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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

守って崩す

作者: つきの

毎日世界に幻滅しています。

親友だと思ってたあの子が自分の悪口を宣う。好きだと思ってたあいつが二股野郎。親が私の事を褒めた人に対して全否定。期待なんてするもんじゃあねえな。


ずっと自分のことを否定しています。

親友に裏切られたと恨む自分。そんな人だなんて思わなかったと勝手な理想像を押し付けて絶望する自分。愛されていると勝手に考えて存在意義を見失う自分。弱くてたまったもんじゃあねえな。


人に期待しなければ、他人からの自分の評価を見誤らなければ、こんなことにはならなかったね。じゃあどうする?どうやって生きていく?そうだなあ、私は自分を守ろうね。自分が一番大事なんだからね。



毎日世界に微笑んでいます。

一線引けばいい世界。太陽が赤くて、空が青くて、草が緑。あの子が赤の他人で、あいつが青春満喫で、親がカメレオン。私は白くて何も無い。誰も見てくれやしねえなあ。


ずっと自分のことを甘やかしています。

友人関係、恋愛感情、家庭環境、分からないから放置して、自分だけが自分を愛している。弱いから、脆いから、臆病だから、自分だけが分かってるから。誰かに理解を強いてはいけねえなあ。


感情がなくなって、未練がなくなって、生きる感覚がなくなって、全てがどうでも良くなって、高いところから声が聞こえて吸い込まれて。痛い、痛いなあ。自分が自分を大切にしていなかったね。自分で自分を苦しめたね。



どうしたら戻れるのかな。どうしたら生きられるかな。分からない、分からないね。分からないならこのままでいいやあ。



そうして酸素を薄めて、頭を空っぽにして、肺を空っぽにして、血管を空っぽにして、心も脳も空っぽに。私はこうして生きてきた。私はこうして生きていく。私はこうして自分を刺し、自分を縛り、殺していく。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 拝読いたしました。 自分の若い時を思い出すような共感がありました。 大人には大人の、親になったら親の、歳をとったらそれなりの感じ方になりますよね。 今のつきのさんにしか書けないものをどんど…
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