声がニャンちゅうになっていた
どうも餅村です。
ぜひ楽しんでいってください。
やぁ、私の名前は谷田花美18才。
突然だが、声がニャンちゅうになっている。
「お゛おん…」
これはどうしたものか、朝起きて顔を洗って歯を磨いて口を濯いだ時に水とともにおかしい声が出てくる。
だが声がニャンちゅうになってると言っても病院に行けば話は変わる。
幸い、私は高校生にしてひとり暮らしで、まだ誰にも声がニャンちゅうになったとバレていない。
仕方なく近くに住んでいる友達に筆記伝えながらで生徒手帳を渡した。理由は嘘をついた。
私の学校は、生徒手帳の後ろの方のページに欠席理由を書いて届ければ休めれる。
駅から17分ぐらいに、小さなハマザキビルという4階建てのビルがある。
このビルにある病院にむけて、今爪先を向けている。
私はこの病院に何回かお世話になっている。て言うか医院長が親戚だ。
どっちかと問われると、親戚だからという理由で今日はこの病院に行く。
そんなことをひとり語りしながら小さなエレベーターに足を踏み入れる。
「お゛ん…」
えっと確か3階だよねって言いたいだけなのに…
「サンカイデス」
無機質な声が私を指示する。
扉が開くと病院ならではの独特な匂い。
私は好きだけれどね。
受付の涼子さん。優しい方だ。
「あら、花美ちゃんじゃない。学校は?今日はどこが悪いの?」
「お゛…」
声がニャンちゅうなのを忘れていた。やばい、バレたかもしれない。
「あらやだ、喉を壊したのね。診察券と保険証を頂戴。」
よかったぁ。物分りのいい人で。
言われた通りにケースから診察券と保険証を出す。
「はいこれ。花美ちゃんは12番ね。」
軽く平謝りして番号札を受けとる。
私の誕生日と同じ日だ…そんなことを思いながらスマートフォンをいじる。
そんな中、今日生徒手帳を渡した友達、真奈からメールが届いた。
大丈夫?花美。お見舞いいこっか?(´ ・ω・`)
可愛らしい顔文字と共に心配メールが。
本当はお見舞いに来てほしいが、この声がバレたらダメだ。
その次の日から学校の笑いものになってしまう。
そんなことを頭で考えながら指を無造作に動かす。
心配かけてごめん。もう病院で見てもらったから大丈夫!
そんな嘘を軽々つく。
なんか、悪いことをしてしまったな‥
スマートフォンを通して画面越しに真奈と話をしていると
「12番さん、待合室へ」
そんな放送が流れ出す。
私は言われた通りに体を動かした。