明日死ぬはずの人、明日生きるはずの人
そう。彼女は紛れもなく明日死ぬはず・・・、いや。これでは言い方が悪い。いなくなってしまうはずの人物だ。
これは助けるしかない・・・
「ねえ」
肩を優しく叩いて俺はそう言った。近づけば近づくほどわかる。彼女は美弥さんだ・・・。
「なんですか?」
やっぱり。絶対そうだ。怯えながら彼女はそう答えた。
「君、ちょっと一緒に行動しよう」
彼女が知るはずもないことが明日起こる。そう考え俺はそう言った。
「・・・?」
彼女は首を傾げた。
そのうち話していく中で、彼女のことをよく知って行った。
「私パパ、ママもいなくなっちゃって、だからおうちなくて・・・」
やっぱりニュースの通りだった。
「言い忘れてたね、私の名前は」
「山口美弥ちゃんでしょ?」
俺は知っている。この子を死なせない。
「え、なんで知ってるの?」
「んん、教えられない」
ここで教えたら信じてもらえない。信用を無くされてしまう。
そう察した。
もっと気になることがある。なぜ両親はいなくなってしまったのか?
聞かないでおいたほうがいいか。悲しいことがあったんだろうな。
それよりもっと気になること。どうやって生活しているんだ?
「ご飯は何を食べてるの?」
予想外の返答が来た。
「ごはんは、ゴミ箱からとってる。」
びっくりした。え??
とても考えられない。