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平和とはこういう事を云うのだろう

作者: 津島



平和、とは。と問われた時様々な応えがあると思う

僕は、恐らくこう応えるだろう。【今、僕の目の前に酔っ払いが居る事】



________________



何故こんなことになったのか

時間を遡って見ようと思う


事の発端は数時間前、紫雲兄さんが1人では呑み切れない程のお酒を貰って帰ってきた事だ


今日は偶偶遊びに来てた未成年の千羽ちゃんが居るというのに成人組…依虎君に月影君、紫雲兄さん、それとまだお酒は入っていない僕、白水。


そして今に至る。


………状況が全く理解出来ない

否、頭では分かってる、筈だがそれを僕は信じたくないのだろう。

信じたくないのだ。千羽ちゃんまでもがお酒を呑んでしまうなんて


「白水ぃ~」


「何…千羽嬢…」


のそり、と動き出すと僕の横にちょこんと座り千羽ちゃんは体を僕に預ける。可愛い、もう一度言おう。可愛い


「嬢とか割にあわないねぇ~、いつも見たいには呼んでくれないのかい~?」


「いつもって?千羽ちゃん?」


「違う違う、せ ん ば 」


「………千羽」


君には負けるよ、と苦笑してみると千羽ちゃんは満足そうに笑った


………ブチ犯されてぇのかこの野郎。



________


…水無月に呑む酒というのも、また風流があって良い


己は酔わないよう訓練されているが、今回は相当度がきつかった様だ。

それとも雰囲気に酔ってしまったのか…

まぁ、どちらにせよ酔っているのは確かだ。

………月影が、己の膝の上に居るということはその酔いから来る錯覚と見なしていいのだろうか


「紫雲さん~!ボク、紫雲さんのこと大好きですよぉ~」


「そうか…」


おい、お前ら。特に白水。哀れみの目で己を見るな切り刻むぞ


「紫雲さんはボクのこと好きですかぁ~?」


「あぁ…好いておるぞ…」


「えへへ~、知ってましたよ~?紫雲さんがボクのこと好きなことぐらい、いつも隣に居てたら分かるんですからっ」


「何が言いたいのだお前は…」


「んふふふ~、紫雲さん、愛してますよー!」


「…己も、月影の事は愛しておる。末永く頼むぞ」


「勿論やないですか!」


取り敢えず吹いた白水と…あの声は依虎か、あの2人は後で制裁だな。


________________


「とらぁ~!」


「なぁにたつー!」


…嗚呼、一番まともだと思ってたコンビが…


「なぁ聞いてよ!」


「なんやなんや、ボクが何でも聞いたろうっ!」


「僕の毬藻がな…、あのな…麒麟に踏まれてな…死んでしまってん…」


「そうか…毬藻が…ボク達の毬藻が…麒麟ごときに…」


「毬藻ぉぉぉぉぉ(´;ω;`)」


「毬藻…いい奴だったよ…」


テンションの差が激し過ぎる…



「君達は1体何を言ってるの」


「嗚呼、何やら動物園に言った時調子に乗って毬藻を持っていったら麒麟に踏まれたようだ。……それより白水、千羽から離れろ。」


「へ、へぇ…毬藻が…麒麟に…えっ、僕?!千羽ちゃんがくっついてきたんだけど!それに今行ったら紫雲兄さん僕の事殺す気でしょ!」


「何故分かった」


「何故って!!!?紫雲兄さんもう刀構えてるじゃん!」


「そうか…」


嗚呼もうダメだ。紫雲兄さんも酔っ払ってきてる。


「急募、酔っ払い以外のまともな人」


そんな僕の独り言は宙に浮かんでは弾けて消えた




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