今回はお願いしてもいいかな?」

〈〈もちろんじゃ(よ)〉〉


 まさかそんな役割もあったなんて。1プレイヤーに任せてもいい事なのかな?

 いや、実際そうなってるんだからあり、なんだよね、きっと。そもそも私はそんなに人と関わる機会ないし?大丈夫か!

 そんな事を考えている内に準備が整っていた。


「あっ!見てなかった……」

〈それじゃあ、これが今回の契約内容になるからしっかり読んでね?署名する前ならまだ訂正できるわよ。〉


 お礼を伝えて契約書を読んでみる。



  《契約書》

 一、平等で対等である事。

 一、どちらかに救援を求められた場合は可能な限り手助けするものとする。

 一、もし裏切りが発覚した場合は創世神の名において天罰が下り、契約は破棄される。


 以上、この契約が続く限り友好関係は永久的に継続されるものとする。

 相違ない場合は、下記にて署名されたし。


 〇〇✕△年〇☆月◇▽日


《証人》神獣フェンリル・フィル

神獣カーバンクル・チナ

 

《契約者名》________

  ________


 うん、何も問題ないしサインしちゃお!

 チナやフィル、エレンも認めた目の前のふたりならなんの問題もないよね!

 うんうんと頷きながら2枚分に署名する。

 ラフィーネさんも私に続いて署名をしてくれている。


「そういえば、イベント前の説明にもあった同盟手続きもこんな感じだったのかな?」

「それは違うにゃ。説明にあったそれは、イベント期間限定の簡易形式のものになるにゃ。だから契約書は書かなくてもいいのにゃ。ただ今回のはこれからも続く同盟になるにゃ。普段はここまで難しい事ないにゃ!」


 そうだよね、確かに。

 この契約書付きの同盟はちゃんと地と地が繋がったって感じるし、盟約って感じだよね。

 それをラフィーネさんも署名して感じたのか、少し驚いた顔をしている。


〈お話のところ申し訳ありません。レーナ様、転移魔法陣の設定完了しましたので、お知らせさせていただいております。〉

「お知らせありがとう、フィー。ルーもお手伝いありがとう!じゃあ、早速と言いたいところだけど、その前に私のトーテムポールに挨拶して行った方がいい気がするから寄っても大丈夫?」

〈レーナ様がそう思うのならぁ、寄って行った方がいいわねぇ。〉

〈トーテムポールは拠点の下のお花畑にあるのわ。『偽装結界』を張ってるから私が案内するわね!〉

「ありがとう、チナ。ラフィーネさんとシューラスさんもそういう事で大丈夫かな?」

「あぁ、問題ないが。ラフィーネも大丈夫だよな?」


 コクリと頷いたのを確認して、拠点から出る。

 ちょっと忙しなくて申し訳ないけど、こういうのは早目にやっておいたほうが後々楽なんだよね!

 今度はフィーに抱えてもらいながらお花畑に向かう。


「よし、じゃあ、行ってくるね!」

 トーテムポールに触れて魔力を流しつつ、伝える。

 心做しか喜んでる様に見えた。

 意思があるのかは分からないけどね?

 ラフィーネさんとシューラスさんにも魔力を流す様にお願いした。

 これで土地がふたりを覚えてくれたからいつでも出入り大丈夫になったね!

 流し終えたのを確認してからお花畑エリアの近くに設置されてしてくれた転移魔法陣に向かう。


 陣地の外に出るのは初めてだから何だかワクワクするー!

 めちゃくちゃ安全にしてから私の陣地を案内しないとね!

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