時を重ねて
コツ……コツ……
コツ……コツ……
――ある巨大な図書館に一人の足音が響いていた――
その者は古ぼけた本を手に取る。
まるで導かれたかのように
――神に魅入られた者――
その本はこの一文から始まり、その後には作者であろう者の前書きと空白のページしかなかった。
――不甲斐ないが、私ではかの愛しい者の正体はわからなかった。だから私は代わりに頼むことにした――
一人足音を響かせる者は手に取った本を小脇に抱え図書館の入口
へと歩き出す
「ふふ……何書いてんのさあの人……ん?」
本からインクが滲みだしある一文が追加された
――君は私の製作者が探していた人かい?――
「多分そうだと思うよ……というか、あの人……グリモア――悪魔の書――なんて作れたっけ……?」
また、インクが滲み出す
――悪魔の書では無いかな、私は君を綴る本であっても悪魔ではないからね――
「んー……?よくわかんないなぁ……でもまぁ君は僕を探してた……いや、待ってたって言う方が正しいのかな」
――そうだよ。私は君を待ってた。私が僕を連れてってくれるのならそれ程嬉しいことはないんだけど――
「とか言ってどうせ持ってくまで君のその膨大な魔力で引き留めるつもりでしょ?」
――いや、さすがにそんな非道なことはしないよ。別に私は君を束縛したいわけでもないから。ただ私は君を綴る本だからね。君のすることをただただ綴りたいだけさ――
「ふぅん。まぁ、それならいいよ連れてってあげる。ただし……君だけは僕を否定しないでね。……じゃあ行こうか」
そのままその本を手にし図書館の外へ向かう。
「ここに来るのは久しぶりすぎてくたびれちゃったな……あぁそうだ、君の名前を決めよう。」
ページがめくれインクが滲み、
――なら、私のことは綴る本とでも読んでほしいな――
「ダサいし変だからツーにするね。さてとじゃあ君には君の製作者と僕の話でもしようかな……」
皆様はじめまして孤独の孤、逝くの逝、そこで猫としまして、こゆきねこ、孤逝猫と申します。
初投稿初書きの処女作でございます。
拙い点や文、おかしい点など多数あると思いますが、どうか優しく見守ってくださったら幸いです。コメントなどアドバイスや、ご意見していただいたら嬉しいです。
尚、限られた時間で書いております故、投稿日は安定しませんことをご了承下さい。
また、多くの方に見てもらえることを夢見ております。
どうかよろしくお願いいたします。