出会いは必然?
こんな物語あったらいいなあと思ったら、小説を書き始めました。
趣味全開のご都合主義で進みますので、温かく見守って頂けると幸いです。
誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。
—翌朝。
ゴソゴソと何やら音が聞こえて目が覚める。
あれ?なんか寒いし、軽いなぁ〜。
……?、フィルとチナがいない!?
ガバッと跳ね起き、辺りを見回す。
〈レーナ様、おはようございます。よく眠れましたでしょうか?〉
〈あらぁ、おはよぉ、レーナ様。起こしちゃったかしらぁ。〉
「……フィルとチナは!?」
尋常ではない速度で起き上がった私を心配そうに見ながら、起こしてしまった事を詫びる2人に思ったより強い口調で問いかけてしまった。
外の扉前で待機していたルーが、何事か?と中を覗いたのが見えた。
〈つい先程になりますが、何者かが『拒絶結界』を通り抜けた気配を感じたため、見に行きました。〉
勝手に離れて申し訳ございません。と続ける。
いや、行動を制限するつもりも束縛するつもりもないから大丈夫なんだけどね?
朝起きたらいないって、びっくりするじゃん?
「まあ、理由があって離れてるなら何も問題はないよ。私の為を思っての行動だって分かるからね!」
〈ご理解いただき感謝申し上げます。〉
〈うんもぉ、フィーは堅いのよ。貴女のやり方があるでしょうからぁ、無理に和らげろとは言わないけどぉ。〉
〈余計なお世話です。レーナ様に命令されない限りは変えるつもりもないので。〉
〈そんな事、見れば分かるわぁ。それにぃ、今回の件は大事ないってさっきから言ってるでしょぉ?〉
〈分かっています。それでも!少しでもレーナ様に危害が及ぶかもしれないと考えるだけで居ても立っても居られなくなるのです。〉
〈過保護ねぇ〜。〉
〈気持ちは分かるが止めないか。レーナ様の御前だぞ。〉
言い合いが加速しそうだった所で一言以上喋ったルーに全員の視線が向かう。
昨日もだけど、ルーは頼りになるよ〜!お喋りが苦手なのは個性だし、無口気味なのは慣れたかな!こうしてたまにたくさん話してくれるからね!
「ありがとう、ルー。フィーも心配してくれてありがとう!エレンは何か事情を知ってそうだから教えてくれる?」
〈もちろんよぉ!フィーもルーも理解はしているのだけどねぇ?今回は条件がたまたま一致しただけの話よぉ。〉
「と言うと?」と問いかけた私に、エレンは〈なぁにぃ、簡単なことよぉ?〉とウィンクをしつつ話を続けた。
まず、最初に言っておくと、チナの結界はちゃんと凄いし、今回の2人組以外は今も弾き続けている。結界の条件をだいぶ緩和していたみたいで、今回は上位精霊又は妖精種である事、精霊又は妖精種に好かれている事の2つが通れる条件だったのだと。
それで、正確な種族を把握する為に実際に見に行ったみたい。
〈で、そろそろ連絡があるはずなんだけどぉ……来たわぁ!どうやら神獣である彼らのお眼鏡にかなったようねぇ〜。連れてくるらしいわぁ。レーナ様も準備して外で待ってましょうぉ!〉
「きゅ、急だなぁ〜。まあ、フィルとチナが認めたなら会ってみたいから……フィー、許してくれる?」
〈御心のままに。レーナ様が決められた事に反論など致しません。ただ、この目で確かめるまでは警戒させていただきます。ご了承ください。〉
「ありがとう!心配してくれてるのは分かってるから大丈夫だよ!あまり怖がらせないでね?」
〈畏まりました。〉
「よろしくね!ルーもお願いね?」
〈御意。〉
長く話し込んでいた為、まだベッドから出てすらいなかったので、急いで支度を済ませる。
あ、でも、徒歩だったらそんなに早く着かないか。
いやでも、待たせるのは印象悪いし、早いに越したことはないよね!
顔洗うくらいだし、そんなに時間もかからないけど。
〈待ち合わせ場所はこの家がある丘の下みたいよぉ。〉
〈妥当ではないでしょうか。最初から家に招き入れるのは不用心かと。〉
〈それはそうねぇ。あ、フィルがいないからぁ、移動はどうしましょうかぁ?〉
〈私でも、ルーでも、貴女でも出来ますが、何か問題がありますか?〉
〈だからじゃなぁい。みんなやりたいでしょお?〉
〈……そうですね。ここはレーナ様の意見をお聞きましょう。レーナ様、よろしいでしょうか?〉
ふんふん♪と鼻歌を歌いながら顔を洗っていた私は急に声をかけられて驚く。
鼻歌、聞かれちゃってたよね?
話、全然聞いてなかったよ…
「えっと、ごめん。話聞いてなかった。」
〈驚かせてしまい、申し訳ありません。本来ならばレーナ様を煩わせることなく解決すべきだったのですが、どうしても出来ない問題が起こりまして……。〉
「え!?何か大変な事あったの?……もしかして、フィルたちに何かあったとか!?」
〈いえ、それは問題ありません。〉
「じゃあ、一体何があったの?」
私たちの誰に運ばれたいですか?と決定事項のように聞くフィーを2度見する。
エレンとルーからの視線も感じるから2人も同じ意見なんだろう。
「歩けないの?という私の意見はスルーってことかな……。強いて言うならエレンかな?でも、フィーとルーがどんな運び方をしてくれるのかみたい気持ちはあるよ?」
エレンの名を1番最初にあげると、上がらなかった残り2人がすごく落ち込んだ雰囲気を出すので、慌てて付け加える。
でも、これじゃ平行線のままだからな〜。何かいい案、無いかなぁ……あっ!
「こういうのはどう?今までずっと移動はフィルだったけど、これからはやりたい?乗せたい?人で回していくの。」
〈それはいいわぁ!ぜひそうしましょおー!〉
〈流石、レーナ様。名案です。〉
〈然り。〉
「そんな事ないよ〜?今回はエレンにお願いしようかな!次はフィーで、その次がルーでいい?」
〈大丈夫よぉ〜。〉
〈〈御心のままに。〉〉
「フィルにも話さなきゃだし、そろそろ着く頃だと思うから移動しなきゃね!」
玄関に機嫌良く向かう3体を見て、順番に回すことを提案してよかったと思う。
私が元々体力ないからってみんな過保護過ぎるんだよね。まあ、嬉しいけどね!
ルーまで運びたいと態度に出すとは。そんなに軽くないのに。
〈さぁ〜、レーナ様!背中に乗ってちょうだい!ちゃんと乗ってさえくれれば、精霊術で固定しちゃうわぁ。それにぃ、ここは丘の上だからぁ、飛んだ方が早いのぉ。〉
機嫌良さそうに玄関外で待つエレンに近寄る。
ちゃんと私が乗りやすい様に小さくしてくれるの。優しいよね!
不思議なのは小さくなった状態で乗って元の姿に戻っても位置が変わらないんだよね〜。
これも精霊術か何かかな?と乗りながら考えつつ、フィーとルーを探す。
2人はいつもしまってある自前の翼で飛ぶみたい。
改めて見ると3対の翼は圧巻だなぁ〜。これをしまっておけるなんてほんと不思議だよね。
〈さぁ〜、行くわよ!落ちる事はないと思うけどぉ、しっかり捕まっててねぇ!〉
〈エレン、安全運転でお願いしますよ!〉
〈分かってるわよぉ!5分もかからないわぁ〜。〉
初めての空の旅がそんな短時間で終わるのかと寂しい気持ちになったが、これからはもっと体験出来るんだ!と思えば、気持ちも上向く。
それに、これから会う人達とも仲良くなりたいからね!ゲームの知識が乏しいから経験豊富な人だとなお嬉しいかな?
〈さぁ、目的地に着いたわよぉ。お疲れ様ぁ。〉
「ありがとう!乗り心地良かったよ!全然揺れなかったし、また乗せてね!」
〈んもぉー、嬉しいこと言ってくれるじゃなぁい。次の順番が待ち遠しいわぁ。〉
体を小さい状態にしてくれたエレンを撫でながら褒めつつ、背中から降りる。
目的の場所には着いたみたいだけど、まだ来てないみたいだね?
〈こちらが少し早かったようです。レーナ様が待たせたくない気持ちを考慮してゆっくり目で向かっているのでしょう。〉
「待たせるのは申し訳ないって思ってたからありがたいよ!」
〈…あ、来たわねぇ!へぇ〜、新しく〘妖精姫〙が誕生したって聞いてたけどぉ、レーナ様と同じ訪職者だったのねぇ。通りで挨拶がなかった訳ねぇ。〉
〈そのようですね。レーナ様、今回は『ステータス偽装』は使用しなくて大丈夫かと思われます。解除して頂いてもよろしいでしょうか?〉
「本当に?フィーが言うなら信じるけど。」
なんてやり取りをしている内に、少し遠くだった人影が目を凝らして見なくてもいいくらいに近づいていた。
2人とも耳が尖ってるけどエルフかな?
〈待たせたかの?〉
〈着いたばかりだから大丈夫よぉ〜。〉
「フィル、チナ、紹介してもらってもいい?」
待たせている2人を置いて会話を続けそうだったフィルとエレンの意識を戻すために声をかける。
プレイヤーである2人からすごく視線を感じるんだもん!
〈おっと、すまぬの。彼らは主と同じ訪職者じゃ。名前と種族は自分達で話してもらうとするかの。〉
「紹介して欲しいのは私だから、先に自己紹介させてもらうね!私はレーナ。種族は特殊種族の〘神人〙で、職業は〘テモンマスター〙、固有職業だよ!〘テモンマスター〙っていうのは〘サモナー〙と〘テイマー〙の良いとこ取りをした職業なの。そして彼らは私の大事な仲間だよ!」
〈我とチナは先程自己紹介させて貰ったから省いてもらって大丈夫じゃ。〉
〈初めましてぇ。私はエレンよぉ。既に聞いてるかもしれないけどぉ、精霊王をやらせてもらってるわぁ。〉
〈私はセラフィナです。種族は天使で、レーナ様の契約精霊兼、〝光〟を司る精霊をしています。そして、隣はルシェ。種族は悪魔で、同じくレーナ様の契約精霊兼、〝闇〟を司る精霊です。〉
〈以後、お見知りおきを。〉
紹介して貰うのにこっちから名乗らないと!と思って自己紹介を始めると、みんな私の後に続いて自己紹介を始めた。
だ、大丈夫かな?萎縮しないといいけど…
読んでくださりありがとうございます!
そして、更新が遅れていてすみません。




